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──三階・天賀谷の書斎(異時空)──
[首を傾ける。
壁や床には量は減少している物の、先刻の血の残滓が未だ生き物の様に蠢いており、まるで其れは室内全体が人体の内部と化し、毛細血管の配置をパノラマ装置で再現した様な。]
[血の残滓は脈打っていた。
脈打ち乍ら、壁に書かれた仁科達の姓名に繋がり、文字が深い呪で持って籠を作る様に山荘中に繋がっているのが見て取れるのだった。
14名を除いて名前が無い様に思えたが、よくよく見てみれば、壁の奥深く血ではない影の様な色で、施波や他の使用人の名前を読み取る事が出来た。杏の名は、14名とそれら呪の外にあると思しき姓名達のちょうど中間に有った。]
―2F書斎―
………ふう。
[ジェイク、翠の様子を書斎戸口から伺っている。
悪趣味にも、盗み聞きまでしているようだ。]
どうやら、天賀谷氏と招待客との関係は
多くが良好だったようだな。
そうでないのは、もしや私だけかもしれぬな。
…──一体此れは。
あたしは何を見て。
[深く覗き込もうとして、室内が異様に熱い事に気付く。
其れは灼熱と言って良い程。]
──…っ。
[とても此の場には居られない。
此処に居ては焼け死んでしまう。
深く覗き込む事も敵わず、灼熱地獄から逃れる様に、仁科は*また走りだした*。]
『何を言い出してるんだ?俺は?』
すみません。妙なことを申し上げて。失礼します。
[言うだけ言って、翠に背を向け、立ち去る。
戸口に立っていた江原に]
出歯亀か、お前さんは。
[失敬極まりないことを*言い残して*]
仁科さん!
天賀谷様は──あまがいさまは、
待っ、て!!
[仁科は後ろから追い掛けて来る碧子に、気付いているのか居ないのか、振り返りもせずに真っ直ぐに走っていく。
息を切らして走りながら碧子は*懸命に叫ぶ。*]
─3階廊下→天賀谷の書斎─
いっそ俺を恨んでくれたなら、よほど気が楽になるのになあ。
[藤峰の姿が生き急ごうとするもののそれに見えて、嘆息する。ゆるりと立ち上がり、天賀谷の首を抱えたまま歩き出そうとした]
望月さま。
お疲れでしたでしょう。
一度、首を置いてお休み下さい。
あなたさまが屍鬼でないのでしたら、この先も――屍鬼を斬るためお力をお借りする事になりましょう。
[夜桜は再度頭を下げた。]
――え?
[肩代わりを――
由良は、確かにそう謂った。
翠は由良をじっと見つめて]
あ、あの、……それは――
[どういう意味なのですか。
聞こうとした時には由良はすでに背を向けていて]
ま、待ってください、
由良さまっ
[追おうと歩き出すと、
江原の姿があった。]
―天賀谷私室前廊下―
[夜桜の声に振り返る。抱きかかえたタオルの下のほうからはじわりじわりと、薄い色ながら血が滲み出していた]
……ありがとう。
[今まで見せたことのない、儚げな微笑を浮かべる]
しかし、弔ってくれるものがないのなら、せめて俺が天賀谷さんを……。
[バスタブの縁で後ろ手に身体を支え、さつきはじっと見守った。ぎゅっと目を閉じて躊躇いはしたものの、やがて杏の手は背の釦へと伸びる。はたりと衣擦れの音、御仕着せは濡れたタイルの床に滑り落ちた]
私も貴女も、これで同じね。でも……ねぇ、杏?
[答える声はない。露わにされた肌を隠すように腕を交差させ、伏せた睫毛を震わせながら杏は身を縮こまらせていた]
私は、貴女を屍鬼ではないと、人であると。
そう信じて――いいえ、知っているわ。
では、杏はどうなのかしら。私の事を、どう思っていて?
「…………」
わからない?
[さつきは身を起こし、杏に歩み寄って右手を伸ばす。未だ萌し始めたばかりの左胸に触れるか否か、という処で手を止めた。杏がハッとしたような瞳でさつきを見上げた]
真珠色の綺麗な肌。此の下では、貴女の心の臓が今も――
[平らかな胸のほぼ中央に、さつきは掌を押し当てた。伝わってきた鼓動は早く、とくんとくんと打っていた]
――血を巡らしているのね。
ねぇ、杏?
昨夜にも聞いたけれど――私が屍鬼だとは、思わない?
「……杏は」
[バスタブから上がる湯気を揺らし、か細い声が絞り出された]
「杏は、さつき様を信じております」
[はしばみ色をした杏の瞳には、其れまでに無かった強い光が宿っているようにさつきは感じた。だが、少女へと尋ね返す声はあくまで硬く、冷たい響きさえあった]
何故?
杏が私を信じるのに、一体どんな理由があるというのかしら。
私の胸の音を聞きもしないで?
「……それは。
……さつき様が、誰よりも初めて、杏のことを……ひとだ、と。
……そう、仰ってくださったからです……」
[哀切を交えた答えとともに、杏の両瞳からは透明な涙が流れ始めた。凭れかかる少女を抱き、さつきは胸中に起こる想いに瞼を*閉じた*]
あ、え、えっと……。
[江原に何と謂うべきか、翠は困っていた。
何故だか気まずい気がして。]
え、江原様も、
血を追って……此所に?
[問うてみた。
その間にも由良は行ってしまう。
次いで聞こえる、女性の叫び。聞き覚えがあった。]
―天賀谷私室前―
[ふふ、と小さく哂う]
無茶を言わないでくれ。俺は屍鬼を斬らねばならない。
……無理は承知なんだ。こんなところで気が抜けるなんて……。
[首を横に振る。そっと夜桜から離れようとしたところに重なる手……温かい]
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