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ふふ…何故か貴方に対して、そのような事を心配してはいません。
それに、――……もう失うものはありませんから。
[ ジェーンは、もし宿坊に戻されていたのであればアーチボルトの家へ一人ででも戻ろうと思っていた。普段であれば数十分もあれば辿りつけるだろうが、現状では二時間近くかかったかもしれない。]
――貴女様に相応しい男が現れましょう。
[主の云うように、私は莫迦な男だった。
愚かな男は相応しくなかろう――と自嘲めいた苦笑が浮かんだ]
[それ以上、ウェンディが深く触れる事も無かったと言うのに、『彼女』は恍惚として、波に揺らされている。
檻からクインジーが出て行く足音を目を閉じて聞く。]
[針が引き抜かれる痛みに、また鋭い感覚が走り、夢から醒めた様に正気に返る。
ウェンディの小さな貌に、それでも焦点の合わない濡れた金色の目を向ける。幼い膝枕に、沈み込みそうな頭を委ね、口輪がはずされるに任せた。]
ッ──…んぁ。
[唾液がまた滴る。
ウェンディは、セシリアの答えよりも傷口を抉る事に興味が有るらしい。小鳥の様な声で一方的にセシリアに「愉しみ」について語り掛けると、ウェンディは檻から出て行った。]
へぇ……
[如何に聖職者であれ、己は最早男を感じさせぬほど俗世から隔たったのだろうか。そんなはずはないのだが――と思いながら、クインジーは荷車に担架を乗せ、歩み出す。
「失うものはない」という彼女の言葉に、表情は曇った。]
誰か手伝ってくれそうな人はいるのか?
[帰宅しても、食事や着替えの雑事は不足ないのだろうかと懸念しながら声をかける]
[コトコトと規則的な音を立てながら荷車が動き出す。]
貴方がノーマンのような男ではないことは、分かります……。
さぁ……どうでしょう。
[何処か思いつめた表情で、クインジーの問いに上の空で答える。食事、雑事、村の協力が望めるのか、――それすら、今は思いを馳せられないようだ。
道中、粉屋の女将とミッキーから罵倒を受けたが、唯、そよ風に乱れ髪を揺らされ空を見上げているだけで、応えようともしない。]
…ウェンディ。
おかしなコ──。
本当に、何を考えているの──。
[静かになった檻の中、天井を向いて横たわり、セシリアはゆっくりと息を吐いた。
針で刺された傷が、また再生し始める──熱が、今度は膝裏から這い上がって来る。その感覚に集中している間は、ジェーンをはじめ、あらゆる現実の事を*忘れられそうに思えた*。]
(それにしても、)
(私は、つまらない女だ──。)
(あの時、聖女になり損ねたまま──…。)
[いらえに対して、「…莫迦」ともう一度呟く。
やわらかな胸が小鳩の様に震える。
──空腹だけではない、飢え(かつえ)を感じた。
今、檻の中で横たわる『彼女』の白い頬は薔薇色に染まり、口唇はまるで誰かの接吻を待つ様に*薄く開かれている*。]
一つ、尋ねても宜しいかしら……。
[気紛れのように、声がかかる。]
クインジー、貴方はあの子(セシリア)に対して……そうね、何かをしたいという欲望はありますか?
教会のものとしてではなく。
文学少女 セシリアは、牧師 ルーサー を能力(襲う)の対象に選びました。
文学少女 セシリアは、ちんぴら ノーマン を投票先に選びました。
[「ノーマンのような男ではない――」という言葉には答えを返せずにいた。ただ、黙して空を仰ぐ。
かつて戦乱に呑まれ、異端審問が猖獗を極めたあの地で己が何をしてきたかを知ったなら、この女はどう思うであろうかと考えながら。]
……セシリアの私物をまた取りに行かせてもらうかもしれん。
[世話をする者に思い当たる節のない彼女の様子に、その折にでも食事を運ぶ機会があろうかと思っていた。]
んなぁ!?
[クインジーはジェーンからの問いかけに虚を突かれたように声を上げた。]
……なんだ、いきなり。
妙なことを聴くな……
[苦笑する]
……まあ、正体が人狼になりかわっちまったか元々狼かは知らねえが、仮にもあんたの娘だからな……心配にもなるだろうが。
客観的事実として、健全な男がなんらかの感情を持たずにはいられない程度には、あんたの娘は整った容姿ではあろうよ。
[セシリアにつきまとっていたミッキーの姿もまた、思い出された]
……貴方は教会の僕ですから…少し、気になっただけです。もし、貴方がそのような立場ではなく…また、セシリアがセシリアであり続けていたのなら、と―――
[「きっと疲れているのですね……」
そうジェーンは*区切った。*]
―アーチボルド家―
[アーチボルド家は村の中でも数少ない石造りの家であった。]
『「教会の僕」ねえ……』
[ジェーンから、ミッキーが敷地内に踏み込んだという経路やセシリアが怪我を負った現場の案内を受け、記録として残す己の役目に忠実でありながら、どこか「教会の僕」というその言葉を虚ろなものとして受けとめていた。
クインジーは修道会に飼われてはいるが、身分は在俗の水車番に過ぎない。この地で正式な聖職者となるには、過去の閲歴が重い枷となった。否、そうした役職につこうと努めたことすらなかったのだった。伝手があったから身を寄せたにすぎない。
クインジーは、信仰の道に何らかの希望を見いだす種類の人間ではなかった。]
[その自分が、なぜ“異端審問官”として名乗りを上げたのか。己の立場の皮肉に自嘲の笑みが浮かぶ。
信仰心とは無関係に、悪魔や魔女、人狼を見いだしそれを弾劾するすべを身につけていたからだ――意識の表層でそのような説明をつける。
――だが]
――――
誣告によって弾劾されたセシリア。
只管信じようとする母親――。
――そうだ、それらが、
なにもかもが――
屹度、腹立たしかったからだ――
――――
[神の名を聞いた乙女は魔女として焼かれた。それも、拷問吏たちによって代わる代わる陵辱されて。
処女は火刑に処することはできなかったからだ。
異教徒を狩る騎士は財を貯め込み、その財を目当てにした国王に異端者として狩られた。
狩る者が狩られる者に、それを狩る者がまた狩られ――]
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