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……ふん。大陸からやってきた屍鬼か。
その大陸も、眠れる獅子と呼ばれつつも
身を食い千切られた死せる豚であろう。
[声色に尊大さが浮かぶ。]
いようがいまいが、我々の外敵ならば排除するまで。
顔の真横を弾丸が通り抜けたこともある。
銃剣で腕を突き刺されたこともある…。
[左腕を押さえる。]
仲間の屍の上を進み、敵の死体を積み上げたこともな。
もはや、死の恐怖とかいうものが麻痺したようだ。
[時折、悲しそうな表情]
信じようが信じまいが、敵ならば打ち払う。
サムライならばそうするはずだ。
蚊トンボならば恐怖に身を食い破られるだけ。
天賀谷様は不死と云うものがこの世にあると、私にそれを見せると幾度か仰ってましたけど…
その天賀谷様が求めてらっしゃったものは本当は何だったのかしら…。
[小さく呟いた。]
まあ、この国は牙を抜かれてしまったということだ。
情けない。私は、サムライを相手にしていたとばかり思っていた。
屍鬼恐るるに足らず、そんな言葉を聞きたいものだ。
[憂いの顔付きで溜息をつき、それ以上は何も言わない。]
[紅い唇が閃いて、呪詛めいて淡々と言葉を紡ぎ出す。]
水盆はただ屍鬼の姿を露わに映し出すだけの水鏡ではなかったのか。
それとも、天賀谷めが何かしでかしてくれたのか。
『嗚呼、この方は。
理想を追い求めてらっしゃるのね…それでないと、心が休まらないのだわ……』
[純粋な日本人でないと言い、サムライを相手にしていたと言うのならば、ではこの江原と言う男は日系人なのだろうか、そんなことを考えていた。]
江原様。私はこれから天賀谷様にお話を伺いに参ろうと思っておりますの。きっとこの恐ろしい状況について何かご存知の筈でしょうから。
もし天賀谷様のお加減がお悪いようでしたらば、雲井様──ご存知でしょうか、元軍人の方で、天賀谷様とは旧知の間柄の方です。その方も“屍鬼”についてお詳しいご様子でしたから、代わりにお聞きできればと思っております。
江原様もいらっしゃいますか?
[決然とした表情で、江原に伝えた。]
―屋敷庭、井戸前―
[月が朧に、陽は揺れて
金色の幻のようだ。
歩いても歩いても、あの泉には辿り着けない。
仕方なしに、翠は井戸の水を汲み上げて頭から被った。]
……っふ
[さながら禊である。
痛いほど冷えた水が肌を刺した。]
……確りしないと。
[雫を掃い、髪を拭く。
屋敷のほうで、人の話し声が聞こえ、
翠はついと立ち上がった。]
……皆様起きてきていらっしゃる。
惚けている場合では無いわ。
――屍鬼が居たって、私が。
[屍鬼の話。
天賀谷は翠に何度か語って聞かせた事があった。
自棄に真実味を帯びた言葉。
そうして時に翠の稀有な色の眼を瞬きもせず見つめたのだ。
美しい刀の眠る部屋で。]
……仁科さん、大丈夫かしら。
[ふと呟く。
彼女は昨夜外に居たはずだ。
あれから顔を見て居ない。
翠は足早に自室へ向かった。程なく*常の制服に袖を通し現れるだろう*]
─3F自室─
……うう、脳が煮えてきたみたいだ。
[思考がまとまらない。というか、そもそも何か考えていなくては、という気はするものの、何のために、どのような事を、というものが欠けている。]
───思考それ自体が自己目的化している、ってか。やれやれだ。
[デスクの上から降り、空気でも入れ替えようと窓のほうへ近づく。]
?
[自分の腕時計と室内に備わった時計を見比べ、窓の外に目をやる。
───直接であれ、雲に隠されているのであれ、本来ならば太陽が天にあるはずの時間のはずなのに───]
なんてこった。夜が明けてない。
[窓を開け、身を乗り出す。昨日飽きもせずに眺めた花蘇芳も
その桃色が褪せたかのように月に照らされている。]
──回想・使用人部屋/浴室──
[湯に浸かれども仁科の身体は一向に暖まる気配は無い。
真白いまま変わらぬ肌の色を人事の様に眺め、これではまるで死人の様では無いかと。]
…昨日から、急激に──…おかしくなっちまった。
兄さんの話を、聞きに行くべきじゃなかったかねえ。
否、思えば旦那様がずっとおかしかったてえ事には、何の変わりも無いのか。
[ぴちゃり]
[ぴちゃり] [ぴちゃり]
[耳障りな水音…──。]
[煌煌と照りつける血の様な満月の圧迫感は、酷くなって行く。風呂どころでは無い。
薄赤い光と視界の下半分を覆う闇…──。
見慣れた部屋が赤と黒に彩られ奇妙に歪んで見える。]
[──…瞬き。
この風呂の湯は血で出来ているのではないか。
真っ赤だ。]
[仁科は浴槽の中で、恐怖に駆られ立ち上がる。]
…──え?
[唐突に、仁科の首筋にゾッとする様な冷気が吹き付ける。
何かおぞましいものの気配を感じて振り返れば──…何故か広がる──広大な真っ暗な闇の中に。
一瞬だけ、白い貌だけがすっと近付いて消えた様な気がした。]
……なんか、飲み物でももらってくるか。
[2〜3度かぶりを振ると、頭に帽子を載せ、食堂へと向かう。]
─3F自室→2F食堂─
[入り口の前で立ち止まり、誰かいるか、と声をかけてみる。]
あの、すみません。お手数ですが紅茶でもいただけませんか?
[仁科の傍を誰かが通り過ぎた。
強い、強い、怒りの感情を伴って…──。
其れは、時間軸と空間軸の捻れの為か、一瞬の出来事だった。怒りの理由までは分からず、その貌が仁科も見知った碧子の物である事にも気付かない程の短い時間。
只、天賀谷十三の命がもう長くは無い──その事実を仁科は確信した。]
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