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[セシリアが示すものから、すぐに眼を背けるる。]
なるほど。
痛みに涙を流していたのが、人間に紛れて暮すための演技なら、その方がましかもしれないな。君にとっては。
君が人間と同じように痛みを感じると思えば、連中はそれを利用するだけだろうから。
[ここでカミーラの意識が蘇り、徐々に回復していく。
但し、身体はまだ動かすことが殆ど出来ない。]
…ん?これは、一体…!?
[擦れた口調でぼやいた。]
カミーラ。
おしまいではない。始まりだ。
[檻の外、ほど近くにいる彼女に常の人間の耳には届かぬ音で声をかける]
私が斃れたあと、此処を出られるかはお主次第だぞ……
それなら、腕の方ももう無事だろうね。
[セシリアの様子に、襲われることはないと感じたのか、先程女に切り裂かれた服の肩口へ手を伸ばした。]
[目を覚ましたカミーラにちらりと視線を走らせる。]
気が付きましたか。
貴方は檻の中で気を失ったのですよ。全く無茶なことをするものです。
この娘が気絶した貴方の面倒をずっと見てくれていたのです。感謝することです。
投票を委任します。
資産家 ジェーンは、文学少女 セシリア に投票を委任しました。
[脈打つ激痛は、皮膚の再生と共に薄い痛みに変化する。
火傷と裂傷とは異なる再生によるエネルギー熱が、躯の内側から内腿を走る。セシリアの肌は全身が内側から発光している様に、白く輝く。頬にほんのりと色が差す。
クインジーの言葉に、一瞬だけ躊躇するように瞬きをした。]
「倒れたあと…」って、おい!
もしかして、今にも死にそうな状況なのか…!?
というより、そもそも誰だよ!?
[囁きの一つに、応答した。]
[また視線を檻に戻す。だが、今度は「セシリア」ではなくクインジーにはっきりと向けられている。]
……いや。私は確かに彼が焼けた鉄棒を掴むのを見た……
[表情を消したままに呟くその声は、無意識に洩れたものだろうか?]
[近くにいるルーサー及び、介抱してくれたネリーに目線がぶつかる。
その後、負傷箇所である二の腕を見てみると、包帯が巻かれてあった。]
そうか…そいつは、本当にすまなかった。
そして、ありがとう。
[謝罪と感謝の言葉を静かに述べる。]
[鉄棒を押しあてられた時には赤く爛れ無惨な疵となっていたそこに、桃色の皮膚が張り次第に元の形を取り戻しゆくにつれ、クインジーはそれを最後まで見届けるのを拒むように目を逸らしていた。
調書に落とした表情は窺い知れない]
愕いたな……
[呟きは動揺を現したものだっただろうか。ほんの僅かに上擦っていた]
大過ないのであれば、問題あるまい。
[セシリアの方を見ないように云った。利き腕ではない左腕で不器用に弄んでいた羽根ペンを置く]
今度からあれに近付く時は、誰かの立会いの下で行うことを勧めます。
先程、不用意に近付いた者が腕に食いつかれて怪我をしましたから。
……もっとも、貴方があの悪魔の仲間で助けに来たか、あれが仲間の名を白状するのを恐れて始末しに来た、というのならば別でしょうが……。
[カミーラに掛けた言葉は、食い入るようにクインジーの方を見詰めていた所為か、どこか上の空といった様子が感じられた。最後の一言は全く不用意と言えた。]
[痛みの感覚があるのか、それが演技であるのか。
僅かに首を傾けたのみで、ヴィンセントに答えなかった──。
腕の傷も──当然の様にすでに跡形もなく消えていた。
調書に記述する音が聞こえる。
ヴィンセントが診察を終えて檻を出て行く前にと、セシリアはやや早口で話す。]
以前は、ほんとうにお世話になりました。
貴重な小説本を、あなた自身の持ち物ではないのに、私が読める様にと手配を──。
夜に月明かりの下、夢中で本を読みすぎた所為で、目が悪くなってしまったのだと言う話は、母からお聞きになった事があったかしら。
[檻の外のジェーンに視線を送る。]
──…この眼鏡を、母に渡して下さい──。
[奇跡的に硝子の割れては居ない、薄汚れた眼鏡。
ヴィンセントも知る、セシリア・アーチボルドの形見の品を。]
それと、出来るならば。母を。
お願い出来ないでしょうか…。
私だ。
クインジー――目の前の赤毛の男だ。
[カミーラに返答する。]
私は異端審問官と名乗りを上げた。
「人を呪えば穴二つ」……と云ってな。
異端を狩る者は、長生きはできまいよ。
「斃れたあと」とは、そういうことだ。
[眼を瞬かせると、眼鏡を受け取った。
わずかな躇いの後に口を開く。
ほとんど口を動かさず、ささやくくらい小さな声で。]
憶えているかね?
私が最初に君と会った時の事を。
……君は、たぶん、十歳に届かなかった。
母上にと持ってきたヴェニス土産を、君はとても気に入って離さなかった。
[ガラスを貼った高価な鏡。
それを選んだ時の微かな慄きを、ヴィンセントは遠く思い返した。]
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