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──回想・夜明け前──
[屋敷の車を駐車される定位置は、客人用の駐車場の反対側にある。仁科は枚坂が車に向かって行く様子を見ただけで、実際に発車させる光景を見たわけではなかった。
エンジン音も実際に聞いた物なのか、幻聴なのか今と成っては非情に怪しかった。]
…ハァ。
旦那様のあの白塗りの顔を見てしまったのがいけないのかねえ。
──昨晩の回想──
[つ、と、さつきの姿に目がゆく。]
さつきさま……
[声をかけたのは思いつきからであったが。
夕食の事であると思いこんださつきの様子を見ているうちに、──夜桜はある事を思いつき、しおらしい召使いのままを装おう事にした。]
……ええ、いえ、ですが……其の事ではなく……
[興味を引くように、たっぷりと言葉を濁す。焦れたのか、さつきがじっと見詰めて来たのを、わざと視線を逸らしてみせた。
ぽつりぽつりと話して聞かせる。
この少女は、どのような対応をとろうとするであろうか。]
逃亡者 カミーラが「時間を進める」を選択しました
逃亡者 カミーラは、学生 メイ を能力(占う)の対象に選びました。
──昨晩の回想──
[この少女は、他者に知らせぬ事を選んだようだ。]
[命令しなれた声を後に、さつきと杏は階下へ降りてゆく]
[客室は三階である]
[どこへゆくのだろうか]
[夜桜は、しかし由良のために食事を用意すると三階へと持ってあがった。控えめにノックをすると、知った匂いがプゥンと香る。]
珍しい煙草の匂いですね。
[簡単な雑談をし(主人の事も少し話しただろうか)、夜桜は、由良の部屋を後にする。その足で、夜桜は屋敷の外へ向かった]
──昨晩の回想──
[仁科が辿りつけぬという、櫻の元へと歩む。
先の戦争では、ソメイヨシノが慶ばれたが、この古樹は新参者ではないらしい。]
[いけどもいけども]
[歩む事は叶うのに、一向にたどり着かぬ。]
[夜桜は、この屋敷が「場」に落ちた事を知った───。]
[仁科が帰ってくれば、話をしに*迎えにゆくだろう。*]
─3階廊下(昨夜の回想)─
[夜より黒い漆黒のドレスを纏い、影の様に素早く廊下を歩む。
微かな衣擦れの音は、冴えた夜風の如く。
白い貌には如何なる表情も浮かんで居らず、端麗なる仮面のよう。]
─昨夜の回想─
[揺らぎ、軋む何ものかを身の内に感じつつ、彼女は歩む。]
[あの水盆が目に焼き付いている。]
[あれに誰かが触れた時から、何かがおかしい。]
──回想・夜──
[仁科は二階で望月達に話を聞き、暫しの放心の後、「十三に会いたく無い」と言う意識とは裏腹にそれでも十三の部屋へ向かったのだった。]
でも、直ぐに扉を閉じてしまった。
旦那様は、昨夜よりも更に窶れておられた。
あれは、死相──じゃあ無いのか。
[外へ行きたいと思ったのは自分だった。
車へ向かう枚坂を見てそのまま外へ向かうだろう、逃げたのだろうと考えたのも、仁科だ。]
アァ、先生様は、道具を取りに車へ行かれただけか。
…では、逃げたいのは寧ろ自分か。
[クククと喉を鳴らして乾いた笑いを。]
何なのだろう、これは──。
[まるで、
身の内にあるものが際限無く広がっていく様な、]
[或いは
遠く深く落ち込んでいく様な、]
──回想・夜──
[仁科が此れ程までに焦燥に駆られているのには、ひとつ。本人も未だ気が付いて居ない理由があった。ちょうど、昨夜の…──十三に麓で聞いた屍鬼の話を伝えた後の…記憶が無いのだ。]
[それは、人間であれば悪寒や眩暈に似た感覚であったかも知れない。
尤も、彼女がその様な人間的な感覚を味わったのは遠い過去の事、記憶の彼方に消え失せて比較の仕様など無い。
微かな苛立ちを秘めながら、彼女は宛がわれた客室の扉を開ける。]
―自室・朝方の出来事―
[作業を終え、自室に戻っても翠は何となく寝付けず、
うつらうつら幾度か眠りの淵を彷徨っただけに止まった。]
……。
[何となく抱えたままの洋服や友禅の数々。
仄かにあの夫人の纏う香がした。
外は既に白んでいる。]
……屍鬼が遂に出た。
[天賀谷の言葉を繰り返す。
彼は、血走った眼でそう謂った。
天鵞絨の瞳を伏せて思案に沈む。]
――金の亡者の御客様は、喰われてしまえば。
[冗談交じりで謂った言葉、
けれど今はそれが何故かこんなにも不吉だ。
水がひたひたと浸食してくる、冷たい感覚。]
『確りしないと』
[ふるふると首を振り、
眼を覚まそうと水を浴びる為外へと出た。
早朝ならば人も居ないだろう。
翠が気に入っている泉が、森の中にはあった。]
──…。
旦那様は近い内にお亡くなりになる。
[仁科は目を伏せハンドルに凭れている。
強迫観念の様にその言葉が仁科の中でぐるぐると回っている。緊張で身体はガチガチと震えた。
しかし、そのまま浅い眠りに落ちたのだろうか。気付けば、闇の中、誰かの指が、肩に触れた様な感触に何度も目覚め──その度、背筋が凍る様な心地がして小さな悲鳴を上げ、此処が慣れた車内である事に気付いて*息を付く事を繰り返した*。]
──回想・夜→夜明け前──
[そうしてどれ程の時間をハンドルに凭れたままで過ごしただろうか。まだ月──ちょうど行き道でさつきが口にしていた様な赤い月──は浮かんだままだったが、僅かに空が明るくなった様に思えて、仁科は立ち上がった。
…──別荘へ戻る。]
[赤く充血した眼球の様な満月。異様な圧迫感を覚える。
息が苦しい。不気味な月が気に掛かり、山荘へ戻る道すがら、仁科は何度も空を見上げた──。]
[それは遠い昔、彼女が一度死の腕に抱かれ、そしてその口接けを受けて還って来た時、]
[しかとは覚えていない、疫病の齎す朧げな熱夢の延長として微かに記憶しているもの。]
『あの時は……わたしを呼ぶ小さな声がして、』
『わたしは身体がばらばらになっていくような心持を覚えたのだっけ……』
[しかし、その記憶でさえも僅かばかりの痕跡を残すだけに過ぎない。]
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