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[また、えらく庶民とはかけ離れた特典だな、とケネスは思った。]
んー、そうだな。またの機会にするわ、ごめんなー。
でもきっと君なら、新しく取ってくれる人もいるよ。
[ケネスはそう言いながら、やや強引且つ、にこやかにドアを閉める。
閉めた後、ドアの脇に立ち、しばし外の様子に耳を傾けた。]
……。
[目の前で閉められた扉。
自分の魅了が及ばない髭もじゃマスターの様子に、きっと彼は同性愛者なのだと、シャルロットは確信した。]
判りました。……また来ますわ。
[そう小さく呟き、闘志にメラメラと燃える瞳を輝かせながら階段を下りた。その耳には如何なる物音も*聞こえなかった*]
一瞬、クラッと来ちまった。
いやー危ねー危ねー。年下好みなら参ってたかもな。
[扉の傍で耳を澄ましていると、彼女は階段を下りて去っていったようだ。
ケネスは、曲がった煙草を取り出すと火をつける。]
勧誘に熱心そうな割には、他の部屋へは回らないのね……。
さーて、どうすっかな。
[情報収集が苦手なケネスにとって、自分の身が危険ではあるが、向こうから行動を起こしてくれるのはありがたい事だ。]
あれがもし敵なら、かなり危険だがチャンスか……?
[ケネスは帽子とコートを掴むと、やや顔が隠れるように帽子をかぶり、宗冬をそのままにして、気づかれないよう、女の後を*追う事にした。*]
―昼・住宅街―
[ようやく動けるほどに魔力が回復したので、仕事場に顔を出すことにした。
住宅街を歩いていると、前方に見覚えのある女性の姿を見つける。]
……あーっ、マリアちゃ……ん……。
[普段の穏やかな表情からは想像もつかないような表情。
その双眸に宿る感情に気圧されて、声をかけるのが躊躇われた。]
こ、……これが、サーヴァントの迫力なのね……。
[そのまま静かにマリアを見送ったあと、今度は右手首にちくりと痛みが走る。]
また……腱鞘炎はやっかいだわ。
ついでだから外科の先生に診てもらおうかしら。
[右手首をさすりながら病院への道を急いだ*]
投票を委任します。
踊り子 キャロルは、メイド セリア に投票を委任しました。
踊り子 キャロルが「時間を進める」を選択しました。
― 商店街・昼 ―
[後をつけていた時、令呪が反応するのに気づく、周りを見ると、つけている女に声をかけようとして、去って行った人物に気がついた。]
あいつ、もしかしてマスターか?……
[周りには人が多く、確定したわけでは無いが顔を覚えておく。]
彼女が仮にサーヴァントでも、マスターに会った時に人通りが多けりゃ大丈夫だよな……。
逆にいえば、人通りの無い所までつけるのは危険か。
令呪が反応して、その場に俺しかいないってのは避けたいぜ。
[もし人気のないところに入ったら撤退しよう。
ケネスは*そう思っていた。*]
‐自宅・昼‐
いるかぁぁぁぁ!ボケマスターぁぁぁ!
[帰るなり叫ぶキャスター。理由はもちろん、"自分の知らない間に敵の拠点へといった"事である。
当然、マスターの迂闊さ加減と共に怒り心頭だ。どうもマリアが傍にいたようだし、結果的には無事と言う話だが、それでももし一人なら結果が違った可能性は十分あるだろう。
そりゃもうお説教タイム確定である…が。]
あー!あのボケ一人で勝手に出かけやがったな!?
[家の中はもぬけの殻、寝ていたはずのマスターの気配は無かったのである。]
……OKクールだ、クールになれ俺。
俺はスペシャルなナイスガイだ、この程度で取り乱すんじゃない。
[とりあえずキレても解決しない為、落ち着きを取り戻そうとするキャスター。
…そのうち素数を数えだしそうだが。
とりあえずマスターを探しに行くにしても川原以外だとそれなりの準備がいると思い、部屋を荒らして自分が今必要としているものを探し始めた。]
[結果的に、見つけたのは雨合羽と大きいリュックサックだった。
その後、不燃物のゴミ袋から大きいペットボトルを何本も取り出し水を詰める。]
よし、とりあえずこれぐらいあれば何とかなるだろ…。
[キャスターはペットボトルを限界までリュックに詰めると、水道の水を出しっぱなしにする。
その流れる水はキャスターの手の動きに呼応し、ゆっくりと人型となった。
それに雨合羽を着せ、リュックを持たせる。]
準備万端、備えあれば憂いなし!
ついでに荒れた部屋の掃除はマスターにさせる!俺は知らん!
[キャスターは水の人形を連れて*外へと出て行った。*]
投票を委任します。
隠者 モーガンは、メイド セリア に投票を委任しました。
隠者 モーガンが「時間を進める」を選択しました。
投票を委任します。
酒場の看板娘 ローズマリーは、メイド セリア に投票を委任しました。
[後をつけていたケネスに、見知らぬ声が響いてくる。
「樹那森林公園で、真正面からやり合おう」そんな内容の声だった。
それが不特定多数に向けた、魔術によるものだと気づく。]
魔術か……いろいろあるもんだな。
罠じゃないにしても、魔術師1人で待ってるわけないし、今俺1人で足を運ぶわけにはいかないか。
[ケネスは、とりあえずその声を*覚えておく事にした。*]
―― 2day・昼・病院屋上 ――
[早朝、久子に気づかれぬように教会から戻ったランサーは、久子に「しばらく単独行動がしたい。」と書き置きを残し、樹那町に出ていた。
レイラインが繋がっている久子には、ランサーの魔力の量が、魔術師一人が供給するよりも充溢している事に気づいている事だろう。
いや、そもそも……久子の体質は、外部、周辺からの影響、「魔術の影響」を強く受けやすい。護符で霊にとり付かれないようにしているのがその証拠だ。
レイラインで繋がったサーヴァントの事など、「それが何なのか」分からなくても、手に取るように分かっているかもしれない。
今、ランサーは病院屋上に居る。下界に見える人々は、笑い怒り嘆き……何時の世でも変わらない。]
[ついと虚空に目を向ける。]
ライダーのマスターの声。
ヒサコが拠点としている場を選んだのはわざとか偶然か。……。真正面からというのは悪くない。
[ランサーは思案した。視線を再度下げる。]
……あれは。
キャスターのマスター?
[病院に近づいてくる女性の姿は見た事がある*姿だった。*]
[家の掃除をしながら、シャルロットを待つ。時々迎えに行きたくもなったが、思い直し、別のことに意識を集中しようと、掃除を始めたようだ]
さっきの声……どこかで聞いたことがあるけど、どこだったか。
[聞こえてきた声が魔術によるものだと言うことはわかったが、あからさまに罠すぎることもあり、シャルロットが帰ってきてから相談しようと決める]
[掃除を半分ほど済ませたところで、ソファに座る。電話機横のメモ帳を一枚破り、そこにサーヴァントを書き出していく]
『セイバー・沖田総司。マスター不明。
バーサーカー・柳生宗冬。マスター30代くらいの男
ランサー・シヴァの槍を使う英霊。マスター不明
ライダー・アーチャー不明
キャスター・英霊不明。マスター新条美貴
「魔女の舘」店主・マスター(サーヴァント名はリチャード』
魔女の舘は近所の人に聞けば名前くらいはわかるだろう。
……リチャード、か。シャルロットとキャスターはリチャード1世だと思ってるようだけど、それならばもっと力を感じてもいいはず。
他のリチャードを当たって見たいところだけど、範囲が広すぎるな……。
― 学校付近・テニスコート ―
[ 学校が何ブロックにあったか忘れた。ごめん。
ともかく、学校傍にあるテニススクールが久仁彦の職場である。
曜日・時間的にスクールが開催されているわけではないが、テニスコート自体は基本的に日中解放しているし、個人的に習いにくる者もいる。
まあ暇な時間ではあるが、コートを開けないわけにもいかんと思ってきてみたらなんとも奇妙な事態になってしまった。]
いやはや、まさか道場破りとはね。
[ 呆れながらも挑戦は受ける。ルールはシングル3セットマッチ。分身したり隕石降らせて恐竜絶滅させたりはなし。]
じゃ、はじめようか。
[ 面倒臭そうにいうと、久仁彦は*ラケットを回した*]
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