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[じゅうじゅうと蒸気をあげる包装紙を毟り、完璧に焼き上げた色合いのフランスパンが姿を現した。]
包装紙は商品を守るためにあるものだが…――
強い、血だ。
[悔しそうに唇を噛み締めた。]
―1階―
[笑みに似た表情の歪み。毛皮からむくんだような手足を突き出して、巨大な嬰児がぽん、と弾んで立ち上がる]
あそぼ、う?
[酷く愉しげに、両脚をポンポンと鳴らし、赤く黒く染まった指を開いた]
…とりぃっく、ぉあ、…とりいぃと…!
[トン、と図体に似合わない軽い足音。不安定なはずの木箱を踏み越えた。
毛皮に包まれた黒い塊が銃を構えた火遊びの真上へ、ふわり。
その巨体はわずかな光源を一瞬覆い隠す]
けひっ。
[高みから、細く鋭い毒の雫。
糸とは違って、引き寄せるアクションは不要。
面白いほどにあちこちにぷすぷすと穴が開く]
けひひひっ。
色々試したが、俺にはこれが合っている!
――誰か探してでもいるのか?
悪いが他を当たってくれ。
[遠距離――メイの間合いに入る事は不可能だ――あちらは余裕そのもの。]
『くそっ』
[次はパンを溶かされてしまう。]
――《...》―
『な……』
[――【腹痛】どころではない。
ホッパーマスクの粉が体内に根付き活性化している――グレンは膝を付いて、激痛に*意識を薄れさせた。*]
[血の一滴で行動不能にするような技は、ChaosBloodの紛いモノに過ぎぬミッキーには当然ながら使えない。
だがそれでも]
ひゃはっ!
[強い腐食力を持つ毒に助けられて、黒い爪が赤毛の男の頭蓋骨に食い込む。
男の手にはピンを抜かれた手榴弾。
ミッキーは手榴弾を放り捨てる。赤毛の男の体ごと]
きひひひひっ。
[はしゃいだ笑い声を上げつつも、ガドリングガンをミッキーに向けた者を視界の端に認める。
なるほど、お互い範囲攻撃というわけか。
…そういう力押しは、なにか、愉しい]
[毛皮にくるまると、鞠のように弾んだ。
たん、とと、とん!
黒い毛皮で出来た鞠は、物理法則を無視するかのように縦横に弾んでガドリングガンから遠ざかる]
や、別に誰も探しちゃ……探してるか。
≪処刑人≫とか言うの。
生きるために殺さなきゃいけない標的らしいから。
って、え。ちょっと君?
[グレンの体が傾ぎ、倒れる][何が起こってるのか見当も付かず]
……お腹痛?
おーい。生きてるー?
[刃の先端でつつくと服が毒に焼かれ、穴が開く]
[すい、と視線をフランスパンに向け]
……普通のパン、なのかな?美味しそうな匂いしてるし。
んと。
[試しにそこへ血をぼたぼたと垂らす]
[と、あっけなくパンの先端は腐り落ち]
やっぱ普通のパンだよねえ。
[弾んで弾んで、瓦礫の山のその頂上。
手榴弾が数人を巻き添えにボン、とくぐもった音で破裂。
崩れ落ちる実験機材、木箱、薬剤の類――]
けひっ。
[黒い鞠が空中で解ける。ミッキーの足がだん、と天井を蹴った。
一直線にガドリングガンの主へ向かう。
一瞬後、持つものもないガドリングガンが地面で残弾を吐きつくすまでのたうっていた]
<スーパービフィズス>?
[ラベルの表記を読み上げ、グレンと見比べる]
お腹痛。ビフィズス。ビフィズス菌。
……よし。飲ませとけ。ついでに、と。
[Dr.に押し付けられた賦活剤と己の血液を混合させ、ボトルの液体と共にその口へ流し落とす]
とりっく、あんど、とりーぃと。
[辺りが赤く染まっている。
腕がごろり、首がごろり、足がごろり、眼球もごろり。
…食餌は、冷めないうちに済ませねば]
…まんま。
[自分の爪から零れる黒い血は]
けひ。
[毒も弱くて、香りが安っぽい。
所詮は劣化コピーということか?]
[最悪のタイミングだ――…あの変態仮面。
意識が薄れ=目の前に躍る――女<ビジョン>―母なる暗黒/正式には母ではない女。正式には恋人ですら、世の中に存在するあらゆる繋がりですらない女=それでも敢えて言うなら、それは虚無を通じて知り合った仲だった。メイ・ランツァが殺した女というのは。大体――恋人はドMの雌犬だ。]
[腐食の匂い――メイの血が硬いパンの外皮を侵食し柔らかいふわふわな内側を破壊するのを――グレンは薄れている意識の中であってさえいても、涙を浮かべて見ていた=遠い視界として。]
「お腹痛。ビフィズス。ビフィズス菌。
……よし。飲ませとけ。ついでに、と。」
[海の底から聞こえてくるような声だ――内的観測=幻聴――無数のバンシーのよう悲鳴<noise>の中であってさえいても。]
ドクター、ミラクルなことが起きるかもとか言ってたけど。
……何が起こるんだろう?
[ナイフをパンにぶすぶすと突き刺しながら様子を見ている]
[かつての部下が残して行ったシルバーボックスには、
万年筆。
インク。
…それに、コンテナの中で見た幾何学体と同じような道具が入っていた。
手の中で転がすとこのバビロン全体の見取り図がホログラフィになって浮かび上がる。ミニチュアの中で移動する青白い光彩は──囚人達なのだろう。どのような仕組みになっているのか、アーノルドが眺めている瞬間にも、幾つかの光が点滅して消えた。]
げほげほっ…――――Chaos Blood。
[口元を拭う。混合液の中の血はグレンの体を傷つけてはいないようだが――]
…………何を、混ぜた。
[何故か体が熱い――だが、発汗はない。]
お前……ッ!!!
[悲惨な光景が目に入る――ナイフから守るように手を突き出した。]
『処刑人』と言う言葉の響きは少し合わないな。
人体実験を繰り返すと言う意味では、以前の仕事とまったく変わらない。政府の犬──と言うのも、以前と変わらないと言えば変わらない。
[深々と突き刺さる刃――肉を裂き中子骨を削る音が脳まで伝わる
だが、それだけだ。
痛みがない。
腐食が広がらない。
血さえ……滲むだけだ。]
[腐食が始まらない──その事実に目を見開く]
なんで?……ミラクルってこういうこと?
僕にとってはミラクルでもなんでもないじゃないっ!!
[二度、三度とその手に刃を振り下ろすが、結果は変わらず]
──僕のARMが、通じない?
[遭遇したことの無い事態に瞳が揺らぐ]
[距離を取り低く構え]
……殺さなきゃ。殺される前に殺さなきゃ。
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