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[意外な表情──微笑みを向けられて戸惑う。
大きな手で鎖がするすると外されて行く。
戒められていた彼女自身の力で、どう足掻いても取り払う事が出来ない──聖銀の鎖を。]
(人影は少ない。)
(でも、外だ。)
(──衆人環視の元、彼に触れられる事には慣れて来てしまった。)
[目を閉じた瞬間に、クインジーは鎖を檻の外へ投げ捨てたらしい。
細い金属が地面に叩き付けられる音に、すぐに目を見開く。
鎖が無くなる事で、格段に自由になった彼女は、両手を付いて僅かに後ずさる。]
[檻の前から距離をとったその時、何かが聞こえた気がした。]
ん、あれは何の声なんだろう…?
[もしかしたら、誰かの叫び声ではないかと感じ取る。]
――それでな……
[掠れた小さな声。
一瞬だけ、周囲の視線を伺う。
セシリアから視線を外さないように、ゆっくりと首から提げている紐をたぐる。その先には、鍵がぶら下がっている。]
鍵はある。
衛士の目を誤魔化してすり替えた。
[だが、これは第二の欺瞞だ。鍵は、同じくそれらしいものを道具箱の中から持ってきたにすぎない。
そして、聖銀の手枷を外し、代わりに革の手枷をかける]
――真実と引き替えにこの鍵を。
そして、そのような彼らに憤り、侮蔑を感じる時、同時に自分の罪の大きさに恐れ戦きます。
私が明日の糧の心配をすることのない身分に生まれ、十分な教育を受けることが出来たのは、主がそのように私をお作り下さり、祈る者としての運命をお与え下さったからです。
私は主が下された恩寵により、他の者が耐え難いと感じる苦痛も忍ぶことが出来ますし、大勢の兄弟が苦しむ肉欲にも悩まされることなく過ごすことが出来ました。
その私が謙遜の美徳を忘れ、兄弟に対して憤り侮るとすれば主の御怒りは如何ばかりでしょう。
…此処でカミーラの名前を言えと?
[早口で囁く様に人の言葉で話す。
それとも出鱈目に誰かの名を挙げろと──。
彼が彼女を裏切る事が無い様に、彼女が彼の名を口にする事はありえない──。]
[教会にウェンディが到着した頃には、既に建物は焼け落ち、炎の勢いもほぼ止み、所々で黒煙がくすぶる程度に収まっていた。息を飲みそうになるウェンディ。炎が人の力を離れ、荒れ狂うのを見るのは初めてだったからだ。
ウェンディは周囲の人を掴まえて聞いてみた。]
神父様、神父様はどうなったんですか!?無事なの?
[大人たちの袖を引っ張っても、色よい返事は聞くことができない。
瓦礫に入ってよいものだろうか。慎重を期せば、問題ない、とは思うのだが。]
「あァ、あれは旅の―――カミーラさまァ!……ぐゥ。」
[ネリーは、カミーラへ助けの声を上げたが、大きく前後に振っていた手首を掴まれ、押し倒された。ずるりと、ネリーの背に雨で塗れた地面の感触。]
「大人しくしやがれ。この雌犬!」
「嫌だァ!オレは何もしてねェ――何でオレが村の皆に殴られなきゃァならンのですかァ!」
[顔を殴られ、甲高い声で悲鳴を上げる。逃げようとしたネリーの服を掴んだ事で、服が破れ扇情的だ。彼らは欲情を滾らせるが、状況を見ていた後ろの男――ナイフを持った――がそれを止めた。]
――教会前――
[ジェーンをアーチボルト家に送り届けたヴィンセントは、司祭に会うべく教会に向かった。
セシリアが人狼だと知り、ノーマンの本性を見てしまった今、自分がノーマンに協力して何をしてしまったのか、司祭に告白し、これ以上の混乱が広がらないよう協力を請うべきだろうと考えたのだ。
しかし聖堂はその時すでに、焼け落ちてしまっていた。
集まった村人の話から、その中に司祭がいたのだと知れた。
火の手が回った時にはもう死んでいたのを見たと、興奮気味に話す者もいた。
雨に打たれてくすぶる残骸の下に、司祭も村長の死体も埋もれてしまったのだろうか。
村長の死が不審なものだった事など、もはやどうでもいいことのように思えて、ヴィンセントはしばらく放心した。]
鍵は、夜までこっそり隠しておけばいい。
暗くなって人目につかなくなったら逃げられるだろう。
俺は、残りの人狼さえ刈れれば満足だ。
真実、あと二匹の人狼がいるなら――その名と引き替えにお前は自由を手にできる。
[これは賭だ。
もし、彼女が人狼ではなく唯に少女であるならば、鍵が手に入ったとて、そもそも革とはいえ手枷足枷がついている状態で逃げられるとは夢にも思うまい。
つまり、そもそもこの提案に乗る筈もない。
だが、人狼であれば多少なりとも何らかの反応を示すか――
――あるいはこの状態を好機ととるか]
[聖銀の拘束が全て解かれ、革の拘束具に替えられた事で、手首や足首の痛々しい鬱血が、ゆっくりと消え始める。体内を血が正常に近い形で循環し、肌の色が真珠の様な輝きを帯びる。
彼女は、クインジーの顔を黄金色の目で凝視したまま、てのひらをぎゅっと握りしめた。]
[周囲の人々はこの紅蓮の炎を『神様がお怒りになった』『人狼の呪いだ』と口々に根も歯もなく言うが、ウェンディにとってそんな事はどうでもよかった。
雨がしきりに降ったのが幸いしたのか、教会を覆った火は比較的早く静まり、建物から発し続けていた熱も収り、ほぼなくなった。]
神父様。どうか逃げてくれていますように。
[神父様は何か手がかりになるようなものを教会内に残していたかもしれない。ウェンディは意を決し、瓦礫の中に入り込んだ。]
[カミーラは今の所、ナイフや銀製品等の手荷物を持っている。万が一に備えての事である。だが、身体の調子はまだ良くない。
少しして、先程聞いた声の正体が明らかになる。
その正体とは、住人達に押し倒されて暴行を受けているネリーの悲鳴であった。]
[男はつかつかと近寄り、ネリーの肩を引き寄せて半身を起こさせると
――殴った。
拳骨が減り込み、ネリーは倒れる。男は、グレン―セシリアにナイフを投げた―だった。]
「うるせェ。虻みたいに喚きやがって。
おいお前、――人狼だな。人狼だろ。」
[グレンは断定的口調で吐き捨て、ネリーを見つめる。]
「お前、前から女でも臭かったしよ。」
[別の男が嘲笑するが、グレンは片手でそれを制した。]
「お前らによって、この村は滅茶苦茶だ。家畜を奪い、作物を奪い、肉親を奪い、奪い続けるお前達は、―― 悪魔なんだよ。」
[再度、殴る。目の前のネリーを女とも見なしていない。]
[手枷を革に変え、触れていた手首が瑞々しい色を取り戻した。
クインジーはその光景を目の当たりしてもなお、信じられない思いでいる。
目の錯覚ではないかと眉を蹙めた。]
――教会――
[ウェンディは両親に連れられて毎週のように教会を訪れていた。
教会の中に入っても内部のレイアウトを知っている部分は一部であったが、それでも慣れと予想を組み合わせて神父様のおられそうな部屋に当てをつけ、瓦礫の凹凸を進み、神父様の部屋と思しき場所付近へ移動する。
小さな聖像などが無残な姿を晒しているのを見てウェンディは心配の念に駆られる。]
神父様はいないのかな。無事だといいのだけど。
[カミーラは、あえて武装はせずに、話を聞くために住民達とネリーの所へ近づく。]
何かあったのかはよく分からないが、
これは一体、どういうことなんだ…!?
[問いを一つ投げかける。]
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