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御礼は不要ですよ。巡礼者を泊めるのは教会の義務でもあります。
[うっすらと柔らかい笑みを浮かべた。]
何かあったら教会の方に。
私の他にもう一人、雑務をしてくれる従僕が居ます。赤毛の大男ですが…。宿泊者が居ると伝えておきますので、便宜を図ってくれると思います。
では、またミサの時に…。
[ルーサーは背を向けて宿坊を出た。]
[震えながらネリーが入って来る。
セシリアは顔を上げてネリーをじっと見る。
彼女は怯えて見えるが、でも何をされるか分からない。ネリーがどの様な人となりなのか、セシリアは知らなかった。ただ「この村よりも更に田舎者の、貧しい肥だめの娘」のとしてしか認識していなかったのだから。]
……ッ痛!
[ネリーが転んだ拍子に、セシリアの胸や腰に絡まった鎖が思い切り引かれ、鎖が食い込んだ箇所が派手に擦り剥け、素肌から血が流れた。
ネリーは額を赤くしている。]
あー………いたたたたァ。
[真っ赤になった額を手で擦りながら、ネリーはクインジーにペコペコと何度も礼をした。]
は……ヘェ!
だ、だいじょうぶでござェます!
[立ち上がろうとして、上を見上げ――…]
…………………………
[ネリーはギョロリと大きく目を見開いた。]
[人狼――彼女の主が告げた「恐ろしい化け物」――]
……ひ………ッ……
[ガタガタと震えながら、ネリーは濡れた布をキュッと握った。]
おおッ!見たか?見たか?
この犬畜生、神通力でウチの田舎娘ぇやったぞ!
[わざと煽るように、周囲に触れまわる。]
とんでもねえ犬ッころだぜ!
[セシリアの有害性を、デッチあげてでも
演出しているようだ。]
ま……まずはッ……
ご命令でェ、お前サンの身体ァ……拭かせて、もら……いますァ……
[ノーマンに煽られてさらに声を上げる人々を背にして、ネリーは「セシリア」の身体におそるおそる手を伸ばした。]
「ずんもん」のために、身体ァキレイにして、服着替えンと、……いけんからっていうことで、ござェますから……
[セシリアが身を捩り、その身は檻の中央でぐらぐらと揺れた。顔は刹那に苦痛に歪む]
……気をつけてくれよ
[クインジーはセシリアの白い素肌を伝いわずかに零れた真っ赤な鮮血を見つめながら、どこか心ここにあらずといった態でネリーに呟いていた]
『人狼といえども血は赤い……』
[ネリーの様子を、痛みに眉を顰めたまま伏せ目で流し見る。]
………ネリーだっけ。
あなた、私が怖いの?
…まあ、当たり前──か…な。
[ネリーに何か言いかけた言葉を止め、ノーマンをノーマンの兄アーノルドを睨んだ時と近い眼差しで睨んだ。
睨んだ眼差しは、騒ぎの中でもまだ以前の様にセシリアの鼻梁の上に掛かっている(取り上げられていないのは、奇蹟の様に思えた)眼鏡の奥で少し揺れている。
込み上げて来るものがあっても、セシリアは泣くのは嫌だと思った。]
……鎖。
絡まったままじゃ着替えなんて無理よ…。
[糞尿対策として家畜小屋のように藁が敷く事が、当たり前の様に村長に認められた事を思い出しながら、]
人前でこれ以上肌を曝すなんて……。
私は……嫌。それなら、このままで良い。
尋問なら、このままでも出来る──でしょ…?
[語尾は震えながら。]
「ひぃっ!」
[ノーマンの煽るような言葉に、檻に近づきかけていた村人達は一瞬潮が引くように後ずさった。
神通力、
呪殺――
魔眼の力を持っているのではないかと恐怖に顔を引きつらせながら。
村人たちは、目の前の恐怖を追い払おうとでもするかのように、屈んで石をとると檻の中へと放る。目を背けながらの気の入らない投石は正確さを欠いたが、礫の一つ二つはセシリアとその体を拭おうとするネリーの背中に当たった。]
やめろ! 世話をしている最中だ。
[クインジーは作業を邪魔されることに倦んだ声をあげる]
[「怖いの?」と問われ――]
………分かりませン
[と左右に首を振った。]
[「セシリア」の身体に布をあて、ゆっくりと身体を拭く。あっという間に布は血と砂埃の色に染まり、一旦檻の外に出てはバケツの湯で布を清める。
何度かそれを繰り返して行くうち、状況に馴れたのか、ネリーは檻の中にバケツを持ち込んだ。布を清めては身体を拭き、身体を拭いては布を清める――]
……あァ。服ン中……は
[はたと気付く。この目の前の「セシリア」は、年頃の娘――]
[神父の説明を聞いて相槌をとりつつ返答する。]
了解。こちらこそ色々と気をつけてな〜。
[そして、部屋から去っていく神父に手をふった。]
[遠くからも、檻に投石がなされる。]
「やーい、化け物!」
「人狼なんか、セシリアなんか死んじゃえッ。」
「お前の母ちゃんも人狼だろッ!!」
[はやし立てる様な声と共に遠ざかる足音。
セシリアの家のすぐ近くに住む子ども達の仕業だ。その子ども達の向うにセシリアを最初に告発した近所の若女将と、子ども達の若い母親がえも言わぬ嫌悪の表情で佇んでいた。子どもが言うと言う事は、大人が話したと言う事だ。]
お母さんは、お母さんは関係…無いわ。
[セシリアは、母親の顔を思い浮かべる。そして、ネリーが持って来た着替えが、普段の自分の衣類である事に気付いた。]
ヒュゥゥゥ……。
[クインジーの声に、口を鳴らす。]
だそうだ。なぁに、時間ならある。
好きなだけやってやりゃあいいだろ。
[そう言って、村人たちを制する。]
それに……この犬ッころにゃあとっておきの
「ゲスト」を用意してあるんだ。
後ほど、ご登場願うとしようか。
[ニヤニヤと檻の中を見つめる。]
あウッ!!
[無防備に晒していた背中に、容赦無く石の飛礫がぶつかった。]
………ッ痛………
[その場に蹲り、痛みに堪える。]
[ノーマンの言葉に投石はやんだ。「ゲスト」との言葉は意味深だったが……。
振り返れば、セシリアが着替えを渋っている。]
見られたくねえって云うなら、幕をかけてもらうよう頼むがなあ……
[アーヴァインや村長がセシリアが人狼だとの確信を得ていたとしても、クインジー自身はそうではなかった。目の前にいるのはやはり娘なのだ、との意識が先に立つ。]
だが、いつまでも不潔ったらしい格好でいるわけにもいかねえだろう。怪我したところだって手当をしねえと膿むしな。
それとも、ひどい悪臭で尋問相手を辟易とさせることが望みか?
[最後の言葉は皮肉めいた笑いと共に]
[考え込みつつ、聖堂の方に向かって歩く。
ともあれ、そろそろ日時計で時刻を確認しなければならない。
身に付いた習慣からか、それとも信仰心の賜物か、何故か聖務日課を行わねばならない時間が近付くと感覚的に分かる。
今日もクインジーが居ないので、自分が代わりに鐘楼に上がって鐘を突かねばならないだろう。
祈りが終わったら、また詰め所に行ってクインジーに話をしておかねばならないな…と*独りごちた。*]
[就寝しようと部屋のベッドに近づこうとしたその時、あることを思い出した。]
あ、荷物取るの忘れてた。
[野宿をした場所においていた荷物を急いでとりに行き、宿泊部屋の中に運んできた。]
ふぅ、これで全部運んだ…と。
そいつは……お袋さんが持ってきたものだよ。
[ネリーが持ってきた服に落ちたセシリアの眼差しに応えるように、視線を外したままのクインジーから言葉が発せられた。]
[ウェンディはかなり離れた位置からひとりで檻のほうを眺めていた。
本当は私と同じ位の年齢だろう、子ども達が檻に向かって投げかける罵声。さらに実際に投げかける石。
彼女は「やめて!」と子ども達を制したくなった。
勿論それは「可哀想だから」と言う感情も湧き上がっているからだが、ただ機械的に彼らに同調するのは簡単であれ、それは自分の心に対して滑稽だからと言う奇妙な感情も持ち合わせているからだった。]
ああ、この女将さん達は人狼に、お姉ちゃんに対して何も考えてないのだな。
[と思わされるのだった。
だからと言って彼らを止める勇気もなかった。堂々とあの子ども達を止めれば今度は私が石を。とも思い、何も出来ず、漠然と*見つめていた*]
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