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[僅か耳に入ったさつきの呟き。
右腕を左手で握り締めた。
――恐ろしい御伽噺 ならば 良かったのに
甦る、いつか聞いた口伝。
望月が怒鳴る。
翠はびくりと振り向いて]
い、如何なされました……か?
[来海の言葉に唇を歪めて。]
噛み砕いて言うと、こう云う意味ですよ。
『人間を取って喰う化け物をここに呼び寄せた。
どちらも逃げ場はない。
屍鬼を殺せ。さもなくば殺されるぞ』
とね。
軍人ね。
男で、十年前に軍人でなかった者の方が珍しいんじゃありませんか?
[俄かに恐慌状態に陥り始めた周囲の様子に嘆息する。
何をほざいているのだこいつらは?
これから天才たる私が凡人どもに音楽のなんたるかを教授してやろうと思ったのに]
――興が削がれる、な。
[ふと目をやれば、日本刀の柄に手をかけてかたかたと震える青年が。
誰が斬られようと関係ないが]
失礼ですが、このような場で刀を抜かれる気でしょうか?
ご婦人方も多数いらっしゃいます、とりあえず落ち着かれてはいかがですか?
[貼りついたままの微笑で、そう嗜めたのはあくまでも巻き添えを食わないためであり……
自分の常識にしがみつく為に必要な儀式でもあった。]
[由良と翠に声をかけられて、ようやく平静に戻ってくる]
ああ、すまない。
[こめかみを押さえて呻く]
耳が、今おかしくなって……俺もどうかしているみたいだ。
[ふと目を擦る。]
いや、このような場で刀など差している筈が御座いませんね。
これは失礼……今すぐにでも人を斬りかねないような顔をなさっていたのでね、つい。
[このような錯覚こそが、まさに恐怖故の物であることを認めたくはなかった、が]
じゃ、行きましょうか。
[翠の先導で、枚坂と二人天賀谷を乗せた担架を運ぶ。]
─2F廊下→3F天賀谷自室─
[自室の寝台に寝かされた天賀谷を、枚坂が手当てし始める。何かあったら声をかけてくれ、と言い、いったん部屋から出た。]
[コーネルに力無く笑って]
ああ、この場に刀が無くてよかったよ。
あったらちょっとした惨事だ。
[鍔鳴りに憑かれて、狂わされる自分など想像したくはなかった]
[担架で運ばれて行こうとする十三を横目でちらりと見、何処か熱を失ったような――乃至は軽く失望したような表情をさつきは浮かべた。それらの変化もまたさつきは自覚して居なかったが、己の名を呼ぶ心配げな声にふと振り向いた]
「……様、さつきお嬢様。如何なされたのですか?」
いいえ、何でもないの。
只――此処が、騒がしくて。
[望月が叩きつけるような怒声を上げた。びくり、と杏は身を竦ませる。しかし其の対象が何と知ってか、さつきの声色は静かな儘だった]
……ほら、ね。
学生 メイが「時間を進める」を選択しました
此の状況では……仕方のないことです。
どうか、御気になさいませんよう。
[望月と、そしてコルネールに目配せして精一杯微笑み、また部屋へと案内を始めた。
そう、異常事態なのだ。
白目を剥いた天賀谷は何も語らない。
ただただ、不安だけが煽られる。
料理も冷めてしまっているだろう。
ひいやり、と。]
─2F廊下→3F天賀谷自室─
…………。
[枚坂が処置を施す様子を、
翠は心配そうに見守っている。]
天賀谷さんは、屋敷の人が運んでくれたみたいだな。
[水鏡をちらりと見る。しかし何故か覗き込むのが怖くなった]
騒いですまなかった。……俺も疲れているみたいだ。
もう、晩餐どころではないようだし、下がらせてもらうよ。
[こめかみを押さえる。ともすればまた頭の奥であの音がまた鳴り出しそうだ]
─3F廊下─
やれやれ、前線でもあるまいに、神経の立ってる面子が多いこった。
[腕組みし、枚坂から声がかかれば何かできるよう、何とはなしに待っている。]
……ま、無理からぬことではあるけど。
[自分自身、何かしらの変調を感じている。
曰くありげな面々。雲井とか言う男が“異界に閉じ込められた”とか言っていたが、誰が何をどこまで知っているものなのか。]
[来海を少し気の毒そうに見やって。]
まあ。
直に解りますよ。
……しかし。
……今日集められた客も、何か理由有っての事なのか?
屍鬼と、屍鬼を滅し得る者……。
天賀谷さんは、何処まで知っていたんだ……。
──裏庭──
[久しく大勢の客人を迎える事の無かった山荘の二階漏れて来る灯りに目を細め息をつく。只晩餐が始まったにしては騒がしい気もした。翠と約束した事も有り様子が気に掛かりはしたが、どうにも仁科は十三と顔を合わせたく無い様な気がした。…其れに先刻の目眩は何だったのか。一旦、落ち着きたいと言う思いが有った。
塀の無い天賀谷の山荘、近隣の森と庭との境界線の付近に、一本だけぽつりと櫻が植わっている。懐中電灯一本片手に時折、仁科は落ち着かぬ夜、その櫻の下で酒を呑む事が有った。今夜も同様に──。
そうすれば落ち着くだろうと…。]
…はて?
[天賀谷が運ばれてゆくのを見送り、自室に帰ろうとするが、去り際に雲井に声を掛ける]
ただ徴兵でとられた使い捨てと職業軍人の違い位、俺にでも判るよ…… 殺した数などもはや憶えていまい。
まあ、あの頃の話はやめようか。おそらく、お互いあまりいい思い出もないだろうしな。じゃあな、わしは部屋に戻る。
[そう言うと来海は部屋へと*消えていった*]
[その様子を案じて、夜桜が水を渡してくれた。頷いてその水を飲んだ]
ふう。
[少し落ち着いたようで、手近な椅子に座り込むと*俯いた*]
[雲井の噛み砕いた言い方さえ拒絶するような来海の強張った貌を一瞥し、興味無さげにさつきは其の視線を外した。ふと首を傾げて微笑する。どこか甘い、毒を忍ばせた蜜のような笑顔を雲井に向けた]
あら……けれど、其の云い方でしたら。
屍鬼を殺せば、殺されない――と云う事には成りませんわね。
屍鬼を殺そうと、殺すまいと――化物だと思ってしまえば、女も子供も同じなのでしょう?
『――喩え、人であったとしても』
[顔を合わせた客たちのことを思い浮かべる。]
───雲井とかいう仁、誰かに指摘されてたが、言われてみればあれは確かにかつてのご同業の身ごなしか。
で、水鏡のことを知っていて屍鬼についても───。
つまりあの御仁はかつて関東軍にいたと言うことか。
それに───
―3F天賀谷自室─
……必要なものがあれば、お持ちします。
[そう枚坂に謂い、部屋の隅、扉の近くで翠は佇んでいる。指を祈る形に絡めて、行儀よく背筋を伸ばし。]
『刀を……握る事になるだろうか』
[天賀谷の言葉が何度も何度も甦る。
皆の様子が一変したことにも気づいた。
屍鬼。
おそろしい
おそろしい
御伽噺――で、あればよかったのに。]
『旦那様に害が及ぶことになれば、私は……刀を。』
[ぎゅっと、手を*握り締めた*]
本当は、あたしは酔っている──のか?
[歩けど歩けども、一向に櫻が近付かない。懐中電灯一本とは言え慣れた道のはずが、狐に化かされた様にぐるぐると同じ場所を歩いている様に思える。]
…一体、どういう。
[ハッとする。背筋を冷たい物が走った。
新聞ではなくカストリ雑誌の記事で読んだ。屍鬼が現れた時の話──…「場」其の物が歪み、一定の場所から出られなくなってしまうと言う不可解で理不尽な其れを……。]
──…まさか。
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