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[宿を提供してくれる、という神父の一言を聞いて、女は喜びの笑みが小さく浮かぶ。]
泊まる場所を提供してくれるのか。こいつはありがたい。早速案内してもらうとするか。
[そして女は、ゆっくり立ち上がっていった。]
もう村には行きましたか?
旅をして来たならば近隣の村で既に噂を聞いたかも知れませんが、最近この村では恐ろしい人食いの獣が出るのですよ。
[さり気ない態を装って話を向けてみる。]
その様な痕跡や何か異様なものを見た、ということはなかったですか?
[手押し車を押しながら戻ってきたネリーは、いつもと変わらぬ様子には見えたが、檻に向かう眼差しはやはり少し及び腰に思えた。]
大丈夫だ。そうそう心配いらぬ。
[クインジーは励ますように笑いかけた。
だが、と思い直す。人狼の恐怖は語り継がれてはいたが、かといってなにができなにができないのか、その実体は定かではなかった。
わからない、ということこそが真実恐ろしいことやもしれぬ――そう思い至り、眉を蹙める。]
――おや
[ネリーから服を預かり、上げた眼差しがノーマンの姿を捉えた。人相のよくない男と話す彼はなにかをしようとしているのか、はたまたなにかをした後なのか。
漠然とした不穏の気配を感じながらも、クインジーには裏で起きている策謀のことなど知るよしもなかった。]
……………いいえェ。
申し訳ござェません……
[ビクリと肩を竦め、目を見開いたままノーマンに深々と礼をする。]
ただァね、おそろしーぃ狼の化けモンがいるっていうこってして。
ワタクシはそン世話ァしなくちゃァいけねェんですがネ。取って食われンじゃねェかと今からこえェんですよォ……。
ノーマンさまァは、村長さまァの大切な弟君でござェます。御身お大切に、お怪我なさらンよう、お気をつけくだせェませ。
[そう言うと、バケツの中の湯に布を浸し、少女の身体を拭く準備を始めた。]
[女性の先に立って歩きながら、少し前にやってきた新しい従僕─というよりは「用心棒」の方が相応しく思えたが─の荒事向きの顔を思い出していた。
今は村長の要請で詰め所で働いてもらっていたが、万一を考えて少し話をしておいた方が良いかも知れない。]
こちらですよ。
食事は用意できませんのが、炉はあるので煮炊きは出来るようになっています。
ふん…直に殺っちまう運命なのに、丁重な。
おまえも人狼だと名乗ってみたらどうだ?
タダ飯食らえ、世話係まで付くたぁ、
今までの暮らしよかマシかもしれねえぜ。
[バケツの中に唾を吐いた。]
ノーマンさん。こんな時です。
頼りにしてますよ。
[唇の端を歪めて笑みをかたちづくるクインジーの人相も、彼の隣にいた荒くれ者とそう変わるものではなかったろう]
[神父による村に関する話を聞いた途端、背筋が急激に寒気を催した。しかし、なるべく平常心を保つようにしている。]
え、この村にそんな物騒なことがあるのか。
ちなみに私が見たところでは、痕跡や異様なものは見かけなかったけどな。
…って、こっちか。
[神父の案内に引き続きついていく。]
[クインジーの言葉に、ニヤリと笑って。]
あったりめーよ。村は俺にとっちゃあ、
自分の身ぃみてえなもんよ。兄貴と共に頑張るぜ。
俺は、村長の弟なんだからよ!
[悪意ある呟き。]
今はな。
いやァね。俺はこう見えても聖職者なんでねえ……
まあ、手続きってェものにそれなりにこだわりがあるんですよ。
多少見栄えがいい方がお客さんも悦ぶってもんでしょう?
[ノーマンの言葉を受け流すように、肩を竦めた]
[ノーマンの言葉を耳にし、ひどく虚ろなまなざしと共に首を横に振った。]
ノーマンさまァ……。
ワタクシにァ、難しいことはよく分かりません。
[放り込まれた唾のあたりの水を両手で掬い、そっと地面へと棄てた。]
ただァ……「あれ」をキレイにしろと言われたらキレイにする。世話をしろと言われたら、世話をする。決して口ごたえはしない。それが召使いの仕事でござェます。
それがワタクシの生きる道でござェます……。
故郷の父ちゃんが言った、「主の言うことはよく聞くように」「嘘はつかないように」……そして「お天道さンに顔向けできないことはしちゃァいけない」。それ以上の難しいことァ、ワタクシにァなぁんも分かりません。
[布を絞り終え、クインジーから服を受け取り、そして官憲の男に檻を開けてくれと告げた。]
なにしろ、村長さんの言葉通り、狼憑きが捕まったってのもこの地では前代未聞のこと。
その裁判も尋問も、はたまたこうして飼ってみるのも初めてづくしだ。
万が一にでもおかしなことになっちまっちゃァ泥被るのは村長さんの一家でしょうからね。
殊勝にも、色々意を砕いてるとご理解いただければありがたいんですが。
――ええ、悪いようにはしません。
[狭い部屋だが数人はゆうに泊まれるだろう。
ベッドには敷き藁はなかったが、台はきちんとしており清潔そうだった。
煮炊きできる暖炉が部屋の隅に設えてある。]
滞在中は自由に使ってもよろしいです。
村に行く時は注意した方が良いと言っておきましょう。
そういう非常事態ですから余所者はあまり歓迎されないかも知れません。
[神父の案内により、部屋にたどり着く。女は神父にお礼を言う。]
ありがとう。お礼はその非常事態とやらが収まってからでいいかな…?
後、村へ行くときは充分気をつけるよ。
[セシリアは得意げに演説を披露した村長を、口唇を噛みながら、先刻クインジーに向けたよりも、激しい眼差しで睨んだ。]
──…ッ。
この戒めさえなければ。
アーヴァインの様に、引き裂いてやるのに。
……他の人狼に、無惨にお前が殺されてしまう事を願う。
[セシリアはまだ自制している。
檻の外に、聞こえるか聞こえないかの呟き──セシリアのものとは、思えない程に低い声には、呪詛が籠っていた。]
[クインジーは、胸の内で野心が獣炭の火の如く沸々と燻っているような目の前の男のギラギラとしたところに常日頃から興味を感じていた。
それが果たして紅蓮の炎となって立ち上ることがあるのだろうか――
どこまでも他人事のようでありながら、どこかその行く先を垣間見てみたい気持ちもあった。その感情が、この男に接した時にどこか挑発的な言葉となって現れ出るのかもしれなかった]
……とんでもない
[狸だ――というノーマンの言葉に笑みを返した。
ネリーに服を返す。檻に入ってゆく彼女の後ろ姿に意識は向かった。]
―――ガチャリ。
[檻の扉が開く。
ネリーは震える足を一歩、また一歩と進め、少しだけ身体を屈めて中に入っ―――]
う、ああぁああ!!
[震える足先がもつれ、「ガシャァァァァン!」という派手な音と共に、宙吊りになった「セシリア」にぶつかり――ネリーは檻の中で転んだ。額を床に打ちつけたせいか、彼女の額は真っ赤になっていた。]
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