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書生 ハーヴェイは見習い看護婦 ニーナに投票を委任しています。
見習い看護婦 ニーナ は お尋ね者 クインジー に投票した
お尋ね者 クインジー は 学生 ラッセル に投票した
美術商 ヒューバート は 学生 ラッセル に投票した
学生 ラッセル は 美術商 ヒューバート に投票した
墓守 ユージーン は 学生 ラッセル に投票した
書生 ハーヴェイ は お尋ね者 クインジー に投票した
流れ者 ギルバート は 書生 ハーヴェイ に投票した
未亡人 オードリー は 学生 ラッセル に投票した
牧師 ルーサー は 学生 ラッセル に投票した
お尋ね者 クインジー に 2人が投票した
美術商 ヒューバート に 1人が投票した
学生 ラッセル に 5人が投票した
書生 ハーヴェイ に 1人が投票した
学生 ラッセル は村人の手により処刑された……
未亡人 オードリー は、流れ者 ギルバート を占った。
次の日の朝、美術商 ヒューバート が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、見習い看護婦 ニーナ、お尋ね者 クインジー、墓守 ユージーン、書生 ハーヴェイ、流れ者 ギルバート、未亡人 オードリー、牧師 ルーサーの7名。
墓守 ユージーンは、お尋ね者 クインジー を投票先に選びました。
僕には言葉以上に、僕がmemento moriに汚染されていない事を伝えるすべはない。
細部まで解析したいと言うなら協力するが。
[獣を見ていた彼は一瞬反応が遅れる。
後方へ飛び退き蔓は避け、避け切れないBOMBは真っ二つに斬る。]
君が破壊を選ぶなら、僕もそれを選ぼう。
[[>破壊]
墓守 ユージーンは、流れ者 ギルバート を投票先に選びました。
──Under/botanical garden──
[Lutherの片頬が緩む
2発は相殺、lightning moveでの光速移動、全てを0にする攻性防御壁が3発放たれたのを視ると、dateを喰わせる為に軽い炎を三つ放つ。
瓦解したdateの上に、左手をのせて地面(Grid)に降り立とうとし]
──SYSTEM:memento mori Checking PGM starts a check.
[彼女の視界に表示されるPGMのBOX]
[彼の居た場所を狙っていた蔓を横薙ぎ、オードリーへ向け走る。]
[動きを止めるオードリーに困惑し]
今更止める気か?
[口では問いかけるものの、移動速度は変わらない。
オードリーの右に駆け抜け胴を見舞おうと]
──SYSTEM:FA2DFB2C1FE/Gilbert was not polluted
[表示されたその結果に彼女は]
……勘、ね。見事に大ハズレじゃない。
御免なさい。貴方とは闘う意味がないみたい。
[未だ唸る獣を撫で、言った]
――Under/Street (廃棄領域/街路の一角) ――
[小雨はやがて雨脚を強め静かに街路を濡らす。
先刻まで周囲に充満していた屑(トラッシュ)データを洗い流すように]
……men…to……mo……ri……。
[ありあわせのテクスチャで構成された白いワンピースが雨に打たれ、水を吸って少女の身体に張り付いていった。それでも彼女が目覚める様子はなく、かすかな声を聞く者は居なかった]
墓守 ユージーンは、お尋ね者 クインジー を投票先に選びました。
【読まれているか】
[完全に反応速度で遅れを取っている。まともに相手をしていい敵ではないのを理解した]
そう簡単にとらせてはもらえないか!
[次の攻撃に備えつつ、lightningの撤退パターンを記入する]
投票を委任します。
書生 ハーヴェイは、見習い看護婦 ニーナ に投票を委任しました。
[男と女が戦い始めようとしているのを観測していたが、どうやら女の側が急速に戦意をなくしかけている事に気がついた]
【そのまま戦い始めるならベストな状態でもないから邪魔をするつもりはなかったんだが…。
どうするかね…】
[男に詫びるような視線を向け]
御免なさい。さっき、貴方のコードを読んだの。
読めたのはIDだけだったけれどね。
Gilbert、と言うのね。
[周囲のクラスタ片を集め、BOXに示されたものと同じ文字列を中空に表示させる]
──"memento mori"のチェックPGM。
これで貴方を調べさせてもらったの。
貴方が"memento mori"なら遠慮なく破壊できるから。
……違った訳だけれど。
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
>../hyper-motion slash zero-field
>../lightning extra.doc
[オードリーの出す文を眺め、言葉を聞き]
[暫し動かず。思考回路をフルに動かしているのだろうか]
そういう事は早くやって早く言ってくれ。
[そういうとのろのろと体制を元に戻した。
彼女は人間だから、不可解なのは仕方のない事だ。
そう、自分自身に。]
[焔のクピド──Ignisとfuriaを従え、herveyを確保出来たと思った瞬間、]
くっ……!
[咄嗟に防御に転じる。
両手を交差(クロス)、その周囲を更に焔防壁が球体となり包み込む。lightningが到る所から防壁とクピドを襲う]
本当に御免なさい。
闘う気で居たけれど、意味を失くしては闘えないわね。
[絶対領域のフィールドが僅かに発光し、消える]
(……どうしようかしらねぇ、これから)
[奇妙に力が抜け、獣を撫でながら今後を思考]
[[>解除]
[彼にとって初めての事だった。]
僕が疑わしいと思ったのなら、そしてそれを調べる事が出来るのなら。
何故すぐに行わなかったんだ?
問答を繰り返す必要もなかったはずだ。
僕にも僕がmemento moriに汚染されていないと言い切れないから、君に確かめて貰えた事に不満はないが。
[思考回路は延々と回る回る]
[溢れる緑と色鮮やかな花達。
温室の湿度、熱気の中漂う香りが再現されているのは、香り自体がプログラムとして機能しているからだろう。
Geneは落ち着く為に、わざと内側がピンク色掛かった可憐な花を千切る。]
………自分で治癒プログラムを。
harveyの元へ薬草を取りに戻らなくても。
[多数のfieldがlutherの焔をそぎ落とすと、その次の瞬間両掌にfieldを展開し、おもむろに焔をつかみ引きちぎる。その焔はherveyの両掌以外を確実に焦がしていたが、動じない。
中にいるlutherを捕捉し、その顔面を握りつぶさんと右手を伸ばす]
私自身に扱えるのは対象を選ぶことだけなのよ。
PGM自体がいつ発動するのかはわからない。
コードを解析しようにも複雑すぎて無理だったわ。
……確かに、もっと早くに発動してくれていれば、こんな問答を繰り返さなくてもよかったわね。
・・・・・・
[fieldが甘くなっていく。意識が少しずつ、薄らいでいく。右手は止まらないが、herveyの体はその焔で少しずつ焼かれていく]
[高速演算処理。
人間ではありえない速度で、lightningを防御しながら負荷を逃しているが、Twinsの片割れ──モノクロゥムの睛──furiaの名を持つクピドが──が、睛を見開きいきなり叫び声を上げる。奇妙な程長い、触手のような手がIgnisへと迫り、furiaを抱きかかえるように一体となる]
[どれだけの時間が経過したのだろうか。
意識の断絶を繰り返す少女の中にははっきりとした感覚は無い]
『――Nina?』
[漆黒の闇を模した右手から、幾つかの信号とコマンド群が吐き出され、鈍い銀色の粒子で包む。それらは繭を思わせる形を成していく]
『――優先コード起動。上位管制モジュール"Alter Ego"開始(オン)。』
『――闇への転換(Conversion into Darkness.)』
[首を振る。強く握りしめた花がバラバラに崩れ落ちる。]
…違う。中央ドームを通らないと使えるコードのある棟へ行けない。この植物園には温室の外部なんて無いから。道は一方通行だから。
まだHarveyがここに居るなら、途中で会わなきゃいけない。…それなら。きっと彼を殺した方が良いんだ。
[「いつ発動するのかはわからない」
彼にはその言葉の意味が理解できなかった。
何故彼女がそんな不安定な挙動をするものを信頼するのか、
そもそもいつ発動するか分からないようなプログラムがあるのか。]
[[>不可解]
貴方にTwinsが破られるとは思いませんでした。
[herveyの手首の内側を小指の先程の太さの長細いAttack programが貫く]
ぐ、ぐがが・・・・・・
[理性はあるのか。
その瞳は外側は赤く輝き、瞳の中心はまるで闇。その身を焦がしながらも、強烈な力をもって掌に展開されるfieldをlutherに押し付けんと迫る。時折、herveyの体からfieldが放たれ焔を追い払い、だがまた次第に焔が迫るを繰り返している]
・・・・・・
──なんか、色々考えてたら腹が立ってきたわ。
第一なんなの、このGAMEも、"memento mori"も、あの道化も!
なんだってあたしがこんな目に遭わなきゃいけないのさ!!
……XXX、あの野郎。
生きて帰ったら絶対ブチ殺してやるんだから。
[低く呟き、苛立ち紛れにGrid BOMBを取り出し背後に投げつける]
ああ、もう!!
[完全に八つ当たりの勢い]
……ああ、また――何かが私の中に入ってくる。
……これはだれ? とても馴染み深くて、とてもよく知っているだれかの感覚。私の半身――でも、それは一体だれ?
[手当たり次第に花を幾つも千切ると、樹木の防衛プログラムが働きはじめたのか、蜂程の大きさの昆虫群がどこからともなく湧いて来る。
五指をドリルにして蜂の群れを突き刺し、そのまま粉砕する。昆虫型プログラムは徐々に数を増し、S字曲線を描いてGeneに向かい始める。そのブゥウンと言う音が、Geneを刺激した。
自分が何故、感情的になっているのか分からぬままに、元来た方角へ走り出す。]
まさか…貴方が、memento mori──?
[異貌に声を洩らすも、本質は人格に影響されない。
無情に、fieldを放つ掌を幾本も幾十本ものAttack Programで刺し貫いていくだけだ。密着した場所から発動しているのか、herveyのアバター外にはみ出す事はない]
[思考回路を整理する。
一つ、疑問が引っかかった。]
君は「呼ばれた」と言った。
なら。このゲームには他に、このゲームに呼ばれた人間が参加していると思うかい?
死を体験する為ではないとも言った。
他に参加する人間が居るなら、目的は死を体験する為だという事か?
――Under/Street (廃棄領域/街路の一角) ――
『――構いませんよ。そのまま暫くの間、御休み下さい』
[構成要素を書き換えられ支配権を委譲させられながらも彼女を包むのは安穏とした感覚。うとうととした穏やかな午睡の中、徐々に視野が明るくなり始める]
『――それでは、一時的に運用させて頂きます』
[声と共に立ち上がった姿は、黒いスーツに身を包んだ初老の男性。整えられた銀髪を振って雨滴を払い飛ばした]
アアアアアアア────!!!!
[既に人格プログラムの30%── 一時的現実把握の為の人格自己(パーソナル:コアセルフ)に侵食していたmemento mori──は、本質を飲み込んだ]
内包する。
[lutherから何度もattack programを打ち込まれる。だがそれも全て取り込んでいく。まるでlutherという存在から少しずつ部品を搾取するように]
・・・・・・
[侵食が停止する]
る・・・・・・ luther・・・・・・
死にたくなければ、今のうちに・・・・・・
離れろ・・・・・
墓守 ユージーンが「時間を進める」を選択しました
.... ... ... .... .... ...
[herveyの手首を掴んだまま、項垂れるように。
瞳孔が針の先のように絞られた]
[怒りを逃がすように肩で息をする]
[それすらこの世界ではポーズに過ぎないが]
──そうさ。フザけた招待状でね。
あたしだけに送られたものじゃないだろう。
あたしは少なくとも二人は"参加者"に接触してる。
闘い、殺し合い、現実ではもうとうに存在しなくなりつつある"死"を体験出来る。
それがこのGAMEさ。──体面上はね。
"参加者"が何を思って参加してるかまでは知らないけど。
[その口調はAudrey.H.のものではなく]
[Deborah──彼女自身の口調]
『――ねえ、私はいったいどうなってるの? あなたはだあれ?』
[問う声は男性の右手、白く繊細な刺繍が施された長手袋から響く。そのアイコンが現在座標(アドレス)だとようやく認識した]
説明するには時間が惜しゅう御座います。
今は只、執事(バトラー)と御呼び下さい。
一言だけ申し添えるならば私は貴女の影、半身のごとき存在。
いずれお気付きになることでしょう。
『――わかった、よ……たぶん。とりあえず、まかせるよ』
[答えを聞いて男性は刻まれた皺を笑みの形に深め、早足で歩き出した]
[薄らいだ意識で体を見回す。既に焔でズタボロだ。herveyというアバターも原形をとどめていない箇所も出てきていた。
この後どうなるかわからない。だが今の状況は決してよい状態ではない。
いや、言ってしまえば現状を理解していない。一体何が起きているのか]
る、luther・・・・・・
[次の瞬間、何が起こるか分からない。herveyという名のアバターはその両手で自分の体を抱え込む。懐から落ちる薬草プログラム。それをあわてて握り締め、その体にこすりつける。一瞬Eugeneの顔が浮かぶ]
ぼ、僕は一体何をした。教えてくれ。
分からない。
自分の意思が、信用できない。
未亡人 オードリーが「時間を進める」を選択しました
[両手首の腕輪を重ね合わせ、蜂の群れに向かって高音を放つ。動きが鈍った隙にそのままドリルで個体識別をする事もなく大雑把に粉砕する。
小川を斜めに飛んで渡ろうとして、輝く水面の奥に──異物が混入している事に気付く。]
──なに。
[>Program :Silent Arma:NIGRED///
Re Start..............]
.... ... ..........
二人。そうか。
知らない。そうか。
[一つ一つ整理するように、確かめの言葉を口走るのは、
人間化されたされた世界に生きる為に生まれた癖か。]
そして君の目的は、このゲームの主、かな。僕には良く分からないけど。
情報をありがとう。君が良ければその二人の判別法を教えて欲しい。話が聞いてみたいんだ。
[女が八つ当たり気味に投げたGrid BOMBが自分のほうに飛んでくるのが見えた…]
偶然にしても出来すぎだぜっ…避けるのが間に合わねぇ!
[舌打ちとともに左手を握り締め、飛んできたGrid BOMBを光弾で撃墜する。
空中でGrid BOMBが爆発した…当然、その音は回りに伝わるわけで…]
ずいぶんと間抜けな出方になったもんだ…
[隠れていた場所から、開けた所へと現れた]
・・・・・・
おい、luther。答えてくれ。
[どうやらプログラムが再起動しているようだ。ルーサー自身も損傷が激しい。手元の薬草を適用する事も考えたが、迂闊に回復しすぎるとまた自身が危険に陥る事を危惧し、躊躇う]
[崩壊した建物や瓦礫に向けて、男性は探索コマンドを放出する。数多くの黒い小球が隅々まで入り込み、データとデータの隙間を覗き込んだ。その様子を眺めつつ、少女は問いかける]
――何をしているの?
『捜し物です。先ほどこの辺りに居た二つの意識体――固体名Ras,及びHubertでしたか――の残滓、或いは転移先がどこなのか、と』
――ここはどこなの?
『電脳世界(ウェブ)と呼ばれる、この世界の一部です――尤も、いずれは全てが一つになることでしょう』
――どうして?
『そのために貴女は備えられ、供えられるからです』
――なんのこと?
『……いずれ、貴女の前で其れが始まります。或いは既に始まって――おや?』
…もしかして、参加者だったモノ──か?
[僅かに傾斜した小川の流れの先を眺めれば、直径80cm程のパイプから流れている様だ。パイプの奥の闇がUnderの何処に通じていても可笑しくは無い。
ぱちりと大きな目で瞬き。]
まだ一部、機能している。
PLなら意識は…此処にまだ残っているんだろうか。
[爆発音にちらりと視線を投げながら]
一人は、背の高い痩せた青年よ。随分ボロボロなナリしてたから多分すぐわかるわ。……こちらは安心していい子よ。IDはEugene。
もう一人は……ID聞いてなかったわね。解析もしてなかったし。
……視覚データを送ってもいいかしら?
[ガラスの天井を、いつの間にかぱらぱらと雨が叩き始める。]
雨、他の部分は別の場所に流れた…かもね。
壊れかけの小鳥のアンドロイドを触ってしまった時見たいだ。あれは直ぐに再生して、ぼくの事も忘れて──、
そしてぼくは……
──一体、何が気に入らなかったんだろうか。
[蓄積された自己人格の半分、memento moriに侵されていない部分は20%にも満たない。
やがて睛が瞬いた。
herveyを見上げる──が、瞳孔は針の先程のままだ]
ID:Eugene。
[安心?意味が良く分からなかったが情報がこれ以上混乱するのは避けよう。聞くのを止めた。]
それと、視覚データか。読み取れるか分からないな。
それに情報が溢れそうだ。一瞬でいい。
――なにかあったの?
『トラフィック増大によるデータ処理の遅延痕、何者かによって侵蝕され崩壊した意識体の残像です。解析を開始』
[硝子のスクリーンの向こう、執事の手が何かを拾い上げる。数百年を経た古文書を扱うような慎重な動作。視線が文字列をなぞり、懐から黒い手帳型の端末を取り出して地に投げた]
『――解析完了。死者の代弁者("Speaker for Dead").』
[言葉と共に端末の上空に映像が現われた。レンガの陰に隠れ、きょろきょろと様子を伺う仔猫の姿を映し出す]
[Gilbertの言葉にポートを開く]
──COMMAND>Vision data transmission /ad -FA2DFB2C1FE
[コマンドを打ち、ナノセカンドの単位で二人分のデータを送った]
様子見なんてガラでもない事するんじゃなかったなぁ…。
[誰に言うでもなくそう呟くとまた左手に光を集めた。
特殊な効果などない、ただ攻撃の為だけに作られたプログラムが連動して実行されていく]
…けれど、やっぱり。
もう一度すぐに再生がはじまったのが許せなくて。
[濡れた手元にあるRusselの残骸を見遣り、再生可能な状態なのかを検分する様に。]
…この場で再生、復元は無い──か。
. . . . mori、死を味わう。
そう言う主旨のパーティーなんだと。
あぁ…、この断片の機能が停止する。
[目の高さまで持ち上げて、大きな目でじっとRusselを見つめ。]
[かつて小鳥を食べた時の様に、
機能を停止したRusselの断片を──Geneは噛み砕き、体内へと飲み込んだ。]
………………。
[にっこりと笑う。]
[情報を確認する。視覚システム全体を覆う画像は、単なる表皮と同じで彼には解読できなかったが]
これと見比べて確認すればいいか。
ありがとう。
[無表情に言う。感情のない彼にとってこれは単なる儀式に過ぎないのだが。]
[オードリーの獣の反応と、オードリーの声。
周囲への探知を開始する]
な、何を言っているんだluther。
[ずうっと自分の中に蠢いていた、可能性が大きく膨らんでいく]
まさか、僕は既に。
[人間がダイブ中にアバターごと感染し、かつ現状のようにlogoff不可能となっているならば、一体自分はどうなってしまうのか。絶望と不安が一気にこみ上げてくる]
冗談だろ、luther。AIが僕をからかうのか。
可愛いね。
でも、
....mori . .
なんて、何処にあると言うのだろう?
[暫し、Harveyに対して感じた先刻のリアルな感情も忘れ、Geneは螺子の途切れた夢に浸る様に恍惚と佇む。
天井には静かに叩き付けるレクイエムの様な雨の音。]
──どう致しまして。
新たな客人みたいね。どうする、Gilbert?
[片目の無い男を見据え、コマンド]
──COMMAND>Absolute A/B /modechange -shell
[障壁が半円に展開し彼と彼女はその内に]
話し合い、って雰囲気でもなさそうね。
[煙管を咥え*笑む*]
さて、それじゃはじめさせてもらうぜ…
長々と前口上を述べる性質じゃないんでねっ!!
[そう言い放つと左手を前に突き出し、光弾を放った。
5発の光弾がギルバートとオードリーめがけてまっすぐと飛ぶ
放つと同時に立ち位置を変えるべく横へと*駆け出した*]
・・・・・・ 正気か。
[ならばこのゲームをどう終わらせることで現実世界に戻れるのだろうか。あのEugeneという少年も、あの女性も、全てを滅ぼすかこのmemento moriへと感染させる事で開放されるのだろうか。いや、このままだと自身の意思すらmemento moriに侵食されてしまう。どうにかして、解除しなければ。
−死。あるのみ]
悪いが、少し考え事がしたい。luther、君も行動をしばらく抑えておいたほうがいい。
[足元には汚い沁みとなった昆虫型プログラムの小さな屑の様な残骸。
どれ程時間が経過したのか、コンマ秒単位の刹那だったかもしれないが、Geneはぱちりと大きな黒い目で瞬きをした。
川の上流からは、他のプログラムの屑も、僅かに流れて来ている様だ。澄んでいると思った水は実は澄んで居ない。綺羅綺羅と塵が光っている。Russel以外の断片にはさして興味を持つ事は無く。]
[クインジーを視野にとらえる。]
[簡易分析開始――
――外部破壊特化プログラム]
[同時に向かってくるデータを感知]
どうするかって?
[[>破壊]
[短刀を*構えた*。]
投票を委任します。
牧師 ルーサーは、書生 ハーヴェイ に投票を委任しました。
─Under/botanical garden > center─
[湿度の少し高い中央ドームの部屋へ。
記憶にある気配、Lutherのentrynameは依然知らないままだったが。Harveyと向かい合っているのが、樹木の向こう側に見える。]
何故、だって?
それは勿論・・・・・・
[無い。
まったく持って、理由など思いつかない。
なぜならば既に自身の行動目的は失われている。いわば敗北が確定しているようなものだ。そしてそれが目の前のlutherにとって必然でしかない]
・・・・・・
[彼等は何故か切迫した話し合いをしている様に見える。]
…襲われてるわけじゃないのか?
[首を傾け。
体内でRusselの残滓が分解され、無数のフラクタルの内部に浸透して行く感覚に、また頬笑む。]
Silent Arma:NIGRED、起動します──。
[白い硬質のマスク──頬から上を覆い、睛の部分は軽く凹んでいるが穴はあいていない──を懐から取り出すと、顔につけた]
[酔っているのか、防衛の意志が基本的に弱いのか。気配を殺したり、カムフラージュを入れながら様子を探ろうと言う意識がGeneには欠けている。]
[Lutherに向け、背筋を反らせて飛ぶと胸部の傷口が軋んだ。Harveyの静止の声が響く──。静止なんて届く訳が無いと思った。]
――Under/Street――
[再現された映像は客観視点。複数のカメラが設置されていたように切り替わる]
[瓦礫の陰に身を潜めた仔猫は首を伸ばして辺りを窺う。
途端にウィルスとデータの集団が押し寄せた。泥まみれになった身体を毛繕いするも、その動作は間延びした緩慢さ。それでも必死にそれらを拭い取った。
石畳の隙間から滲み出る泥濘を避けて高台へ逃れると、見下ろした一帯は半ばまで泥の海と化していた]
[その中心には一人の男。
アーケードにそぼ降る雨の中で緩やかに揺れ動きながら立っていた。彼が放散したデータの濁流が遅延をもたらしていた。ブラックホールが生む事象の地平線に近寄ったかのように]
[Lutherへの跳躍の途中、空中に浮遊する蝶を踏み、二段ジャンプ。両足のドリルを重ね合わせ、相似形を描くフラクタクルを発生させながら、鞍馬の様な蹴りをLuther本体のの肩から胸、腹部に位置するあたりに連続で入れようと。
振り上げられたまま何故か一度動きの止まったLutherの腕は──、]
【何の溜め動作だ?】
[男が上方を見やり、それを追って視点が切り替わる。
彼の頭上にあったのは、あらかたが崩れ落ちた骨組みばかりのアーケードの天井。重力を無視したように、逆さまに立つ人影がそこにあった]
――あれは……私?
『勿論です』
[少女はこちらを見つめ、左手から血色の刃を生やして笑う。直後にその笑みが拡大。落下しつつ剣尖をかざして殺到する。
血色の刃が迫り、男の身体を縦断していった。衝撃の大きさを示すが如く、映像が大きく*揺らいだ*]
[男の身体が膨張し、弾け飛ぶ。データ群が溢れ出し傷口からほとばしる。だが少女はそれに気づいた様子も無く、後退から再度の突撃。
それをきっかけに、実体を失った身体から爆発的なパルスが一帯を埋め尽くした。死者の断末魔を思わせるその波動を避けようと、高台から仔猫が飛びすさり転移を試みる。
だが退避プログラムの稼動よりわずかに早く、死の顎はRasの身体を*捕らえた*]
[EugeneがAttackを仕掛けている。
herveyの制止はあったが──。
Attack to Attack。
差し伸ばした右手の拳が握られ、]
[ドリルにLutherの拳が当たり、クリスタルが弾ける様な音が響く。そのままドリルを突き刺すとこちらの動きが取れなくなるので、後方にくるりと回転して着地。
地面に手を付き、Lutherに足払いを掛ける。]
[足元から膝へかけてうねとてかる黒い鎌のようなAttack PGMがイルカのように躍りだし、Eugeneの足払いを切り裂く。
herveyの方へ半身は向けたまま真意を訊くかのようだ]
[攻撃を受ければドリルは凹み、フォトニックフラクタルの作用で、内側にLutherの黒い鎌を取り込もうとする様に作用する。クリスタルの弾ける音。
当然の様に全てのAttack PGMを取り込む事は出来ず、透明な両膝下の義足の内側に痛みが走る。
義足と腕のドリル部分は構成物質の性質か簡単に壊れる事は無いが、ダメージが来るとすれば負荷の掛かったGeneの本体部分に来るだろう。
身を捻って立ち上がり次の攻撃に変えようとした時、何故かLutherがherveyの方へ半身を向けている事に気付く。]
な、に?
[二人の様子は不可解だ。]
・・・・・・
[ふらつく足取りで戦闘を始めてしまっている二人に近づく]
待つんだ、luther。
彼は傷つけるな。例えいつか破壊しなければならない対称だとしても、今は引いてくれ。
[lutherとEugeneの間へと割って入る]
・・・・・・
[息が荒い。これから自分がどうなってしまうのか。考えもまとまらず、混乱するばかりだ]
Eugene、出来るだけ遠くに逃げるんだ。そして次にlutherと・・・・・・ 僕に出会った時に、それを破壊出来るだけの戦力を蓄えるんだ。
そうでなければ、君はもう二度と現実世界に戻れない。
これ以上、僕は君とはいられなくなった。
今度会うときは多分敵としてだろう。さらばだ。
[思い体をひきずるようにして、その場から離れようとする]
…意味がわからない。
現実に戻る気なんてないって言った。
Harveyと味方になった事もない。
──最初から敵、だ…もの。
何、勘違いしてるんだよ!
[転移して行ったLutherが視界に入る。
何処か不安そうにさらにじっとHarveyを見る。]
あれ(Luther)に浸食された?
さらばだとか、そんなのは嫌だ…。
……嫌だ。
[その場から離れようとするHarveyに駆け寄り、肩を揺さぶる。]
・・・・・・
触らないほうがいい。何が起こるかわからない。
[lutherのように感染してしまうかもしれない。Eugeneの手をはらい、数歩後ずさりする]
僕も姿を消す。
君も、ここから早く逃げるんだ。またlutherに襲われるぞ。
…知らない。
あなたなんか嫌いだ。
……………決めた。
嫌だって言うなら、あなたに付いて行く。
[今度はHarveyの腕を無理矢理握る。]
・・・・・・
[この少年が握ってきた手を見つめ、思考を巡らせる。
もはや自分には生き残る術はないのか。ならばこの少年をいかに生き残らせるか。
自分に残された時間、理性が働く時間がどれほどか]
・・・・・・ 僕は既に、memento moriに侵蝕されている。自覚は無いが、確信はある。
この意味が分かるか。
──… memento mori . . ....
それはパーティー主催者が考えた、ゲームを盛り上げる為の…
[言いかけた言葉が、相手の真剣な表情に飲み込まれた様に止まる。黒い目を大きく見開く。]
…あぁ、言いたい事は分かったと──思う。多分。
でも、悲しい事に。
ぼくはあなたやオードリーとは違って、死の意味が分からない。Mam達に再生されてしまう日常が待っている事しか想像が出来ない。
[更にぎゅっとHarveyの腕にしがみつく。
一瞬、恍惚とした笑みが白い顔に浮かび消える。]
じゃあ、あなたが誰かを殺す所を見せて、ぼくを怯えさせて。怯えさせてから、ぼくを殺して。
って言ったらきっと怒るね。
あなたは、memento moriに侵蝕されて…そのままで居るつもり、じゃないんでしょう。
やっぱり、付いて行く。
ねえ、何処へ移動しよう?
・・・・・・
[その未熟な思考を拒みきれない。死は決してこの少年が思っているほど甘美な物ではないが、それを言葉で伝えることは、自分には出来そうにもなかった。
どこまで彼を守れるというのか。確かにlutherは抑えられるが、それが彼の為になるのか]
分かった。君に死というものを見せてあげよう。
だが約束だ。僕が自我を失ったら、迷わず僕を消滅させてくれ。
移動、か。ならばあの大通りへと戻ろうか。
[視界の端にコマンドの黒いBOX]
──COMMAND>memento mori Checking PGM
──SYSTEM:Candidate for a check is not set up.
――Under/Street (廃棄領域/街路の一角) ――
[ちかちかと瞬いて仔猫の姿は空間に飲まれた。とさ、という音と共に少女が倒れ伏し、ノースリーブのワンピースが雨滴に打たれ濡れていく――その様子を既視感を持って見つめた。
映像はそこで途絶え、しばしの間沈黙をその場が支配した]
――ねえ。…………あの二人は、……
『死にました』
――え?
『"back-up"があれば、少なくともその時点からの「再生(リロード)」はされるでしょう。【Immortality,Inc.】の契約要綱にも記載されている通りです。尤も彼らが当社の契約者か否かは存じませんが』
――でも、それって。
『現在の使用領域(フィールド)では"back-up"の発動は抑止されているようですから、仮に現実界(マンデイン)で「再生」しても、今回の記憶は持ち得ません。"memento mori"による影響の一つです』
――“このゲームに参加した彼ら”は甦れないっていうこと?
『いいえ。世界が彼らを憶えています』
――? なんのこと……?
『貴女が一番良く知っているはずなのですよ。一度死に、甦ったのですから』
[それ以上の問いには答えず、執事は再び端末へコマンドへ送出、転移ポータルを作り出した]
――どこへ、行くの……?
『貴女は貴女自身を知るべきです。その為の場所へ』
[無表情にそう言い切り、黒いスーツ姿はポータルの向こうへと歩み入った]
>>―Under/Boulevard―
[男の放った光弾は障壁によって弾かれ消滅]
──ディー、おいき!
[同時に彼女は障壁の一部を開き獣に命じる]
[獣は男の軌跡を追い疾駆]
あの男は"memento mori"かしら?
──関係ないわね。
敵意があるのなら"memento mori"かどうかは二次的な要因でしかないわ。
闘い生き延びる私を邪魔するものは破壊するだけ。
──生きて還るために。
──SYSTEM:Please set up the object to check.
──COMMAND>cancel
──COMMAND>Servant Fang /shapechange -saber
[半瞬後、獣の容貌が変化]
[より屈強に、よりしなやかに]
[長く長く伸びた爪を振り上げ、片目の男に襲い掛かる]
"memento mori"は誰?
[ふと脳裏に"参加者"の青年の姿が思い出され]
……あの子、解析しとけばよかったわね。
[嘆息]
[近づく光弾を避けようと左へステップ――しようとした所で動きが鈍る。
先ほどの問答で、彼の情報処理野の空き容量が残り少なくなっていたようだ。
満足に動けない彼に迫る光弾は、彼の手前で何かに弾かれ消えた。]
防御壁。
所有者は、君か。
[彼にはオードリーが彼を守る事の意味が良く分からなかったが]
助かる。
[オードリーの獣、ディーがウイルスに襲い掛かるのを見る。
ディーとオードリーに彼を攻撃する意思が無い事を確認すると、
構えは解かず緊急回避用の自動活動プログラムを残し*活動を情報処理に当てる。*]
[放った光弾があっさりと防御壁に散らされた。
それ自体は驚くに値する事ではないが、それと同時に攻勢プログラムが稼動している事実は彼にとっては新鮮な驚きだった]
さすが最深部に近づくと違うな…この獣ほどの情報処理を運用しながら防壁作成か…。
まずはこいつの相手をしろってか…?
[迫り来る黒い獣の顔らしき部分に向かってめくらましがわりに威力を落した光弾を放ち自己崩壊させた。
ほんの少しだけ勢いが落ちた振り下ろされる爪をかろうじて回避すると追いすがろうとする獣の鼻先と足元に光弾を叩き込み、わずかな時間を作った]
──COMMAND>Absolute A/B /mode -b
-17107D9BDCA3CB0
[獣に放たれた光弾に対し障壁を獣を対象に展開]
[しかし、指輪の補助を持ってしても咄嗟の発動は僅かなタイムラグを生み、獣はたたらを踏みバックステップ]
──Fxxk!!
[領域の同時展開は彼女自身にも負荷を与えるが無視]
[銃弾にも似たモールドのGrid BOMBを男の進行方向へばら撒き、互いに生まれた僅かな隙に再びコマンド]
──COMMAND>Absolute A/B /modechange -grow
[領域の三重展開]
[絶対領域の蔦が彼女の周囲を舞い、幾重にも折り重なり標的に殺到する]
――Under/Boulevard (廃棄領域/大通り) ――
[再び彼らが実体化した場所は大通りの広場近く。二階建てのメゾネットに設けられたバルコニーだった。プランターに植わった草木は見る影もなく枯れ果て、ここもまた荒んだ情景を漂わせる。
近くに光が生まれては消え、陰影を作り出した]
『もう始まっていましたか……少し遅かったようですね』
――何が?
『この“ゲーム”の参加者同士の戦闘――"memento mori"から逃れるための生存競争なのでしょう、が』
[言葉を切り、バルコニーから街路へと飛び降りた]
『ふむ……懐かしい顔が、見受けられますね』
[破壊コマンドが飛び交い、攻性防壁が乱立する中を恐れ気もなく歩み、初老の執事は顎を撫でた。対象を見失って飛来した攻撃信号を白の右手で叩き落す]
――痛っ!ちょ、何するのー!
『申し訳ありません、が――少しお時間を頂きたく』
[そう言った視線の先には妙齢の女性の姿。莞爾とした微笑を浮かべ声を掛けた]
『これはお久しゅう。Audrey.H。貴方が再びいらっしゃるとは思いませんでした』
[Audreyの攻撃動作に苦笑し、言葉を続ける]
『数十年を経ても、その気性の激しさはお変わりないようで。
流石は“無慈悲なる女王(Harmless Queen)”と呼ばれただけのことはありますな。
“夜の貴婦人(Mistress of the Night)”にはふさわしくありませんが。
尤も――“Scarlet Straycat”の字名(ハンドル)が一番お気に入りでしたでしょうか?』
[自ら稼いだ時間を利用し、獣の左から回り込もうとした、その先に女からの攻撃がばら撒かれた。
かろうじて踏みとどまり、その攻撃をやりすごしたが一息入れる間もなく、さらなる攻撃が降り注いだ。]
避けきれねぇな…こいつは。
そういう時はこうするのさ…
[誰に聞かせるまでもなく呟くと右手に光を灯し、蔓が延びてくる方向へと踏み込み、輝く右手を直撃するコースの鶴のみに叩きつけて攻撃が集中するポイントから前へ大きく踏み出した
回避しきれなかった蔓がいくつかクインジーの肌を切り裂いた。]
――ねえいったいなんのお話? お知り合い?
『左様で。彼女が御記憶でいらっしゃるか否かは定かではありませぬが――あのコードワークと存在様式(スタイル)は、まず間違いなく』
[言いつつ他の二名に意識を向け、質問信号を送った]
『――どこへ行かれるおつもりか?(Quo vadis?)』
[唐突にかけられた言葉に驚き、構えた手が僅かに下がる]
……あたしはAudrayよ。Audray.H.
久しぶりね。貴方こそ今はなんと名乗っているのかしら?
[旧い字名に眉を顰め答える]
[ぴきり──と、蔦が鳴った]
[繊細なガラスの音を立てて、蔦のいくつかが飛散]
……悪いけれど、今は貴方とゆっくり話をしている暇はないのよ。
見てりゃ判るとおもうけど。
[絶対領域は一定。三重にも展開すればさすがに強度が甘くなる]
[獣が唸り、男の背後から牙を剥き飛び掛った]
――えっと、ひとつだけ思い出せたんだけど。
『なんでしょう?』
――“Harmless”じゃなくて“Harsh”だったと思うの。
[執事はただ沈黙のまま答えなかった]
[――簡易分析完了
人間]
行く?
何の事だ?
僕はウイルスを破壊する。
唯それだけだ。
[聴覚信号を受け取ると同様に聴覚信号で返す。
ニーナを人間と判断すると、オードリーを見るニーナの横を素通りする。
クインジーの元へ、短刀を構え駆ける。]
墓守 ユージーンは、流れ者 ギルバート を投票先に選びました。
[執事は顎を撫で、ふむ、と思案顔で頷いた。ややあって口を開く]
『では助太刀致しましょう。ですがそのためには――』
――?
『貴女の許可が必要なのですが、Nina.』
――そう言われても、分からないよ。
『それは困りましたな、Audrey』
――Under/Boulevard――
[>Angel of Furia and Ignis──run..........
Gilbertへ向けて、闇の中から巨大な焔が一つ迫った]
[Gilbertの返信情報を受信し、執事は眉を顰めQuincyを見やった]
『ウィルス? 単純こそ美しい(Simple is Best)とは言いますが。
性急なことですな、若者(Fledgeling)よ』
[一気に駆け抜けようとする時、質問信号が届いた。
だがそれは答えるに値しない内容だった。
何故なら、今ココに在る事が目的であり、手段であり、意義でもあるのだから。
信号を感知した時、索敵範囲を広域モードに切り替えた。
その為の探知用端末はルーサーとの戦いの折りに散らせて配置してある。
背中から迫る獣、正面に位置するオードリー。そして右側から駆け寄るギルバート。
導きだした回答は極単純なものだった
身を翻し、ギルバートへと向かう。]
困りましたな、って。
誰も貴方に助力なんて求めてはいなくてよ。
[ぽいぽいぽいと、乱雑な仕草でBOMBをばら撒き、蔦を一旦退避させる]
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
[コマンドを展開し、周囲を覆う障壁を補強]
[廃屋の中から、巨大な攻性プローブを伴った何者かが出現しようとしていた。妨害反応をしようとし――執事の右腕だけを振り向けることに成功した]
――何か、出てくるよ!
[獲物を逃した獣は標的の目標が主から変更されたことを悟り、別の標的に視線をめぐらす]
『ぐるる』
[獣の見据える先にはストラを纏った司祭の姿]
[彼女はそれに気づかない]
[戦闘と同時に展開される会話に、瑣末な処理はスキップされている]
[botanical gardenから、SP_Queen_Pallasを利用して大通りへと移動する。自分達が最初にどうやって此処へ逃れて来たのか、Geneの所有するプログラムの説明をしながら。]
SpadeのQueenのモデルは、ギリシヤ神話の知恵の女神Pallasなんだって。同級生の彼女と今までの経験の蓄積を交換したプログラムなんだ。彼女の経験がこの●黒い球に入っていて、状況に応じ、上手くすれば適切な機能を作りだしてくれるのだと。
もちろん、毎回上手くは行かないと思うけど。
ちなみにぼくが彼女に渡した球には主にバトルスキルばかりが詰まっている。ぼくはプログラムの作成は得意じゃないから。
[黒い球をHarveyの足元へ。光速移動に乗せて、Geneの記憶にあるBoulevardに一番近い場所へと二人を運ぶ。]
─Under/ Boulevard─
[向かってくるクインジーに、此方もまっすぐに走り寄る。速度は一切落とさない。
クインジーの前から右へ斜めに駆け抜け、胴、次いで左肩を上から斬りそのまま後方へ回り込む算段だ。]
─Under/ Boulevard > bar─
[二人が出現したのは、建物の地下一階。壁際に古びたボトルと水槽が幾つも並ぶ、ペットショップともBarとも付かない場所。すでに廃墟ではある。
天井近くにある窓から、地上の様子が一部だけが見える。爆発音が幾つも聞こえ、振動に揺れる度に、埃の様に微細なウィルスが舞い散った。]
…あぁ、この店。
やっぱり、つぶれたんだ。
お客さんが捕まえて来たウィルスが水槽で飼われていて、それをお酒に混ぜて飲ませてくれるお店だったんだけど。
Bar風味のJunk Shopと言うか。
安い値段でアップグレード出来る事もあるからって、そこそこ人気があるお店だったはず。
……まあ、つぶれるよね。
[NIGRED/Lutherは、廃屋の中から一歩踏み出した。
顔の上半分を硬質の白い仮面に覆われおり、AIとしての何かの無機質さを際立たせている。
唸りし獣へ向けて、Ignisを抱きしめたFuriaのモノクロゥムの睛が一瞬光り、波状焔が放たれた]
[波状焔の朱に漸く"ソレ"に気付き闇に視線を向ける]
[焔を構成するコードは彼女も見知ったもので]
──Luther?
『……ぐるる』
[闇の奥へ呟く声に、獣が警戒の唸り]
[少女の声が右手から叫ぶ。だがその呼びかけにも答えず執事は片眼を閉じ、黙考に陥っていた]
――もう、執事(バトラー)、反応してよ! ほら、あそこ!
『……彼女の中に在るもの……あれは“memento”の欠片?
いやその逆か――引き合うもの、か』
[分析の間に要した数コンマ秒が致命的な遅れとなった。気づいて地を蹴った時には遅く、赤と橙の織り成す波に執事の身体は包み込まれる]
[Gilbertが避けた炎は、Eugene達がいるBarの通りにあった建物に直撃し、爆発した。date群が粒子のように地面へと降り注ぐ。]
「──Luther?」
[聞こえた声に答える声はなく──。
Twinsが纏う焔が巨大さを増して、第二弾をAudreyに設定した]
[ギルバートへ向かって駆ける。
狙いはシンプルにギルバートと獣をぶつける事。
全てはタイミングが命…
右手に力を集めて爆圧で避ける算段をつけた時、探索モードから悲鳴のようなエラーが検出された]
【ってなんだこりゃ…光輝が一気に増えてやがる。
どんだけココに集まってるんだ…ってしまった、タイミングが遅れたっ!!】
ヤベェ…トマラネェ…
[光量が制御されているはずの右手の攻撃プログラムが一気に暴走し始めた]
[ふと、Harveyの腕に手を絡めたままであった事に気付き、腹を立てた様に振り払う。
観戦しながら、Barの内部に残っていたアルコールに気味の悪い紫色掛かった黒蜥蜴が入ったボトルを、口にしようとした途端──、]
Lutherだ!
[ボトルから一口アルコールを煽ると、爆撃を避ける為に地上へ飛び出す。]
[視界に赤のBOXがPop-upし警告]
ちょ、ちょっと、Luther……ッ!?
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
[展開中の全ての障壁を回収し焔の軌道上に展開]
[しかしそれでも防ぎきる事は出来ず]
何考えてるのよ、Luther!!
[獣を伴い身を翻し退避]
[障害物のある地下から地上への移動は、案外にやりにくい。避けきれない焔をフォトニックフラクタルで受け止め、適当に別方向(存在を知られたく無いLutherが居る以外の場所、誰に当たるかは分からない)に送り返す。]
[轟。
聴覚野を圧した衝撃。
執事の表層部を踏み荒らしていく。
内部を焼き尽くそうとする火焔に対抗すべく修復処理(メンテナンス)を開始、基幹構造(システム)を劣化耐性の高いモードに切り替え。だが間髪を入れず襲った第二波に妨害される]
――っ、なっ……に……やってるの!
『……逕ウ縺苓ィウ縺斐.……*縺・∪縺帙s』
[ニーナの発した信号に完全に背を向けたまま答える]
性急と言われても。
それが僕の「仕事」だ。
破壊する。
ウイルスを破壊する。
それが僕の仕事だ。
[後半はやや、付け足したように。]
[後1秒もせずにクインジーを斬ろうと短刀を振るい始めたが、
クインジーの右手に何か、急速に情報が組み込まれるのを見る。]
[攻撃手順を一旦停止し、その手へと攻撃対象を移動する。
――時間差が生じる。]
[Randomに見えて、その実効率的なる建物の破壊と、その下に居るAI/人間達を追い込むように、威力の弱い焔を周囲へ放っている。
Audreyが逃げれば、追うようにdateが降り注ぎ焔で赤々と燃える大通りを駆ける]
ちょっと、冗談じゃないって、、、
[次々と飛来する焔に幾重にも障壁を展開]
いい加減にしてよ!!
なに考えてるのよLuther!?
[焔は障壁に防がれ飛散する]
──COMMAND>Absolute A/B /mode -b -c
-1A5622F63F
[凝縮された障壁は彼女を中心とした半円に展開]
[彼女の髪がゆらり畝る]
[ほぼ同時に、彼に向けてではないとは言え何か大量の情報が、背後に幾つも感知された。
目の前のウイルスから以外の情報は遮断していたはずだ。
とっさに探知システムを同時起動。]
[目の前で瓦礫の山がさらに破壊され燃やされ、己の立っている地面が微細に揺れるのを感じる。]
──…酷い乱戦だ。
あぁ、オードリーも此処に。
今回は参加者のレベルが高い……。
[自らを構成しているデータが処理情報が多すぎて悲鳴を上げていた。
クインジーやその周辺の領域そのものにノイズが走りだした。
そのノイズは急速に周囲へと広がり始めた。
より大きな処理を行っている方向へと。
すぐ近くにギルバートが迫るもそれに対応できる状態ではなかった。
右手を押さえると蹲った。]
まずいぜ…バックアップも死んでる状態で再構成できるのか…?
[駆け寄る勢いのまま、Audreyが展開する障壁へと垂直に突き立てた。切っ先は決して鋭くはないが、Attack Programに相違ない]
──COMMAND>Absolute A/B /new /mode -grow -needle
[ゆらりと髪を畝らせつつ彼女はコマンド]
[獣はその気配に身を屈め彼女の背後へ]
錬金術師!悪く思うんじゃないよ!!
[叫ぶと同時]
[先端を針状にモールドした"蔦"を叩きつける]
[何処かに残っていた重い霧──Hubertの残骸だろうかが、Lutherの破壊行動で発生したdata嵐の風に乗って、大通りに流れて来る。
中心に掛かる負荷がさらに増大する。]
[聴覚信号が乱れ飛ぶ。
――雑音が混じる。
情報を整理したばかりの彼にとって、これ程度の情報はまだ処理しきれるはずだ。
そのはずだが、振り下ろす短刀が遅い。]
何故だ。
重
[クインジーを取り巻くノイズに正面から飲み込まれる。
彼を付きぬけ、ノイズは止まらない。]
[十字架にびきびきと音を立てて障壁が軋む]
[彼女は怯まない]
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
──COMMAND>Absolute A/B /shell -concentration
[障壁を更に増強]
──く、Fxxk!!
[神経を灼くような負荷に悪態を吐き]
[Audreyの気迫に満ちた掛け声、
共に向けられた蔦は、
だが、その一瞬前に黒い無数の棒に貫かれた。
蔦の先に飛びぬけた棒からは再度垂直方向に棒が構成され、十字をつくる。
蔦と触れた箇所からは、細かい十字がProgramの「文字列を分け入る」ように無数に増大していく。まるで、意味のない単語にしようというかのように]
まだだ…まだ終われねぇ…
戦い始めた所なんだ、戦い足りねぇ…
[そうつぶやくと彼の周辺の空間が座標を維持できずに崩壊していく。
座標軸の狭間に巻き込まれクインジーの姿が消えた。
システム側のデータ退避に*巻き込まれたようだ*]
[じりじりと十字架は障壁に食い込み]
重すぎるわよ!
何考えてこんなもん実装してるのよあの馬鹿は!!
──────!!
[障壁のその先、放った蔦が"何か"に侵食されている]
[そのコードは、あのアーカイヴと同じ"色"を発し]
──memento mori──?
[そう呟いた刹那、彼女の足元が音も無く崩壊を始めた]
[もはや言葉も発しない。何の動きもあるわけがない。
残ったのは、周囲に迷惑をかけるだけの
ストレス。それ以上でも以下でも。]
[バーの店内に吹き飛ばされて床を転がり、溢れまわる炎をどうにか揉み消した。だが黒いジャケットは破棄され、ワイシャツもサスペンダーで吊ったスラックスも至る所に焼け焦げの跡]
『これは酷いものですね……』
――ぼーっとしてるから!
[嘆息し店を出るとそこはデータの奔流。
散乱したコマンドの濃密さが増し、異様な空間が形成される。
大気が沸騰したように無意味なコード群が形成され、周囲に存在する者を無差別に攻撃し始めた]
[今となっては、もはやわからないが、
Hubertというプログラムに意思があったのか?
持つとしたら、それは何がどのように作用していたのか?
すべて闇の中に葬られてしまった。
ただ、Hubertはいつからか破滅志向に
プログラムされていたのかもしれない。
それも今はわからない。永遠にわからない。]
[Programの構文を全て分解してしまえばいい。
そんな意図から、だったのだろうか。]
……。
[ギリギリと障壁──Absolute A/B /shell──に喰い込む力が、僅か遅くなったかのように、思える。
瞬間、]
[乱れる視覚情報の中で目の前のクインジーが消える。]
待
[クインジーの移動先座標を特定しようと、
分析を開 ]
[止めだった。]
――くる、よ。彼らの視えないところから。
――ほら、すぐ、そこに。
[白の手袋が囁き、第二指を伸ばして空中の一点を指し示す]
――あれは――滅びを求める呼び声。タナトス。
[データの許容量を突破して溢れ出た自律的なコード群は自己増殖を繰り返し、軍事用ワームに近い浸透力で周囲を攻撃し始めた。瓦礫や看板を喰らい己の構成体に書き加え、攻性プローブを吸収しては増幅して射出する。
まるで亡者が生者を喰らい、己の同属に改変していくかの如き地獄の有様]
[無理に走らせた分析により、ビキリと音を立てるゴーグル。
ゴーグルから、周辺の情報が大きく乱れだす。
過負荷によって遅滞していた彼の周囲は、
今度は高速で雑音を作り広げる。
完全に彼を*飲み込んだ。*]
『……退避、を』
[唇を引き締め呟く執事に、白の中から詠うような声が答えた]
――現実は流れ逝く("flow-real")。
――想え、汝が死を("memento mori")。
[足元がさらさらと崩れ落ちていく]
[Daemonが怯えた声をあげる]
──ディー。
[状況が把握できない]
[無意味に大量のデータが溢れ、フィールドを埋めている]
[溢れるデータがループを繰り返す]
[それらは絶対領域すら侵し]
……やっちゃったか。
[そこで、彼女は状況を把握]
暴れたからなぁ。
ディー、危ないからこっちおいで。
[その一言を最後に、彼女の姿は掻き消えた]
[世界が崩壊していく。
路面はあちこちで陥没し罅割れて暗黒の中に滑り落ちていった。
空は崩れ落ち、降り注いだ破片の彼方は認識すらも拒む。
それでも目を凝らし、ただ一人その先へと視線を向けた]
――嗚呼、彼の場所が……Ras、Hubert、"memento"を受け容れられず砕けた魂が。ほら……やってくるわ。
『壊れます、お逃げを!』
――不要よ。それよりも、この身体を書き換えて。
――"The Right-hand of Darkness".
『しかし!』
[悲鳴にかかわらず命令詩句は実行され、淡い光と共に執事の身体は変貌していく。【Inc.】の制衣を纏い、黒い十字を載せた藍色の髪の少女へと。そして一瞬後――変容を終えた彼女の全身を、膨大な数の攻性プローブが*覆い尽くした*]
[ストラを吸い込むように揺らめかせる、
タナトスの中心を向いている。
重い。
重力場が発生したように。
Twinsの防壁──furia→Ignisが防壁を為す──が攻性codeの侵食を防ぎきれず──NIGRED/LutherもUnderの闇に飲み込まれるように姿を消した]
[処理速度が極端に遅延したかと思うと、高速で流れ出す。重さに耐えかねて墜落して来るWORM。筒状のおぞましいウィルスの群。耳を裂く様な重低音。地面は裂け、幾何学模様を複雑に描いて、薄い層が何重にも重なり合い混じり合う。お互いがお互いを侵食し合い──、
緑から赤へ変化する極彩色のオーロラが見えたと思うと、サバンナの景色が現れ。
──────────目眩。]
何処へ
何処へ
連れて
いかれるんだ?
[数多の敵意、無数の声なき声が少女を押し包む。
電脳世界(ウェブ)だけではなく星幽界(アストラル)からも喚び出された意識体の、行き場を失った思いが彼女を喰らい尽くそうと齧り取っていった]
――嗚呼、心地よい……。
――崩壊の序曲。滅びの呼び声。
――けれど、私はあなたたちと一つになることは出来ないの。
今は、まだ。
[ “崩壊” と言う言葉が唐突に実感される。
Geneの足元も崩れ落ち、闇が露出。崩壊に巻き込まれながら空を見上げれば、残骸が蜻蛉の様に揺れている。]
……あぁ、墜ちる。
[本能的な──と此処で使用すべき言葉では無いかもしれないが、記号化される信号の奥深い部分が恐怖に満たされ、Geneの全身に広がる。其れに痺れているのが本当に快楽なのかは自分でも分からない。]
何処へ?
闇の中へ──…
[ただ闇を映した真っ黒な目を見開いたまま、虚空へ*白い指先を伸ばす*。]
──ディー?
[問いかけに獣は低く唸りで返し]
強制転送なんて久しぶりに喰らったわ。
……やっぱキツいわね。
[ぐるりと首をめぐらせ、周囲を眺め、嘆息]
[そこは、あまりに見慣れた"懐かしい場所"]
─Under/Backstreet "Alchemist's LABO"─
[朽ちた"研究室"]
[かつての様子が思い出され、彼女は苦笑]
まさかこんなところに転送されるなんてね。
[歩くとこつこつと、木を叩くような靴音]
──Luther.
[先ほどの"プログラム"が思い出される]
ねえ、錬金術師。
あんたのAIは"memento mori"に侵されるほどヤワに作っちゃあ居ないだろう?
[虚空に向け*呟いた*]
─Under/After catastrophe ─
[墜ちて行く──闇、闇闇、闇の中。
時間の経過は分からない。
漆黒の向こう側、白い衣装を纏った少女の姿がうっすらと浮かんで見える。]
…何処へユク?
[手を伸ばしたまま、]
あの子は、一度空を舞っているのを見た
────天使?
─Under/Backstreet−
[Eugeneとはぐれ、地上への出口を探していた最中にデータ嵐に巻き込まれたが、ようやく視野が開けてきたようだ。どうやら座標が変更されているらしく、先ほどとは違った風景が広がりはじめる]
・・・・・・ ここは、どこだ。
─Under/Backstreet "Alchemist's LABO"─
[──こつこつ]
[音がする]
[壁に凭れかかり、周囲を見渡す]
[───ここは?]
[>ERROR
herveyからの逆流の損傷にくわえ、先程──展開したNIGREDまで攻性プローブの海に巻き込まれ、その増幅効果で内部のプログラムを休止しなければならないだろう]
[Audreyを発見。
近くにいる獣を払うように殴打すると、
指の一本一本が硬質な長い棒に変化する]
[Audreyの頭へ向けて、貫かんと打ち込んだ]
ん?
[音がした。近くに自分以外のPCがいる。
恐る恐る近づいていくと、以前見かけた女性PCと、llutherを目視した]
・・・・・・ lutherか。
[獣が悲鳴を上げる]
──COMMAND>Absolute A/B /Autonomous mode /shell
[同時に視界にコマンドのBOXがPop]
[しかし障壁が展開されるより早く背後からの刺突]
──!!
[彼女は動けない]
[しかし、鋭い刺突は起動を変え]
[──はらり、と]
[数本の赤毛が中に舞った]
[>Target Audrey
[>Result failed
[後ろの壁が破壊された。dateが消滅。
[己が右手をみるように。──再実行。
此処は──。
[着地は案外にふわりとしていた。
古めかしい電子音と共に回転する木馬が視界に入る。移動式遊園地と言う単語が浮かんだが、ゆっくりと回転するメリーゴーランド一台を除いて其処は巨大な空き地。まるでサーカスの移動に取り残された様にぽつり。瓦礫も建物も何も無い淋しい場所だった──。
先刻、闇の中で見かけた少女の姿を探す。]
[lutherがその女性PCをターゲットにしている。
Eugeneのように、静止すべきか。むしろ静止すべきだろう。だが一体何故静止すべきなのだろうか。
*何かが壊れてきているのかもしれない*]
――Under?/chaosphere? (廃棄領域?/混沌界?)――
[上下左右の方向感覚が入り乱れる。
全ての認識が歪み狂う空間。
――否、空間なのかどうかも判然としない猛烈なデータの乱流]
“ここ”は……?
“いま”は……?
“わたし”は。いったい――
[自問する意識に答えは無い。解体され飲み込まれそうになる中、一つのイメージが心の中に浮かび上がる]
――“青をこころに、一、二と数えよ(Think Blue, Count Two)”。
[青く光る球体のイメージ。
自らの内に満ちた“Solitaire Trap”の結晶。
ひとつ、ふたつ――数えるうちに認識が安定する。
混沌(カオス)の中に極限を見出す。
その行く手にあったのは一つの解。ストレンジアトラクタ]
――Under/Amusement park (廃棄領域/遊園地) ――
[確かな手ごたえを感じた瞬間に凄まじい勢いで引きずられ風景が嵐と化した。
思わず瞼を閉じ、やがて開いたその場所は曲線の屋根。
他に何も無い遊園地跡にただ一つ残った回転木馬の庇の上だった]
……どうして、こんなところに……?
[回転木馬を支える台から、ゆっくりと流れている単調で楽しげな曲はsmall world。曲のタイトルが、かつて同級生とスクールの図書館の古いフィルムメモリの中にあった其れだと気付く。]
ここは、随分暗いね……執事(バトラー)?
[呼び掛けてみたものの、黒革の右手からは何故か応えは無い。
首を傾げて見つめる内に、かすかな音楽に気づいた。そろそろと端に這いより、覗き込もうとする。
唐突に、頭上から柔らかい光が降り注いだ]
[空き地を随分と進みかけて木馬を振り返る。
──と、そこに探そうとしていた少女が、座り込み周囲を見渡す姿が。崩壊を逃れ生き延びた参加者の一人だとするなら、用心するべきなのだろうけれど。]
…彼女は。
[吸い込まれる様に、近付いて行く。]
[光に照らしだされ、細身の人影が浮かび上がる。こちらに気づいてか近寄る姿に立ち上がり、屋根からふらりと飛び下りた]
……こんばんは。はじめまし、て?
[制衣が空中でふわりと広がり、落下速度は奇妙なまでに減衰した。羽毛ように静かに着地し、眼前の姿に声を掛ける]
[つられた様に慌ててギクシャクとお辞儀をする。
慌てていても、それなりに丁寧な動作ではある。]
…今晩は。
ぼくは、あなたが空を飛んでいるところを見た──と思うのだけど。あ、ぼくはEu…geneと言います。
[其処まで言って何を続けていいのか分からなくなり、]
此処は月も、太陽もありません──ね。
──Mundane/dawntown (現実世界/地上) ──
[朽ちかけのプレハブ小屋。負荷に耐え切れず熱暴走で逝ったデッキ。
あと3秒、プラグぶっこ抜くの遅かったら死んでた…とか遠くで聞こえるわけで。
んー…なんかよくわかんね。視界が白黒でちかちかする。
…俺、何してたんだっけ?
てゆっか、俺、何処? これ、誰?
黒猫何処行った?
胸ん中と頭ん中がからっぽで…何か置いてきちゃったような気分。
…ってゆっか、俺…誰?]
わたしは、ニーナ。あなたは、Eugene――良い(Eu)-生まれ(gene)、ね。いい名前だわ。
[そう答えて少し考え込む]
そうだね。もしかしたら、空も飛べるかもしれない。
わたしだけじゃなくて、誰でも。
本当、太陽も月も、星さえも……あれ?
でも、あれは――
[見上げる間に背後で流れる曲が一周し、メリーゴーラウンドの電球装飾が点滅した。真夜中の海の色をした空に、ぽつぽつとおぼろげな光の球が漂い始める。蛍にも似た、けれどより大きな掌大の形]
――ウィスプ? ウィル・オ・ウィスプ?
ニーナ。
…天使みたいで奇麗だった。
飛べる人は居ても、誰もがそんな風に奇麗なわけじゃなく。
世界が崩壊して──ぼくはついて行こうと思った人と離れてしまった。
[一度俯き掛けて、ニーナと同じ様に空を見上げ直す。]
ニーナは、此処での死が、本当の死になると思い…
[問おうとした言葉が途中で止まる。]
[ふわふわと宙に浮かぶそれらは何の目的も無いようにただ辺りを上下し、無いはずの風に吹かれるように漂った。近寄ろうともせず、離れようともせず。
青い発光体を見上げたままEugeneの言葉を聞いて、ほのかに微笑んだ]
それじゃあ、ユージィはその人を探しているの?
[青い、何処か温度がある様な光。何故か、植物園の中で口に含んだ黒く小さな獣型のdata断片の事が思い浮かんだ。]
行き先がわからなくて彷徨ってるみたいだ。
…彼の事は、これから探すかもしれない。
Harveyと言うIDの…多分人間だと思う──をニーナは知ってる?
[頬に当てた右手は革の感触。記憶を問いただすように唇を噤んでみても、思い当たる名は無かったが――]
知っているの、かもしれない。もしかしたら、“前の”私か、その前かもっと前か――私のうちの、誰かが。
[目の前に手を持ってきて眉を寄せた]
けど、その記憶、保持しているのはこの人なんだよ。
私の執事(バトラー)。……眠っちゃってるのかな。
……この、人? うーん。
[自ら口にした語に悩んだように難しい表情になって自問する]
ひと、なのかな……。
ユージィの言ったHarveyも、人間なのかどうか判らないのね? どうしてなのかな……。
[右腕が執事なのかと首を傾ける。
記憶が無いと言うNinaの言葉が、なぜか寂しさの様なものをGeneに感じさせる。そっとNinaに触れようか…悩んで手を止める。]
何時も、ぼくは似た様なゲームに参加して、他の人よりも精神=肉体のシンクロが高いのか、よく、現実世界の肉体が意識を失う程の損傷を受ける事があるんだ。Mamがスクールから追放しないのは、レアサンプルだからなんだと思う。
でも、記憶はずっと継続している。忘れない。
記憶が無いのは──心許ない…ね。
【なにがぼくはさみしいんだろう】
[Ninaの手袋を睨みつけている表情に、なぜか困った様な*笑みを返した*。]
[幾度と繰り返されるAttackが唐突に停止する]
[動きを止めたLutherに彼女は問う]
──何がしたいのよ、アンタは。
[動かない彼に歩み寄る]
[以前に話した時との差異──"仮面"を指で辿り]
────。
[そ、と。"仮面"に手をかける]
[その下からは休止に陥り目を伏せるLutherの"顔"]
[手の中の"仮面"を眺め思考]
……こんなモジュール、あったかしら。
攻撃しないと約しながら問答無用で攻撃してきたり、訳わかんないわね。
あたし、何か気に食わないことでもしたかしら。
[とんでもない方向へ伸びる思考はそのまま言葉として流れ]
["研究所"の一角に、見覚えのあるギミック]
[現実世界の"端末"を模したそれに彼女は苦笑]
──あったわね、そういえばこんなものも。
["仮面"をその傍らに置き、届くかどうか判らないメッセージを"端末"に入力]
────────────────────
To A.
少しは自分のAIの面倒くらいみたらどう?
From A.
────────────────────
……無意味なことかもね。
[独り言]
[足元に控える獣に笑み、毛並みを*撫でた*]
・・・・・・
[行動を停止したlutherと、その後何かを端末で調べ始めている女性を確認する。
どうすればいいのか。どうすれば解決するのか。
そう、その女性がプログラミングに精通しているかのような発言をしていたのを思い出す。もしかしたら。僅かな望みを託し、彼女へと近づいていく]
今、いいかな。
貴方に、相談したい事がある。
・・・・・・
[どこまで話せばいいのか。この絶望的な状況を打開する。その事に対して冷静さを失わないよう。それだけを念頭において慎重に]
このフィールドが、例の”memento mori”に汚染されているというのは、共通見解でいいかな。
もしそれがキャラクターであれフィールド全体であれ侵蝕されているとして、貴方と協力してそれを打開したいんだが、いかがかだろうか。
[NIGREDと化した右手は何時の間にか元通りの右手となり降ろされている。佇んだまま睛を瞑っている。
本来であれば、他のAI/人間の前で休止に陥る事はなく、安全であると思われた場所での休止をProgramされている筈だが───…]
フィールド全体が"memento mori"に侵されているとは、思いたくないけれどね。
とにかく、私たちは今"memento mori"の危険に曝されているのは確かでしょう。
私と協力してそれを打開したい──それはいいわ。
けれど、貴方──。
私が望むのは"memento mori"を破壊し、生きて生きのびること。そのためには貴方すら破壊する時が来ないとも限らないわ。
『他者を安易に信用しないこと』
Hacker/Crackerであるならこれは不文律。
──COMMAND>
[IDを読み取ろうと、コマンドを展開しかけ]
[指先の動きが抑えられない]
……だめか。私も相当疲れているみたいね。
[諦め、BOXを最小化]
・・・・・・
[思考をめぐらせる。結局自分の現状を伝えれば間違いなくこの女性と激突する事になる。そしてすぐ近くにいるlutherが再度起動すれば、状況は悪化するだろう。どう説明すればいいのか。
きっともしこのherveyというアバターが現実に存在する肉体であったら、今頃冷や汗で見れたものではないのだろう]
破壊、という定義にもよるだろう。何も戦闘だけで一方的に破壊するだけが全てではない。
もしそのlutherが汚染されていた場合、僕らは単純な戦闘行為だけであれば不利なのは間違いない。プログラムを解析し問題を解決するという選択肢をとったほうが安全、そうではないだろうか。
僕だって命は惜しい。一番安全な道を提案しているつもりだ。この一点においては信用出来るんじゃないかと思うんだが、どうだろう。
"memento mori"の解析とワクチン作成──。
本気で言っているの、貴方?
[くすくすと笑いを漏らす]
……面白いわ。
過去であるXXXの書いたプログラムを現代である貴方たちが破壊する。
面白いわ。
──その時のあいつの顔が見物だわね。
[一瞬、凶暴な笑みが浮かび、消える]
[汗をぬぐいたい気分だ]
ありがとう、恩に着る。
是非現実に戻ったらお茶でも奢らせて欲しい。
さて、問題はサンプルデータだ。
明確に言うが、ル・・・・・・
[嫌な予感がする。以前セットしたままだった警告プログラムも反応している。このままだと、この女性へまたlutherが攻撃を開始しかねない]
・・・・・・
[まずい。まただ。意識が薄らいでいく。
どうやら戦闘行動を行ったり付近で他のmemento moriが活動を開始すると、このアバターが暴走を開始するようだ。だが今それが分かった所で、どうにもならない。
現実世界の自分の肉体はどこまでやられているのか。幸い電脳化は記憶媒体とコネクションに留まっているが、最悪の場合脳が焼ききられてしまうのかもしれない。コンピュータウィルスが感染した肉体。これほど神秘的なものはないだろうなと、ふと思ってしまう]
『────』
[獣が紙の蝶の舞いを目で追う]
[彼女はそれを知らぬ気に]
デートのお誘いとは嬉しいわね。
最高級の玉露と栗羊羹でも奢って頂戴。
サンプルデータ、ねぇ。
あのアーカイブが無事だったら良かったんだけれど。
コピーも取ってなかったしなぁ……。
[道化とともに消えたコードを思い浮かべ]
[ちら、と蝶に視線を送る]
[円形陣の内側にはnoise混じりの映像にて。
生命の木、這いより蛇。
スルリと逃げて、10のセフィラが仄かにひかる。
黄道十二宮はゆっくりと旋回、
かたちは少しずつ変わっていくようだ]
貴方──?
[言ったところで、新たな声]
その声──Alchemist!!
[声が反響]
[蝶が波状に展開する様を見詰め]
……漸くお出ましってワケ?
[警告のBOXは表示されていない]
>苦労したよ。
>短い時間で、隠型四重防御壁を造ったんだから褒めて欲しいな。
[合成声音。
黄道十二宮はウロボロス、永劫回帰や完全性を意味する蛇へとその身を変え、うねらせる]
>そこにいる少年よ、目が開くようになったかい?
>ボクは錬金術師。
>偉大なるヘルメス・トリスメギストスと呼んでくれてもいいよ。HA!HA!
聞いたことないかしら?
Alchemist──通称"錬金術師"。
Lutherの"製作者"で、ついでに言えばあたしの古馴染み。
大丈夫よ。害は無いわ。
[生命の木が一度溜息をつくように膨張し、]
>合成声音を変えたのに、
>あなたには結局分かってしまうんだなあ。
>ボクは誰にも知られたくないのさ。
[可愛い、頭に輪っかを浮かべ細長いラッパを持ったエンジェルがポンポンと二つ生命の木の横に浮かぶ。祝福のように紙吹雪]
>久しぶり、Straycat。
>ボクのNIGREDの性能はどうだった?
>あなたから貰った双子の天使も、
>とてもよい性能だっただろう?
──COMMAND>Program Analysis /ad
-1B2DE475BAAD
──SYSTEM:ERROR(606)
[嫌がらせ紛れに蝶のコードを読み取ろうとして失敗]
ち、やっぱ無理か。
だからあたしはAudreyだってのに、何で皆その名前で呼ぶかなぁ!
ていうかそう、Lutherと双子!!
なんなのよアレは!
双子が原型とどめてないのはもう仕方ないとして、Lutherの行動が訳わかんないんだけど!!
・・・・・・
[話の内容は分からない。相当身内の会話内容に違いない。だが一つ分かったことがある。どうやら今会話しているこの二人は想像していたよりも厄介で高レベルな存在だということだ]
【とりあえず危惧すべきは戦闘の可能性か】
[だがそのような雰囲気も無さそうだ。ならばこの二人の会話で何かが進展するかどうか、静かに見極めるのが得策かもしれない]
──そういえば、さっきこのボウヤの様子がおかしかったわね。
Alchemistも妙な事言ってた。
『──そこにいる少年よ、目が開くようになったかい?』
……どういうこと、かしら?
>AHAHAHAHA.
>組みかけの六重防御壁を元にして組んだものだから、
>早々簡単に読み取らせないよ。
[生命の木が合成声音の笑い声と同調して光った]
>amor.愛の天使にしてはいけてるだろう?
>NIGREDの行動?
>あなたには、NIGREDからは
>危害はくわえられないと思っていたけれど、
>何かあった?
がんっがんに攻撃されたわよ。
それも最大級にデカい焔と十字架のおまけつきでね。
[端末の脇に置いた"仮面"を示し]
前は随分慕ってくれてる風だったのに次に会ったときは妙な仮面付けてゴージャスな攻撃のフルコース。
プログラムにしちゃ行動が矛盾しまくりよ。
──おかげで。
一瞬、"memento mori"にでも支配されちゃったかと思ったじゃないのさ。
>妙な仮面ってのは失礼だなあ、Straycat。
>大体NIGREDは仮面があって完全なんだ。
>……仮面なしに仕様変更も出来るけれど…
>ボクの趣味にケチをつけないでくれ。
>仮面つきのNIGREDってのはさ、
>対象設定後は、Assault Moodに突入するんだ。
>そうだなあ。問答無用度はあがってしまう。
[途中小さな声が混じったかもしれない]
>しかし可笑しいね。
>仮面をつけてあなたにAttackをかけたのなら、
>あなたは今ここにいない筈だ。
>故に、あなたを製作者、
>準製作者として認めているよ。
>つまり、あなたをAttack対象に含める事は
>ありえない。
[さらりと返された言葉に絶句]
あんた、どんだけヤワなプログラム組んでるのさ……。
それとも流石の錬金術師もXXXには勝てないってことかしら?
[言う言葉は半ば自棄]
あたしはLutherから準製作者と見做されている。
故に、攻撃対象にはならない。
けれど、"memento mori"に侵食されているLutherはあたしを攻撃した。
……AIのジレンマってところかしら?
[Lutherが幾度も繰り返したAttackを思い返し]
[コマンドから待機状態のPGMを呼び出す]
──COMMAND>memento mori Checking PGM
──SYSTEM:Candidate for a check is not set up.
[Lutherをちらりと見遣り]
……アンタが言うなら、確認する必要はないかもしれないわね。
Alchemist、先に言っておくわ。
Lutherが"memento mori"に支配されあたしを破壊しようとするなら、あたしは遠慮なくこの子を壊す。
悪く思わないで頂戴。
生きのびてXXXをブチ殺してやらないと、あたしの気が済まないのよ。
>「可能性」は高いだろう。
>それよりも聞き捨てならないな。
>XXXが組んだプログラムなのかい?
>memento moriは。
[瞬きするように、映像が一瞬明滅し、]
>ジレンマでないなら、
>そんなに直ぐNIGREDが休止に陥る訳がない。
ええ。あの野郎、"memento mori"のコードの最後にわざわざサインまで残してた。
少なくとも基礎を組んだのはあいつでしょう。
あたしはそう考えてるわ。
──正直、判らないわね。
[苦笑を漏らす]
けれど壊すしか道がないのなら、あたしはそれを選ぶ。
分の悪い賭け、でしょうけどね。
[Alchemistの言葉にくすくす笑い]
えぇ、知らないはずなくてよ。
腰の重いアンタが乗ってくるほどだもの。
──Thanks,Alchemist.
[最後の呟きは、真摯さに満ちていて]
[蝶々が波状に広がった時と逆に、蝶々に戻りながら、]
>memento moriか──。
>Anti PGMをつくる事に協力しよう。
[蝶々は、Audreyの肩に*とまった*]
[Geneの目には青い───炎ではなく。青く遠い惑星の幻が黒から灰にグラデーションを描く虚空に浮かんでいるように見えはじめてきた。
透けて見える、それはなんて遠い──────。]
ぼくが
生身で生きていて
人として誰かと出会うなんて思えない
ぼくには何もない 何もない
[Geneの義足が何も無い土地の上でも、硬質なクリスタルの弾ける音を立てる。今はただ透明な手枷にしか見えない装備に視線を落とす。クリスタルに影は無い。交わることを望んでも(本当に望んだ事があったろうか)其れは透明である。]
自己消滅へ向かう細胞
相似形を描くフラクタクル図形は
シンクロしたままダイヴするぼくと彼女だった
なぜか確信を持って
永遠に必要とされない 実感だけがある
[青い光はもう見えない。
かわりに暗灰色の空の隅のテクスチャが一部捲れて、無機質な灰色のテディベアが音も無く降って来る。]
彼処から──何処かへ繋がってる?
[瞬きを空に浮かぶテディベア群を見上げるGene。
Geneの5本の指先が透明なドリルに変化すると同時に、かなしいと感じたゆるやかで重苦しい感情の波が何処かへ消える。]
[サーバーは疾うに安定を取りもどし、辺りを静寂が支配していた。
と、唐突に黒い筋が走った。
それは緩やかな曲線を描き伸びて、完全なる円を作る。
周囲の移ろう色調の変化を否定するかのように、
円は唯一つの狂いもない黒に塗りつぶされる。
やがて壁から塗装が剥がれる様にぼろぼろと黒が崩れると、
穴の中には人型の自律プログラムがいた。]
──Under/Backstreet "Alchemist's LABO"──
[Lutherは、壁際で身動きせずに佇んでいる。]
これで解析とワクチンの製作はとびきりの協力者が出来たわね。
……ねえ、貴方。
さっき何だか様子が妙だったけれど、どうかして?
Alchemistも妙なこといっていたわね。
『目が開くようになったか』
だったかしら?
──良ければ貴方のことを話して頂ける?
[紙の蝶々は、Audreyの肩で抗議するように翅を羽ばたかせ、Lutherの周囲を舞い始めたが、そのうちLutherの後ろ辺りに回り、暫く表に帰ってこない]
未亡人 オードリーは、お尋ね者 クインジー を投票先に選びました。
[自らの置かれた状況が出来ないまま、なんとか実体化には成功していた。
今、自分がいる位置を特定する余力もなく、暴走する攻性プログラムを必死に処理していた。]
いったい何が起こってるんだ…
自らの支配下にあるはずのものが暴走するなど外部的介入がないと起こりえないはず…。
オレに干渉してるのはなんだ…知識にあるはずなのに知覚できねぇ…オレ自信にも影響してやがるのか…
[誰に聞かせるでもなく、つぶやくと出力を抑えきれずに光が漏れる右手の拳を押さえていた]
[崩壊後に転移されたこの空間では、飛行の軌跡は緩やかな様だ。ドリルで灰色のベアを突き刺し、白い綿を溢れさせる。ベア一体一体はフワフワとしてさしたる攻撃力も無い様にみえる。ただ、テクスチャの剥がれ目から次々に沸き出し、Geneの周囲を真綿で包む様に囲んで行く──。]
邪魔…だ。
前が見えないよ。
[無理矢理、指先でベアを引き裂いて、空のテクスチャの継ぎ目を掴んで破る。空を引き裂いた先には、]
―under/Boulevard―
[彼は、サーバーノイズに弾き飛ばされた他の自律プログラムと違い、サーバー情報の深部に絡め取られた為に座標移動はしなかったようだ。
ゴーグルの知覚システムを、確かめるかのように広域に展開する。]
[メタリックシルバーに光る、無数の扉ばかりが延々と並び構成された空間、暗い土地から見上げれば、蛍光灯に照らされた金属が眩しい幅2M程の廊下。奥は見えない。]
こんな空間は、はじめてみるよ。
[辺りを見回し、ゴーグルの情報と人間視覚化システムの情報を照らし合わせる。
異常がない事を確認する。]
[彼は目を閉じると、さらに広域を調べようと――]
──Under/Backstreet "Alchemist's LABO"──
『……やれやれ。
全く誰なんだ、こんなAIを造ったのは。──ボクだ。
組みかけの六重防御壁に、これでもう元に戻せなくなった。』
[揚羽蝶科の模様を所々破れさせて、出てくる]
『ボクのコマンドを受け付けない。
「これはこれで興味深い」
何とか、memento moriのデータらしきところを……何て荒く広範囲に──粗雑と言えそうな……巧みにシールしながら持ってきた。変に取り込んでいる。
防御壁に、一つ前のversionのanti PGMを組み込んでおいてよかったよ』
[そして、Audreyの肩に再びとまる]
―under/???―
[荒い息をつきながら反応が鈍い身体を立ち上がらせた。
右手が熱を帯びているかのように熱く、そして漏れ出る光は強大な干渉力を持つ光の糸となって周辺を荒らしている]
ここは…どこだ…。
索敵システムもはたらかねぇ。
オレの身体はどうなってやがるんだ…。
[再び肩にとまった蝶をちらりと見遣り]
サンプリング、出来たの?
侵されなくて良かったわね。
[皮肉を投げ、次いで顎でLutherを示す]
ところで彼、再起動しないの?
動かないままなんだけど。
『ボクはこれから解析に入る。』
[あえて、コピーを渡すと此方からは言わない。
皮肉には仕返しを]
『損傷と要らない負荷を、
回復/処理出来たら目覚めるさ。』
あ、ちょっと待って。
一応読みたいからコピーぐらい置いてってよね。
Lutherは放っておけば勝手に起動するのね。
じゃあそのままにしとくわ。
[正直、再び攻撃を仕掛けられると、と思うと少し怖い]
[地上に居るニーナに手を差し出す。]
一緒に移動する?
それとも、此処でぼくを殺そうとする?
(勿論、殺すと言うならぼくは君と戦う。)
ニーナのその帽子の黒十字のマークに見覚えがある。…特殊なI.N.Cだよね。Harveyはぼくを単なる子どもだと思ったみたいだけど、ぼくが居るのは普通の学校じゃない「スクール」なんだ。
勿論ふつうの学校も世界には存在する、Underではスラム育ちだなんて同い年に会う事もあるけど。
違う論理社会に所属している者も居る。
──なんだろう。
ぼくが、もう一度彼に会わなくてはならないと思う理由は。
[発見した自律プログラムの座標へ近づくと、辺りは邪魔する物の殆ど無い開けた場所。
視覚が光糸を発するクインジーを見つけた所で、分析を開始する。]
『ボクは優しいから置いていくよ、勿論。』
[anti PGMに保護されたコピーデータ──透明な蝶が紙の蝶から離れ、Audreyの顔の近くへ。]
『ああ──通称Twinsなんだが、』
[紙の蝶々はAudreyの肩から離れながら]
[すぐ近くにギルバートが来ているのがわかった。
今、自分がどこにいるのかも分からない、だが…自らが為すべきことは分かっている]
後どれだけ持つかわからねぇがな…
来てくれてありがてぇぜ…
このまま一人でフリーズしたらどうしようかと思っちまったよ…。
[そうつぶやくクインジーの表情はとても明るかった]
…Harvey。
いや、ID:harveyだった。
IDは固有名詞では無くただの文字列なのだろうね。
[Ninaの吸い込まれそうに美しい、無垢と言って良い様な瞳をじっと見つめる。]
何故だろう。
ぼくは、彼に会うまで
此処から消えたく無いんだ。
[声が金属質の廊下に反響する。]
話を聞くより、こっちの方が早いかしら。
[開いたままのBOXにコマンド]
──COMMAND>Program Analysis /ad -3EBF89CA
──SYSTEM:CODE 2A43EE5DFF/hervey
hervey、ね。私はAudrey.H.よ。よろしく。
……ねえHervey。今から私のすること、怒らないでね?
安心したいだけなの。
[彼女は言って、更にコマンドを打つ]
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