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――広場/檻の前――
[再びウェンディは檻の前までやってきた。程々の人だかりができている。ウェンディは身を少し屈めながら前へ進み、観衆をくぐり、最前列に近い所まで来た。 昨日のクインジーが何やら話を始めている。 果たして彼女――ウェンディに理解できる内容であるのか。]
――村長宅――
[聖堂から出たヴィンセントは、徒歩で急ぎノーマンに教えられた村長宅へと向かった。馬は従者と一緒に昨夜、アーチボルト家に送らせてしまっていたのだ。
息を切らせたまま、使用人を呼び止める。]
ノーマンさんだったかな、会う約束をしているんだ。
─詰め所─
[セシリアの聴取に立ち合うべく、詰め所の敷地へと入っていく。
クインジーがジェーンを証人にすると言うので付き添おうとしたのだが、途中行き会った村人に、鍛冶屋が若い娘と首を吊って死んだ…と知らされ、そちらの対応に向かったのである。
人狼騒ぎの渦中であり、村長の件もあったことから一応遺体を改めたが、謀殺の疑いはなく2人が誘いあわせて心中したものと思われた。
周囲の者達にも娘の家族にも、2人の関係について思い当たる節はないというのが奇妙であったが、自殺であることがほぼ確実である以上、教会で葬儀は行えない。いずれ2人は村の外の四辻に埋められることになるだろう。]
[訴状を読み始める少し前のこと。
助役を担う信徒の手によって、ジェーンを乗せた担架がゆっくりと檻の近くへと運ばれ来る。
村人の間からは怒声が投げかけられ、人波はそこに満ちる負の感情によってザワザワと波打った。]
――静粛に
[クインジーは儼然とした語調で彼らを誡めた。
不満げな呻吟が燻っていたが、やがて静粛が訪れる。]
ジェーンのは叮嚀に今は証人席となった幄舎の寝台へと横たえられる。
その横顔をクインジーはただ一瞬省みた。
怪我によって腫れあがりながらも、端厳とした佇まいさえ感じられる横顔だった。
クインジーの彼女に向かう表情は今は冷厳として、その感情は他の者には容易に窺い知れない。
再び聴衆に向き直った彼は、羊皮紙に綴られた訴状を掲げた。]
――――――――――
訴状――
神の恩寵によりてイングランド、スコットランド、フランス、およびアイルランドの王にあらせられ、また信仰の守護者等々にあらせられるXX陛下の御代の第X年の第X月のXの日、および、それ以前乃至以後なる日々並びに時において、アーチボルド家息女セシリア・アーチボルド、英語においては魔女術および呪術と呼ばるる憎むべき術をば、前述X州のN村において、X州のN村の農夫ワット・クレイグが妻ノーラ・クレイグ、農夫にして自警団員たるダドリー、同団員テッド、木挽きデリクに対し、悪意と犯意を以てこれを用い、実施し、実行せり。これなる邪悪なる術によりて、前述四名、極めて危険かつ致命的なる病に罹り、衰弱せり。而して先述X年の第X月のXの日、これなるノーラ・C、X日ダドリー、テッド、X日デリク、先述の術によりて前述の地にて死亡せり。
X州N村のB・Hなる人物の所有するところの、五ポンドの品物および動産に値する黒き色の馬に対して、邪術あるいは呪文と呼ばるる、最も悪質なる術の何らかを準備し、実行し、用いたるや否や。この術によりて、前述のN村において、Xの日に、前述のB・Hの所有になる同馬は状態が著しく悪化し、衰弱せり。
A・W所有の牛三頭、D・P所有の豚においても同様の術を行使せり。
――中略――
先述X年の第X月のXの日、ノーラ・クレイグの縁者にして自警団の長たるアーヴァインによる聴取中、狼憑きの呪術によりて彼の者を襲い、極めて危険かつ致命的なる疵を与えり。その折、捕縛にあたりし自警団員に抵抗し、暴行の後、下記の傷害を与えり。
――中略――
かくして前述の陪審員、まことに以下の如く起訴するものなり。
先述せる村に住むこのセシリア・アーチボルド、容疑の通りに、自発的に、悪意を以て、かつ犯意を以て、魔女術を行使せり。また憎むべき狼憑きにて、我らが統治者なる王の御代の平安に、その王冠と名誉に背けるものにして、かくなる場合が備えとして作成され規定されたる法令が規定にも反せるものなり。証人――
――――――――――
何を言っているのだろう。たぶん、セシリアお姉ちゃんの事について言っているのは分かるのだけど、全然分からない。まるで外国の言葉みたいだわ。
[イングランド、信仰、セシリア・アーチボルド程度しか理解できず、ウェンディにとっては
その理解度は1割にも満たないだろう。]
[ヴィンセントから受け取った包みの中を確認。
一目見て、その表情はにんまりと。]
おう……これだこれだ。ありがとうな。
自警団には、すでに話ぁ通してある。
団長に会いたきゃ、会っても大丈夫だぜ。
[眼光鋭く。]
だが、どうもあんまり良くないらしいな。
早くしないと、くたばっちまうかもしれねえぜ。
─檻の前─
[…気がついたら、檻がある詰め所に人が次々と集っていた。そのせいか、カミーラの身体の硬直が徐々に収まっていく。だが、正体不明の幻聴が未だに聞こえ続けている。]
─広場─
[まだ日の高い今頃は、生活の糧を得るため大抵の者は働いている時刻だが、やはり今日も檻の周囲に人は集まっている。
ルーサーは嘆かわしげにそれを眺めながらも、咎める事はしなかった。
何時ものようにきびきびと大股で近付いていくと、丁度訴状を読み上げ始めたクインジーの厳然たる声が聞こえてきた。]
そうだわ。セシリアお姉ちゃんはどうなってるのかしら…
[ウェンディは檻の中を遠目に見た。セシリアの姿を見つけることは出来たが、表情等は全く伺い知る事は出来ない。
どうやら椅子に座らされているようだ。]
[村人たちは如何にも納得した様子であった。
訴状は法に則り、その訴えの内容も書式も完全に当時の法慣習に則ったものであったからである。
だが、クインジー自身は自分で読み上げた内容をどこか空々しくさえ感じていた。実のところ、アーヴァインの聴取中に見せたセシリアの抵抗を除いては、アーヴァインが罪状と考え訴追要件とした全ての事柄は全く証拠に欠けるものだったからである。
――だが、人狼、という存在そのものの立証に果たして客観的で動かしがたい証拠があるものだろうか? 呪術という正体の知れぬ物の証拠を見出し得るものだろうか?
否。証拠はこれから“見つける”のだ。
拷問という完全に法的な手続きに於いて
それが、人狼裁判であった。]
そ、そうか。
手配してくれたことには礼を言うが。
その品物は、物事が落ち着いたら穏便に教会に返すようにしてもらえるだろうね。
そういえば、お兄さんだが……。
[人狼に殺されたのではない。と教えようとして、ふとためらった。
ノーマンは兄を人狼に殺されたと思えばこそ、この品物に執着していたのだ。今水を差すのは得策ではないかもしれない。
まずはアーヴァインに会ってからだ。]
[カミーラが持っている袋の中身には、すべて聖銀の製品が詰まっている。何かしらの祈りに使うような十字架、少々短めの鎖、小型のハンマー等…どれも強力な聖の力が宿っているようだ。]
私にはこれらの聖なる加護がついている。
貴様らなんぞに屈しはしない…!
[短く、ふむ……と呟くと立ち止まり、顎に手を当てて考え込む仕草をする。その目は群集の頭ごしに垣間見える特徴的な赤毛の主──クインジーを凝視していた。]
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