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―由良自室
[知って居る。
枚坂の言葉に、翠は笑みのような、悲しげな表情を浮かべた]
私は少しの力があるだけ……。
渦中の人は、全て等しく重いのでしょう。
此所に居るのは
きっと偶然ではない……。
[望月にもう後戻りは出来ないと
熱っぽく語る江原を流し見た]
[仁科の言葉に、目の前の白い貌は、さも面白そうにけらけらと嗤った。]
私が貴方を殺すですって?
[その羽ばたく様な嗤い音が、金属的な残響を残して赫く玄い闇に谺した。]
[枚坂の言葉に、怒鳴り声を上げる。]
日和ったか軟弱者めッ!
[静かな修羅が、まことの修羅に。]
そのような気概では、平和は成し遂げられぬ。
無実で死したジェイク君も浮かばれぬぞッ!
──使用人の部屋──
[同三階の客室のそれと比べると、矢張り質素である。
──天賀谷私室にて。
さつきが話があるからと告げた事により、夜桜は、仁科の手を煩わせずに部屋に帰ろうかとも思ったが、二人の会話に凝っと耳を傾けてしまっていた。
話が一段落し、仁科と別の使用人の手を借りて、使用人室へと一旦、戻る。
甲斐甲斐しく世話をやく仁科。
黒い髪が湿り気を帯び、血の匂いが顔より祓われてゆく。湯の温かさに筋肉が弛緩した。
仁科が風呂場へ行くと、夜桜は血に染まった服を脱いだ。胸元に彫られた刺青が露となる。]
翠さん、私は貴女のように屍鬼と対峙するために霊を見る力なんて持ち合わせていない。
だから、君が本当に霊を見れるというなら、その力を頼みとするしかないんだ。
いや、私だけじゃない。
他の皆だってそうだろう。
――しかも、それだけじゃない。
君の力を邪魔に思って屍鬼が君を襲おうとするかもしれない。
私は君を信じようと思っているが、君の力を偽者呼ばわりする者だって現れるかもしれない。
君はその運命を……
「全て等しく重い」なんて――
受け入れられるのか!?
「彼岸を、見ました」
[その言葉の意味に気づいたのは枚坂の言葉を聞いた大分あとだった]
『……霊視?』
[江原の声がする。己の名を呼ばれてのろのろと顔を上げる]
[江原の言葉に混乱しながらも、言葉を返す]
軟弱だって!?
私はいい迷惑だ。
君のように嬉々として戦場に向かえるものか。
此処は戦場じゃないんだ。
よく考えてみろ!
こんなのは、くだらない天賀谷さんの悪ふざけだ!!
血道をあげて頑張って挑めって、無茶な話さ!
「後戻りは出来ない」
[そんな声が、望月の自我を覚醒させていく]
江原さん。俺に、獣になれというのかあんたは。
そのためになら自分を殺してもいいと。
[カタカタ。胸の奥で揺らぐ音はなんだろう?]
[枚坂に、胸を突き出すように。
そして足元にナイフを転がす。]
貴様も直にわかる。善なる野生へと回帰する感覚がッ!
足りぬならば、私で満たせ。
ここにいるのは、オキナワ戦の英雄ではない。
ただの1人の手負いの男だッ!恐れるなッ!
[ナイフを投げた時、ひらりと星条旗が。
赤黒いしみでR.I.P.と書いてある。
江原の左の二の腕にも同色のしみ。
それは興奮の度合いにあわせて広がり滴る。]
[翠の方にも]
君も同じだ。野生が足りなくば、私で満たせッ!
もうここは戦場なんだッ!そのような気概でどう敵を討つか。
1人でも、目覚めらば私は本望だ。
そのために死しても、それは私の宿命だッ!
[左腕を力なく垂らし、唸る。]
──使用人の部屋──
[──蜂。]
[柔らかい女の匂い]
[乳房に誘われるように彫られていた]
[右手で左肩の包帯を軽く触る]
[かさりとしたような、だがやわらかい、独特の感触が伝わる]
なぜだ!
なぜ命を投げだそうとする――
[江原の言葉も、その行動も信じられなかった。
足下のナイフを忌避するように、ジリジリと後ずさりながら、髪を掻きむしった。]
君はおかしい!
変だ。
すごく変だ。
なにかが間違っている。
[私が此処に居ることも、目の前の青年に突然覚悟を突きつけられたことも、なにもかもが間違ったことなんだと、私はただその運命から目を背けたかっただけなのかもしれなかったが。]
──使用人の部屋──
[夜桜は、立ち上がると、
自分の荷物から無染の白い着物をとりだした──。]
[肌着──襦袢を手早く身につけ、着物を着付ける。]
[丁度、そこへ仁科が戻ってくる]
―由良の部屋―
「渦中の人は、全て等しく重いのでしょう」
[翠の言葉に由良と殺しあうことになった理由を思い出す]
……由良、さんは。
あの人もその重みを負おうとしたんだ。俺の傷を見ただろう、先生。あれは、あの人が俺の心臓を狙った一撃だった。
あの人は俺を屍鬼と思い、命を懸けて戦ったんだ。
[それが、由良の勇気。そのことだけは忘れてはならないと思っていた。望月は由良が翠に告げた言葉を知りはしなかったけれど]
……私は革命家。そして軍人。
革命、護りたい者を護る。
それは、命を賭してこそ。
そのような気概あってこそ成り立つもの。
[大きく肩で息。]
ならば、どうして死を恐れようか……。
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