情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
ヴィンセント………ありがとう。
[その言葉は何に対してだったのか。
熱狂が冷えてゆく中、ヴィンセントの背へと、ジェーンは*呟いていた。*]
[セシリアの父親は領主である御料林官と接点があったことを思いだしていた。アーチボルド家には、知的階層に属する人間も出入りしていたのだろう。
ジェーンの言葉に、成程と頷く。
アーチボルド家が裕福であり、村の中でも目立ち得る立場にあったことがこの度の騒動の事由の一端であったことは確かなのだろう]
――檻――
[平板に作った声で静かに言う。]
痛むかね?
ヒヨスの薬しかないが。
ここでは氷も手に入らないだろうから、後は水だけだ。
[署名を終えたセシリアは、尋問台に躯を預ける様にして、正面を見ていた。神父の威厳ある声によって群衆が静まり行く中、母の言葉を、ヴィンセントの変化する表情を見つめていた。]
これで貴方がたにも悪魔の恐ろしさが分かったことでしょう……十分な備えなしに不用意に近付けばどのような目にあうか。
[群集に向かって滔々と語りかけ始めた時には、先程の激しい怒りはすっかり消え失せ、穏やかな表情に戻っていた。瞳には多少険しさはあるものの、常の神父の姿だった。]
この者は主の御心に背いた呪われた存在であることを自ら証明しました。
教会と国王陛下の定める法に則って正式な手続きの元にこの者は裁かれることでしょう。
貴方がたは即刻家に戻りなさい。
これ以上悪魔の側で貴方がたの魂と命を危険にしてはなりません。
[セシリアと視線を合わせないように、その傍らに屈む。]
それとも、何も処置しなくとも……問題ないのか?
……そうだとしても、外の連中は経過を知りたがるだろうな。
君が治療を望まないなら、君の首の鎖を思い切り引っ張ってもらっている間に、君の足を開かないといけなくなる。私の腕か首の安全のためにね。
[先程の、「セシリア」がノーマンの腕の肉を食い千切る衝撃的な光景を思い出して、村人達があたふたと去っていく。
それでもこれから何が起きるのか興味を捨て切れず、未練がましく詰め所入口の柵あたりでうろうろするものも居たが、ルーサーはそれは無視して背を向けた。
もう一度震えるネリーに抱きかかえられたカミーラのもとに近付き、膝をつく。
ウェンディの持って来てくれた鉢から軟膏を取って布に塗り、腕の切り傷にそれを貼り付けてから包帯を巻いた。]
[ヴィンセントが檻の中へ。
爛れた傷口は熱を持ち、激しく脈打っている。
火傷の上に再度、無理矢理棒をねじ込まれた事により、粘膜に裂傷がある。流れていた血はこの短時間ですでに止まっている様だ。
人狼とは言え、痛みそのものは人間が感じるものと然程、変わらない。ただ、痛み慣れている。]
──…痛み。
[首を横に振る。
「悪魔」と言う神父の声が響いている。
拘束されており、動き難い膝(無理矢理割られた為にガクガクとまだ震えている)を硬く閉じようとして──上手く行かず、半端に脚を開いた姿勢になる。やや、前傾姿勢の。]
ッ──いいえ、痛みませんから…。
治療なら要りません。
すぐに治ると最初に──あなたにだけは言ったはず。
…ヴィンセントさん。
あなたは、私を侮蔑しないのですか?
[セシリアが言葉を発する口元を、じっと見つめる。]
牙が、消えているな。
出し入れできるのか。
君が、アーヴァインの腕を喰ったんだ。
[負傷したカミーラの身体は、ネリーの介抱に加えてルーサーの治療を受けていた。意識が徐々に戻り始めていく。
だが、例の幻聴は相変わらず聞こえてくる。その上に狼の遠吠えも幻聴と重なるように響く。]
何だ、この感覚は。
よく分からないが、今聞こえてくる「声」が…急に心地よくなってきやがった…。
[こうしてカミーラは、聖とは魔逆の存在である「人狼」と化した。]
…私はもう、おしまいだな…。
[残念!カミーラの「旅」は、ここで終わってしまった!]
[薄く開かれた口唇。
白い歯が見えるが、確かにそこにあの鋭利な犬歯は無い。]
…そうでないと、人の間に潜んで暮らす事など出来ないではないですか。
[瞬き]
アーヴァインは、手枷によって出来た傷の位置が変化していると言いながら、夜中の尋問室に一人で入って来た…──。
死んで当然です。
[しかしそれ以上ネリーに声を掛けることはなく、目は檻へと向いた。
尋問台の「セシリア」、その前に屈みこんで話し掛けるギャドスン。そしてクインジー。]
先生が云うように、「外の連中は経過を知りたがってる」
[クインジーは嬲るように、拷問台に凭れたセシリアを見下ろしながら云った]
先生の署名の入った所見は証拠にもなるだろう。
治療を受けて貰おうか。
[ヴィンセントに無言で頷くと、セシリアは視線で、すでに爛れていたはずの──場所。薄く桃色の皮膚が張りはじめているそこを指し示した。]
[もしも、今の「彼女」に真の力が有れば、再生の速度を遅らせ、人を欺く事が出来ただろう。けれども、聖銀に囲まれた今、弱りかけたその躯には、危機信号が鳴り響き、常の倍速で傷が癒えて行く。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新