情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
―玄関―
[翠は扉を押し開けた。
いつもの位置に、いつもの車。]
『仁科さんと、それから……』
[客人は複数居るようだ。
先程荷物を運んだ執事と共に車の方へ近付いて行く]
[座席シートに身をもたせ、ゆっくりと目ばたきした。余程良く眠っていたのか、小さな衝撃をきっかけに意識ははっきり戻っていた]
……うん、おおきに。
……やない、ありがとう、仁科さん。
[言い直して車を降りる。辞儀をして歩み寄ってきた青年に鞄を手渡した]
来海『くそっ、おい、運転手、他にもっとマシな道は無いのか?』
運転手『なにぶん田舎なもんで、我慢してください』
来海『チッ、天賀谷のオヤジも陰気くさいところに引きこもったもんだぜ。近頃は東京の会合にもまったく顔を出さない。一体どうしちまったんだ……』
[すでに使用人達が荷物を運んで居る。
手伝う中に、呆れるくらい大きな荷物があって
あれはなんだろうと翠は内心首を傾げた。]
ようこそおいでくださいました。
御案内させて頂きます。
[翠は礼をすると、新たな客人を部屋へと導く為歩き始めた。]
運転手『来海様、ホラ、見えました。天賀谷様のお屋敷です』
来海『お、おお…… 噂には聞いていたがあれが』
[来海は天賀谷邸の威容に言葉を失った]
運転手『来海様、ところで天賀谷様からの招待状はお持ちですか』
来海『招待状は持っていない。飛込みだ。』
運転手『そうすると時間も時間ですし、誰も迎える人がいないのでは……』
来海『うるさい。とにかく黙って屋敷につけろ。誰も出てこなければ勝手に乗り込むまでよ。』
運転手『……』
[来海を乗せた車は天賀谷に近づく]
運転手『どうも今の時間でも先客がおられるようですね、車が停まっています、どうしましょうか』
来海『関係ない、来海洋右が天賀谷を訪ねてきたと伝えろ、俺は急いでいるんだ』
運転手『わかりました……』
[運転手は車を庭に停めると億劫そうに天賀谷邸に伝令に走った]
さつき様、望月様、楽師の先生様は、藤峰さんや翠さん達にお任せ致しましょう。
──…さて。
[道に慣れない者の乱暴な運転に庭が荒れれば、庭師が怒るだろうとちらりと思い乍ら、車をぶつけられては敵わないとヘッドライトの当たる位置へ自ら移動する。]
――別荘/館内――
さつき、て云います。宜しぅ――
[メイドのお仕着せを纏った娘に云いかけた言葉が途切れたのは、彼女の瞳を見た為であった。今までに見たことの無い、翠色の瞳――恐らく西欧人との混血なのであろうと思われた。だが娘はさつきの動揺を意に介さぬように、足取りを進めていく]
『……馴れてはるんかな。
不躾やて思われへんたら、良いんやけど』
[心中に呟き、案内する彼女の背を追った]
[運転手はニーナを見つけると声を掛けた]
運転手『あのう、夜分恐れ入ります。私、来海洋右の使いのものでございます』
運転手『来海は、天賀谷様との面談を希望いるのですが、今から天賀谷様にお目通り願えますでしょうか……』
[一瞬、ライトにぴたりとした黒い詰襟の制服に身を包んだ女運転手のボディラインが浮かび上がる。
だが、光は直ぐに消え、仁科に気付く事も無く車は坂の途中、手前で停車した様だ。
運転手の様子に、今来たこの客人は招待状を持たぬ者だと聞かずとも知れる。]
──…ハア、来海様ですか。
この時刻故、直ぐに天賀谷に…とはいきますまいが。
お客人には取りあえずお休みいただける様に、屋敷の者に用意する様お伝え致しましょう…──。
[運転手の顔色を眺め、]
お偉い先生なのでしょうな。
…何やら、お困りの様ですねえ。
自分が一緒に行きましょうか。
後、出来れば車はあちら側にお願い出来ますかね。
[来海が座席で待つ車の方へ、やはり真っ黒な革靴の音を子気味良く鳴らし乍ら近付いて行き、後部座席を慇懃な仕草で覗き込む──。]
いらっしゃいませ、来海様。
遠い所をお疲れでございましょう。
どうぞ、こちらへ…──。
―自室
「晩餐会」か……
[翠の先程の言葉を思い返す。どうやら招待された者は幾人かいるようだった。
車のエンジン音が響く。
カーテンの隙間から窓外を見下ろせば、敷地内には到着した自動車と屋敷の使用人たち、降りる客とおぼしき人影で時ならぬ賑わいをみせていた。]
――別荘/三階――
[扉の並ぶ廊下を幾分行ったところで、藤峰と名乗った副執事の青年は立ち止まった。鍵束の中から一つを取り出して開けると、さつきにその鍵を渡す。荷物を室内に置き、多少の言葉を交わして藤峰は恭しく礼をし、立ち去っていった]
……ふぅ。くたびれたぁ……。
[荷を解き終えて安楽椅子に腰掛けたさつきは、とりとめなく思い浮かぶ様々の事柄をぼんやりと*考え込んだ*]
[来海は仁科の丁寧な応接には目もくれず、自分の都合ばかり喚き散らして、案内された部屋に消えて行った]
来海『今は一刻でも時間が惜しい、明日、天賀谷のオヤジに会ったらすぐに東京に戻らないとな…… 』
来海『おい、女、俺はこれから仮眠を取るが、その前に部屋に酒とメシを持って来い』
来海『それから帰るまでにこの……』
[運転手が申し訳なさそうに横で頭を下げていた]
新米記者 ソフィー が参加しました。
新米記者 ソフィーは、守護者 を希望しました(他の人には見えません)。
前略
電報でお知らせ致した通り、今朝一番の汽車で此方に着きました。
丁度櫻の満開で、眩しい程です。
駅前に一軒きり有る宿に部屋を取って、一日通りを見て居りましたが、天賀谷の自家用車は、今日だけで何組も客を送迎して居る様子です。瞭然見ただけで、三組は居りました。
宿の者に訊きましたら、こういった来客は、今月に入る迄は殆んど無かったとか。他にも、東京から来たらしい自家用車が、山へ入って行きましたから、屹度其れも天賀谷邸へ向かったのでしょう。
そうそう。
夜、最後の汽車で到着された中に、京都のさつきさんがいらっしゃいました。
今度の招待状、少し気味悪く思って居りましたけれど、噂ばかり名高いあの別荘に、今せっせとお客が通っている事だけは真実です。是程お客が居るのなら、誰も知らぬ内に取り篭められて仕舞うなんて、発つ前に冗談にして居た様な事は有り得ませんでしょう。
如何して、その中に私が入っているのか迄は、未だ解りませんけれど。
明日、一番の汽車で到着したとでも言って、迎えの車を呼ぶ予定で居ります。
先ずはお知らせまでを。 かしこ
智恵
─駅前/宿の一間─
[何となく薄暗い部屋の隅、鏡台の上に万年筆を置く。
この部屋には、外に机の用に使える物が無かったのだ。
書き上げた手紙のインクが乾くのを待ちながら、溜息をついた。]
あぁ……。
こんな探偵の真似事なんてしないで、素直に別荘に伺っていれば良かったかなぁ……。
此処より良いお部屋とご飯が頂けたのは、間違いないわよね……。
…お会い出来ると宜しいですねえ。
[来海の態度には内心で肩を竦めただけで、特に気に掛ける事は無かった。上の者が使用人程度に気を遣うなら寧ろその腹の内の方が気になるだろう。
屋敷の者から伝え聞くに、何時の間にやら明日は晩餐会が開かれるとか。使用人の誰もが十三と直接会ったと言う話も聞かないのにその様な流れになっているのがこの屋敷の常らしく、可笑しかった。既に到着した客の名を聞き、その中に碧子が居る事に気付く。]
大河原様がいらっしゃった所為でしょうかねえ。
そろそろ、自分も旦那様のお顔を拝見したいもんで。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新