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さあ、あたしにも。
翠さん、主人のこの血──何をなそうとしているのかしら。
[吐き気を齎す光景と匂いの中、翠を振り返る]
流れ、流れゆく先は、
階下みたい。
ああ、屍鬼に憑かれてしまった者は、首を刎ねないと解放されないとか、そんな話だったようだ。
とはいえ、長らく使えていた人たちが、「はい、そうですか」と納得できるかどうかは判らないがね。
[自分もうろ覚えのことを江原に*説明する*]
首を切るしか、
ないのなら。
[刀を手に。]
そうすべきだと思います。
其の時は、
「自分に謂え」
と望月様が仰っておられました。
もしも御客様の手を汚すことを良しとしないのであれば、私が。
[言葉を其処で切り]
[夜桜が翠の方を振り返った。
何故だろう、とても落ち着いて見えるのは。]
まるで意思を持っているように見える。
何かを伝えようとしているのかしら。
……階下に向けて……
行く先は……水盆?
[まさか、と思いながらも
水盆に固執する今は亡き主人の姿が脳裏に甦った。]
―自室・夢―
この塔はなに?
[そう訊ねるのは幼い望月龍一]
「山田浅右衛門が建てた供養塔だ」
……誰の供養をしてるのさ。
「浅右衛門自身が斬首した罪人たちだ。屍さえうち捨てられる者たちのため、私財を投じてこうして供養の塔を建てたという。
希有な一族だな、君の先祖は」
[気づくと連れは天賀谷の姿になっている]
「死刑執行人として、罪人に苦痛なく死を与えるための鍛錬を怠らず、辞世など詠む者の心を理解するために和歌を学んだ。それが君の先祖だ」
………ふん。
[思想家の顔から、軍人の顔へ。]
その甘さが、我々に取り返しのつかない事態を
引き起こしたらどうするつもりか、ド素人め。
[士気を高める江原を尻目に、由良は自室へ引き上げていった。]
[夜桜は翠の決意を聞くと頷いた。]
翠さん、刀を扱えるのね。
──あたし達も、向かいましょう。
[夜桜は、翠達を促した。
今や河のように流れる血。不気味である。
仁科は、濡れた頬もそのままに、この匂いに苦しそうであった。夜桜は、清潔な手拭(形は殆どハンカチだ)を取り出して、汚れた顔を拭ってやる。匂いを遮るようにと、仁科に渡したままにした。]
[来海は呆けていた。
物音がした。自分は叫んだ。
自分のよく見知っている人間、
それでいて変わり果てた人間がそこに立っていた。
彼の手が空を掴んだ。その目が何かを捉えた。
その刹那ふと彼と世界を結んでいた糸が切れた。
死んだ。 『毒』? 異常な光景だった。
紅い、黒い、おぞましい臭気。
周囲で声がした。『屍鬼』?
何をバカな。何をバカな。
これは夢だ。何かの悪い夢だ。]
[望月は幼い声のまま、憧れに満ちた表情で答える]
山田流居合術の極意は、死んだ者が迷わぬように導くことなんだ。
[それはもはや、形骸化した教えだと言うことを、幼い頃は理解していなかったから]
じいちゃんはすごかったって、みんな言うんだよ。
[本気で山田浅右衛門に憧れ、己もなれると思っていた少年の頃。その心のままで天賀谷に言う]
たとえ屍鬼でも、迷わせずに送ってやれるんだ!
[――屍鬼?]
―書斎―
[階上を確かめるまでもない。]
『人一人から、普通に出る血の量じゃない……。
これも怪異の内か。
まずいな。これを見たら、此処にも誰か来るぞ。』
[その血液は、ゆっくりとしかし確実に、ある方向を目指して流れ、いや移動していた。
それを避けるように廊下に向かう。
床に散乱している巻物は放っておけばその流れに浸されてしまうだろう。
取敢えず傍のテーブルに投げるように移した。
廊下へ出て、後ろ手に扉を閉める。]
……はい。
[決意を滲ませる厳しい表情で夜桜に頷く。
仁科の顔を拭う様子に、
小さく息を漏らした。
泣いていた彼女を思い出す。]
……。
[翠は刀を握り締め、階下へ向かった。]
(お、俺はどうなる。
天賀谷の支援がなければ、次の選挙が。
石神井先生との約束が。
カネが要る。返り咲くためにはカネが。
いや、違う。そんなことはどうでもいい。
『死』だ。ここには『死』の臭いが漂ってる。
嫌だ。ここには居たくない。嫌だ。死にたくない)
逃亡者 カミーラは、医師 ヴィンセント を投票先に選びました。
―自室―
[ベッドの上に起きあがって辺りを見回す]
俺に、言い聞かせようとでも言うのか。
[つい手放さぬまま眠ってしまった刀を抱いた]
死に行く者を迷わせぬ事に心を砕いていた先祖を、俺は誇りに思っていた。
死んでしまった者であっても、俺がここにいるからは、せめて。
[首さえ落とせば成仏できる。そんなものは己の盲信かも知れぬという畏れが胸をかすめる。しかし]
『俺に出来ることがあるのならば』
[天賀谷とのつきあいは短いものだった。しかし、望月が天賀谷に抱いていた人間的な好意は金ゆえではなかった。
その死で取り乱すには及ばぬまでも、彼が亡者に、屍鬼に堕ちかけているならば、救ってやらねばならないと思った]
[来海は定まらない視線でゆっくりと歩き出した。
屋敷の出口に向かって、麓の村に向かって。
いや、どこかに向かったのではなかった。
『ここ』でなければどこでもよかった。]
―回想・刻が変わる前:深夜/天賀谷別荘敷地
[一揃いの医療器具は医療車輌に積んできたはずだった。
しかし、私が考えていたよりずっと早く訪れたこの状況に対処するには、まだ足りないもの、為さねばならないことがいくつもあった。私はせめて東京の助手に新たな機器と予備の医薬品の手配を要請するべく、連絡をとりたかった。
屋敷にも電話はあったかもしれないが、あまり詮索されたいことではない。
リンカーンの扉を開き、エンジンをかける。エンジンが暖まる間に医療車輌との間を繋いでいた牽引装置のロックを解除し、切り離した。あの崖道をこの車輌を引いたまま往復するのは至難だ。
運転席に乗り込みハンドルを握りかけ、しかし私は発進を遅疑した。医療車輌を振り返る。
僅かな間とはいえ、“あれ”をこの場に置き去りにしてよいものか――。]
[錠を外す僅かな時間さえも、いつにも増して長く感じられる。
私は一抱えの大きな防水布の包みを抱き上げ医療車輌から戻ると、リンカーンの後部座席に叮嚀に横たえた。
医療車輌の錠を元のようにかけ直すと、寸毫の遅延も惜しむように急ぎ車を走らせた。]
……天賀谷さんにも困ったものだ。
民間人があんなものを手に入れて……
どんなことになっても知りませんよ。
[煙草を吸わない私だったが、煙草を愛飲する習慣がある者がこの時ばかりは羨ましくなった。車を運転しながら気持ちを落ち着かせるのに、それは手っ取り早い方法だっただろう。]
なんだ?
……妙だな。
[車を停めることのできる見通しのよい前庭から木々の中へと入ったところで、一向に周囲の景色が変わる気配もない。
闇の奥深くからざわざわと糸杉の波が湧き出でては、また新たな波が押し寄せてくる。]
――くっ
なんだこれは……
[天賀谷氏と対面した前後に頭部に感じていた疼痛がそれまで以上の強さで甦ってきた。]
ぅあ! く!
……ダメだ。
[私はアクセルを踏むのをやめ、苛立たしげにハンドルを叩いた。]
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