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──二階──
[そっと使用人部屋を抜けて誰も居ない重厚な廊下に佇み、襟元を緩める。白いシャツがちらりと覗く。]
屍鬼の話を…──お聞かせしたいと申し上げれば、旦那様は喜ばれる気はするのだがね。旦那様は、口に出してはハッキリとはおっしゃられないが、少々猟奇的なご趣味をお持ちの様だ。この土地を選ばれた理由も、土葬の習慣が気に入ったからだと耳にした事がある。
[主なコレクションは天賀谷 十三の書斎兼展示室に有ったが、屋敷の随所随所にも廊下にも様々な品が飾られている。西洋式の建物に、同様の西洋骨董、和骨董、大陸の品も──屋敷の建築や調度をみれば、確かに天賀谷は美しいものをみる鑑識眼を持っているのだろうが──古今東西が入り交じりとても奇妙な光景だった。
──特に、二階の廊下に据え付けられた、天賀谷お気に入りの水鏡は。]
[大陸からわざわざ取り寄せたと言う水盆。
西洋建築物の廊下の中央に、如何にも呪術めいた盆が大切に置かれ、毎日水を取り替えられていると言うのは奇妙な光景と言うしか無い。そしてそれに何かが映るのを待っているのか、夜毎熱心に眺める十三の姿──…。使用人は、仁科を含め十三が拾って来た者が多いのか、十三に何か苦言を呈する様な者は居ない。]
火葬は燃やしてしまうからいけない。
──それでは、甦る事が出来ないだろう。
[嘗ての十三の言葉を口の中で反芻する。
死んだ者の何を甦らせたいと言うのか──さっぱり分からないと当時は思ったものだった。]
ただ、屍鬼に関しては、カストリ記事が欲しいから麓へ行ってくれとまで、おっしゃられる熱心さ。アァ、雑誌を頼まれたのが、自分がお会いした最後だったか。
金の亡者となられたご親戚筋の話はさておき、此処二三ヶ月、姿を殆どお見せにならない。[夜桜を拾った話は聞いたから、既に十三が死んでいるなんて事はないのだろうとも首を捻り]旦那様は本当に具合が悪いのかねえ。
[他の使用人については分からなかったが、少なくとも仁科が天賀谷と顔を合わせる時は、一対一の対面だった。
天賀谷 十三は、一代で財を成したのだと分かる癖のある初老の男だ。人を拾うのが上手い。嘗ては東京で名を馳せた。素人とは思えない古物骨董の知識と鑑識眼。そちらの方面でも十分いきて行けそうでもある。何故、この山荘に籠ってしまったのか、話題になっている原因不明の首無しの猟奇殺人──屍鬼と言った胡散臭い物に主人は興味を持つのか。
仁科は、奇妙な主人への好奇心を駆り立てられている自分に気付く──。]
──…さて。
[天賀谷のコレクションルーム兼書斎は今、静まり返っている。
仁科は軽く伸びをすると、胸ポケットに入れっぱなしになっていた「屍鬼が家に来た」と言っていた男の自宅の住所を記した紙片をカサリと取り出す。そして、使用人様の廊下と階段を使い、*また一階へ戻った*。]
[西洋風のメイド服を纏った若い女中を下がらせて、一人きりになる。
残像のように唇に焼き付いた、物柔らかな女らしい笑みは、窓辺へと歩く間に、掌に乗った雪片のように消えて行く。
夜中だと言うのに、先程から幾度も外から自動車のやって来ては停車する物音が聞こえて来る。
山中では余計に音が響き渡るのだろうか、それはこの広い邸内に居てさえ何処にどの様に停まったかも分かる程であった。
分厚いカーテンの隙間から、窓を少しばかり開いて外を覗くと、自動車のヘッドライトと館から洩れる仄かな明かりに照らされて玄関の辺りが僅かに窺える。
どうやら複数人が新たにこの館に到着したようだ。]
[風に乗って微かに聞こえて来る怒声の様な人の声を後に、さっと窓を閉めて、カーテンを元通りにする。
それから、きびきびとした動作でサイドテーブルに近づくと、その上に置いてあったハンドバッグを手に取った。
カチリ、と黄金色の口金を開く音。
目を落とし、中にあるものを確認する。
「それ」は、見詰める彼女の瞳に浮かぶ色と、同じく冷たく硬いもの。
和えかな笑みがうっすらと唇に浮かぶ。
擦れば一掻きで剥がれて落ちてしまう様な、薄い薄い金箔の様な笑みを。]
[だがその笑みもまた淡雪と解けて。
ドレッシングガウンの襟を掻き合わせて、テーブルに置かれたランプに手を伸ばした時にはもう跡形も無い。
……灯りが消され、室内は*闇に包まれた。*]
農夫 グレン が参加しました。
農夫 グレンは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
―天賀谷屋敷門前―
[奇妙な形の帽子をかぶった青年が、荷物をひっくり返してなにやら探している模様だ。]
さて困ったな、と──あ、あったか。
[探し当てたものは、煙草と思しき紙包み。
10箱はあろうかと思われる中から、ひとつの口を切り、
火をつけて大きく吸い込み。
普通とは匂いの違うそれを吸い込んだ青年の表情もまた、
普通のものとは異なるものである。]
[一本吸い終えると、ポケットから手紙らしきものを取り出す。]
さて、これがないとここにはお邪魔できないんだよな、確か。
[一人ごちると、門の中に*入っていく*]
[──昨晩]
[翠に指し示された部屋へ茶器を持ってゆく]
お客様──枚坂さま、失礼いたします。
熱いお茶を持ってきました。
[枚坂の視線に]
夜桜、と申します。
御用は何なりとお申し付け下さい。
[紅の唇を弧を描かせ、お辞儀をした]
[早朝、まだ夜が明け切らぬ時刻に...は起きていた。
髪を手ぬぐいで押さえ、修練のための胴着に着替えて刀を持った。
廊下ですれ違ったお下げ髪の少女(翠)に尋ねる]
庭で素振りをしても、構わんかな。
[手に持っているのはどう見ても木刀ではない。白木の鞘に収まった本身の刀と見えるだろう]
[翠のいささか当惑した様子を見て取って、ああ、と苦笑]
確かにこいつは刀だが、刃はつぶしてある。当たったら、痛いだろうが斬れやせんよ。
―天賀谷邸・廊下の一隅―
[かくかくしかじかの場所ならば、広くて人も来ない、翠から教えてもらう]
ん、ありがとう。あと、少し頼みたいんだが、朝風呂は使えるかな。昨夜は草臥れきって、部屋に荷物を置くなり眠っちまったんだ。
[少々気恥ずかしげに頼めば、風呂についても手配してもらえるか。
昨夜は眠かったために、今日は早朝で薄暗いために、...はまだ翠の目の色に気づかない]
[他に入る人間がいないのに、風呂を手配してもらった事に感謝している]
親切にありがとう。俺なんか客と言っても半ば出入りの商人みたいなもんなのに。ええと、翠、さんね。よし、覚えた。
[嬉しそうににこり。
だが、翠と別れて庭に降りた時には、その顔は真摯なものと変わっている]
―天賀谷邸・廊下→庭へ
[翠には『刃をつぶしてある』と言ったが、それは嘘だった。
山田流居合術の稽古は真剣をもって旨とする。
…木刀は軽い。あまりにも。
真剣の重みは、人の命を絶つための重みだ。その重みを感じることなく素振りをしても、何の意味もないと...は思う]
―天賀谷邸・庭―
[白鞘から刀身をゆっくりと抜き放つと、素振りをはじめた。
朝日を浴びた白刃が...の周囲できらめく。この時間に起き出した者ならば、窓から素振りする...の姿も*見るだろうか*]
─3階・客室─
[呼鈴で呼び寄せたメイドの一人に茶を用意して貰い、寝巻きの上にドレッシングガウンを纏ったまま目覚ましのそれを啜る。
朝の日差しを浴びながら、ゆったりと椅子に腰掛けて、窓の景色を眺めた。特に取り立てて見るべき絶景がある訳でもないのだが、靄消え去らぬ森の有様は一幅の水墨画の様な趣がある。
しかし傍から見れば、瀟洒なソーサーとカップを持って茶を喫する様子は、今の御時世を考えれば同じ日本の国とは思えないだろう。何処か銀幕の中の芝居じみた雰囲気が漂っている。]
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