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[...は望月へはほんの一瞥をくれただけで、呆然と佇むのにも声をかけてやるでもなく、由良の部屋の扉へ歩を進めた。
出てしまう前にもう一度だけ動かぬ由良を振り返ってから――…天賀谷私室へ向かった]
翠さんは、本当に由良さんの魂を視ることができるだろうか…。
できるなら、せめて由良さんが屍鬼だったと言われれば…
[荷物を部屋まで運んだ時の、由良の丁寧に礼を言ってくれた顔は、どうしても屍鬼とは重ならない。
...は溜息と共に首を横に振ってから、天賀谷の私室への扉を開けた]
―三階・天賀谷私室へ―
[枚坂のほうを向き直ると来海は彼を睨みつけた。]
話だと、いいだろう。聞いてやろう。
ただ、その前に答えろ。
貴様は何のためにここにやって来た。
ただ、天賀谷に呼ばれたのか、
それとも何か用でもあったのか。
何だ、何が狙いだ。貴様何を企んでいるッ。
[喚き散らす老人を冷ややかに見やりつつも、柔和な笑みを浮かべて]
ああ、これはこれは先生……この状況ですか?
化け物が天賀谷翁を殺して、恐れを為した皆が殺し合っているのですよ。
まあ、これは未遂に終わりましたが、他の部屋では何を為さっているのか知りません。
そうそう、先生は疑いをかけられているうちの1人であることもご念頭に置かれた方が、何かと身の安全の上で宜しいかと存じます。
[そう語ると、慇懃に一礼]
来海さん、無論、私は天賀谷さんから招待状をもらったからここへ来たんだがね――
それ以外にも、美術品を受け渡す用事があったかな。
「なにを企んでいる」だなんて、随分人聞きが悪いな。
[私は来海の言葉に苦笑しながら言葉を返した。]
まあ、目的があってここへ来た、というなら来海さん、強引に押しかけてきたっていう貴方の方じゃないかな。
いや、まあ、そんなことはどうでもいいんだ。
―外庭、花蘇芳の下―
[花蘇芳を手に、白いレースを朱に染めて
翠は庭へと出た。
咲き誇る鮮やかな花の下で、
翠は空を仰いだ。]
……由良様……
[両手を差し伸べて、花蘇芳を掲げた。
翠は此処ではない何処かを覗き見る。
花が行く先。
彼岸に通じる
扉が]
―――ぁ
[シロタの挑戦的な物言いに不快感を露にしながら]
滅多な口をきくなよ、小僧。
化け物が天賀谷を殺しただと、まあいい。
とどのつまりお前は死にたいわけだろう。
殺し合うというのなら、俺は殺される前に殺す。
俺を疑いたいのなら、本当に殺してやるよ。
これで満足か。よかったな。
二度と妙な気は起こさんで済むだろうよ。
―天賀谷私室―
[...は今の自分の手には重過ぎるというとでも言うかのように、ゴトリと拳銃を天賀谷のベッド横にあるサイドテーブルへと置く。
――空の一輪差しが目に入る。
翠が手にしていたように、短く一枝だけ持ってきていた花蘇芳をそこへ挿した]
…うるさいな。客気取りでいつまでも偉そうに。
[長く姿を見なかった来海が騒いでいる様子に、冷たくそう吐く]
天賀谷様はもう居られないし…それに。
[来海に慇懃に返事をしていたシロタの声を、肯定するかのように頷いて]
それに――…また一人、死んだって言うのに。
夜桜さんの言う通りだった…望月さんに行かせちゃあ、駄目だったんだ。
由良さんを望月さんは殺してしまった…翠さんも俺も、止められなかった。
全部終ったあと、翠さんは言ったよ。
自分はレイシができる者だって。
だから今、由良さんの魂を視に行ってる。
彼女が本物で――由良さんが屍鬼だったことを祈りたい。
[眼が見開かれ
ほろほろと泪が零れた。]
―――由良様。
[嗚呼、彼岸の淵、
彼の人は立っている。
肩代わりを―――そう謂った、
あのときの表情が浮かんだ。
ひとのすがたをしていた。]
……屍鬼では―――ない。
なかったのですね……。
……もう、
あの言葉の意味を聞くことは……出来ない。
[それだけ謂うと、膝を折り、
*花を仰ぎ見たまま泪を流した*]
いやはや、剣呑だね。
殺すってどうやってだい?
来海さん、まさかあなたも用意周到に武器を用立ててたりはしないだろうね。
[私は来海の腕を引いたまま、部屋の外へと誘導する。]
来海さん、貴方は覚えていないかも知れないが、私は一度政治家たちのパーティで貴方を見たことがあるんだ。
私も、何人か政治家の知り合いがいてね。
政治にはあまり関心がない――そう云ってしまうと貴方には悪いが、あまり気乗りがしないままつきあいでその席に居たんだよ。
[簡単に出会った時の世間話をする。その後、私が見聞きした別荘の中での事件の経緯を事細かに説明していった。]
[声を低める。]
来海さん、正直なところ、私は途方に暮れているんだ。
誰が屍鬼かなんてさっぱりわかりやしない。
かといって、わからないなりにめくら滅法、会った人たちを手にかけていきゃぁ屍鬼に当たるなんてのも、随分気の滅入る話だよ。
誰が屍鬼かなんてわかりゃしないんだが――
貴方が云うように、貴方は比較的まともな人に見えるんだ。
なんていうのかな……
武器を用意していたり、荒事の鍛錬を受けたような人と違ってね。こう云っちゃあ失礼だが、貴方はひどく俗っぽく見える。
だから、今のところだが……まだ少しはまともな話ができる人に見えるんだよ。
[威圧的な老人の剣幕に肩を竦めて]
いやはや、これは失礼致しました。
私としては、来海先生の身を案じて申し上げたのですが……私とて死にたくはありませんからね。
ですが、殺される前に殺すとはなかなか穏やかではありませんね。
さすが、豪腕で名を知られる先生だけのことはございます。
私は荒事には全く適さぬ一介の楽師ですので、自らの身をせいぜい守らせて戴きとうございます……剣呑剣呑……
[そう言って頭を振ると、「望月さんが人を殺した」という言葉が耳に入り、一瞬絶句するも]
――だ、そうですよ。
私も寝首を掻かれぬ様にしたいですな。
それでは、失礼致します。
[そう言って、深々と一礼すると*自らの客間へ*]
……このような俗物は最も好かんな。
どうやら他の連中からも鼻つまみにされているようだし、せいぜい利用させてもらうか……
まあ、青筋を立てておくがいいさ。棺桶に入るのが少々早まるだけだ、ご老人。
だから、今のところは私は貴方に手を出すつもりはないってことは伝えておこうと思ってね。
貴方が屍鬼探しをするために力がいるっていうなら、相手によっては私が手を貸そう。無論、私を屍鬼だって思うならこんな話は成り立たないだろうがね。
袖にするのはかまわないが、これだけなら、貴方にとって悪い話じゃないだろう?
考えておいてくれ――。
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ヒラサカとか言ったか。貴様が興亜会のメンバーだったとは意外だな。軍需省に知己でもいたのか。あの会に顔を出していた人間ならすべて覚えていると思ったんだが…… まあいい。
俺がマトモと言ったか。
そうだろうともよ。よくよく考えてみろ。
天賀谷が殺される理由なんてものはな、
カネしかないんだ。他に何がある。
俺は奴に死なれては困った。
今となっては甲斐の無いことだがな。
あいつが死んで誰かが利益を得たはずだろう。
ソイツだ。ソイツが天賀谷を殺したんだ。
死人が生き返るだと……
俺は、俺は信じんぞ……
[死んだ智恵の目がこちらをじっと見つめる姿を来海は必死で記憶から消し去ろうとした。]
[「――興亜会」 そこでなにがあったかを覚えている筈もなかった。私は政治に露ほどの関心があったわけではないのだから。
私に必要だったのは医薬品の許認可や医療法制についての政治家の便宜に他ならなかったからだ。
だから、「覚えているか」というと曖昧に返事を返す他なかった。]
来海さん、貴方もひょっとすると――
なにかを“見た”んですか?
[どこか怯えたように聞こえたその言葉の響きに、思わず問いかける。]
死人が人を殺すだと。
死人を殺すために、人間が人間を殺しただと。
面白い。ああ、いいとも。
せいぜい盛大にやってくれ。
ただし、俺に指一本足りとでも、
触れてみろ…… 殺してやる……
[来海は自分に言い聞かせるようにつぶやいた]
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