情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[赫く玄い闇がじんわりと、壁から床から染み出して、天賀谷の横たわる寝室の中に拡がってゆく。
──刻が……止まる。]
[白い染みがぽつり、
一点天井に浮かんだかと思うと、瞬く間にそれは拡がり、
真っ白い花の蕾が開く様に形を変えて。
そのうちに……それは白くうつくしい女の顔になった。]
[ふゆふゆと白い貌が、天賀谷の真上に漂っていく。
ふうわりと黒い髪が靡いて、その白い貌の周囲を縁取っているが……
それより他は。
ある筈の白い肩も、胸も、手足も其処には繋がっていない。
ただ顔だけが。うつくしく白い、貌だけが。
其処に在って、目を半眼に開いて、昏々と眠る男を眺めているのだった。]
[“あちら側”とは異なる則で動く“こちら側”の世界では時の流れも空間の広がりも意味を持たない。
そして、“こちら側”と接触して“あちら側”の理を外れたこの場所も。
故に今、彼女は“あちら側”の自分の身体とは違う場所、違う時に同時に存在していた。]
時が来たわ、天賀谷様。
貴方の待ち望んだその時が。
[白い貌が淡々と静かに囁いた。
しかしその聲は、世界に轟く大音声となって谺した。]
[その聲が虚空に響き渡ると同時。
突如として、天賀谷が目を開けた。
眼球が眼窩から零れてしまうのではないかと思われる程、一杯に見開いて宙空に漂う「それ」を凝視する。
彼に「それ」が何であるかを認識できたかどうか。
「それ」はかたちの良い紅い唇の両端を持ち上げて嗤った。]
天賀谷様──…
[ねっとりと甘い聲。]
[がばり、と身を起こし、天賀谷は寝台から降りようとした。急激な動きに身体に繋がれた点滴や医療器具の管が引っ張られ、外れたり寝台の上へと倒れこんだりと、惨状を呈する。
しかし、天賀谷は周囲の状況には一切頓着せず、憔悴した顔を狂おしい輝きで満たして転げ落ちるように寝台を降りる。]
[白い貌がすいと降りてきて、天賀谷の背後に迫った。]
まァ天賀谷様…どうなさったの……
何処に行かれるの……
碧子が参りましたわよ……
貴方の愛しい碧子が……
[クスクスと羽のように軽やかな嗤い。]
[白い貌から逃れようとしてか、それよりももっと心を占める何かに取り憑かれてか。
天賀谷は立ち上がれないまま床に這い蹲って、じりじりと書斎に繋がる階段の方へと進もうとする。
その有様は地を這う蟲の様でもあり、凄愴であると同時に何処か滑稽でもあった。]
「…完成させねばならん。」
[譫言なのか、狂気の滲んだ声が男の唇から洩れた。]
[男の床を這う姿を、嗤いを含んで冷ややかに見詰めていたその眸が、スッと細められた。]
あの水鏡で……貴方は何をしたの。
[白い面が冷たく硬く能面の様に冴え渡り、内に秘めていた憤怒がちりちりと白い炎の形で周囲の闇に溢れ出してきた。]
[炎は男の背に取り付いて、瞬く間に覆い尽くす。
と、炎に覆われた男の背が、グッと上から何かを押し付けられた様にひしゃげていく。
男の喉から奇妙な呻きが洩れ、次いで真っ赤な血がそこから溢れ出た。
更には……白いぶよぶよとしたもの…内臓まで。]
[それでも尚、男は懸命に階下へ向かおうと床を這う。
男が身体の中のものを吐き出す異音と血塗れた音が、紅く玄い部屋に満ちる。]
[怒りの消えた白い貌に艶やかな笑みを浮かべて、男のむくろ…と云うよりは残骸に囁く。]
──無事に黄泉還られたならばまたお逢いしましょう……天賀谷様。
もっとも…
黄泉還る保証も無ければ、黄泉還っても動けるかどうかも分かりませんけれど。
それに。
私が貴方の仰る屍鬼と同じものかどうかは分かりませんもの。
私が昔仲間から聞いたのは、「飛頭蛮(ひとうばん)」という名でしたから…──
[微笑の残像を残して、白い貌は現れたと反対に、赫く玄い闇に溶けるように滲んで、白い染みとなり、点となって*消えた。*]
─3階廊下・雲井の客室前(回想)─
[執事の施波に案内して貰って、雲井の客室を訪ねた。
が、施波がノックをして中に声を掛けても返事は返って来ない。]
…まだお休みになってらっしゃるのかしら。
「食堂の方にお出になっていらっしゃるかも知れません。お食事の用意をいたしておりますので」
[訝しげに呟くと、施波が控えめな口調で答えた。]
ご免なさいね、お仕事の邪魔をしてしまって。
[すまなさそうに笑みを見せると、施波は「滞在したお客様にご奉仕するのも私共の務めですので」と職業的な無表情を一瞬だけ緩めて微笑み返した。
未亡人 オードリーが「時間を進める」を選択しました
未亡人 オードリーは、逃亡者 カミーラ を能力(襲う)の対象に選びました。
未亡人 オードリーは、書生 ハーヴェイ を能力(襲う)の対象に選びました。
未亡人 オードリーは、鍛冶屋 ゴードン を投票先に選びました。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新