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[漂う獣臭と皆の狼狽に、恐ろしい現実に出会いたくない恐怖と、未知の何かに出会う恐怖心が同時に生まれる。
――恐らくは、後者に身を委ねて踵を返して居れば或いは幸福だったのか?
――否、それでも狂気は肉を食い散らかしにやってくる。]
こ、これは、一体、何が、起こって、いる、と……
[狼狽の色を隠せぬ使用人どもの肩口から覗いた光景は]
[臓物を吐き散らかし、最早何処から出血しているかも判然としないしないほどの朱に染まった老人と、それを抱えて呆然とする医師]
嘘だ。
こレ は、嘘 ダ。
――――。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
―2F→3Fの道すがら―
[何とはなしに書斎が気になり、
覗き込んだ、其処には]
……さつき様?
[小さく、声を掛ける。
いつものように、丁寧に。]
[枚坂の言葉に頷いて]
焼くほかないと思うから、ずっと抱いて歩いていた。
灰にする前に、香なり花なり捧げてやりたいじゃないか。
[仁科が天賀谷の首に触れたことに、表情が少し明るくなる]
――二階/書斎――
「キャァアア――!」
――杏!
[背後に悲鳴が響いた。杏であった。緋色の海と化した室内の様子と、さつきの見つめる壁の血文字を目の当たりにしたのであろう]
――大丈夫、大丈夫よ、杏。
私に、ついてきて。其の手紙も、私が持っておきますから。
[ブルブルと震える手を包み、長彦からの手紙を取ってさつきは室内へ戻る。情景を見回した]
……要らぬッ!
[仁科の申し出に、必要以上の大声]
名誉の負傷だ。余計なことをするな。
今は前だ。前のみを見つめるのだ。恐れるな。
『米軍……?』
[江原の姿は東洋人のように見えた。そういえば、日系人部隊もあったろうか?
米国ゆかりの者でありながら、屍鬼について知り得ている様子の彼もまた謎めいた人物に思えた。]
「何を為すべき――」貴方はよく知っているようだね。
天賀谷さんとどういう関係だったのか……話を聞いてみたいものだ。
――二階/書斎――
[黒の袖に包まれた腕をワンピースの胸に当て、翠へと微笑んだ]
翠さん、嗚呼、良かった。
余りに人を見かけなかったものですから。
皆様、どちらにいらっしゃいますか?
其れと、施波さんか――または藤峰さんは何処に?
……さつき様。
[喪に服しているのだろうか。
その様に見える、楚々としたドレス。]
……もう起きても、
大丈夫なのですか?
[あの惨状を見たときの、
痛ましい様子を思い出して、翠は遠慮がちに尋ねた。]
[天賀谷との関係―その言葉に、無表情に]
貴様らは、屍鬼や温かい接点で繋がれておろうが、
私は彼とは、恨みという絆で結ばれているとしか思ってはおらぬ。
今の今も、彼は私への嫌悪を抱いたまま死したとしか。
[どこか慟哭のような。]
[さつきに問われて、翠は視線を
階段へと向けた。]
……恐らくは、旦那様の――御部屋に。
藤峰は分かりませんが、
施波は御客様の部屋を……
見ているのではないかと。
[此の異常事態で、
同僚達がどうしているのか。
名前のない者たちはどうしているのか、
分からないながらもたどたどしく答えた。]
――二階/書斎――
[はっきりと答える声は揺ぎ無く、こくりと頷いた]
大丈夫です。
私には……行わなければならない義務がありますもの。
天賀谷の血縁に連なるものとして。
そうでしょう?
[さつきの微笑みはゆっくりと様子を変えていた。
晩餐会のデビュタント・ドレスを白百合に喩えるとすれば――
黒を纏った今の姿は黒水仙と云うのが相応しかろうか]
――二階/書斎――
十三叔父様の部屋へは、確か其処の階段を上がって行けましたね。では、其方へ行きましょう。なるべく多くの方に知らせないと。
[室内に目を戻し、書棚の向こうに傾斜を描く階段を覗き見た]
……この、血も。階上から流れてきたのですか?
……階段を使えるなら、早いのですが。
嘘だ!何だ、なんだこれは!
こんな、こんな死があってなるものか!!!!
待て、まさか、我々もこんな風に?
こんな、こんな……!!
[そう口走りながら、走り去る。
最早何を言っていたか、何を言いたいのかすら自分では解らなかった。
この屋敷に居る者全てが居たわけではなさそうであったし、倒れている女も居た様な気がしたが、どうでも良かった。
ただ、逃げ出したかった。]
こんな、こんな、まさか、私は、あんな風に死ぬのか!?
この、この天才の私がこんな片田舎で襤褸のように!??
[誰か彼を死に誘うと言ったろう。これは一人合点に過ぎぬ。そうであって欲しいと、後々願うことになるのだろうが。
ただただ恐ろしいが故に、彼はすぐに部屋の寝台に引きこもり、かたかた、かたかたと震えていたのだった]
望月君、確かにね。
[そう云ったのは天賀谷の首ことだった。彼にそれ以上の言葉を紡ぐいとまもなく、私は階下の異変を知るべく駆けだしていた。江原青年のどこか哀しい響きのある言葉に心囚われながらも。]
さつき君!
一体どうした!!
……そう、ですね。
[はっきりと答える声は澄んでいる。
まるで、別の花のように咲いている―――翠にはそう見えた。]
いえ、此れが私の務めですから。
[屋敷の主人はもういないのに、
それでも翠はこの姿勢を崩すことに抵抗を感じていた。]
―三階/廊下―
[江原から視線を外し。]
取敢えずは、守りを固めるべきだろうな。
影見だの霊視だのが居るにしても、我々の知らぬ内に屍鬼に殺されては……意味がない。
先ずは全員の無事を確かめねば。
[階下の悲鳴に、何人かが階段を駆け下りて行く。]
『…あたしは小さい頃。
この目の色と[金目を指差す]ちょいとばかり見てくれが良い子どもだった所為か、軍人様の慰み者だったンで。
…小さい子ども<だけ>が好きな。
あれは何処か狂うた男だったのか…──。』
[困った様な表情を浮かべ江原に、]
嫌悪感。
…江原様は、穢れてらっしゃるだろうか?
[ごくごく小さな囁く様な声で、そうでは無いのでは無いかと言いたげに。
言い掛けた声は、さつきの悲鳴を気遣う枚坂の声に隠れる。]
――二階/書斎――
此の血は……
旦那様の部屋から。
[謂うべきか、
悩んだ後で矢張り思い直して続けた。]
旦那様のお体から流れ出たものです。
階段で行けますが、
血で汚れることは免れないでしょう。
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