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……。
[真剣みを増した雲井の様子に、
翠もまた光を帯びた瞳で彼を見つめ返した。]
それは、昨夜仰っていた
屍鬼と関係があるのですか……?
……いえ。
気をつけます。
昨夜から此処は――空気が澱んでいますから。
―食堂にて―
(……施波さんを呼んでくるべきだろうか)
[雲井様がご用があるようなことを仰っているし、それを理由にしてでもなどと万次郎は思う。
広い食堂にも響きがちな、江原と望月のやり取り。
...は、施波ならばこんな場にも何食わぬ顔で佇むことができ、うまくいけば穏やかに収めてしまうのだろうと、自身もせめて不安に曇った表情くらいはせぬようにしなくてはと無表情に努める。
――忙しくしていれば、赤い月のことなど忘れていられるとむしろそれを望んだはずだったが。
新たな懸念材料とも見ゆる二人の楽しく談笑をしているとは言えない姿に、由良様では無いけれど何かと理由を見つけて逃げてしまいたい気まで生まれ、己の未熟さに気落ちする]
――二階/食堂――
[男たちは誇りの、サムライの、と云った話をしている様だった。口を挟まぬまま、さつきは見守った]
『ご歓談中だったようね。直接、叔父様の容態を確かめて来たほうが良かったかしら。施波さんに尋ねればと思ったけれど
……此処には不在の様子だし』
(おや……?)
[しかし江原のずいぶんとも思えた主張も、望月は強く言い返し否定するでもなく穏やかに返し、口論になるのではと懸念した万次郎の想像は杞憂に終わった]
(場の雰囲気がどう流れるかもうまく予想できないようじゃ…まだまだだな俺も)
[だが剣呑な雰囲気が続かなかったことは、喜ばしい。
...はほっと胸を撫で下ろす。
そして食堂へ、新たなお客様がおいでになったようだ。
ノックの後に開いた扉に目をむければ、果たしてそれは天賀谷さつきの姿。
彼女が昨夜、倒れかけた事を思い出し]
お加減はもうよろしうございますか、さつき様。
ご所望の食事がございましたら、何なりと仰せつけ下さいませ。
―二階/廊下―
[翠に頷き、入ってきたさつきに会釈して食堂を出ると、書斎の扉へ近づいた。
左手で握りに触れ、その影になるように、極々細身のナイフらしいものを持った右手を添える。
左手首に嵌めた外国製の腕時計と、そのナイフは、酷く不釣合いな様にも、何処か似合っている様にも見えた。
数秒後、小さなかちりという音と共に、扉が開いた]
アメリカにいた頃、Mr.Nitobeの
”Bushido: The Soul of Japan”
という本を読んだことがある。
[感動を思い出すような表情]
サムライは、武を本分として極めて勇敢な者である。
卑劣な行為を忌む精神、主君への忠義―
一口には語りつくせぬ魅力に溢れた種類の人間だ。
花は桜木、人は武士……散り際が美しい桜のように、
自分の命を犠牲に神風を吹かせるサムライの崇高なことよ。
[興奮はだんだんと高まっていく。]
私に言わせれば、今の日本人の対極に位置する者だ。
―天賀谷自室
天賀谷さん……
まさか、“もう始まっている”って云うんじゃないでしょうね。
それならばそれで、私にも心積もりや準備があったというのに。こんな――
[点滴架台を設置し、栄養補給のための点滴の作業を行いながら、昏々と眠る天賀谷に向けて発せられた言葉はやや恨みがましい響きを帯びていた。]
──二階/水鏡前──
さァ、水鏡よ──。
あたし達は、ずっと探していた。
その真の姿を、今こそお見せ下さい──。
異形の真なる姿を現し、時に人を惑わす、あなたのお力を。
[何処の宗教とも似通わぬ呪言を小さく紡ぎ、夜桜は水鏡を*覗き込んだ──。*]
江原さん。
俺が揚げ足を取っていると思うなら腹を立ててもかまわない。だが、お前さんはサムライ……侍という言葉の元の意味を知っているのか。
「さぶらう」。身分の高い人や敬うべき人のそばに控え、仕える、という意味だったんだ。
己の強さを誇示するのは、侍の誇りとは異なるのではないだろうか。
……侍の強さは、己のためでなく大切な人を守り支えるためにあるべきものだった。俺はそう思っている。
見習い看護婦 ニーナが「時間を進める」を選択しました
あ、いいえ。朝食は杏に持ってきて貰いましたから。
もう済ませて居ますの。それよりも……
[と、ちらと江原の方を見遣っては恥じらいを含んだ様子を浮かべる。藤峰の耳元へ背伸びして、囁いた]
……あちらの方の御名前、困ったことに、私……覚えておりませんの。どなたでしたかしら……?
―二階食堂前―
[人の声に引き寄せられるように、食堂へと来てしまった。使用人どもや客人が次々と中へ入っていくのが見える。
もしかしたら、自分が何か幻覚のようなモノを見ているのではないか?
凡愚どもに訊けば、何か解るのではないか?
一縷の望みを抱きながら、一度深呼吸をして表情を整えた。
普段に其れには及ばずとも、舞台に立つ者の顔で]
―二階、食堂―
……おはようございます、皆様。
[柔和な微笑を浮かべながら、そう響かせる。
微かなビブラートに気付いた者はどれほど居たのだろうか]
[途中、さつきとすれ違う。
丁寧に礼をするとそのまま江原の部屋へと
同僚と共に向かった。]
―3F、江原の部屋―
……ああ、此処の釘ね。
[指でさらりと撫でると、
確かに気になる出っ張りが見て取れた。]
金槌、貸して頂戴。
[同僚から金槌を受け取ると、
翠は慣れた手つきでその箇所を修繕していった。そのほかの場所にも問題がないかを確認する。それほどの時間をとることもなく、作業は終了した。]
お部屋、一度見て回った方がいいかもね。
[と、声を掛けたりしながら。]
………君の言うことだ。ゆっくりと聞きたいね、その話は。
[自分でも予想外の、笑みで返答する。]
私はね、誇りたいんだ。サムライと戦って勝ったんだと。
相手がスレイブなら、勝って当然。
こんな勲章も、鉄屑同然の代物に過ぎなくなる。
正直なところ、私の内面はひどく揺らいでいる。
本当に私たちが戦ったのは、サムライだったのか、と。
彼らは、君の言うようにそれぞれの大切な物を守るために戦ったのか。
今の日本を見ていると、自信を持って誇れない。
[そう言えば、白塗りの異様な十三の貌を見て、思い出した出来事が有る。
大した事では無い。まだ十三の部屋に、白粉や紅の類が有ったのだと言うだけの話だ。
仁科は以前に、戯れに天賀谷が女装した時の写真を見せられた事がある。其れは、ちょうど画商が持ち込んだロセッティの油絵のリストを十三が眺めていた時だったろうか。仁科はたまたまその部屋に居合わせた。]
仁科「…へえ。運命の女、ねえ。学の無い自分には分からん話で。」
仁科「何だかこの絵の女は首や肩も太いし化粧も厚い。寧ろ、このロセッティさん自身の顔にそっくりで気味が悪いですよ。」
[江原は同じことをよりどころとしていながら己とまるで違う結論にたどり着く。それを間違いとは言わないが]
……それはケンカに勝った者だけが言える正論に聞こえるよ。負けても、人は生きていかなくちゃならん。妻子を養い、親に尽くして生きていくには赤くも黒くもなろうよ。
それでも、己の大事なもののために生きることが、さぶらうことなのだと俺は思う。
[ラファエロ前派がどうこうと言う蘊蓄も、絵の魅力が分からないと言う仁科に十三は嗤ってその白塗りに頬紅を塗った随分と手の込んだ女装写真を見せた。運命の女──ファムファタアルは男の生んだ幻想だと言う。だから、その見方で、ある種の滑稽さを伴った状態で構わないのだと。
取りあえず、どう理由がついてもカツラを被り白粉を塗った女装の写真だった。
これまた鑑識眼やら文化的な美意識を持った男の難儀な性癖で──とは思った物の、ハイヒールや脚に関心を示すフェティシズムと何か通じる様な印象もあり、病的な印象は
また、其れとは別に、十三は碧子の事をファムファタアルなのだと言っていた。彼女に対する援助は、仁科の知る限りは至ってまともに見えていた。]
──…要約すると、以前見た白塗りは許容範囲内で、昨日のはあちら側だって事だ。
何が…アァ、カツラと…口紅が無い事と……。なんだ。
お早う御座います、先生。
今朝の飲み物はどうなさいますでしょうか?
……杏、先生――あの方を御席へ。お願いね。
[コーネルの声にその場から会釈を送り、傍らのメイドへと声を掛けた]
[やや憔悴した表情で天賀谷氏の部屋の扉を開いた。皆は食堂にでも集まっている頃合いだろうか。
異界に堕ちたというこの場所で時が意味を持っているというならばの話だが。]
――仁科さん。
[扉を開くと、運転手の仁科の姿があった。]
[ゆっくり聞きたいね、といわれ、はたと気づく。思想家と名乗るほどの人に、自分は何てことを]
ああ、いや。
ご大層なことを言って済まなかった。
[侍。その一言にこんなにもムキになってしまうなんて]
俺はサムライなんかじゃないって言うのに、偉そうなことを言って…恥ずかしいな。
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