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[ざわめいている村人の中から、声が漏れる]
「あァ……そういやミッキーはよくセシリアにつきまとっていたんじゃねェかぁ?」
「でもあいつ、そんなことする勇気があったっけなあ……」
[しかし、当日確かにミッキーをアーチボルド家周辺で見かけたとの証言者が出た。
ミッキーは突如、自分自身に衆目が集まったことに、動揺しブルブルと震えていた。
その巨体からは粘りっけのある汗がしみ出し、衣服に黒々とした染みを作ってゆく]
「おい、ならナイフを出させてみようぜ。」
「ンな事させてどうなる。見分けがつくとでも?」
「チッ、どっちにしろ――」
[ざわざわと尚村人達は話し合う。]
[ネリーはポケットの中からハンカチ――というより、ボロ布に近いか――を取り出し、地面に横たえたカミーラの額に浮いた汗を拭いている。]
なんだろぅなァ……こンお方は?
この狼っ子をいきなり斬りつけたりしてよ……あぶねェお方だのぅ……
[意識を失ってもなおビリビリと伝わる、その娘の殺気に、ネリーはぶるると震え上がった。]
牧師 ルーサーは、逃亡者 カミーラ を投票先に選びました。
そのナイフはどこにあるだろうか。
[クインジーは証拠物件となるナイフの所在を訊ねた。
それはジェーンが疵を訴え出た折、証拠物として提出されたもので、果たして詰め所にて管理されていた。
アーヴァインはそれがミッキーの所有物であることを知らなかったようである。知っていたなら、或いは処分されていたかもしれない。]
つまりよォ。
狼っ子の話ってェのは、ホントのことってことかェ……?
……こンお方の、あの怖ェ表情……
嘘、じゃねェ………
―檻前―
[そのとき、ノーマンの指示を受け粉屋の
捜査に行っていた自警団員が駆け付ける。]
「ノーマン様は……いらっしゃいませんか?」
[彼が不在なのを知ると、クインジーに
麻袋を手渡す。中には血痕のついた服。
サイズから考えて、ミッキーの物のようだ。]
「ノーマン様の指示で、粉屋を探したところ
床下からこのようなものが。」
[ミッキーはその種の特殊な所有物を披瀝せずにはいられない性質の男だった。それを見たものは幾人かあっただろう。
ナイフが証拠として掲げられた時、聴衆の中からあっとかおお……と小さいながら反応があった。
それがミッキーの所有物であることは、どうやら疑い得ないようであった。]
「ちょ……」
[目を白黒させたミッキーはだが、突如感情を剥き出しにして居直った。]
「そそ、そいつが悪いんだ!」
[ミッキーは檻の中のセシリアを丸い指で指さす]
「せ、せすぃりあがぼくをいつもいやらしいめでみるんだ…… だから、ぼくはいつもちゃんとものをかんがえられなくなるんだ
じゃ、邪魅のちからっていうんだろ……
あ、あいつがまじょの証拠だ……」
[怒声とも同情ともつかぬ声で聴衆は波立った]
――詰め所内――
[ウェンディは単身、詰め所の中へ入った。この1日2日、彼女にとって全てがはじめてでまるで冒険のようだ。中に入ると負傷した兵士達が目につく。
ウェンディは言われた通りに布束などお受け取ると同時に、優しそうな兵士の一人がセシリアについていろいろ教えてくれる。]
えっ――? この人達、みんなセシリアお姉ちゃんがやったの?そんなあ。嘘に決まってるわ。
[半信半疑のまま、ウェンディは檻のほうへ踵を返した。]
「どっちにしろ――狼の母親の言う事じゃアねェか。」
[波立つ中、1人の若者がセシリアとジェーンへ、冷たい憎悪を向けた。その声は、冬の湖のようだった。]
「俺の兄貴は自警団に入っていた。そしてあの女に殺されかけた。――オイ皆!こんな話を信じるのかよォ!?」
[ヒュンと空を切る音。セシリアの腕に鋭い何かの煌きが一直線に吸い込まれていく。]
……わかった。どうやら、その証言は確かなようだ。
[クインジーはジェーンに頷いた。深い溜息を吐きながら、セシリア逮捕のそもそもの切欠であったその血痕に関する記述を横に線を引いて消す。
ミッキーの主張通り、セシリアが邪魅の術を行使したという条項は書き加えるべきなのだろう。法的な手続きに従うなら。クインジーは甚だ気の乗らない様子でその一文を書き加えた。
そこに、粉屋で発見されたという麻袋が届いた。]
……これは……なんの証拠だろうか。
[クインジーは届けにきた自警団員に問いかける]
[粉屋の息子がセシリアに邪まな想いを抱いていたのは村の誰もが知る事実だった。
なかなか興味深い展開になりつつあるようだが、兵士達の傷を見たルーサーにとってはたとえ最初の告発が誣告であろうと、「セシリア」が大の男を何人も殺傷したという事実は揺るがぬものだった。
気を失ったカミーラの傷口を押さえて様子を見ながら、目は檻の中の「セシリア」に*向いていた。*]
―檻前―
[檻前は騒然としている。]
なんだなんだ、どうしたんでぃ?
[人ごみの後ろで、様子を窺うようにしている。
彼の気配に気付いた数人の村人が、
悲鳴のような叫び声をあげた。]
人の顔見るなり悲鳴あげるたぁ失礼じゃあねえか?
──檻 ──
[カミーラは黒い影の様に動いた。
何時の間にか檻に入り込んだ動作から、彼女の村が人狼によって滅ぼされてから、カミーラがどのような生活を送って来たかが伺える。
セシリアの血が檻の中に飛散した。
少女らしく怯えて見えたセシリアの表情は自らの血飛沫の向う側で、また変化する。襲い来るカミーラ──ではなく、その武器が何であるかを見極める様に。]
(──どの様な銀だ。
秘蹟を行われた事のある物質なのか──。
聖性を帯びているか。只の銀か。
──帯びているとすればどの様に?)
…………………。
[カミーラのナイフは、セシリアの頬と耳元を薄く掠りそうになったが、実際は二の腕に一筋の傷がついたのみ。
振り回した刃の所為で、セシリアのやわらかな髪が檻の床にパラパラと散る。
セシリアはまた怯えた様にぎゅっと目を閉じ、高い声で悲鳴を上げる。台座に臥す様にして痛みと言うより殺意を向けられた事に衝撃を受けているかの様に見える。]
[クインジーに問われた自警団員は首を傾げる。]
「さぁ……ノーマン様に言われるままに、
探したところ出てきたものですから私にも。」
[ノーマンは、事情を詳しく説明して
いなかったようだ。]
「あと、敷地内から僅かながらこれが。」
[別の麻袋には、骨の一部のようなものが入っていた。]
…痛──ッく…ァ。
(酷い──…血の匂いが染み付いたナイフだ。)
(拭っても分かる。)
[セシリアは苦痛に身を屈めたままの姿勢で、檻から運び出されるカミーラに言った。]
…ッ…人殺し。
──滅びた村の仇のつもりで、人間を殺してきたんでしょう?
あなたこそ…人殺しじゃない…の?
――檻の前――
神父様。これでいいんですよね?
[ウェンディは神父様に頼まれたものを手渡した。小さな身体なので彼女にとっては少し大がかりな仕事だったかもしれない。そのままカミーラを見る。]
この人…どうしてこんな事を。セシリアお姉ちゃんが嫌いなのかな…
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