情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
『夜桜さんは助かったから良いけれど、また違う誰かが疑心暗鬼に駆られて、同じ様なことをしないとも限らない。その時は助からないかも知れない。
屍鬼でもないのに、疑われて、』
[それ以上は考えるだに恐ろしい、と頭の中で打ち消した。]
─3階・天賀谷の寝室(現在)─
『死ぬのは嫌。』
『殺されるのは嫌。』
『醜いのは嫌。』
[そう考えていた正にその時、来海が喚き散らしながら現れ、枚坂医師に食って掛かり始めた。さつきの連れてきた音楽教師とか云う男とも言い争っている。
それを見た碧子の顔に、不快の色が露わに浮かんだが、それも、藤峰が帰って来るまでの事。
望月が由良と云う男を殺してしまったと聞くに及んで、さっと白い顔に戦慄が走った。
唯でさえ透き通る様に白い面が、血の気を失って蒼白く変わる。]
『さっき首を抱えていた、あの人。』
─天賀谷の寝室─
[微かに震えて、雲井の腕を抱く碧子の頭上に、赫い渦が生じる。
それは黒の色彩を加え、やがては白も入り混じり、徐々にひとつの形を形作っていく。
と同時に、碧子の存在感が次第に薄れていき、薄黒い翳りに覆われていく。
やがて、頭上の渦が黒髪を靡かせた女の白い貌へと完全に変化し終わる頃には、碧子の全身はうっすらと透けて見える半透明の黒い影へと変わっていた。
そしてその代わりに、宙に浮かぶ白い貌は凄艶な艶を滲ませて、生き生きと輝いた。]
[白い貌は半眼に目を見開いて、室内に居る人間達を睥睨する。
いきなり出現したこの怪異にも、やはり人々は注意を払わない。其処には存在していない物、として全員が見もしなければ、感じもしない。
影の様になってしまった碧子でさえも気が付かず、雲井は顔色ひとつ変えずに側に居る。
紅い唇が開き、白炎と共に言葉を吐き出す。]
あの子に向かう筈が、何故だかあの女に引き寄せられた。
わたしが開こうとした道は開かず、あの女へと逸れて、その道もまた。
あれは──…
―外庭→屋敷へ―
[翠は壁に手をつきながら、歩いていた。
既に飽和するほど血を吸った絨毯を踏みしめる。唇を噛んだ。]
『……何て、甘い―――決意なの』
[憎いと思った。
遣える主を殺した屍鬼が憎いと思った。
だから、刀を振るおうと思ったのに。]
――私は。
[だが現実はどうだ。
人が、人を殺した。死んだ。
その現実に打ちのめされて、体が重い。]
殺さないと、わからない……。
[どこか虚ろに呟き、それでも刀は離さない。]
[遠い昔、仲間と初めて出会った時の事。
“こちら”と“あちら”を繋ぐ道は、近ければ干渉しあって一つになる……
狙った獲物と違う方へと引き寄せられる事もある。]
誰ぞ居るのか──……
此処に、
わたしのほかに。
[その瞳が更に細められ、何かに集中する顔付きとなった。
唇を窄め、細い細い息を吐けば、それは白い靄となって流れて漂う。白い靄は網の様に拡がって部屋中を満たしていく。室内のあらゆるものはその触手じみた靄の探索を逃れることは出来なかった。……天賀谷の書付も。
靄の網はまた階下へも拡がり、血文字の描かれた壁を舐める様に撫でた。]
―由良の部屋―
[心臓の真上の皮膚から血がじわじわ滲んでくる。]
由良は、俺を殺そうと胸を…。
[心臓を狙っていた?
屍鬼は首を斬られるか、心臓を貫けば死ぬ、と]
あ、あ、あ…!
[…気が付いた。由良は望月をこそ屍鬼と考えたのだと]
では、俺たちはお互いを疑いあって…!?
[由良が屍鬼ならば求めるは屍肉のはず。屍鬼を殺しても何の益もない]
由良、…由良、さん。
[呻く声に応えはない]
[その瞳がカッと見開かれた。]
…──見つけた。
[ぎらぎらと歓喜の色を湛えた黒い瞳が、暗黒の光を放つ。
黒い髪を蛇の様にのた打たせ、白い貌はニィと形の良い唇の両端を持ち上げて哂った。]
「望月さまが問い詰めた」
「でも掴み掛かったのは由良さまだ」
「だからって刀まで抜かなくても」
[はじめから目撃していた使用人たちのそんな囁きが聞こえてくる。]
ゆら、さ、ん。
[声に答えることもできぬまま、血に染まって立ちつくしている]
……伝えない、と。
[独白。
由良は違った。
由良は。]
―――ッ……!
[声にならない声を上げ、
翠は自分の胸元を握り締めた。]
―三階へ―
―三階、天賀谷自室―
[声が聞こえた。
喧騒、怒声、或いは恐怖の。
翠は藤峰の姿を見つけると、ついとその服の裾を引いた。]
違った。
[翠のか細い声が彼岸の声を伝える。]
……由良様は
……違った。
[ゆるゆると首を振った。
そうして、また歩き出す。由良の部屋へ。]
──死んでしまってからもここからは出られないのか。
すべてにけりがつくまで。
──屍鬼を殲滅するか、屍鬼に食い尽くされるまで──
[本来ならば、死んでしまっている以上天賀谷家を離れてしまうはずなのに、この場から去ることができない。
生ける者たちをぼんやりと眺めながら、こうなってしまった経緯を思い返す]
──三階・十三の寝室──
『血文字に刻まれた中で、誰かを殺すなら…。
──…さつき様。
否、あたしが愚かなだけか。』
一度思うとそうとしか…。
[金黒の両の目を見開いたまま、ぐるぐると思案する。
さつきを見送った。
──そして、ハッとした様に夜桜の傷口に視線を落とす。濡れた布越しに触れている其の肌は熱を孕んでしまって居るでは無いか。]
申し訳ない、夜桜さん。
使用人用の部屋へ…行きましょう。
真に安静にしなくては。
『其れにあたしも水でも浴びた方が良い。』
[翠は此処に居ない。
他の使用人を呼び寄せ、傷口に触らないように支えながら、*夜桜を運びだした*。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新