情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
村は数十年来の大事件に騒然としていた。
夜な夜な人を襲うという人狼が、人間の振りをしてこの村にも潜んでいるという噂が流れ始めたからだ。
そして今日、村にいた全ての人々が集会場に集められた……。
自警団長 アーヴァインは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―――――――――――――――――――――――――
【承前】
ここはとても大きな屋敷のようです。
広間、沢山の個室、バスルーム、遊技場etc...
探せばまだ沢山の部屋があることでしょう。
屋敷の中は綺麗に掃除されています。
家具も調度品もきちんと手入れされている、上等なもののようです。
広大なエントランスホールの床には綺麗な文様があしらわれています。
その模様は誰も読むことができない古い文字のようです。
そこには、こう書かれています。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
仕組まれた不協和音
・この村は【推理なしのRP村】です。
ただし、キャラクター視点でのRP推理はOK。
能力者COは人狼を含め自由です。
能力者が結果に関して嘘をつくのも構いません。
・「人の死を重く受け止める」がコンセプトです。
シリアス村ですのでネタに走りすぎないようにご注意を。
・中の人会話は、原則白ログでは禁止いたします。
赤・青・灰・メモではOK。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
・アンカーや強調への制限はありません。
占い&処刑希望の●▼といった記号の使用はお止めください。
・村の設定以外に書いてあることは、基本的に、【言ったもの勝ち】です。
空気を読んで行動してください。
・村の雰囲気としては中世〜近世を推奨します。
・コミットは状況次第。終盤の生存者の意向によります。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
・この村は、審問1510村 連れ行かれる囚人たち
(http://www.juna.net/game/wolf/room/1510/)
の流れを汲んでいます。
雰囲気が分からない方は先にこちらをご覧ください。
・【推理なしのRP村であることや、注意、世界観、ルールを
承諾して頂ける方なら、どなたでも参加をお待ちしております】
ご注意:
暴力的な表現やグロテスクな表現が展開されることが予想されます。
(というか、むしろ推奨です)
参加にあたっては、その点にご留意ください。
―――――――――――――――――――――――――
【村の設定】
この大きな屋敷は入ることは許されても出ることは許されません。
ここにはアーヴァインに買われた罪人たちが集められています。
集められた罪人たちの罪の重さ・種類はバラバラのようです。
また中には冤罪で捕まった者もいるかもしれません。
しかし犯した犯罪の重さなど、ここでは重要なことではありません。
ここに連れて来られたからには残された道は三つ。
殺されるか、生き残るか、人ならざる者となり果てるか。
貴方たちはアーヴァインの嗜虐的興味を満足させるために集められたのです。
彼は殺し、殺される極限の精神状態を見物してやろうとしているのです。
【プロローグ】
貴方たちはアーヴァインに連れられて屋敷にやってきます。
連れてこられた理由は明かされていません。
ここはただの屋敷にしか見えず、刑務所や拘置所に比べれば
ずっと素晴らしい待遇でしょう。
連れて来られた理由は不明ですが、逃げようと思うものは
少ないかもしれません。
また、アーヴァインは流行り病の予防接種だと言って、全員に何かの注射を打ったようです。
【1日目】
アーヴァインによって、
「逃げ出したら警備兵に捕まること」
を説明されます。
仮にも囚人である貴方たちは自由に外に出ることは許されません。
ただし、この屋敷の中でなら自由に過ごしても構わない、とアーヴァインはいいます。
あまりの待遇のよさに訝しむ人も出てくるかもしれません。
或いは、酔狂な人もいるものだと楽観視する人もいるかもしれません。
自分以外にも連れてこられた人を見れば交流もあることでしょう。
【2日目以降】
本性を現したアーヴァインは1枚の紙切れを広間に残して何処かに消えます。
その紙切れには、こう書かれています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
親愛なる犯罪者諸君。
こに連れてくる前、諸君には予防接種を打ったことを覚えているだろうか。
あれは実は予防接種などではなく、大半はただの栄養剤だったのだが、
この中に2人、人ならざる者に肉体を変化させる薬を混ぜさせてもらった。
彼らは肉体を強化され、また超能力を有するようになる。
そして、定期的に人を殺したくなる衝動に駆られるようになる。
薬を混ぜられたものは効果が出始めれば手当たり次第欲求を満たすようになるだろう。
死にたくなければその2人を死に物狂いで見つけ出し、殺すといい。
ただし安心したまえ。
彼らには一度に複数の人間を殺すような能力は与えていない。
それと、定期的に生者と死者それぞれを人狼かそうでないかを判別する薬も与えよう。
ただし、一度に調べられるのは1人までだ。
疑わしき者を調べ、殺し、生き延びてくれたまえ。
人狼を全て倒すことが出来た暁には、ここから出してやろう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この手紙を信じるも信じないも貴方次第。
ただし、嫌でも人狼は屋敷内の人間たちを殺し始めます。
いつまでも悠長に構えている暇はないかもしれません。
屋敷の中には包丁や、鈍器といった人を殺せるものがあることでしょう。
最初から隠しナイフなんかを有している人もいるかもしれません。
屋敷の中をくまなく探して武器を持ち、人狼を駆除してください。
【処刑について】
処刑は【乱数によるランダムもしくは話の流れ】で決まります。
・話の流れで決まる場合
関連のある当事者同士でメモにて話しあってください。
どちらも殺されるのが嫌だという場合にはランダムに移行します。
また、対立者はいないけど処刑されるRPがしたい、リアルが忙しいなどで
立候補してもらうのも構いません。
・ランダムで決まる場合
流れ的に処刑対象になる人がいない、立候補者がいない場合、
GMが乱数で対象を決めます。
・基本的にキリング推奨です。
対立者が死んだ場合はその対象者が。
乱数で決まった場合は、決まった時点で希望する死に方をメモにどうぞ。
特になければその場に居合わせた人でタコ殴りです。
【襲撃について】
・襲撃は基本的に人狼の采配によります。
ゲームを盛り上げることを意識した襲撃を期待します。
基本的に多忙・寡黙がいればそちらを優先してください。
・死体の発見・描写は【早い者勝ち】です。
赤でキリングしたい場合は、表での発見状況を鑑みて行ってください。
【エピローグについて】
生存者によるエンドRPを行います。
(1時間程度を目安にしてください)
全員のエンドRPが終わるまでは死者は沈黙していてください。
それぞれ簡単に物語に決着をつけて、エンドマークをお願いします。
どのように物語を終わらせるかは各々の自由です。
全員のエンドマークを確認したら、スタッフロールを流します。
GMがエンドマークをつけたらそれ以降は楽屋でお楽しみください。
1時間で決着つかない場合は、区切りのいいところで一度切ってください。
その後楽屋中に好き勝手やってくださって構いません。
【その他】
不明な点があればメモにて質問してください。
長い前置きですが、以上をご了承いただける方は是非ご参加くださいませ。
修道女 ステラ が参加しました。
修道女 ステラは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
[館の主・アーヴァインに連れられ屋敷へ招き入れられる一つの影]
まぁ…立派な屋敷。
私をここへ?
ふふ、不思議な人ね。
私のような人間を買い取ってこんな素敵なところへ住まわせるだなんて。
でも今まで閉じ込められていたところよりは過ごしやすそうね。
私の大切なものも取り戻してくれたし。
[衣服を入れたカバンの他に、小さめの革のカバンが一つ。それを大事そうに撫でて]
それじゃあお邪魔しますね。
[アーヴァインに微笑んで、屋敷の中へと足を*踏み入れた*]
<中>
よーし、参加完了ー。
後は人数が集まるのを待つだけね。
設定は始まってから落とそうかしら。
そうそう、初ステラですわよ(何
村の設定が変更されました。
牧師 ルーサー が参加しました。
牧師 ルーサーは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[広々としたエントランスに佇んで。
案内したアーヴァインが立ち去るのを見送ると帽子を脱ぐ]
……随分と広い屋敷だな。
罪人にするにしちゃあ、破格の対応じゃないか……?
[ふむ、と顎をなで擦り]
まぁ牢獄の中よりマシなら構いはしないが。
[独りごちると屋敷へと足を踏み入れた]
酒場の看板娘 ローズマリー が参加しました。
酒場の看板娘 ローズマリーは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
[後ろ手に手錠をかけられたまま、まるでアーヴァインにエスコートでもされているかのように悠然とエントランスまで来れば、周囲を見渡して軽く首を傾げる。]
一体何をさせるためにつれて来られたのかしらね。
[答えがないことがわかっているような抑揚のない声で呟けば、手錠を外され進むよう促される。案の定其れに対する答えはないようだ。]
ふふっ、拾われたとでも思うことにするわ。
[彼の背中にそう声をかけて、疑うことも信じることもしない素振りで中へ。彼女にとっては連れて来られた目的などどうでもいいらしい。]
[エントランスホールを抜けた先は広間になっているようだった。
上質の革張りのソファーに遠慮無しに座り]
……悪くないな。
[座り心地を確かめると背凭れに体を預け]
お茶の一つも出ないあたりは客人として招かれたようじゃなさそうだが。
金持ちのすることは理解しがたい。
[樫のテーブルをこつこつと指先で叩く。
これもまた上質のもののようだ。]
[ゆったりと進み入ると、どうやら広間へと辿り着いたらしい。
ソファーにもたれている男を見つければ、どうしようかと一瞬考えたものの、口元だけに笑みを浮かべて]
先客がいたのね。
あなたも館の主に買われて来たのかしら?
[コツコツと靴を鳴らしながらソファの近辺まで来れば、そのまま立ち止まり内装や調度品をぐるりと見渡す。]
趣味は悪くないみたい。
[小首を傾げて、くすりと笑う。]
[現れた女に気付くと、視線を向ける。
人当たりの良さそうな笑みを浮かべると]
ご機嫌ようフロイライン。
あなたも、ということはお嬢さんもですか?
[室内の調度をぐるりと見回し]
ここの館の主はいい趣味をしているようですね。
勿体無いお招きのようです。
[軽く肩を竦める素振をして]
[向けられた笑みに軽くお辞儀をして]
ええ、私も。
・・・もしかして他にもいらっしゃるのかしら?
[人差し指を顎に当て、少し考えるようにしてみるけれど。
やはりそれも彼女にとってはどうでもいいことらしかった。]
さっきまで牢獄で、今は豪華なお屋敷。
確かに勿体無いお招きだわ。
[そう言って、ソファに腰掛け、感触を楽しむ。
そしてはたと気付いたように男の目を見て]
私はローズマリー。
ローズでもマリーでも、好きなように呼んでちょうだい。
[短く自己紹介をした。]
ルーサーが敬語なのにタメ口なローズさん。
完全RP村以外では中発言が殆どになると思います、独り言。
だって・・・何か気恥ずかしいんだもん(/-\*
ローズかカミーラかで悩んだけれど、最終的にローズ。
使いたかった人がいたらごめんなさいね。
お嬢さんのような美人を買うならともかく。
私のような者を買っても得などないと思うのですがね。
……他に姿を見た人はいませんが。
牢獄、ですか。
[はて、この女も自分と同じ境遇か、と目を細め。
名前を聞くと慌てたように立ち上がり]
これはこれは名乗りもせずに失礼。
私はルーサー・アレンス。
しがない牧師ですよ。よろしく、ローズマリー嬢。
美人だなんて。お上手ね。
買われたのが女性だけではないのなら目的は見えないけれど――
まぁ、どうでもいいわ。少なくとも今は。
[ルーサーが立ち上がれば、自分も何となく立ち上がり一礼。]
よろしく、ルーサーさん。
牧師さんが買われて来るなんて聞いたことないわ。
主は一体何者なんでしょうね。
[小首を傾げて囁けば、人差し指を顎に当てて思案する素振りを。]
別に外に出なければ歩いていいのよね。
何だか面白そうだからこのまま探検してくるわ。
それじゃ――また後ほど。
[ひらりと手を振って歩き出せば、来た時とは違い自然に足音を立てることもなく奥へと*消えて行った*]
本当のことを言っているだけですよ。
……さっぱり分かりませんね。
余程後ろめたいことがあって懺悔でもしたいんじゃないですか?
[投げ槍にそう呟くと、出ていくローズマリーにお気をつけて、と手を振り]
さて、ただの牧師なら買われたかどうかな。
[囚人の証である腕輪を撫でると服の中に隠し]
……あの女も正体が知れないし。
囚人を集めている、のか……?
[疑問に答えるものはなく。
帽子を顔の上に乗せると、ソファに凭れたまま*しばしの休息*]
冒険家 ナサニエル が参加しました。
冒険家 ナサニエルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
……驚いたな。
[外観からしての屋敷の豪華さに、青年は抵抗を止めた。
縄でくくられた腕をアーヴァインに引っ張られるまま、中へと足を踏み入れる]
オレはまたてっきり…、どこぞのマフィアの鉄砲玉にでもされるのかと思ってたぜ。
あんたさ、一体どういうつもりでオレを買ったわけ?
それともこの先に、趣味の良い死刑台でもあんのかな?
[美しい模様のあしらわれたエントランスホールの床を越えた所で、縄が解かれる。
アーヴァインは答えぬまま顎で扉を指し、自身は去って行く]
…やれやれ。ヒトゴロシに答える義務はありませんって?
[恨めしく、注射を打たれた上拘束されていた腕を一さすりし、示された扉を開けた青年は絶句する]
………。
フフッ…
……ハハハ!
豪邸だよ。何だいこら?
わけわかんねェ。
[きょろきょろと辺りを見回せば、贅を凝らした部屋のつくり…
そんな所へ連れて来られた自分の幸運に笑いが込み上げてくる]
だけどこれから死なせようって人間を…こんな豪邸に押し込めるモンかね?何かヤバい仕事をやらされるとしても、いきなり吊るされるってコトぁ無えだろうよ。
全く…オレも運が向いてきやがった…
[しかし牧師の帽子を顔の上にのせたまま、ソファにもたれて眠る男に気付くと、笑い声も一緒にぱたりと足を止める]
何でてめぇがここに居る!
[途端に激昂し軽く上半身が持ち上がる勢いで胸倉を掴むと、男の顔から帽子が落ちる]
……あぁ。
[――人違い。
ただ同じ牧師の服に身を包んでいるというだけで、こうも動揺してしまうことに力なく自嘲の笑いを浮かべて手を離す。
...は、ぼすんと小さな音をたててソファに受け止められた男が目を覚ましてしまったかどうか、確かめもしない]
文学少女 セシリア が参加しました。
文学少女 セシリアは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[幾重にもベルトを巻かれた白い塊を無造作に肩に担いだ男がアーヴァインに付き従いエントランスへと現れ、担いだ荷物を乱暴に床へと放り投げると、白の塊は衝撃にか大きな蓑虫か木乃伊の如く微か蠢いて床をのたうつも、周囲に足音が響けば直ぐにまたぴたりと動きを止める]
………
[白い塊はどうやら拘束具を着せられた華奢な人間のようで、もう少し丁寧に扱えとアーヴァインに窘められる傍らの男が歩み寄る気配にか息を飲み身を竦め、頭部の拘束ベルトを外され背後へと布を引き下げられれば、現れる口許を更に仮面らしき拘束具で覆われた顔には汗で長い前髪が張り付き、奥に潜む瞳は急に光に晒された眩しさにか伏せられる]
………
[両腕ごと胴体に巻き付いた数本のベルトも、背後で両腕を拘束しているベルトも、両の太ももから足首まで蛇の如く幾重にも巻かれたベルトも、口許を覆う仮面も、其れ以上の拘束が解かれる事は無く、傍らの男は立ち上がりアーヴァインに従い出て行く間も、白の塊は殆ど動く事も無く、扉の閉まる音と同時に身を折ってベルトの留め金が床を擦る微かな音を立てながら、ずるりずるりと床を這うように玄関口の壁際へと寄る]
居るわけない。
オレが殺したんだし…
[透かして遠くを見ているような目で自分の手を見る。
それを服の上から、死刑囚の焼印が押された左肩にあてて、俯いたまま小さく息をつく]
…腹減った。
どっかに食いモンくらいあっかな。
[やがて顔を上げると、食料を求めて広間を*後にした*]
………
[エントランスホールに据え付けられた上質のソファの隅に頭を預け壁との間に半ば隠れるように小さくなって座り込めば、前髪に隠れた双眸は奥から聴こえる人の気配に脅えた色を浮かべ周囲を窺っている]
何だお前、いつの間に来やがった。
ずいぶん…
[人間というよりはまるで白い塊と呼ぶのに相応しいような存在を目に、喋れるのかと怪訝に思いながらも、距離を保ったまま肩をすくめる]
趣味の良い服だな。
[距離を保った侭の人物を見上げ長い前髪に隠れた双眸が現れ、汗で張り付いた髪の隙間から覗く其の右目周辺は、黝く腫れ上がり見開かれる事すら無いのが見て取れるだろうか]
………
[眼前の人物を映す紫水晶の瞳からは脅え以外の何の感情も読み取れず――腫れ上がった右目周辺をはじめとして全ては変わり果てた姿とは言え、新聞記事に目を通し其れを記憶しているような人物ならば、若しかしたら随分と昔に誘拐され行方不明と報道された子供の、其の印象的な澄んだ紫水晶の瞳や、掲載された写真の幼くあどけない微笑みの面影があると思い当たるのかも知れない――声をかけられても塞がれた口許から音が零れる事も無く]
……参ったな。
[――気持ちが悪い。
...の、それが隠しようもない本音だった。
華奢な少女に絡みつく、拘束具と呼ばれる衣服を彼は知らない。
蛇を思わせる厳重さで体に巻かれたベルトも、口を塞ぐ仮面のような鉄の板もまるで――]
ミイラみてぇだなお前……。
お前、まさか化け物じゃ無いんだろう?
[ちゃんと見ることができたなら哀れを誘うはずの、脅えの感情を宿した美しい紫の瞳も、今は汗で張り付いた前髪に隠れている。
...に見ることができたのは、酷く腫れ上がった右目だけだ]
じゃきゃ、妙な病気だとか…
[...は新聞を読んだ事も無く、凡そ子供じみた想像しか働かせられなかった。ことりと音を立てて、一歩後ろへ下がる]
[かけられる言葉にか相手の嫌悪感を感じ取ってか、俯けば醜く腫れ上がった顔も隠れ]
………
[其れ以上下がる事は叶わぬ分は更に身を縮める]
この人は、私が、怖いの?
如何して?
私は、何もしてないのに。
私は、悪く、無いのに。
如何して?
[其の思考はずれているだろうか]
………。
[言葉はちゃんと、通じているのかもしれない。
その証拠に奇怪な人と思しき存在は俯き、腫れ上がった顔は髪に隠れた。
そして小さく身を縮める様を見れば、...の心にも僅かに可哀想だという気持ちが生まれる。
少なくとも人に、危害を与えるような存在では無さそうだと。
――それでも]
…いや、わかるもんか。
人は見かけによらない。
ましてやアレだ…
近付いてあのわけのわからんものを外したら、ガブリってこともあるかもな。
おいお前…、オレに何も期待するなよ。
他にも人が居るみたいだからな…
助けて欲しけりゃ、そこの牧師様が起きるのでも待って、お願い申し上げてみろ。
[眼前の人物の言葉に更に人が居るのに気付き、顔を上げれば牧師の方へと視線を投げ、けれど聖職者の姿を見ても其の表情には脅え以外浮かばず、自身を警戒している様子の人物へと視線を戻し]
………
[逡巡の後に了承の意か感謝の意かまた頭を下げる]
[やがて遠退く足音に口許を覆われた侭に一つ息を零し緊張を解き、ぐるりとエントランスを見回せば、周囲から容易に見つからないであろう階段の影へと這い進んで、小さく身を捩り壁に凭れ掛って何時しか*眠りに落ちて*]
村長の娘 シャーロット が参加しました。
村長の娘 シャーロットは、守護者 を希望しました(他の人には見えません)。
[少女の前にアーヴァインが現れた時]
[強面の男を前に]
[口にした言葉]
――ごめんなさい。
[アーヴァインが屋敷へと少女を連れて行き]
[優しい言葉を添えて滞在を告げた時]
[口にした言葉]
――ありがとう。
[まるで晩餐会でも開かれるかのような、大きな屋敷の前。
聳えたつゲートには薔薇の彩色。
ぼんやりしている内に男は何処かへ消えてしまった。
戸惑う。
何故自分がこんな所に。]
わたしは……
手錠か、それか――病棟なのに。
[呟いて、目元を手で覆った。
目を覚ませば夢のように覚める筈だった。
翳した手を外しても、眼前にあるのは
白堊病棟ではなく、美しい屋敷。]
……幻覚、かな。
……だったら、厭だな。
[立ち尽くしていても刻々と時間が過ぎるばかり。
あの男も確かに、屋敷で時を過ごすようにと
優しい声色で言っていた。]
[漸く躊躇いから次のターン。扉を開けた。
外から零れる光がエントランスへ差す。瞬間は闇と思った。
違う。朝日に目が焼かれていただけ。
慣れれば映るエントランス。]
……誰、か、いますか?
[小声で問うても谺する声は無く。
恐る恐るエントランスへ足を踏み入れた。]
[静かに閉まった後ろの扉]
[―――カシャン]
[透明の綺麗な鎖で錠を掛けられたことに、少女は気付かない]
[二階へ続く豪奢な階段。
上っていると、自分が御伽噺の主人公のよう。
鐘が鳴ると、
王子様から逃げ出して、
どうしてだったろう。
どうして逃げ出したのだったか。
そうだ、あの御伽噺の主人公は、確か]
そっか。
0時になると死んでしまうんだ……
[息を吐いて、振り向く。
上った階段を見下ろす。
酷く場違いな気がする。
エントランスホールに降り注ぐ光は、
上の集光窓から差した淡いもの。
明るい場所よりも暗い場所よりも、この位が丁度良い。]
……厭だな。
[嘆息混じりに、見下ろす世界。
現実感の無い感覚に表情を曇らせ、淡い光に縋る。
不安定な心地のまま、階段の最上段に*座り込んだ*]
学生 ラッセル が参加しました。
学生 ラッセルは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
[アーヴァインに連れられて、一人の少年が屋敷の前に佇む]
[声を掛けられればそっと視線を上げ、目の前の屋敷を視界に入れては、僅かな笑みを浮かべて細く息を吐く]
へぇ…。僕を買うっていうからおじさんって金持ちなんだって思ったけど…まさかこれ程とは、ねぇ…。
――でもおじさんは平気なの?僕を買って…。寝ている間にその首を切っちゃうかもよ?
僕、幾らお金を出した相手でも、気に入らないと処分したくなる性分だからさぁ。
[ケラケラと笑い声を上げて覗き込む少年の軽口にも動じず、アーヴァインは屋敷の中へ入るように促した]
[勝手に自室として使用する部屋を選び、そこで休息を取る。長き沈黙。寝息だけが聞こえていた部屋で不意にそれが止んだ。目を覚まし、ベッドの上で上半身を起こす]
…んっ…はぁ、よく寝た。
寝心地は良かったわね、良い家具が揃ってるわ。
[薄暗い部屋の中、伸びをしてベッドから降りる。窓のカーテンを開け、外の光を取り入れると小さな革カバンを手に取り開いた。カバンを覗き込み、長く柔らかいブロンドの髪が垂れてくると紐を取り出して後ろにまとめ、カバンから小瓶を一つ取り出して。小瓶を口につけ、少しだけ吸い込むと、近くにある職台の蝋燭へ吹きかける。瞬間小さな炎が飛び、蝋燭に火がついた]
時間は経ったけど、まだ使えそうね。
新しく調合するまではこのまま使おうかしら。
[カバンからいくつか小瓶を取り上げると腰のホルダーに据え付け、服の下に隠す。部屋を出れば階段へと向かい、エントランスの様子を眺めた]
あら…あれから随分人が集まってきたのね。
見えるだけで2人…いえ、新しくまた来たかしら?
[入り口に視線を向ける。話し声のようなものが聞こえ、笑い声さえ耳に届いた]
[通されるエントランス。質の高い調度品に囲まれた室内。ここが新しい在り処であることを告げられる。]
まぁ…薄暗い収容所よりはマシってだけかな…。
[然して嬉しくもなさそうに呟く。彼にとってはその居場所がどうであろうと、関係の無い話のように。]
――じゃぁ、適当に使わせてもらうよ。お言葉に甘えて?
[一通り屋敷内の説明を受けて。嘲笑いながら、アーヴァインに向け手を軽く振る。
一瞬だけ、ここに来る前に受けた注射の跡が痛む。]
―――――っ
[微かに顔を歪めて]
[立ち去るアーヴァインを視線だけで見送る]
[カタン――]
[ドアが閉まり――]
[再び拘束が始まる]
[一人になれば改めて屋敷内を一周、見渡す。
手入れの行き届いた室内。贅沢の丈を費やしたことが手に取るように感じられる。]
――金持ちの道楽って奴?
僕にはその良さはさっぱり解らないけどね…
[広い階段を見上げれば、最上に人影を見つけ…]
まぁ…高尚な趣味の極めつけって感じだよね…
[くすくすと笑みを零す]
[階段を下り、エントランスへと足を踏み入れ。入ってきたラッセルに微笑む]
こんにちは。
貴方も彼に連れて来られたのかしら?
[その姿は教会に居る修道女そのままで。人当たりの良い笑みを浮かべている]
[物音。
[帽子の下で少し目を開ける。
探るように視線を彷徨わせてから]
……何でここにいる、か。
それは私が聞きたい。
[男の挙動に目は覚ましていたものの。
様子見に目は瞑ったままだった。]
オレが殺した、ね。
あれも犯罪者か。
[少ない荷物から形ばかり。
聖書を取り出すと膝の上に乗せる。]
[階段を静かに下りてくる人影。――修道女に僅かに首を傾げながらも、柔らかな笑みを湛えて]
こんにちは、シスター。
うん。僕もアーヴァインさんにって…シスターも?
[投げ掛けられる言葉に、疑問色が強まる]
[ソファーの人物が活動を始めたのを見れば「お目覚めですか?」と声をかけ。視線を戻すと笑みを湛えたまま]
ええ、私も。
最初に連れて来られたようで、私一人だけなのかと思っていたのですが、そうではなかったようですね。
[そこまで言って、「ああ」と声を漏らす]
申し遅れました。
私、ステラ=ドゥーストと申します。
何ゆえここに集められているかは分かりませんが、集められた以上、ここで共に生活することになるのでしょう。
よろしくお願いしますね。
[首を軽く傾げてまた微笑んだ]
御機嫌ようシスター。
[彼女も連れてこられた、という。
犯罪者が多い中で随分と異質な存在に見えるが]
眠ったままで申し訳ありません。
人が来たことに気付きませんで。
[柔和とも見える笑みを口元に浮かべると
帽子を頭の上に乗せた。]
[柔らかく紡がれる言葉。優雅な物腰に、ますます疑問を色濃くするが、言葉には出さず]
てっきり僕のような者だけかと思ってたので、シスターのような方がいらっしゃるとは思いませんでした。
[「僕のような」後は続けず。]
[微笑を崩さず。名乗られればつられるように唇を開き]
ステラさん、ですね。僕はラッセル・ワプリントンって言います。
集められた理由は…僕にも解りませんけど、何かとご迷惑をお掛けすると思いますが、よろしくお願いします。
[理由という言葉端に、微量の笑みを浮かべて――]
[軽く会釈をした]
[ソファから起き上がる男に気付き、視線を動かす。]
[柔和な笑みを見て、僅かに引っかかる感覚を覚えるも、受け流して同等の笑みを浮かべる]
シスターに…牧師さん?
おじさんの趣味って良く解らないね…。
牧師さんもここへ連れて来られた人――で良いのかな?
初めまして、ラッセル・ワプリントンです。
[名前を述べ、軽く会釈を――]
[牧師から謝罪の言葉が紡がれると首を横に振り]
お気遣い無く。
お疲れだったのだとしたら、仕方がありませんから。
…牧師様も、連れて来られたのですか?
[自分以外の聖職者。やはり興味が向かうらしく、思った疑問が口を突いて出る]
私のような、ですか?
貴方にはどのように見えているのかしら。
[ラッセルの言葉に、ふふ、と笑いを漏らし]
ラッセルさんですか。
理由はさっぱりですね…。
他にも集められた方がいらっしゃるのでしょうか。
[大きなお屋敷ですし、とエントランス内を見回すように]
[少年の言葉に首肯する。]
……貴方たちも、ですね。
買われるくらいですから懺悔が必要な人が
山のようにいるのかと思ってましたよ。
[――自分も含めて。
言外に呟くと一礼して]
……ああ。申し遅れました。
私はルーサー・アレンスです。
しがない牧師ですよ。
<中>
この時間にいるってことは、この2人が瀧さんかセルヴィーさんに一票(ぁ
昨日の感じを見ると牧師がセルヴィーさんかなぁ。
道徳を説く…シスターかな?
その服からはそれしか思い浮かばないんだけど。
でも何か――その服の下に色々隠し持ってるのかな…
[白い肌、整った唇から零れ落ちた彼女の笑い声に口許を緩めて]
聖職者の方と共に僕がいる――その事実で僕側の思いついた理由は破綻してしまいましたね…。
一体何の為に集められたんでしょうね。
他にも――人は居るようですし…
[ちらりと段上の人影を見遣る]
[「買われる――」
その言葉に、すっと目を細めるがそれは一瞬の事で]
懺悔…かぁ。僕はまだいいかなぁ?なんて…。
でも牧師さんが聞いてくれるなら、話してもいいかなって思ってしまうね。
[邪気の無い笑みを浮かべ]
ルーサーさん、ね。改めてよろしくです。
女の方…他にも来てるんですね…。
[会釈をして。続く言葉には耳を傾ける]
………?
[余程疲れていたのか眠りこけて居たが、集まる人の気配に意識は緩やかに覚醒し、身じろげば拘束具のベルトは微かな音を立て息を呑み、眠る間に微かに崩れた体制から身を縮める]
生きた人間──。
ああ、いけない…また試したくなる──。
しばらく手から離れていた私の可愛い子達…。
貴方達も、暴れたいでしょう?
また私にその力を見せて頂戴。
私の可愛い子達──。
[会話が止まり視線が向けられる気配に更に身を縮めようと、不自由な耐性の侭に更に壁に身を寄せ、バランスを崩してゆらりと床に倒れこむ]
……っ!
[此方へ向かってくる牧師の姿に慌てて床を這い下がろうとするも背後は直ぐに壁で、汗は乾いたけれど相変わらず長い前髪の奥から右側が醜く腫れ上がった顔と、脅えた紫水晶の瞳が微かに覗く]
[ステラの言葉には軽く肩を竦めるだけで。
物音のする物陰を覗き込めば拘束衣を着た――少女だろうか。
華奢なシルエットに少しだけ表情を動かす。
――面倒なものを見つけた、そんな気分だったが他人の手前、放置するわけにもいかず。
結局は逡巡した後に脅える少女にそっと話しかける。]
……物盗り……じゃなさそうですね。
随分と変わった服みたいですが……
……そのままにしておいてよろしいので?
[我ながら間抜けな問いだな、と内心で思いつつ]
[穏やかにかけられる声にすらびくりと身を竦め、恐怖にか逃げ場も無いのに牧師の足元をもがくように蠢いて、身を捩れば細い首にきつく播きつけられ白い首をあかく爛れさせる首輪にの先、プレートがシャンデリアの灯りをちらりと弾き、ほんの一瞬だけ眼前の人物の目許へと光を運ぶか]
あらあら。随分と人が増えたみたいね。
[随分と近くに来るまで気配を感じない歩みでソファの付近まで近寄れば、初めて見る幾人かに口元だけの笑みをたたえて]
初めまして。ローズマリーよ。
昨日来たばかりで屋敷の中を探検してたの。
どうやら個室も用意されているみたい。
遊技場みたいな場所もあったわ。
[肩を竦めつつ淡々とあったものを口に出す。
と、そこでルーサーが誰かと話しているらしきことを見て]
・・・まだもう一人いらっしゃるみたいね。
全部で何人来るのかしら?
[口には出すものの、あまり気になっていないようだ。]
神様なんて、居ない。
気紛れで不平等な神様なんて、要らない。
助けてなんて、呉れなかった。
優しい声は、嘘の始まり。
怖い、怖い、怖い。
[声が聞こえればローズマリーに視線を移し]
貴女がローズマリーさん?
牧師様からお名前だけは伺ってますわ。
私はステラ=ドゥースト、初めまして。
[いつものようににこりと微笑んで]
遊技場までありますのねぇ…。
退屈はしないで済みそうかしら。
[足元でもがく少女に冷えた視線を落とし。
それでもちらりと首輪とプレートが見えるとしゃがみこみ。
確認するようにそれを見て]
……セシリア、というのは貴方の名前ですか?
もう一度問いますよ。
……私は貴方の拘束を解くべきですか?
首肯くらい、できるでしょう?
[後ろから昨日聞いた声。
振り返り、ローズマリーだということを確認して。]
……っ!
[見上げる紫水晶は左目だけ見開かれ表情は歪み、しゃがみ込む牧師に激しく身を捩るも拘束具に身を包んだ状態では然程動ける筈も無く、何に対してか必死で首を振りながらもがき、傍らの牧師から少しでも離れようと身を折るも、口許を覆う拘束具のせいでまともな呼吸も出来ぬせいか苦しげにのたうつ動きは徐々に緩慢になり]
ステラさんも買わ・・・連れて来られたの?
長いか短いかわからないけど、滞在中よろしくね。
[――修道女に牧師。自分のことを思えばいささか不自然な取り合わせ。]
さて、何か主のお言葉があるまで私はゆったりさせてもらうわ。
昨日まで居たところがとても窮屈だったから。
[そう言ってソファに腰掛けると、他の面々の顔をチラリと見て
口元に笑みをたたえながら本を*読み始めた*」
[後方から聞こえる声に反応して振り向く。
人受けのよい――上辺だけの微笑み。するりと動けばはらはらと落ちる…女の香り]
[何故かそういった情報だけは過敏に拾い上げてしまうのは、刷り込まれた習性か――]
[しかし得た物から目を逸らして――]
ローズマリーさんですか…。初めまして、ラッセル・ワプリントンって言います。
[やはり先人に向けたのと同じような笑みと会釈を――]
[それこそ打ち上げられた青魚のように。
もがきのたうつ様子に見ない振りをしておけばよかったかと。
しかし暴れる度に呼吸が乱れていくのを見ると一つ溜息を吐き]
……別に危害を加えたりしませんから。
[ポケットから開錠用の細い針金を取り出し。
ステラがやってくるのにそれを一旦袖の中へと入れると]
……あまりに恥ずかしがりやすぎて会話もままなりませんよ。
[ステラに向かって肩を竦める。]
[暴れて傷が開いたのか拘束具の胸元に滲むあかは床にも身を引き摺った痕を残しはじめ、更に床を這う様に蠢けば白の拘束具は赤黒く汚れ、傍からは白い蓑虫か木乃伊の如き拘束具に包まれ見えぬとは言え、身体中の其処此処に痣と生々しい傷痕の残る身を、小さく小さくこれ以上無いくらいに小さく縮め、見上げた牧師の背後から届く声と覗く顔に視線を移し、牧師と修道女の揃う此処は一体と紫水晶は怯えの中に微か疑問を滲ませ、動きを止める]
………?
[牧師の手元が動くのに視線を移すも何がなされたのかは判る筈も無く、混乱の極みと言った様子で視線は牧師と修道女の間を彷徨う]
此処は、何処?
あそこじゃ、無い。
でも、何故、神の僕が、居るの?
私は、神なんて、要らない。
懺悔の必要も、無い。
私は、悪く、無い。
悪いのは、セシリア。
全部、全部、セシリアのせい。
アレは、私のせいじゃない。
悪いのは、セシリア。
私は、セシリアじゃ、ない。
まぁ、意思の疎通も難しいのですか?
[小さく笑って。プレートが見えればそれを確認し、少し後ろへ下がる]
その拘束を取らなければ疎通は難しそうですわね。
ハサミか何か、切るものはないかしら。
[ルーサーの傍を離れ、探しに向かう]
[本を読み始める女と、物音に集まる聖職者。
その姿を黙って見ていたが、少年自身はどちらにも興味を示さず――]
確か…部屋があるって言ってたよね…。
一つ拝借しようっと。
[廊下を辿り、客間の方へと*歩いていった*]
[床を汚す緋いものにいよいよ面倒になった、と知れず溜息を一つ。
動きが止まったのと、ステラが離れたのに再び細い針を手元に戻すと]
……一寸失礼しますよ。
[口元を覆う拘束具の留め金を器用に外して。
手足に絡みつくベルトを検分すると]
……一本一本外すのは骨が折れそうですね。
シスターが切るものを持ってきてくれるまで大人しくしててください。
[修道女の去って行くのに視線は其の背を一拍だけ見詰め、気付いた時には口許を覆う拘束具は外れ、其方へと向き直れば伸ばされる手の先の針金から視線を外せぬ侭に、外された口許の拘束具にすら気付かず少しでも逃れようと更に身を竦め、かけられる言葉にか漸く解かれた拘束を理解してか頭を下げ]
「ありがとう」
[ひび割れた唇だけが音も無く感謝の言葉を紡ぐ]
[エントランスに添えつけてある小型のクローゼットの引き出しを開ければハサミを1つ発見し。それを手にルーサー達の下へと戻る]
一つ見つけましたわ。
あら、口の拘束は外せましたのね。
[どうやったのか、などとは気にも留めず。紅いものが見えれば「あらまぁ」と声を漏らし]
今度は包帯が必要かしら。
牧師様、切るのをお願いしますね。
私は治療箱が無いか見てきますわ。
[ハサミをルーサーに託し、再びその場を離れた]
[階段の最上段で、一寸うとうとしていたのだろうか。
それ程に差し込む光が心地良かった。
緩く膝を抱いたまま、ぱちり。瞬けば、幾人もの人の姿。
階下の彼らの言葉は断片的にしか聞こえず。
躊躇いながらも立ち上がり、ゆっくりと階段を降りていく]
……あ、あの、こんにちは。
えっと、私―――
[言葉に詰まる。自己紹介、表立って出来る事など無くて。
少し言い淀んだ後、続けた]
皆さんも、あの、男の人に……紹介されたんです、か?
私は……シャーロットと言います。
シャーロット・コールリッジ(Charlotte=Coleridge)……
……っ!
[修道女の手にする鋏の刃がちらりと光を跳ね返すのに左目を見開き、脅えは瞳どころか全身を震わせ弱々しく首を振り、自己紹介する少女にも気付かず鋏を凝視して]
>>71
[音のない言葉に、少し肩を竦める。
正直このまま放置して死なれたりでもしたら後味が悪かっただけだが。
ステラから受け取った鋏に少女が脅えるのを見ると]
……何もしませんて。
ベルト切るだけですから大人しくしていてくださいよ。
――暴れたら貴方の首まで切りかねない。
[拘束具のベルトに刃を差し入れるとぱちり、ぱちりと1本ずつ切りはじめて。
シャーロットと名乗る女に視線をやると]
取り込み中で申し訳ありません、フロイライン。
私はルーサー・アレンス。
見ての通りただの牧師ですよ。
お察しのとおり、貴方と同じようにここに連れてこられたのではないかと。
[階段の最下段を降りた所で
きつい拘束を解かれた少女の、
酷く無残な姿に、息を呑む]
あ、ぁッ……!?
怪我……酷い怪我!
治療、は、えっと、……?
[治療箱。とそんな単語が聞こえた気がする。
錯乱気味で誰が口にしたかなんて解らないけれど。
慌てて菫色の少女の傍に歩み寄り――それでも数メートル置いて
視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。]
だ、大丈夫……?
痛くない……?
[治療箱が置いてありそうな場所を探すもそれは見つけられず。仕方なしに真新しいシーツを手に戻ってくる]
治療箱が見つかりませんわ…。
シーツを切って代用しましょう。
[そう告げて、階段を下りてきたシャーロットに視線を向ける]
あら、こんにちは。
あの人と言うと、アーヴァインさんですかしら。
だとしたらその通りですわ。
私はステラ=ドゥーストと申します。
[微笑んで軽く会釈をする]
<中>
アーヴァインがこの館を用意したなら、治療箱なんて無いだろうと思い発見出来なかったことに。
殺し合いさせるために治療するものを置くかしらねぇ?
……牧師、さま?
[しゃがみ込んだ視点から、彼を見上げるように。
ほんの一瞬、瞳に灯るのは信頼に似たものか。
あくまでも一瞬のことだった。]
ルーサーさん……
そうですか……此処に居る方って、皆、
連れてこられた人ばっかり、なんですかね……。
[だとしたら自分と同じ犯罪者だろうか――
牧師と言う、一般人よりは神に近いその肩書きには惹かれたが
彼が人間であることに、変わりは無くて。]
あ、ぅ……此処のこととか、よくわかりませんけど……
……宜しくお願いします。
[ぺこりと頭を下げる。
取り込み中。彼の持つ鋏を、じっと見つめた]
[肩を竦める牧師の言葉に震える身を強張らせ、鋏を凝視し続けていたが其の刃も視界からも外れ、ただひたすらに大人しくぱちりぱちりと拘束の解かれていくのに一旦は諦めた様子で目蓋を下ろし、少女が此方へとかける声に気付いて不思議そうに見詰め返せば涙も止まり]
………?
[気遣われているのに瞬くも果たして自身の状況を大丈夫と言うのかは判らず、ただ傷はいくら痛もうとも何処か慣れてしまって居るからこくりと頷いて、慌てる様子に安心させようとでも言うのか僅か微笑みを浮かべて見せる]
…………あっ。
こ。こんにちは。
[明らかに人馴れしていない様子で、修道服の女性にぺこりと。
牧師の次は修道女――?]
ここって、もしかして犯罪者を更生させる教会の極秘機関……
……なわけ、ないですよね。
[その通り、という彼女の言葉は希望的な考えの誤りを示す。
連れて来られた。其れは、やはり――同じなのだろうか、と。]
……優しそうな人、なのに。
[ぽつりと独り言。
なのに。――同じ。同じ?]
>>80
痛く、ないの?
でも、凄く痛そうに見えるよ……。
えっと、ステラさん、治療箱無かったみたいですけど……
手当てとか出来ますか?
[自分は無力で、一寸両手を見ては、落胆の吐息。
少女に視線を戻せば、ほんの僅かな微笑が目に入った。
嗚呼それは、この不安定な空間で、
初めて、どこか温かさを感じさせた。]
……良かった。笑えるんだね。
うん。良かった。良かったよ。
[つられるように、へらりと、笑う]
>>82
牧師さんと、シスターさん……
そっか、ぁ。
懺悔……
[彼の言葉が投げやりなニュアンスであることなど
気づかない。
懺悔。その言葉に暫し真剣に考え込んだ。
続く言葉を聞けば、はぁ。と曖昧な相槌を]
じゃあ、皆連れてこられた……
あの男の人……アーヴァイン、さん?
優しい人なのかなぁ……
[頭上で交わされる修道女と牧師の会話に顔をあげ、色々と世話を焼いてくれた修道女と再び牧師にも頭を下げるも、其の体勢では随分と不恰好だったかも知れず、唇だけが音も無く感謝の言葉を紡ぐ]
………
[少女の声に身を捻れば其処には笑顔があって、眩しそうに前髪の奥の目を細め]
「ありがとう」
[唇は同じ言葉を紡ぎ先程の記憶を手繰り寄せてか視線は彷徨い]
「シャー、ロット?」
[再び少女を見詰め小さくしか動かない唇だけで問う名は届くだろうか]
>>85
……懺悔、したいです。
……いつか、その、お時間が頂けたら。
[嬉しいです。と小声で言い、
見上げるように牧師を目に留める。
少女はあくまでも、真摯な様子。]
アーヴァインさん、は……
優しい人、だったけど、なんだかちょっと怖かった……
悪い人に罰を与える人だと、思ったのに……
タダより、高いもの。
なんだろう。……なんだろう。
[あの強面の男は何を考えていたのだろう。
思い出せるのは初めて見た時の恐怖と、
相反した優しい声色だけだった。]
[始まるアーヴァインの噂話に一応は話は聞かされているであろうに、何処か不思議そうに周囲の言葉を聴いていたが、修道女に解かれる拘束具の下から現れる痩せ細った痣と傷だらけの身体にシーツを巻かれていくのに、か細い注射痕だらけの腕を持ち上げたり巻き易い様に身を捩ったりして、処置が終ればかけられる言葉に素直に頷いて――揺れる首元のプレート]
……っ!
[首筋に触れる冷たい金属の感触に左目を見開き、播き付けられた首輪ごと無我夢中で首を掻き毟れば、プレートはまた揺れ差し込む日差しを映し壁に光が走る]
[みちりと隙間無く播き付けられた首輪の隙間には指一本入る事無く、爪の間には徐々に血が溜まり首筋には幾重にも蚯蚓腫れが走り、激しく咳き込みながら背中を丸め、床に手をつき肩で息をしながら苦しげに息を吐く]
>>86
[じ、と菫色の髪の少女を見上げる。
ふと、その視界に止まったプレートは
拘束具についていたものだろうか。]
セ、シ、リア。
……セシリア、それが、貴女の名前?
[そう小首を傾げれば、彼女も自身に
何か問いたげな視線を向けていた。]
えっと。なんだろう。
えっと。私はシャーロット。
十七歳。……同じくらいかな。セシリアの方が下かな。
それとも、もしかして上かなぁ?
[何処か楽しげに問いを重ねて居る、途中のこと。
不意に少女の爪が、その首を掻き毟って]
――!?セシリア、やだ、痛いよ、やめて……。
此処は、あそこじゃ、無い。
もう、あそこじゃ、無い。
違う、違う、違う。
もう、居ない。
もう、居ない。
あの人は、セシリアが....
[セシリアの治療が済むまでは、と暗がりから出ると背を向けて。
シャーロットの真摯な様子にいくらか面食らったようで]
……然様ですか。
ではそのうち時間があれば。
お好きなときにどうぞ?
[腕を組み、壁に凭れる。腕輪が腕を滑る冷たい感触]
……悪い人に罰を、ですか。
罰を与えられるような人には見えませんけど、貴方も。
まぁ少なくともそういう気はなさそうでしたが、彼は。
[頭に載せた帽子を前に引き。若干表情を隠せば]
……まぁ、それなりに金ではない何かの見返りを求められるかもしれませんね。
[シャーロットの慌てた声に振り返って。
首を掻き毟る様子に小さく舌打ちが漏れる。]
……それも外してあげたほうが良さそうですかね。
自分で傷を作っているんじゃわけ無いですよ。
>>93
……ねぇ、ルーサーさん。……牧師さん。
困ってる人、助けてあげるの、お仕事じゃないんです、か?
ねぇ、セリシアが困ってるよ。どうしたら。
[訴えかけるような眼差しでルーサーを見上げる。
続く言葉、その話題は今はどうでもよくなってすらいたが]
あの人はわかんない。わかんない、
……わたしは、悪い人だから、あんまり人のこと言えない。
[蹲り剥き出しになった傷だらけの華奢な肩を震わせていたが、少女に名を呼ばれ弱々しく頭を持ち上げれば、長い前髪を振り乱し必死で首を振り]
「違う」
[唇だけは其の名を否定しようとしているけれど、問いかけは一つでは無かったのに伝わるのだろうかと、首もとのプレートを震える指先が摘み]
「違うの」
[泣き出しそうな顔で唇だけが繰り返す]
「ごめんなさい」
[牧師の言葉に俯きいてしまえば紡ぐ謝罪の言葉も見えないか、其れ以上は諦めたのか首輪を外そうともせず、床に座り込んだまま項垂れてところどころ僅かあかく染まるとシーツを肩までたくし上げる]
セ、シ―――
[呼ぼうとして、言葉をとめる。
まるで動物みたいに。名前をつけられた首輪。
彼女が否定しているのは何?
わからない。
言葉の疎通が出来ないだけで、こんなにも歯痒い。
どうしたら彼女は、さっきみたいな微笑みを見せてくれる?]
何が欲しい?どうして欲しい?
わたしは何て言ったらいい?
ねぇ……
[相手の声に音がないことは気づいているのに
問いかけるそれもまた、残酷なことかもしれない]
[少女の声の調子に困惑して顔をあげるも、問い掛けに答える声も無ければ、喋れたとしても答えられる言葉すら見つからなくて、申し訳無さそうに小さく首を振り]
「ごめんね」
[唇が紡ぐのははそんな言葉だけで、傍らに寄る牧師にかけられた言葉にまた怯え、瞳を見開いてナイフを見詰めるも、抗いようも無いと気付いたのか頷いたまま俯けば、抵抗の意志が無いのを示す]
[実際少女の首を切るのは容易いだろうな、と思いつつ。
傷つけないよう慎重にナイフを動かして、首輪を切り落とす。]
……はい、終わりましたよ。
[落下した首輪をセシリアの手に。
ナイフをポケットへと仕舞うとシャーロットに苦笑を向け]
別に殺そうってわけじゃないですから。
いくら貴方が悪い人でも、ね。
>>100
[じっと少女の仕草や唇から、その思いを読み取ろうと。
少しの間の後、ふるふると首を横に振る]
ううん。わたしもごめんね。
ごめんね。でも大丈夫。だいじょうぶだよ。
[根拠なんてなかった。
唯、彼女が怯える様子は見たくなくて。]
>>101
[ルーサーの手際の良いナイフ捌きに
感嘆。思わずぺちぺちと拍手をしていた。
牧師がこんなにもナイフに扱いに慣れているのだろうか――?
そんな疑問が一瞬過ぎるが、頭を振って打ち消す。
彼は今、“良い行い”をしてくれたことに間違いは無いのだから]
ルーサーさん、ありがとう。
これできっとセシリア、楽になります。良かった。
[えへへ。と小さく笑う。
続く言葉にふっと失笑するが、こくり、頷き]
……うん。人を切っちゃ――
だめ、ですよね。
[全身を縛られていた拘束具を解かれても得られなかった解放感に、思わず安堵の溜息が漏れ、牧師を見上げ唇は幾度目かの礼を紡ぐも、渡されたプレートへと感情の浮かばない紫水晶の視線を落とし、細い指が名を彫られたプレートをちらと裏返せばさる名家の家紋が彫られていて――この名家の子息がつい最近殺害され世間を賑わせたが、犯人は未成年故に名前も顔も公開はされなかった――壁に向かい投げつけようと腕を振り上げ――]
[――振り上げた手を力無く下ろしベットの上に座り込んだ侭に項垂れて、声にゆらりと顔を上げ少女を捉えれば瞳は漸く色を取り戻し、其の言葉をかけてくれる優しさにか感謝し]
「大丈夫」
[少女の言葉を大切な言葉だとでも言うように唇はなぞり、少女を見詰め微笑む]
[流石に修道服では可哀想かと自分の私服である黒のタートルネックとジーンズを持ってくる]
選ぶのに手間取ってしまいましたわ。
…と。
傷が増えてますわね?
[セシリアの首についた傷。そこにあったプレートがなくなっている事にやや首を傾げて]
着替えは包帯を巻いてからですね。
[振り上げた其の腕に僅かに目を見開くも
続く行動を見れば。ふっと。安堵。
[大丈夫。]
[繰り返す彼女の唇。
その単語が理解出来ただけでも嬉しかった。
微笑み返す。]
[彼女への問いかけ。彼女が答えられるのは。
YESかNOならば。]
じゃあ。
首を縦に振るか横に振るかで、答えて?
えっとね。なんだろ。……あ、そうだ。
セシリアって呼んでもいい?
いやなら別の呼び方。考えるよ。
[どうかな?と小首を傾げてみせた。]
[セシリアが包まっているシーツの裾をまたハサミで切り、傷口をそれで巻く]
それじゃあ、これを着て下さいな。
サイズが合わないかもしれないけど、我慢して下さいね。
[持って来た服をセシリアに差し出した]
ううん。
ルーサーさんのお陰で、きっと、楽になったのだと思うから。
やっぱり、ありがとう、です。
[いまだしゃがんだまま。弱い微笑みをルーサーに向ける]
人を切ってはいけない――
人を切ったら罪――
人を切るのは悪い人――
そう。だから。宜しくない。
[訥々と言葉はいつもと少し違い、感情が希薄がち。]
[自身に待っているようにと告げた修道女が現れれば顔をあげ、かけられる言葉に手に持った服と顔を交互に見詰め頷いて]
「ごめんなさい、ありがとう」
[謝罪と感謝の言葉を並べて紡ぎよろけながらも立ち上がり、少女の声に向き直れば紡がれる名に静かに睫毛を下ろし、申し訳無さそうに首を振りプレートを握り直す]
[俯く様子に興味を失ったようにセシリアから視線を外し。
ステラが服を差し出した服を意外そうに見つめながら]
……お手間おかけしまして。
[着替えの邪魔かと広間へと歩みながら、シャーロットの言葉に呟く]
――罪か否かは所詮人の秤だよ、フロイライン。
[シニカルな笑みは帽子の影に隠れ。]
[僅か顎を持ち上げて首筋に包帯を巻かれるのを待ち、差し出される服と修道女を交互に見遣り、逡巡の後に遠慮がちに伸ばした手が受け取り、修道女の顔色を窺い前髪の奥から紫水晶は微か脅えた色を滲ませ]
「ありがとう」
[震える手を引き寄せ胸元に服を抱いて深々と頭を下げ、視界の端に映る少女の雰囲気が変わるのに、また脅えた視線を投げる]
[少女の返答はNo.
こうしてやりとりが出来るだけでも何処か嬉しい。
――其の名は否。
名前が嫌いなのだろうか、と、思案する。
けれど新しいあだ名なんかをつけるほど
少女の語彙は豊富ではなかった。]
そうだなぁ。
名前が無いのも困っちゃうね。
でもいっか。
名前はなくても、
“貴女”は、“あなた”だよ。
[へら、と笑う。]
ヒトの、天秤――
でも人を切ることは……
神様だってお許しにならないんじゃ、ないですか?
[不思議そうに、距離を置く牧師を目で追った。]
>>115
あー。
そっか。そっか。そうですよね。
[修道女も人間。
言われれば当たり前のこと。
なのに妙に納得して、そっか。と何度も繰り返していた。]
はい。いってらっしゃい。
……わたしもお部屋、あるのかな。
[それと彼女のお部屋も――と菫色の少女に目を向けて]
[きょとん]
………?
[かけられる言葉に怯えすら一瞬で消え失せ、代わりに浮かぶはただただ不思議そうな表情で、借り受けた服を胸に抱いたまま少女をじっと見詰めて]
「私は、私」
[繰り返すも実感が伴わないのか曖昧に頷き、けれど少女の笑うのにふわと微笑めば、周囲の視線を気にした様子も無くシーツを持つ手を解けばぱさりと足元に布が溜まり、所々あかの滲んだ包帯だらけの痩せ細った身体を隠す事も無く、慌てもせずタートルネックとジーンズに袖を通していく]
[牧師のどの言葉にか一瞬だけ視線を移すも再び服を着る手を動かし、着替え終われば修道女が微笑みを残し去って行くのを姿が見えなくなるまで見送って、部屋の話になれば少女と牧師へと向き直り、修道女の消えた方へとまた視線を投げる]
………
神に赦されて、何になるの?
罪を裁くだけなら、人間だって出来る。
罪を赦されても、救われないなら、意味なんて、無い。
憐れみ一つ、呉れない神なんて、要らない。
……わたし、変なことゆったかな?
うん、そういうの、よく言われる。自覚はないの。
[あはは。と屈託無く笑う。
屋敷に来た最初は警戒や怯えや戸惑い混じりだったのに
菫色の少女を見ていると、
自分が惑っている場合じゃないような気がして。
人の怯える姿は嫌い。笑顔を見れば自分も笑える。]
――って、あ、わ、……
[視線を気にすることもなく着替え始める少女。
露になる肢体に思わず目を逸らし、
それから牧師がちゃんと見えない場所に居ることを確認。]
……だ、大胆なんだね。
[何故か此方が赤面してそんなことを口走ったが
ふっと目に焼きついた少女の、体中の傷が。
それが何を物語るかなんて、皆目検討もつかないけれど]
きっと。きっと。
ここにいればもう痛くないよ。
もし貴女を傷つけるようなひと、此処にいたりしたら
わたしが、守って……まも、れるかな。うん、でも。
[自信はなくて。ぁーぅー。と妙な唸りを上げるが、
すぐに打ち消す。
「大丈夫」
「大丈夫だよ」
それが合言葉のように。微笑を湛えて繰り返した。
ふと少女の視線に気づき。暫し沈黙。ぽん、と手を打つ。]
お部屋、さがしてみる?わたしも探してみたかったの。
>>119
赦されぬ罪は無い―――
じゃあ。
極刑を受けて死んじゃう人は、
人間の悪い人に殺されちゃう、の、かな。
それとも神様に祈って、懺悔するのをさぼったのかな。
……神様に祈れば、懺悔すれば
赦される――
[すい、と上げる視線は集光窓を捉えた。
あの淡い光に神の慈悲は滲んでいるだろうか。
無意識に、指先は十字を切る。]
ルーサーさんも、きっと、やさしいひと。
だって牧師さんだし。
神様みたいに、心が広いんだと。……思う。
………
[変な事では無いのかも知れないけれど判断出来る程に何も判らず、ただきっと少女は正しいのだろうと思えばおかしくは無いと言う意味で首を振って、肌を晒す事の意味合いすら理解は遠いのか、少女の視線と微か染まる頬にはまた不思議そうに見詰め、タートルネックの襟から顔を出してかけられる言葉に瞳は見開かれ]
[――もう痛くないよ]
[浮かぶ微笑みは儚かったけれど部屋を探すかと言う問い掛けに頷いて、右足を僅かに引き摺るように少女へと数歩歩み寄って、少女と次に自分を指差し]
「シャーロットは、殴らない?」
[長い言葉は唇だけで伝わるか判らなかったけれどゆっくりと紡ぎ問う]
[頬を指で掻きつつルーサーから菫の少女に目を戻す。
見ればタートルネックから顔を出す様子が
妙に可愛らしかった。くすりと笑う。]
うん。貴女が笑えるの、わたしは嬉しい。
[目を細める。
歩み寄る彼女、身体的に何処まで障害があるか――傷は酷く思えるけれど、歩くことに支障はないのか。色んな危惧を巡らせつつも、そっと彼女に手を差し出す。]
……、ロットは、……、ぐら、ない――
[その唇から紡がれる音のない言葉を、読み取ろうと何度か反芻し、やがて少女が彼女自身を指す仕草で、思い当たる。その指先には痣が、あったから。]
わたしは、貴女がいやなこと、しない。
……殴らないよ。
[牧師の声に今度こそ顔は其方へ向けられ、拘束具へとちらと視線を落とし再び感謝の言葉を紡ぐも、僅か怯えの混じった瞳がじっと牧師を見詰め、更に唇は何か紡ぐも聴こえる筈も無ければ届くとも思っていない小さな呟きが零れ、思案気に瞬いて自身の胸元に包帯を巻かれた手を沿え更に口を開く]
「私の神は、死んだ」
[必死で伝えようと紡がれた訳では無い事の葉は、訴えるよりは確認の為に紡がれた言葉かも知れず、視界の端に映る少女の美しい手へと視線を落とす]
[――…殴らないよ]
[嘘と言う概念すら遠いのか少女の雰囲気が容易く言葉を信じさせるのか、安堵の溜息と共に差し出された手にそうっと包帯を巻かれた手を伸ばし、恐る恐る触れて繋いでも良いのだろうかと少女の顔を覗き]
>>125
……あぁ、そっか。
やっぱり人を切っちゃったら、誰かが悲しんで、
憎んで、だから、……悪いことなんだ。
……神様は――
[やっぱり赦してくれないのかな。
言葉にはせずに虚空を仰ぎ見る。]
ううん。それでもルーサーさんは……
いいひとだと。……思うよ。
……人だって沢山いる、ですよね。
悪い人もいるけど、いいひともいるから。
[――この屋敷に連れて来られたのは
自分だけ何かの間違いで
そうだ。きっと此処にそんな悪い人なんていない。
だとすれば自分だけの背徳感が襲うのか。
それも菫色の少女の笑みがやわらげてくれると思いたかった]
>>127
[牧師へと、或いは天へと向いていた瞳は
少女の最初の唇の動きを捉えることはなかった。]
……ぅ?
[そろり、何処か窺うような彼女の様子を見れば
小さく笑んで。
きゅっと――乱暴にはならないように、
彼女の手を取った。]
お部屋さがし。いこっか?
[牧師へとかける少女の言葉を其の横顔を見詰めた侭に聴いて、紡いだ言葉を問われても何でも無いと言う様に緩々と首を振り、繋がれる手と少女の顔を交互に見てゆっくりと瞬き、繋いでいない方の手でそっと少女を指差してふわと微笑み]
「シャーロットは、優しい」
[繋がれた手を遠慮がちに握り返し、部屋を探しに行くと言うのに頷く]
……あはは。そんなことないよ。そんなことない――。
でも、貴女に酷いことはしない。約束する!
[一瞬語気は弱まったけれど、すぐに真っ直ぐな笑みを向け
少女の手をしっかり握り、部屋を探しに歩みだす。]
あ、ルーサーさん。
……ありがとう、ございます。
その懺悔も、えーと、……約束ですよ!
[一つ頭を下げて。お説教は怖いけど、と微笑み。
二人、廊下を歩む先、
やがて幾つかの部屋の扉を見つけるだろう。
そこで菫の少女に問う。
「同じ部屋にする?違う部屋にする?」
答えが何であれ、きっと笑顔で
「うん、いいよ」と*頷くだろう*]
[本を読む傍ら、周りの音は耳に入ってくる。面白い話だ。本に視線を落としたまま、間近にいる者にしか聞こえぬトーンで呟くは]
――罪を犯して極刑が下る。しかしてその刑を執行するのは――。
何をもって正義とし、何をもって罪とするのか。
――裁き。即ち正義を掲げた人殺し・・・面白い世界よね。
[今度は目元だけに笑みをたたえれば、後はいつもの表情へ。
静かにページをめくる音が室内に*響いた*]
[いい人と評されているらしい牧師の口許を紫水晶の瞳は静かに見詰め、紡がれる言の葉はに何を思ったのか緩々と首を振り、微笑みを向けてくれる少女へと顔を向け直し、恐らく少女の否定する言葉の意味と想い描いた言葉の意味は違うのだけど其れ以上は説明のしようも無いのに頷いて、少女の牧師へとかける言葉に紫水晶に浮かぶ気遣う気配]
………
[牧師へと視線を投げゆっくりと一拍は其の姿を見詰め]
「神の代わりに、貴方が、シャーロットを赦すの?」
[答えを待つより早く歩き始める少女に連れられ、別れの挨拶に牧師に頭を下げれば、遅い歩みに歩調を合わせてくれる少女と共に右足を僅か引き摺りながら部屋を探しに向かう]
――それが人ですよ。
大義名分さえあれば、人は人を殺せる。
世の中、そんなものです。
[捲るでもなくただ聖書へと視線を落として。
瞑目する。
神の名の元に人を殺す、そんな時代もあったのだし、と。]
/中/
ご挨拶遅れました。こんばんは。
実は完全RP村はそこまで慣れてなかったりするbloodyと申す者です。石投げないで!場違いにならないよう頑張るから!
しかも飛び込みでごめんなさい。せるびすさんの日記から飛んだら凄く面白そうだったから……つい。
一番の不安要素は
バ フ ァ リ ン 吊 り 志 願 す る の 厭 だ な !
前例があるので今回は頑張りたい、です...orz
とりあえず縁故(ぁ
【セシリア:大丈夫だよ。大丈夫】
【ルーサー:いいひと。きっと、いいひと】
【アーヴァイン:わかんない……】
【:】
[セシリアの口元を読めば失笑めいた笑いが零れ]
……そもそも神は存在するのか。
居るかどうかもわからない存在の代理など――
私にはごめんだ。
[2人が去っていくのを見送るとそう呟き。]
[豪奢な部屋に驚愕は無いのか淡々と客室の扉が並ぶ廊下を進み、問われれば少女を見詰め幾度か瞬いて、暫くは思案気に視線を彷徨わせていたけれど、繋いだ手に微かに力を籠めて少女の顔を覗き]
「一緒でも、良い?」
[読み取られる言葉と共に頷かれ浮かぶ笑顔にまた一つ感謝の言葉を紡ぎ、少女と二人で使っても充分な広さの客間の一室へと足を踏み入れ、断る様に浴室を指し示せば、気遣う様子の少女に微笑んで頷き、借り受けた服を脱いで包帯を解き、傷に沁みるのすら厭わずに熱いシャワーを浴びる]
………
[浴室のタイルに散らばるあかの滲む白の布]
[傷だらけの痩せ細った肢体を白の泡が滑る]
[排水溝へ流れ落ちる水も微かあかく染まり]
[変えの包帯も着替えも有る筈も無くバスタオルに滲む血を見詰め、立派な鏡へと映りこむ自身の傷だらけの身体を観察して、顔の腫れは幾らか引いてきているだとか、痣は其の内には消えるだろうとか、足は酷く痛むけれど後遺症は残るだろうかとか、順に確認をしながら視線は胸元で血を滲ませる大きな傷で止まり、未だ濡れた手は鏡越しに其処へと触れる]
………
[血の止まり切らないのに僅か逡巡するも、清潔な包帯は無いので其の侭借り受けた服を着て、大量の包帯を浴室のゴミ箱へ捨てれば、溢れて床に零れるあかを其れ以上は気にする事も無く、部屋に戻り少女が休んでいるのに気付き手近にあったブランケットをそっと肩からかけて、窓際のソファに腰をおろし外を眺めているうちには緊張が解けてきたのか*夢の中へ*]
[感覚を頼りに歩き続ければ、ずらりと並んだ客室。その一部屋のドアを開け中に入る。]
――予想通りに…豪華な部屋だね。
[絶えず湛える口許に笑み。崩れることなく手荷物を片し。服を脱ぎ捨てればバスルームへ]
[柔らかく降り注ぐ雨は、少年の肌を丁寧に濡らしていく。頬、首筋、そして背中――]
[左側だけに残された、呪縛の文字を刻んだ皮膚も漏れることなく与えられた温水を弾いていく。]
――罪を金で買い…赦しを与える…。新しい罰と共に…か…。
結局誰も裁く権利など無く、赦す権利を得る事で罪という存在を認識させ、負荷を与えることで裁きに還そうとするのかな…。
[勢いよく飛び散る水音に、苦笑と独り言を入り混ぜると、少年は丁寧に自分の体を*洗い始めた*]
ふん…女か。
[厨房から果実を失敬して広間に戻れば、ゆるやかな波のある緑の髪の女が目に入る。
...は自分が来た時にはいなかったその新たな人間に見るともなしに目をやりながら、果物ナイフで切り取っては林檎の欠片を口に運ぶという動作をくり返している。
しゃくしゃくという瑞々しい果実が口の中で噛み砕かれる時の音が静かにページをめくる音と混じり、青年の手の中でだんだんと林檎は果肉を減らされていく]
[勢い良く身を離せば悪鬼の形相でか細い腕を思い切り振り払い]
何故、そんな嘘を吐くの?
そんなに逃げ出したい?
そんなに俺が嫌い?
こんなに愛しているのに?
[胸倉を掴みぎりぎりと締め上げて]
…嗚呼…セシリア…セシリア。
愛してるんだ…如何して…
[くたりとした肢体を抱き締めて震え愛の言葉を繰り返すばかり]
[重く暗く血の通わない侭に今生へと喚び戻された亡骸の如き所作で僅かに身動ぎ、其の肢体の自由を認識するにも数秒を要し、ゆっくりと開かれる瞳からは眠っている間に目蓋の裏に溜まっていたのかはらはらと涙が零れ、柔らかで清潔なソファへと染みを作る]
………?
[頬を濡らす温かな雫すら気にも留めず、緩慢な動作で痣や注射痕だらけの細い腕をベットにつけば、微かな重みにすら従順に沈み込むスプリングによろめき、紫水晶の瞳は初めて周囲の様子を伺えば、少女の姿を見止め開かぬ右目すら瞬いて、ぐるり周囲を見回し頭を抱え込む]
[頭を抱え込んだ侭に何を見る訳でも探す訳でも無くゆらゆらと視線は虚ろに彷徨い、頭の片隅だけは幾らか冷静さを取り戻したのか、重たげに身を引き摺る様にソファから立ち上がりのろのろと扉へ歩み寄れば、恐る恐ると言った様子で震える指先が一瞬だけドアノブに触れ、顔をあげれば正面の重厚な木製の扉を見詰め]
………
[視線はゆっくりとドアノブへと戻る]
[さしたる抵抗も無く開く扉に驚愕とも感激ともつかぬ表情で、ドアノブは力の抜けた手から離れても開いた侭に、隙間から見える廊下を覗いて逡巡の後に部屋を出る]
………
[広間へと降り立てば見覚えのある昨夜の男を見詰め、微か身を竦ませ浮かぶ表情は怯えだろうか]
「昨日は、ごめんなさい」
[ゆっくりと唇が謝罪の言葉を紡ぎ腫れた顔を隠すように俯きがちに背けるも、前置きも何も無ければ其の意味も通じないだろうかと思い至り、再び顔を上げて前髪の奥から紫水晶の瞳は男を見詰め]
「怖く、無い」
[紡ぐ言の葉が届いているのかも判らない侭に自身を次いで男を指差して]
「私は、貴方を、傷つけない」
[一言一言、出来るだけ読み取り易いように紡いで、男の視界から隠す様に腫れ上がった顔を背けるも、目の前の男を怯えた気配は解けず横目で男の様子を伺い]
[壁に背をつけて、僅かについた口の周りの果汁を舌で拭う頃には、彼の食事は終わったらしい]
…うまかったな。
これほどなら、もうニ、三もらってきても良かった。
[食べた事がないほどの甘さで口内に広がってすっきりと消えていった上等な味を反芻しながら、手元に残った果物ナイフを見る]
………。
[逡巡とも呼べぬほど短い時間それを見つめ、覆いに刃を納めた後は、するりとそれを自分のポケットの中へ差し入れた]
[ぼんやりとしていたつもりはなく、それでも暫くの間刃を見つめ続けていたろうか?
気がつけば目の前に、見たことのない女が増えていた]
おまえ…は、
[――昨日は、ごめんなさい]
何?
[現れたかと思えば突然謝罪の言葉をかける奇妙な女に、やはり警戒の色は隠せない。
――怖く、無い
――私は、貴方を、傷つけない
しかし続いた言葉が耳に届くと、...の目は軽く見開かれる。
傷だらけの体、腫れ上がった顔を隠す髪の向こう側の紫色した瞳]
ああ…そうか。…どうやら化け物じゃなかったらしい。
人間の言葉、わかるんだな。
[いくらか落ち着きを取り戻し、冗談めかして小さく笑う]
[男が笑うのにまた幾らか緊張を解き頷き]
「声、出ないけど、判る」
[唇は音も無く言の葉を零し]
「貴方は、私を、傷つける?」
[目の前の男は自身を人間と認識しているのだろうかと、または同じく人間と認識していたとして先程の刃物で切りつけたりはしないだろうかと、窺う様に男を見詰める]
[顔を上げ、セシリアと言われていた少女と蒼髪の男性に視線を遣り、すくりと立ち上がる。]
紅茶でも、いれようかしら。
あなたがたも飲む?
[誰へともなしに問いかけて、人差し指を顎へ当てるポーズを。]
美味しそうな音がしたものだから、刺激されちゃったわ。
[蒼髪の男へ言ったのか独り言なのかはわからないトーン。
皆の返事を待つでもなくゆったりと厨房へ歩みを進める。]
>>147
何だよ、もっとはっきり喋っ…
[言いかけて改めて注意深く目を細め、セシリアの唇を見る]
…いや、声は出ちゃいないのか。
[聞こえたと思った言葉は幻だったのかもしれない。
さっきのように分かる気にはなれないものかと、神経を彼女の口元だけに集中させ――]
……ん、なんだ。
あなたは、わたしを、きず……きずつけるか?
[汗が滲むほど解読に苦心して、窺うように見つめてくる少女の視線を受け取ると、恐らくそういったことが聞きたいのだろうと決めて]
…いいや?
あんたがいい子で、オレを傷つけたりしないなら、オレもあんたを傷つけたりしない。
と言っても…あんたは十分に、傷だらけだな。
[程なくして、元々返答を聞くつもりなどなかったのだろうティーセットを持って戻ってくる。]
何でもあるわね、ココ。
[3、4杯は入るサイズのポット2つにアールグレイを作り、適当な数のカップをテーブルに置く。勧めるつもりもないらしく、ご自由にどうぞ、といった感じらしい。]
良い香り。
[主の趣味を褒めるものか、自分の技術を褒めるものかは読めないが。
ソファに落ち着き、ゆったりとした動作で紅茶を飲む。]
[女の問いに視線を移しそんな待遇にこそこの屋敷の豪奢さよりも驚いた様子で、返事はどうせしたくとも出来ないとは言え無言のまま厨房へと消えていくのを見守り、男が必死で自分の言葉を理解しようと努めて呉れている様子に、微か表情は柔らかなものとなりゆっくりと頷いて]
「ごめんなさい、ありがとう」
[声の出ない事と読み取って呉れた事に謝罪と感謝を並べ]
「私は、貴方を、傷つけない。
怖く、無い。」
[先程と同じ言葉を繰り返し紫水晶の瞳は何処か優しい色を浮かべふわと微笑み、傷だらけと言われれば見られたくないとか言いたくないと言うのではなく見たくないだろうと、思い出した様子で男の視線から傷を隠すようすぃと顔を背ける]
[...は緑の髪の女が厨房へと消えても、少女からのものとは違う自分への視線を感じて、目を動かす。
黒服の男がその主だと知ると、軽く顔を顰めた]
…牧師様のお目覚めか。
[手早く準備を済ませて戻ってくる女の言葉にティセットを見詰め、自身も其処で紅茶を貰って良いのだろうかと逡巡した後に、右足を引き摺ってゆっくりと席に座り]
「ありがとう、いただきます」
[女へ視線を向け頭を下げれば遠慮がちにティカップを摘み上げ、男の言葉に先程の牧師が起きていた事に気付き軽く頭を下げ、両手をカップに沿え鼻先にかかる湯気に眼を細め、微か口許を綻ばせて口つける]
……立派なティーセットまであるんですね。
食料もいくらかあるようですが。
[男へと視線をやって。
礼を言うと紅茶へと口をつける。
視線が会えば人当たりの良さそうな笑みを浮かべたまま]
……昨晩はどうも。
ご期待に沿えず申し訳ない。
[さらりと言えばカップへと口をつけて]
何のためにここへ来たのか、誰も知らないようだから。
状況が動くのは、恐らく連れてきた本人が来たとき。
それまではゆったりと過ごさせていただこうと思ってね。
[去り際に聴こえてきた言葉への返答だろうか。
蒼髪の男とセシリアのやり取りを見守りつつ答える。]
けれど、名前がなければお互いが不便よね。
儀礼的に答えるならば・・・私の名前はローズマリー。
呼び方は好きにするといいわ。
[そう言って、セシリアが紅茶を飲むのに笑みを向ける。]
――そう、買われたの。あなたもなのね。
[彼の言葉に、短く返事を。]
………?
[牧師が男にかける言葉や声音に違和感は無い筈なのに少しだけ其れを見詰め、ローズマリーが名乗るのに其方へと視線を向ければゆっくりと瞬き、買われたと言う単語に周囲の者達も同じ境遇なのかと気付けば、ぐるりと其処に居る面子を眺めて、それから刹那だけ客室へと続く階段を見遣り、何を言うでも無く温かな紅茶をゆっくりと味わい、男の息を吐く気配にちらりと顔を向け何の溜息だろうかと一拍の思案の後]
「私は、気にして、無い。
厭な、想い、させて、ごめんなさい。
其の内、治るから。」
[ゆっくりと唇は言葉を紡ぐも、先程の様子では読み取って貰うのも手間かと、其れ以上は言葉にはせず言葉通りだと表す様に微笑む]
学生 ラッセルがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(学生 ラッセルは村を出ました)
何をするにも不自由なく過ごせるようになっているわ。
まあ、昨日ざっと見てきた感想だけど。
[そう言って、紅茶に口をつける。
セシリアが何か言いたそうなのに気付き、小首を傾げるものの
能動的にどうこう、というつもりはないらしい。]
ナサニエルさんね。宜しく。
[皆そうか、という言葉には言葉を出さず笑みを返して肯定を。]
*/
このローズは基本的にあらゆることに感心・頓着がないので
セシリアのために動けないのが心苦しいよぅ・・・orz
[男の言葉に微か首を振り]
「もう、終ったから」
[説明も無く短く其れだけを紡ぎ、名前を問われれば更に首を振り]
「私は、私だって、シャーロットが、言ってた。
ナサニエルの、呼びたいように、呼んで。」
[時折自身や相手を指差し唇を動かすも、呼ぼうにも声は無く、名乗ろうにも名前も無く、淡々と琥珀を飲み干し冷めていくカップを両の手で包み込み、底に映る淡い琥珀と浮かぶ細かな茶葉の欠片達を眺め、自分とは何処か遠い世界の話でもしているようで、名乗る者達の名を唇だけがぼんやりと紡ぎ、裏のありそうな牧師より、周囲を警戒する男より、優雅に紅茶を楽しむこの女は何者かと、微か脅えた様子で女を見詰める]
………
[最後の一口をこくんと飲み込んだところで視線に気付き、背シリアの方へ視線を向ける。]
私の顔に何かついてるかしら?
[怯えの色には気付いたものの、さらりとそれを受け流す。]
名前……さっきのセシリアでいいのかしら。
反論がなければそう呼ばせていただくけど。
[目を見つめたままそこまで言えば、*2杯目のお茶に手を伸ばす*]
>>163
親切な妖精さんに手をひかれてやってくれば、森のなかにあったのは夢のようにすてきなお屋敷で、かわいそうな子ども達はそこで、みんな仲良くすえながく幸せに暮らしましたとさ…
[絵本の一節のような言葉を静かに零し終えると、悲しそうに笑って首を横に振る]
…まさかね。
そんなうまい話、物語の中だけだ…。
[よろしくと言われれば、軽く頷く]
それでも考えても何もわからないんなら…、そうだな。
何をするにも不自由ない生活ってのを楽しむのも悪くなさそうだ。
>>164
よびたいように、よんで…
…無いのか?呼びたいようにって言われてもな…
[それだけ言って、ローズマリーへと目を移した少女をどう呼ぶべきかと、困惑した表情で少女と同様にローズマリーを窺う]
[女を見詰めふるふると首を振る視界の端、男が牧師を睨みつける様子にカップを握る手は微かに力を籠め震え、プレートにあった名を紡がれれば先程とは比べ物にならない勢いで首を振り]
「私は、セシリアじゃ、無い」
[泣き出しそうな表情で女を見詰めるも其の微笑みに脅えた様子で直ぐに眼を逸らし、牧師の言葉にも矢張り得体の知れぬものを見る色を紫水晶に浮かべ、男の言葉に我に返りちらと窺うも、牧師に向けていたような視線は其処に無いのに安堵してかただ申し訳無さそうに]
「名前、無い、から」
[男の紡ぐ名に左目だけが見開かれ紫水晶は揺れ、必死で否定する様に首を振る]
「違う、違う、違う!
私は、セシリアじゃ、無いの!」
[今にも泣き出しそうな顔で、男の瞳を見詰め普段より口を大きく動かして訴え]
「私は、セシリアなんかじゃ、ない」
[繰り返し机に両肘をつき片側は腫れ上がった顔の傷すら無視してを両の手で覆う]
[傷だらけの両の手が創り出す一人きりの闇に顔を埋めて、唇はうわ言みたいに違うと繰り返していたが、顔を上げれば自身をセシリアと呼んだ女とそして男を、涙で潤んだせいか何処か焦点のぼやけた瞳が見詰め]
「私は、セシリアなの?」
[男の言葉に安堵してか一つ息を零し頷き、紡がれる名前に瞬くも其れが男の名と言われても良く判らないまま、続いて男が牧師へと声をかけるのにふるふると首を振り、自身を指差してふわと微笑み]
「ナイジェル」
[男物の名前だとかは気にした様子も無さそうで、大切なものを抱えるように両の手を胸元に添えて、もう一度唇だけが与えられた名を紡ぎ]
「ありがとう、大事に、する」
[牧師がセシリアと言う名を説明するのに静かに目蓋を下ろし、ふるふる首を振って瞳を開け静かに牧師を見詰めて、目の前の人物に対してではないのだろうけれど、紫水晶は何処か冷たく]
「神は、居ない。
聖なる、名前は、要らない。」
[拾い物と言うのに一度瞬き]
「みんな、アーヴァインに、拾われたんじゃ、無いの?」
[男の混乱した様子を見詰め]
「セシリアが、良いなら、セシリアを、探すけど、ナイジェルが、良い」
[説明は全く意味を成さないのかも知れないけれど、其れ以上の言葉を持たぬのか言葉は途切れ、男を見詰め不意に思い当たり瞬く]
「大事な、名前なら、貰えない」
[セシリアの様子に片眉を上げて]
……然様ですか。
[それだけを呟くと、聖書を片手に席を立つ。
何処へ、と告げるわけでもなく、広間を横切りエントランスホールへと出る。]
……さて。
何がしたいのかは知らぬ存ぜぬだが……
屋敷の中くらいは見せてもらおうか。
[人を殺した、そんなことを言った男もいる。
無論殺されるとはさらさら思っていないが、知らないよりは知っていたほうがいいことも多い。]
[肩眉を上げる牧師を見詰め]
「ルーサーは、神を、信じてるの?」
[席を立つ牧師が音の無い言葉を解したかは判らないけれど、得体の知れない牧師の後姿を見送りながら、唇だけは更に後姿に何かを紡ぐも、届くと思っていない言葉は微か唇が動くだけで、誰にも読み取れないだろう]
「名前は、縛れる、から」
[男の声に向き直れば空のカップへと手を伸ばし、微か手の中で弄んで]
「此処は、怖く、無いと、良いね」
…オレも屋敷の中を歩かせてもらうとするか。
結局は厨房しか見なかった。
どこかに一人で横になれるような…客間くらいはありそうなもんだもんな。
見習いメイド ネリー が参加しました。
見習いメイド ネリーは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[豪華な屋敷の扉が開き、ややもすれば人間の陰がするりと現れたかと思うと、少女の姿が現れた。
少女はエントランスを見上げた。
その刹那、後ろから少女のバランスを崩す力が現れ、少女の平衡感覚を奪った。]
っ…!
[少女は足をもたつかせながら、前のめりに倒れた。
倒れたのは背中を強く押されたからであるのは当然であったが、彼女は素足で両足を金属の輪で拘束されていた。さらに鎖が両足首から伸び、そこには鉄球が尻尾の先のように顔を出していた。]
痛…っ。
[少女は衣服を纏っているのか外見からは分からなかった。 首の下から白いポンチョのようなものを被っており、倒れる時に手で身体を全くかばわなかったことから、両手も拘束されているのかもしれない。]
[エントランスから続く扉を開けると、そこは食堂のようで。
厨房があったようだから食堂があるのも自然なことだろう、と
大きなテーブルのある中を見回して。]
……随分大人数向けだな……
屋敷の規模もそうだが……
其の割には生活感が全くないのも気にかかる。
[調度品に触れようと手を伸ばしかけて――
エントランスホールからの物音に振り返った。]
[少女は鼻で、口で呼吸をしてみる。感覚はしっかりしていると自覚する。
だが両腕はやはり後ろで纏められているらしくまともに動くことを許さない。]
「厨房、あっち?
お腹、減った」
[立ち上がろうとすれば物音と新たな人の気配に身を竦め、手元のティセットが小さな音を立てて、男の声に牧師の去った方へと視線を移せば、神を信じているとは思えないとでも言う様に首を振り、男自身を笑う笑みにか僅か緊張を解き其の双眸を覗いて逡巡の後]
「ナイジェルは、どんな子?」
[言いたくなければ聞き流して欲しいとでも言う様にすぃと視線を逸らし、続く相槌に小さくけれど心底其れを願っている様子で頷いて]
[優雅に紅茶を飲みながら、話にケリがついたかとカップを置く。]
――ナイジェル、でいいのかしら。
名前なんて人物の特定が出来ればいいのだから、
深く考える必要もないわ。
悪かったわね、セシリアって呼んじゃって。
[――『ローズマリー』とて本名ではないのだから。
さりとてそれは口には出さず、広間を出るらしいナサニエルとナイジェルに片手を上げて見送り、自分はティータイムの続きを楽しむ。]
[エントランスホールへと戻れば、何やら拘束されている少女の姿]
……流行りなのか、こういうのが。
[思わず呟いてから、どうしようかと。]
[少女のもとにいくらかの人がやってきた。少女は顔を見上げた。]
はやり…皆様、皆様も集められたのですか?
ここは普通のお屋敷とは違う…のでしょうか?
……まぁそんなところですね。
皆様も、ということは貴方も、ですね。
[顔を上げた少女を見つめながら]
見た感じは、普通の屋敷だと思いますが。
[また新しい客人か、と思えどもソファから立ち上がる気配はなく。
ナサニエルに返答するより前に確認が取れたようで、視線を戻す。
自らの膝に肩肘をついて、ぼんやりと。今回の場合は興味がないというよりはけだるげで、次第に*目を閉じられて*]
[女の問いに一つ頷いてけれど其の様子を見詰める瞳は矢張り怯えが滲む]
「私は、ナイジェル」
[其れだけ告げ直ぐに視線を逸らし謝罪の言葉にはふるふる首を振って、気配の方から聴こえる微かな話し声に瞬き男へと視線を移し、恐ろしくはあったけれど自身の様な状態の者が在るかも知れず]
「見に、行く」
[紡ぐ唇は微かに震えていたかも知れないが、指し示された厨房の方では無く男の後を追う様に右足を引き摺りエントランスホールへと向かい、道すがら弟と聴けば頷いて「そっか」と小さく返したかも知れず、新しい気配にもう一つ頷いて歩み寄り]
「大丈夫?」
[倒れこんだ少女の傍に膝をつき気遣う様に顔を覗いて、それから傍らの牧師へと視線を移し]
「これも、外せる?」
[少女は自分にかけられる言葉を整理し、思考を巡らせた。 自由かつ緊張感を感じさせないことから、アーヴァインの手の者なのだろうか。
そう思考が行き着くと、少女は口をつぐんだほうがいいのかと思った。
言葉を選び抜き、口を開く。当たり障りのないものを選ぶ。]
私みたいな人は…たくさんいるのですか?
[膝に片肘をついて次第に目を閉じていく、行動的と思えたローズマリーとは対照的に、震える唇で見に行くことを宣言してから、言葉どおりに進んでいく少女の動きに意外そうに目を見張って]
ミイラ女は女の子に戻れたけど…
鉄球女は誰が助けてやれるんだかな…
[白い服から尻尾の先のように顔を出す鉄球が、間違いなく金属の輪と鎖で、足首からのびた枷となっていることを思えば、小さく溜息一つ]
あんたみたいな人は…
…鉄球引きずってるって意味じゃなく、この屋敷に連れてこられた奴がって意味なら、たくさんいるよ。
[牧師の言葉に此の侭を望む人間が居るとの思考にすら以外そうに瞬き、少女へと視線を戻せばまた音は零れないのに口を開く]
「此の侭が、良い?
ルーサーは、解けるって」
[男の眼を見張る気配に一拍の思案の後にふわと微笑み]
「貰った、名前、恥ずかしく、無いように」
[少女はうつぶせの姿のままであることに今気づいた。情けない姿を思いつつ、身体だけはなんとか起こす。]
よろしければ、やはり外していただきたいと…
[少女は自分のみあるいはごく少数の者だけが拘束されているのか、との念にかられた。
両足は勿論、肌に当たる手首を考えれば、両手も頑丈に施錠されているのは間違いない。
アーヴァインの嗜好なのだろうか。]
[部屋を片付け終え、一息つくと部屋を出る。やや賑わうエントランスを階段の上からしばし眺め、階段を下りて行った]
…また、増えてますのねぇ。
[見慣れぬ青髪の男。拘束された緑髪の女。柔和な笑みを湛えて「初めまして」と挨拶し、皆のところへ歩み寄る]
ああ…ありがとうございます。
[手錠ぐらいはされるかと思ってはいたものの、ここまで厳重なものを施されるとは思ってもみなかった。自らの内に思い当たる節は…と考えるべきよりも、他者と比べて自らへの仕打ちは少し考えるものがあった。]
[知識をたくわえてそうな男性、少し儚げさをたたえた少女、緑髪の青年、清楚な女性と少女のもとへ集まってくる。
皆同じ理由でここへ来た人達なのだろうか。]
今回の設定。
ステラ=ドゥースト 26歳
罪状:殺人罪他
手段:聖水と称した毒薬。様々な毒を扱う。呪術的な毒も使用。
背景
呪術を扱う家系に生まれる。依頼があれば呪いや暗殺も請け負う殺人一家。
ステラもそのしきたりに則り技術を得ていく。
教会を隠れ蓑に活動し暗殺を請け負ってきたが、ちょっとしたヘマをして捕まってしまう。
毒の調合とその実験が趣味であり、過去に色々やったようだ。
人を殺すことに悦びを感じること多々あり。
[牧師が拘束を解き始めるのに手にされた針金に身を竦めるも、少女を気遣う様に視線は逸らされる事は無く、男の声に顔をあげれば其の面に乗せられた微笑みと、初めて見る優しげな瞳の色に瞬き、嬉しそうに頷いて、背後からの声も聴き覚えがあれば幾らか警戒や怯えもマシなもので]
「こんばんは、服、血が、着いちゃった、ごめんなさい」
[修道女へと頭を下げけれど少女の状態が気になるのか視線はまた其方へ]
足だけじゃなく、手もか…
[うつぶせ姿で、手も使わずなんとか身体を起こす少女を目にし、アーヴァインの嗜好を思ってか不快そうに眉を寄せる]
暴れようにも、こんな力もろくになさそうなお嬢ちゃんにね。
[そのように眺めていると、解けるという言葉通りにルーサーは曲げた針金を、少女の足枷の鍵穴らしい部分に差し込む]
……っはは。
あんたの仕事の何に、そういった技術が必要なんだか。
神を十字架から解いてやるためにか?
[盗賊の技術と言い表す方がよほどに合うその姿に皮肉ぶって口の端を吊り上げていると、降りてきた女ときたら――修道女姿]
…何なんだか。
ここは恵まれない子ども達を集めた、聖職者による慈善パーティー会場か?
[降りてきたステラに目礼して。
暫し金属同士の触れ合う音をさせていたが、やがてかちゃりと音がして。]
……はい、完了。
手も拘束されてますよね。
……ええと、ポンチョは脱がせても大丈夫ですか?
[少女が服を着ているのかどうか、ちらりと見ただけでは分からなかった]
[少女の背後で自分よりも格段に大柄な青年がカラカラと笑う。 またどこかへ連れて行かれる、運ばれるかもしれないと感じ、一瞬前進を強ばらせた。]
私は…
[私は、と言ってからごく僅かの時間があったのは気のせいだろうか。]
私はネリー、ネリー・カルーと言います。
[足の拘束が解かれるのに小さく安堵の溜息を漏らし]
「ありがとう」
[顔を上げ言葉をかけた牧師が男へと冷たい視線を送っているのに、紫水晶の瞳は怯えの色を浮かべるも、少女が名を名乗るのに瞬き自身の胸元に手を置いて]
「ナ・イ・ジェ・ル」
[読み取れるだろうかと少女の顔を見詰めたままゆっくりと唇が名を紡ぐ]
お見事!
[それでも少女が鉄球から解き放されれば、泥棒が金庫を破った仲間の手腕を称えるような揶揄の仕方で、口笛を吹いてやるが]
………。
[冷たいものを湛えた視線でルーサーに軽口を返されると、返す言葉も見つけられずにぐっと言葉に詰まって睨み返すだけ]
…飾りはともかく、赤ワインにパンくらいなら厨房で見たぜ。
おまえも腹減ってんじゃねぇの?
[自分の笑い声のせいなのか、全身を強張らせたようにも見えるネリーと名乗った少女に目を向けると、ともかく顔つきは普段の愛想はないが険もない表情に戻り]
ああ、ネリーってのか。オレはナサニエル。
[ネリーは背後にいる聡明そうな男性に声をかけられ、返事をする。]
は…はい。お願いします。
[足の戒めが解かれたことから、少しだけ開放感を覚える。]
[ポンチョのような布きれの下は、身につけているものはあったが周囲の身に纏っているものに
比べれば、文字通り比べようもないものだった。両手につけている金属のほうが何倍も手の込んだ、金銭的価値のものがあると思えるほどだ。]
ナイジェル…
[ネリーは微笑みをたたえた少女の視線と口の動きを感じ、無意識的に言葉を発した。]
[緑髪の少女が名を名乗り、周りが名を名乗り返すのを聞いてから]
ネリーさんですのね。
私はステラ=ドゥーストと申します。
[相変わらず微笑みながら返し。菫髪の少女がプレートに書かれた名ではなく別の名を名乗るのを見て]
あの名は貴女の名では無かったのですねぇ。
[誰に言うでもなく呟いた]
[ナサニエルの視線を涼しい顔でやり過ごし。
ネリーの言葉に一つ頷くと]
……では失礼しますね。
男の手ですみませんけど。
[ポンチョを脱がせると、後ろ手に拘束されているそれを見て。
先程と同じように針金を鍵穴に差し入れると探るように動かす。
程なくしてかちゃりと錠の外れる音がして。]
はい、はずれましたよ。
[修道女の言葉に頷いて]
「ありがとう、助かる」
[服どころか何一つ荷物も無い状態で連れて来られたけれど、これから先の着替えも考えなければいけないかと、血に湿り始めた黒いタートルネックの胸元を軽く撫ぜゆっくりと瞬き、少女が自身の貰い受けた名を紡ぐのにふわと微笑み返し]
「傷は、無い?」
[見えぬ部分にも痛みが無いかと少女を見詰め、修道女が少女に名乗るのに口の中で修道女の名を繰り返せば、続く呟きにまた一つ頷いて]
「名前、ナサニエルに、貰った」
[移した視線の先の男は先程から聖職者に対して幾らか視線が冷たい気がして見詰めるも直ぐすぃと逸らす]
ありがとうございます。今までこのような事がいくばくかあったので…
ここは開放感のある所なのですね。
[ネリーは座ったままの姿勢で皆へ向けて深くお辞儀をした。]
ナサニエルさんも初めまして。
>>220
おまえこそ、傷がひどかったりしないのか…ナイジェル。
[冷たい視線を気にしたように目を逸らされたことも知らず、撫ぜるのは痛みのためかとタートルネックの胸元を見やりながら]
>>221
あんたもなァ、開放感があるったって…
[初めましてと礼儀正しく深くお辞儀をするネリーが、ポンチョのような布きれの下に身に着けていたものに目を瞬かせて]
…もうちょい、どうにかしたらどうだ、服。
ここにゃ何でも不自由しないだけのものがあるようだから、クローゼットを漁るくらいしてみりゃいい。
[このような事がいくばくかあったと聞けば、抱えるように頭に手をやって]
最もその格好がネリー、あんたの趣味だってんなら強くは勧めねぇけど。
>>222
ありがとうございます。
ええ、手のほうは大丈夫です。気になったらお願いにあがります。
[ネリーは周囲にいる人々を見回した。
誰かがリーダーシップをとっているようにも思えない。皆、何かしらの共通点があるのだろうか。]
あの…皆様がここへ来た理由などは、おありなのでしょうか。
[ネリーは自分を心配してくれる人々が少し嬉しかった。 手は少しだけ痛かったが、それよりも気になることがあった。
ここに来てまだ立ち上がってない。立ち上がれるようにはなったのだが、立ち上がりたくない、というのが本音か。 そう考えていたら顔に出たのかナサニエルに声をかけられた。]
やっぱり…服は少なくとも…
[ネリーはかぼそく呟いた。]
[女に名が無かったのかと言われ頷けば続く言葉で詮索される様子も無く、微笑みと共にかけられる褒め言葉に嬉しそうに口許を緩め微笑み]
「ありがとう」
[自身の傷の具合を気にされるなんて思いも依らず男をきょとんと見上げ]
「慣れてるから」
[これでは大丈夫とは思われないだろうかと言葉を探し]
「其の内、治ると、思う」
[痛みを感じない訳では無いのだろうけれど、慢性的な傷に痛覚は鈍っているのかも知れず、男の少女にかける言葉に後でクロゼットを探してみようかなんて思案していれば、少女の言葉に一つ安堵の溜息を漏らし]
「良かった。
此処には、アーヴァインに、連れて、来られた」
[目を閉じて、エントランスの声を聞くともなしにある程度聞いたところですぅっと目を開けて立ち上がるものの、途端に片手をテーブルにつき、荒い息を一つ吐いて嫌な汗がしたたるのに不快感を感じ眉を顰める。]
――そろそろだとは、思ったけど。
[何とか立ち上がって、たくさんあった個室のうちの一室を借りようとゆっくり2階へと向かい、選んだ部屋の中へ入る。
現在の症状を手帳らしきものに簡素に書き写せば、汗を流そうとシャワールームへ。コックをひねって出てきた冷水を浴びながら上を向き、身体に染みわたらせるように瞼を閉じる。]
[『そのうち治ると思う』の言葉が右耳から左耳へ抜けていった。 彼女も自分自身と同じような事があったのだろうか。]
私も…慣れてる、のかしら。
私はアーヴァインと言う人に連れられました。理由は…わかりません。では皆様同じ理由でここに集められたのでしょうか?
[周囲の喧騒も我関せずに優雅にティタイムを楽しんでいた女が、客室の方へと戻っていく様子は何処か何時もと違う印象で、一拍だけ其方を気にして見詰めるも、男と牧師の会話に其方へと僅か不安気な視線を移し、男の問うような呟きに黙って瞬き、唇を噛むのを見詰め瞳は揺れ]
「ごめんなさい」
[俯いた男に唇の動きは読めたか判らないけれど]
[ナサニエルの声は聞こえていたが、肩を竦めるばかりで。
扉に手をかけて押し開けると、そこは廊下のようだった。
手近な扉に手を掛けてさらに中へ入る。]
……ここは……使用人の控え室、か?
[質素ないくつかのベッドと、クローゼット。
中を開ければ使用人用のものだろうか、服が数枚入っているが――]
……何だか趣味を疑われそうだな……
[誰にともなく呟いて。
どうしようかと考え込む。]
[キュッとコックをひねり水を止めて、シャワールームを後にする。
部屋に添えつけてあったガラスのコップに水を汲み、くいっと飲み干せば湿った髪をタオルで拭い、ふぅと息を吐く。]
割と過ごしやすそうね。
[内装や間取りを見て、壁を軽くコンコンと叩く。]
とはいえ、個室にいたって状況は動かないし掴めない。
[連れて来られた目的などどうでもいいといえばどうでもいいが、自分がこの後どうなるのか知りたくないというはずもなく。]
[ネリーはあらためて天井をや周囲の壁を見回した。手の込んだな屋根装飾、趣味のいいアイボリーなど、小物のこそ泥が迷い込めばそのままハダシで持ち出しそうなものばかりだ。 それがなさらネリーを悩ませた。]
何故このような所に、人を集めるのでしょう。アーヴァインにとって有益があればこその筈なのですけれど。
[いつものコンディションに戻してから、ゆっくりと階下戻る。
まだエントランスは賑わっているようで、遠目からそちらを見遣ってまたソファのあたりまで歩み入る。]
一体どんな人が来たのやら。
[殆ど気まぐれに、エントランスへと足を運んで居合わせる者達に軽く挨拶。新たな客人の姿を認めれば、口元に笑みを浮かべて]
―― 一体何人目かしら。
私はローズマリーよ。よろしくね。
[近付いてくる気配と声は知っているものだったけれど、脅えた視線が女へと向けられ一拍の間を置き、先程の違和感はもう見受けられないのに瞬き]
「体調、大丈夫?」
[怯えながらも気遣うように唇は言の葉を紡ぎ、なんとなく視線を感じて見回せば少女の視線が、修道女に借り受けた少し大き目の服に隠れた腕へと注がれているのに首を傾げ、さらりと前髪が流れれば黝く腫れた右目が現れるのに慌てて俯き]
「如何、したの?」
[顔を背けたまま少女へと視線を投げ唇は音も無く問う]
[悩んだ挙句、服は部屋の分かりやすいところにおいて。
変わりに毛布を1枚ベッドから失敬するとエントランスに戻る。]
……入り口に近い部屋に使用人向けの服ならいくつか。
ちゃんとしたものも屋敷の中にあると思いますけど。
まぁ使いたかったらどうぞ。
[間に合わせですみませんけど、とネリーの肩に毛布を掛ける。]
[ネリーは少女が自分へ投げかける言葉にドキッとしてしまった。
目は口ほどに物を言う、とはよく言ったものだ。]
何でもないわ。
…いいえ、何もないのは誰でもない事はないはずよね。 あなたも何かあったの?
[ネリーは白ポンチョの下から腕を伸ばして少女の手を取ってみたい衝動にかられた。しかし手首を晒すと先に負けてしまうような気がした。]
>>241
ローズマリーさん、と言うのですね。よろしくお願いします。
[ナイジェルが相変わらずおびえた視線を向けるのもさして気にした様子はなく、しかし唇が紡いだ言葉には、彼女には珍しい少し驚いたような表情を映した。]
――大丈夫。ありがとう。
[それもつかの間で、すぐに口元に笑みをたたえて返す。]
話の流れに割り込み申し訳ない。
人数が現在8人ですが、後の予定が詰まってる人もいるので、明日の0時まで待ってそのときの人数で開始、でいいでしょうか。
もっと早いほうが都合がいいとかありましたらメモの方へお願いします。
[問いに不思議そう本当に意味が判らず、不快感を与えない為に隠している程度の認識しか無いのか、自身の身に起きていた事には全く思考が及ばないらしく、少女の内なる葛藤を解せずにただ静かに少女の双眸を見詰め]
「何か、って、何?」
[女の表情が変わるのにまた少し意外そうに瞬き、返される言葉に安堵して口許を緩め頷く]
「良かった」
[用事は済んだと立ち上がると、再び扉の方へと。
続く廊下へと足を踏み入れ、別の扉へと手を伸ばす。]
――……っと。
鍵が掛かっているのか。
[針金を取り出すとなれた手つきでそれを変形させて。
差し込んで、少し探り、開ける。]
……我ながら何をしているのだか。
[失笑を禁じえない。
開いた扉へと身をくぐらせる。]
[室内は思った以上に狭く、物置のようだった。]
……何もなさそ……ん?
[整然と整理された小部屋の一角。
鍵の掛かった箱を見つけると、傍に近寄る。
当然のように鍵をあけると、箱を押し開けて。]
――……こいつは……。
[猟銃と、弾丸。
仕舞われていたそれに視線を落とすと表情を険しくしたまま*考え込んだ。*]
[この屋敷へ連れて来られた時のアーヴァインの態度は、物を扱うようなものであった。
そのような仕打ちを受ける理由は分からない。人によって経緯は100人いれば100通りなのだろう。
しかし結果はある。 ネリーの前に佇む少女、まるで湖の中にいるような錯覚を感じさせる少女の身にも何かあったのだろうだと思う。
しかし、それは軽はずみに口にしてはいけないものなのだろう。
ネリーは少女に向けてにこりと微笑みを返した。]
何か服を…取りにいかないといけないわ。
ルーサーさん、ありがとうございます。
[と扉へ向かうルーサーに声をかけた。]
わからないっていうのを同じ理由ってくくっていいなら、そういうことになるな。
[同様に慣れてるのかもしれないと呟くネリーにちらりと目をやるも、それには何も言えず続いた言葉にのみ軽く頷き、ステラには]
…何かろくでもないことでも強要されるってんじゃなきゃ、オレだって満足どころか感謝すらしてやっていい。
天露凌げる以上のご立派な屋根、腹どころか心も満たす飯が期待できそうな、タダ宿だぜ。
そりゃあ、尼さん。
あんたが居たんだろう修道院に比べりゃ、比較的ってか…自由どころの話じゃねぇもんな。
[それから毛布に包まれたネリーの姿に、あれじゃあ元々着てたポンチョみたいな服と大して変わりやしないと笑っていると、降りてきたローズマリーに]
よう、上にはいい部屋あったか。
…今ここに居る奴を合わせりゃ、6人ってことになるね。
[目の前の少女に起きた何かと自身の境遇を対比すると言う思考も浮かばない侭に、少女の問いの意味さえ判らずじっと双眸を覗いているも、気付けば微笑まれてかけられる言葉に曖昧に頷き]
「服、取って、来ようか?」
[人前で平気で肌を晒す思考には此処で着替える折の問題点も浮かばず、ただ気遣う様に少女を見詰めて唇だけが問い、牧師の出て行くのに軽く頭を下げて見送り]
[少女に毛布がかけられたことを見てとり、様相のことで賑わっていたのか、と思い、興味をなくしたようにまた広間へと戻り際]
そうね、過ごしやすそうな部屋だったわ。
造りがしっかりしている割には薄そうな壁だったけど。
[その気になれば叩き壊せそうな、けれど住むには充分な強度の。
薄い笑みを称えながら、訝しさなど隠して。]
ここにいるのが5人・・・今居ないルーサさんで6人。
もう一人、いるのよね。7人か。
[ぶつぶつ呟きながら広間へと戻れば先ほど飲み散らかしたティーセット一式を厨房へ持って行き、簡単に洗うとそのまま厨房の物色を始める。]
・・・お酒なんかも置いてあるわね。
ゆるいものから強いものまで随分とたくさん。
[食料の備蓄に関してもまだ人が増えても暫くは過ごせそうな程ある。]
其の割には、使用人の姿が見えないのよね。
まあ、恐らく殆ど罪人でしょうし、使用人を得る身分でもないけど。
>>252
服…お願いしてもいいの?
[ネリーは信頼とも受け取れる目を送った。]
>>251
あまり変わらない…かしら。けれどもこのままだとあまり動くのはためらわれてしまいますもの。
[少女の言葉と視線に一つ頷けばゆらりと立ち上がり]
「少し、待ってて」
[唇が動き瞬き少女を一拍だけ見下ろせば、恐らくは自身とそんなにサイズは変わらないのであろうと見立て、右足を引き摺って客間の方へと歩を進め、けれど自身が借り受けた部屋では別の少女が眠っているだろうかと、隣の部屋へと入ればクロゼットを開き服を探し始める]
>>253
やれやれ…
あのやたら高級そうなソファーが、オレらのためにあるんだろうって事実にまだ慣れない。
金と縁が無いと、立ってる時間の方が長いんだ。
[興味をなくしたように広間へと戻っていくローズマリーを目で追って、そこにあるソファーと、立ち話を厭わない自分の足を見比べて苦笑を浮かべる。
おまえらも広間に入ればと、エントランスの面々に目で誘いをかけてから、扉を開いて広間へ戻る]
壁が薄いって?
壁なんてもんは、あるかないか、あっても壊れてるかの三種類しかないとばかりに思ってたね。
[疑問などつゆほども浮かばず、手を置いただけでしっとりと肌に優しく触れるソファーに、ほうと溜息をついてから腰を沈める]
こりゃあ…このまま寝ちまいそうだね。
これが実は法王様のベッドだって言われても信じるぜ、オレぁ。
[月明かりの差し込む部屋は暗く、修道女に倣いクロゼットから取り出した黒いワンピースは柔らかで上質な手触りで、恐らくはサイズも合うであろう服まで用意されている状況に、微か背筋が冷たくなるも、ふるふると首を振り、ワンピース以外にも必要そうな靴や小物類も血が着かない様に注意して抱え、エントランスへと戻れば少女へと服を差し出し]
「お待たせ」
[持ってきた服で良かっただろうかと少女を伺い、男が広間へと戻って行くのに瞬いて見送る]
>>257
ありがとうございます……ナイジェル。
[ネリーは確かめるようにその名を呼んでみた。]
[気がつけばネリーは扉をくぐらされて以来、膝を立てたことがなかった。 ネリーは毛布を抱きしめる形でポンチョのように見えるものを頭から被った姿のままで、ソファーへ近づき、腰を下ろした。
膝下を晒し、足首の痛みの痕も晒すことになったが、周知の事実であることは間違いないので、これくらいはあまり気にしないようにすることにした。]
[ネリーは少女が手を差し伸べてきたので自らも布きれの下から手を伸ばした。勿論それは衣服を受け取る目的というものがあったからだが。
やはり差し伸べられた手には自分のそれよりも、より痛々しいだろうと容易に推測できるものであった。]
私、あっちで着替えてきますね。
[厨房での物色を終えてから、今度は手ぶらで広間の方へと戻れば自分もソファに腰掛けて。]
すわり心地はいいわね。
確かにこれなら寝られそうだけど。
[くすりと笑うと深く背をもたせかけ、天井を仰ぐように身を沈める。このまま目を閉じれば確かに睡魔は襲ってきそうだ。
が、人が増えてくるのに顔を戻せば、特に自分から話をするでもなく足を組みかえて。]
牢獄は、自由なんて皆無だったわ。
それこそ修道院の方がマシと言うくらいに。
当たり前といえば当たり前だけど、苦痛でしかなかった…。
大切な、私の可愛い子達とも離されて。
──ああ、ここに来れて本当に良かった。
これから何が起きるのかは分からないけれど、また私の可愛い子達と刻を過ごせる。
ここには、実験の対象と出来る人達もいることですしね。
クスクスクスクス──。
[ローズマリーの呟きとセシリアの唇の動きに頷いて]
もう一人いたのか…オレは見てねぇな。
まぁ…広いんだろうから、顔を合わせなくても不思議はないかもしれねえけど。
>>256
現状何も強要されてないからって、何の得もなしに他人を助けるような聖人が、この世にいるとはもう信じてねぇ。
…あんたはどう考えてるか知らないが。
[修道女の身を包む慎ましい衣服を一瞥し]
どっちかってと疑うね。
清廉さの象徴みたいな服着ちゃいるがその実、中身はどうだかわかりゃしない。
修道院よりもっと自由の無い場所?はは…想像つかんね。
思い浮かぶのは牢くらいなもんだ。
[首までもソファーの背もたれに預けながら、それでも見下ろすような目付きで紅茶を飲むステラに相対している]
[――ナイジェル]
[紡がれる名は新鮮でけれど胸を満たしていくのに、前髪の奥に隠れる紫水晶の瞳は揺れ、小さく頷いて嬉しそうにふわと微笑む]
「薬、無い、みたいで、また、探して、おく」
[少女の傷跡を見て申し訳なさそうに呟き、着替えてくると言うの此処ではいけないのだろうかと、不思議そうに少女を見詰めて瞬いた後に頷く]
着替えようと思うにも、その…ナサニエルさんがいますもの。
[ネリーは少なくともナサニエルの視線の向こうへ一時期的にも行こうと思った。]
[少女の言葉に男へとちらと視線を移すも矢張り良く判らない様子で、男が居る事の何が問題なのだろうと思いつつも曖昧に頷いて]
「行ってらっしゃい、紅茶、いれておく」
[テーブルへと寄れば少女も紅茶を飲むだろうと二つのティカップに紅茶を注ぎ、修道女の男にかける言葉にひと時だけ手は止まり紅茶を注ぎ終えれば、人は見かけに依らないのは良く判っては居るけれど修道女を見詰め]
「ステラは、私を、殴る?」
[聖職者を見る時だけ僅か雰囲気の変わる、深くソファへと身を沈める男へと視線を移し、ティポットを僅か持ち上げて見せ]
「ナサニエルも、飲む?」
[ネリーは少女からワンピースを、また歩きやすい靴や小物入れを受け取った。
このような自由を与えられるのは本当に久方ぶりだ。
結局ネリーは部屋を出ず、ポンチョの下からもぞもぞと身体を動かし服を着た。]
これで楽になったし自由に動き回れるわ、ええ。
…そうとも。人は見かけによらない。
ここに居る全員に当てはまる言葉なのかもな。
もちろん、そんなふうに笑ってるあんたにも。
[自分が向けた好意的とは言えない目付きにも、どこか満足そうに微笑んで返す修道女の余裕に、言葉にできない面白くないものを感じて苦虫を噛み潰しような顔で、紅茶を飲み続ける姿をただ見下ろした。
しばらくそれを続けていたが、ネリーの自分の存在を指摘する言葉に顔を上げて]
ああ…着替えるのかよ。
[移動する様子を見せた彼女を手で制して]
いい、いい。どうせ本物のベッドでも探そうと思ってたんだ。
ここで着替えな。
[立ち上がり階段へ向かおうとして、こちらへとティポットを持ち上げて見せた少女に気付いて足を止める]
淹れてくれるのか?
…もらうよ、ありがとう。
[感謝を込めた笑みを浮かべると、ネリーは部屋を出ることなく、ポンチョの下で既に着替えてしまったらしい。やや目を丸くして]
おい…ここで着替えたの?
[思わず噴き出して、なるほど「見かけによらない」と笑っている]
…大胆なヤツ。
[少女が着替え終われば手招きして紅茶を席に置き、男が顔を合わせていない人間について呟くのに]
「シャーロットは、優しい」
[男が着替える少女にかける言葉に紅茶は要らないかなと一応は返事を待てば、笑顔と共に返される言葉に一つ頷いて紅茶を注ぎ、少女が其の場で着替えた事に噴出しているのを不思議そうに見詰めながら、ソーサーに乗せたティカップを男の前へと差し出す]
[ネリーは大胆、と言われて少しだけ困惑した。
極力ナサニエルには見られないように努めたつもり…ではあるようだ。
あらためてソファーに腰掛け、ナサニエルやステラ達とともに紅茶に手をかけ、口に運んだ。しとやかな香りが鼻孔をくすぐる。]
人は見かけによらない…その「よらない」ものが何かはともかく、そのような人達こそがここに集められるのでしょうか。
[手招きに呼び寄せられても、席に置かれた紅茶に立ったままで口をつける。
しかし今度は喉を潤すためだけに水を飲むようながぶ飲みの仕方はせず、紅茶に慣れない舌でもゆっくりと啜る]
…うまい。茶を淹れるの、うまいんだな。
[本当は入れた砂糖の甘さくらいしか楽しむこともできず、それがうまいものなのかどうか、よくは分からない。
それでもにこりと笑みながらカップを空にして]
しゃーろっとは、やさしい……シャーロット?
ふぅん。それがオレが会ってないもう一人の名前か。
優しい奴なのなら…そりゃ、良かった。
[修道女の言葉には理解出来る理屈が添えられていたから一つ頷き、漸く席に着けば続いて修道女が男にかける言葉につられて男へと視線を移し、カップを持ったまま男を見詰めて]
「名前と、同じ、服も、仕事も、人を、縛る」
[紅茶を飲み褒め笑ってくれる男に口許を綻ばせ、部屋で眠る少女の事が話題に上れば客間の方をちらと見遣り、男に向き直って頷き]
「ナサニエルも、優しい」
[ステラとナサニエルのやり取りを見て考えるは自らのこと。
肩書きが聖職者でも最低最悪の外道もいれば、
肩書きが殺し屋なのに可哀相なくらい澄んだ心を持ってる人もいる。
肩書き通りの人もいれば、善人でも悪人でもない人もいる。
他者にあまり興味を示さない自分にはその物差しもわからず]
見掛けによらない……ね。
ステラさんはステラさん、ナサニエルさんはナサニエルさん。
見た目からわかることなんて容姿端麗くらいだわ。
[やや眠気があってか、ぼーっとそんなことを口走る。]
先入観というものが裏切られたことを指すのなら
肩書きを受け入れても肩書きを疑っても変わらない……のかしら。
べつに、どーでもいーけど……
>>272
[顔を見ればつい湧き上がる笑い声も、喉の奥に収まっていき]
そのような人達こそがここに集められてる、か。
そこが怪しいところなんだよな。
…どう怪しいか、考えたってわからねぇけど。
>>273
[否定するステラの言葉を耳にしても、少女に言い聞かせるように]
…一見人を殴るような奴に見えないからこそ、気をつけておいて損は無いかもな。
[視線を上げたステラと目が合い、笑みを浮かばせてそんな事を言う彼女にやはり、嫌悪感を隠しもしない様子で]
オレはいつだって見かけ通りだよ。
見てるだけで胸糞悪くなってくるような生き物を前にしたら、そりゃあそのまま顔に出るんだ。
[大げさな溜息をついて修道女から目を逸らせば、口許を綻ばせた少女の顔が目に入る]
なさにえるも、やさしい…?
[唇を読んだ...の顔に、険しさの代わりに困惑の表情が生まれる]
そりゃ思い違いだ。オレは全然…
[言葉の途中で、否定するまでもないことだと肩をすくめて]
…オレはそろそろ、自分の部屋でも見繕いに行くわ。
おまえもあまり遅くまで無理はするなよ…ナイジェル。
[ティカップからあがる温かな湯気に眼を細め紅茶を一口飲むも、女の眠そうなのだか気だるげなのだか判然としない呟きに視線を移し、一拍だけ其の様子を見守って瞬き、気をつけておいて損は無いと言う男の言葉には頷くも、カップをソーサーに戻して]
「ステラも、ナサニエルも、シャーロットも、私を、殴らないって、言った」
[其処に居る二人と客間の方を指差して唇は動き、其の言葉を心底信じているのかは判然としないが、そんな言葉でも無いよりはマシと縋っているだけかも知れないけれど、優しいと評され困惑する男の様子にきっとまた意味は伝わって居ないのだろうと、肩を竦めるのに其れ以上は何を言うでも無くふわと微笑み、貰い受けた名を紡がれれば一拍だけ男を見詰め頷き]
「ありがとう、おやすみ、ナサニエル」
あなたからそう映るのなら、そうなんでしょう。
[ステラの言葉を否定することも肯定することもなく。]
昨日も寝ていなかったからか、眠気が酷いわ。
個室を一つ拝借したから、今日はそこで休むわ。
……変なこと口走って悪かったわね。
――おやすみなさい。
[うっすらと汗ばんではいたが、ゆったりとした速度で階段へたどり着けば、一段一段確実にのぼりながら*廊下へと消えて*]
[先程同様に余り調子の良さそうでは無い女の後ろ姿を気遣う様に見送って、修道女の男にかける言葉に、女より一足先に客間へと消えていった男と、部屋で眠る少女を思い出し]
「シャーロットも、ナサニエルも、優しいね」
[其れを似ているとは思っては居ないのかも知れないけれど、何処か類似点はあるのだろうと、修道女を見詰めのんびりと紅茶を飲む]
[修道女の微笑みを見詰め思案気に視線を彷徨わせた後に向き直り]
「私は、誰も、傷つけ、れない、から」
[ティカップを持つ腕をもう一方の腕でそっと摩り、他者の脅威に成り得るような力を持ち合わせていなければ、悪戯に恐怖を煽る事も無いし敵意を向けられる事も無いと、言外に告げられる意味も修道女には伝わるのだろうと]
[言外に告げられる言葉を理解し]
それは、ありますわねぇ。
私は何もしていないのにナサニエルさんに敵視されてますけれど。
[他人のことのようにクスクス笑って]
貴女はどちらかと言うと傷つけられる側。
彼らは庇護欲をかきたてられているのかしらね。
[笑みを浮かべたままそう告げて。空になったカップを持つと立ち上がる]
私もそろそろ失礼しますわね。
貴女も、ゆっくり休みませんと傷に障りますよ。
[それでは、と会釈すると、厨房へカップを置いてから自室へと*戻って行った*]
[男が聖職者を敵視しているのはなんとなく感じては居るけれど、理由は判らない侭に、恐らく男に言った通りに「聖職者」と言う職業に縛られているのではないかと、考えを巡らせる]
「縛られるのは、どっちも」
[其の職業だから其れらしく振舞っている様に見受けられる牧師も、其の職業だから敵視している様に見受けられる男も、どちらもが縛られているのだろうと思いを巡らせているも、クスクス笑って修道女の紡ぐ言葉にはふるふる首を振り]
「怖く、無いから、脅える、必要が、無い、だけ」
[「何か」を引き金に容易く壊れる欲求すらもそう呼ぶならば、ある意味では庇護欲と言うのかも知れず、寧ろそれくらい容易く壊れるからこそ欲求なのだろうかと首を振ってから思い直す]
「ありがとう、おやすみ、ステラ」
[かけられる言葉に頷いて自身も休もうと立ち上がり、ソファで眠る少女に気付いて辺りを見回し、ブランケットを見つけてそっと肩にかける]
文学少女 セシリアがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(文学少女 セシリアは村を出ました)
文学少女 セシリア が参加しました。
文学少女 セシリアは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[傷だらけの少女を見詰め紫水晶の瞳は気遣う色を浮かべるも、自身の傷と同列に考えているのかは矢張り判らずに、唇だけが音も無く眠る者への挨拶を紡ぎ、少女の眠っているであろう部屋へと右足を引き摺って戻り、物音を立てぬ様にクロークからブランケットと寝間着を探し出し、眠っているとは言え傍らに人の気配が在るのを気にした様子も無く、修道女から借り受けた血で湿った服を脱げば、蒼白い月明かりに照らされる傷は幾らかグロテスクさを潜めて、開いていた傷口も大人しく過ごしている間に塞がりかけている様子に、胸元の傷に触れあかい感触の残る指先を擦り合わせ]
………
[指先を見詰める瞳は何処か不思議そうな色を浮かべ瞬き、寝間着を羽織ればソファに身を沈め、柔らかなクッションを枕にブランケットを胸元まで*たくし上げた*]
[豪奢な屋敷の一室。
そこもまた自身にとっては生まれてはじめての
まるで物語のような世界だった。
疲弊していたのだろう。
あの後菫の少女に一言二言かけてから、意識を休ませていた。
目を覚ましても、ぼんやりとしていた時間が長かったように思う。]
……あ。
[ソファーに眠っている菫の少女を目に止めれば、
困ったように、ぅー。と小首を傾げ]
わたしが、ソファーでいいのに……
貴女がベッドを使えばいい……けど
寝ちゃってる、かな。
[微苦笑を浮かべ、菫の少女にそっと毛布をかけた]
[シャワーを浴びようと思い立って
するりと衣服を下ろし、浴室の扉を開く。
微かな違和感。
――途切れ、途切れ――断片的――水に流れ――
それでも残っている、あか。]
……ッ。まだ、怪我酷いんじゃ――
[居た堪れない気持ちに襲われる。
彼女は無理をしてはいないだろうか。
それとも、痛みは感じないというのは本当なのだろうか。
わからないけれど。散った赤は、やはり悲しくて。
シャワーのコルクを開き頭からお湯を浴びる。
その流れ湯で、血の後も、流れてしまえ……と]
[どのくらいの量、水を流し続けたか。
赤は目立たなくなった。
すっきりした浴室に、ふ、と息を吐き。
血に気を引かれて身体をしっかり洗うことまで頭が回らず
時間にして数分で、浴室を出た。
バスタオルで水気を吸って、青のワンピースを纏う。]
……、
[呼び名が無いのはやはり不便だな、と。
微苦笑した。
ソファーで目を伏せた菫の少女へと寄り、
そのソファーに凭れるように腰を下ろし、*膝を抱いた*]
[結局は見つけた弾薬も猟銃も再度箱に仕舞って。
鍵を掛けなおす。合鍵でもない限り、開錠できるのは自分だけだろう。
そのまま物置で転寝した後、目を覚ますとこきりと首を鳴らして]
……。
背中が痛いな……歳か?
[他の者に比べたら頭一つくらい抜けているであろう自分の年齢に苦笑。
物置を出て、厨房へと向かう。]
[湯を沸かしながら食料を検分する。
生物は少ないが、日持ちのするものが沢山ある。
しばらく食うのには困らないだろう。無論、調理する人間がいれば。]
ポケットからシガリロを取り出し、湯を沸かす火を失敬する。
ゆらゆらと紫煙が立ち込め始めるのにあわせて襟元を緩め。]
出ようと思えばここから出られそうだが……
それを簡単に許してもらえるのだか。
[厨房の窓の外、広い屋敷の周りは薄暗い。]
[深い水底から引き上げられる様にすぅと意識は覚醒して、震える睫毛はゆっくりと持ち上がり、直ぐ傍の息遣いに思考が追いつかず身を竦めるも、其処に少女の姿を見止め微か胸を撫で下ろせばそろりと身を起こし、肩から落ちていく見覚えの無い毛布に思い当たり、ひと時は膝を抱え目蓋を下ろした其の横顔を見詰め、浮かぶ表情は柔らかい]
「おはよう」
[起きているかは判らなかったけれど唇は挨拶の言葉を告げ、毛布をたたんでソファの隅へと纏めると、朝の光には寝間着に散るあかが幾らか目に付いて、少女の邪魔にならない様に出来るだけ静かに立ち上がり、クロークから黒ぽい服を一式取り出して、シャワーを浴びれば綺麗に洗い流されているタイルに今度こそは浴室を汚さない様に使い、着替えて少女の傍らへ遠慮がちに距離を取り腰掛け]
………
[何時も顔を隠している濡れた長い前髪も今は顔を隠してはおらず、黝く腫れていた右目周辺は幾らか腫れも引いてきた様子で、首元も手首も隠れる黒いシルクのブラウスと、スカートは歩き難いと判断したのか借り受けたジーンズを履いて、クッションを抱いて刺繍の入ったトゥシューズを揺らし、窓の外と時折は傍らの少女を見詰め]
[煙草の火を消して、厨房の換気を済ませる。
自分についた煙草の香りはどうしようもなかったが、すぐ消えるだろう。
紅茶を入れたカップを片手に広間へと戻る。]
……食器も真新しい物、か。
屋敷自体はそう新しいわけでもなさそうなのに。
[まるで中だけが。
モデルルームか何かのように。作り物めいた違和感。]
[あかの散らされた衣類を洗面所で丁寧に洗い干してみるも、淡い色合いの寝間着に着いた染みは落ちきらず、修道女に借り受けた服も眼に見えぬだけできっと同じだろうと、返すのも申し訳ない気がしたのか微か俯く]
………
[ソファに身をもたせ休んでいる様子の少女にブランケットをかけ、空腹を思い出してか無意識のうちに傷だらけの手を薄い腹部に当て、部屋を出れば厨房へ向かうべく広間へと降り立ち、微か鼻先を擽る香りに視線を移し牧師の姿に頭を下げる]
[人の足音に僅か身構えて。
姿を現したのが少女だと知れるとカップをテーブルに置く。]
……おはようございます……というには少し遅いですかね。
ええと、ナイジェルさん。
[幾許か逡巡した後、少女につけられた名前を呼んで。]
[カップを置く牧師の様子をじっと見詰め逡巡の後に紡がれる名に瞬き、少し遅いと言われれば一拍の間を置いて口を開く]
「こんにちは、煙草の、香り」
[疑問系を表す音は無い代わりに首を傾げ]
……。
気のせいじゃないですか?
[にこりと。
慣れたように浮かべられる笑顔。]
……ああ、貴方も紅茶飲みます?
紅茶でも珈琲でも何でもあるみたいですけど。
………
[牧師の笑顔を見詰め唇は「そう」と伝える気も無い程に微かに動き、紅茶を勧められれば一つ頷いて、ちらと厨房へと視線を投げ]
「食べ物も、一緒に」
[一応は断りを入れて右足を引き摺り厨房へと向かう]
[緩めっぱなしだった襟元を締めると厨房へと少女が消えるのを見送り。
袖口を鼻先に持ってくると。]
……意外と判ってしまうものかね。
そう何本も吸ったわけではないのに。
[煙に慣れた鼻ではわからない、と足を引き摺っていては熱いお湯の類は危なかろうと厨房へと足を運ぶ。]
―とある一室―
[昨晩は着替えるのも億劫だったため、下着姿で眠ってしまったようで、ん〜、と伸びをすれば既に昼も過ぎていた。]
体調は万全。
もうお昼なんてとっくに過ぎてたのね。
寝すぎたわ・・・効果に眠気も足しておこうかしら?
[ベッドからゆっくりと出れば窓辺へと歩み、外を眺める。]
・・・出ようと思えば出られそうね。
出たいと思う理由もないけど。
[同様に、居たいというほどの理由もなく。]
あら。外側の壁はなかなかに硬いわね。
[そう呟き、冷水を入れてクイと飲み干し、着替えにかかる。]
[料理など出来る筈も無くなんとは無しに視線は食べ物を探し彷徨い]
………
[視線は籠に盛られた林檎に釘付けになりそっと手を伸ばし――]
[伸ばしかけた手を咄嗟に引き戻ししゃがみ込み顔へと両の手を引き寄せ]
……っ!
[紫水晶の瞳はこれ以上無く怯え慌てて立ち上がれば、流し台へと足を縺れさせながら駆け寄り蛇口を捻って、勢い良く流れ出す冷たい水で夢中で手を洗う]
……っ!
[人の気配に更に身を竦ませ振り返れば牧師の姿にすら何処か安堵した様子で、自身の奇行を目撃されていたかは気にも留めず水道の蛇口を閉め、かかっていたタオルで手を拭いて]
「料理は、出来ない」
[果物籠を指差し牧師も食べるなら持って行くと言う意思表示か]
[流水で勢いよく手を洗う様子に数度瞬いて。
手でも汚したかとその程度にしか考えなかったが。]
……ああ、かまいません。
私がやりますから、あっちで待っててください。
好き嫌い、特にないですよね?
[果物籠に視線を落とすとそれを持ち上げて。]
[小さな鞄からいくつか薬品らしきものが入った箱を取り出すと、うっすら笑みを浮かべてどれにしようかなどと吟味して。]
今日はコレにしよう。
[そう言って、グリーンのラベルの小瓶を取り出すと、中身を少量水に溶かして飲み干す。ドラッグと言った類のものではなさそうだが――。手で口を拭えばもと居た位置へと戻り]
今から食事する気にも、ね。
[そう呟くと、個室のソファに腰掛け足を組み、
窓からうっすらと見える空をぼんやりと*眺めた*]
[かけられる言葉に素直に頷いて果物籠を抱える牧師に数歩近寄れば見上げる]
「ごめんなさい、ありがとう」
[近寄れば感じる消えかけた煙草の香りに触れる事は無く、脇を通り来た道を引き返して広間へと戻り]
ごめんなさいは要りませんよ、ごめんなさいは。
[少女が広間へと消えたのを確認すると、包丁を握って。
器用な手つきで林檎の皮を剥いていく。
桃やらオレンジやら、他にも幾つか果実を切り分けながら]
……やはりナイフのが使いやすいな。
[そんな独り言も零しつつ。
最後に適当にスライスしたパンの間に野菜とハムも挟んで。
皿の上に盛るとティーポットとカップをトレイに載せて一緒に運ぶ。]
男の手ですから簡単なもので申し訳ないですけど。
[そう前置きすると、テーブルの上に置いて。]
[何を想ってか席に座り膝裏の辺りと摩っていたが、牧師がテーブルに置いた料理に瞳を瞬かせ、とりどりのフルーツとサンドウィッチと牧師を幾度も交互に見詰め、我に返りふるふる首を振ってふわと微笑み]
「ありがとう、頂きます」
[皿に取り分けて嬉しそうにサンドウィッチに齧りつく]
[皿の上の食べ物に瞳を輝かせる様子に微笑んで。
ティーポットから紅茶を注ぐと少女の前に置く。]
どういたしまして。
遠慮なく召し上がってください。
[食材を用意したわけではない自分が言うのも妙だったが。
自身もサンドイッチに手を伸ばすと齧り出す。
本格的に滞在が長くなるなら料理のことも考えないといけないのか、と頭の隅で考えながら。]
[ちまちまとではあったか久し振りにまともな食事で満たされれば、両手で包み込んだカップを口許に引き寄せ上目遣いに牧師を見詰め、紅茶を飲み干してソーサーにカップを戻し]
「美味しかった、ご馳走様」
[牧師を見詰め一拍の間]
「ルーサーは、何故、牧師なの」
[別段に訝しんでいる様子でも無く其れは素直な疑問]
お粗末様でした。
[しゃりしゃりと林檎を齧りながら少女にそう応え。
次の問いに咀嚼を止めると林檎を嚥下して。]
……私が牧師になった理由が聞きたいのでしたら。
まぁ……さして珍しい理由ではないですよ。
迷える人を掬いたかったとか、そんなところです。
[予め用意されていた答えは滞りなく口をついて出て。]
[もう一杯紅茶を注ぎフルーツを小さく切り分け林檎と桃をティカップに沈め、牧師の言葉を如何捉えたのか紫水晶の瞳はまた一拍じっと見詰めてから瞬き]
「神は、救って、くれた」
[首を傾げ果物の沈む紅茶をティスプーンが混ぜる小さな音]
[かたりとティーカップを持ち上げる。
ともすれば見逃しそうになる少女の口の動きに視線をやり。]
……どうでしょうね。
ある意味では救ってくれたのかもしれません。
けれどそれが神の所業であるかどうかは保証できない。
そんなところですかね。
………
[ティスプーンを置けばまた両手でカップを包み、甘い果物の香りのする温かな湯気に小さく息を吹きかけ、牧師の言葉に頷き読み取って貰い易い様に一旦はカップを下げ]
「ルーサーは、誰か、救えた」
[再び首を傾げ牧師を見詰めてから紅茶を啜る]
[元から救う気もなければ導く気もない。
そんなことはおくびにも出さず。
少女とは逆に口元を隠すようにカップを持ち上げると]
……どうでしょうね。
たとえ救った人がいたとしてもそれを自分がやったのだと驕りませんけどね。
主のお導きですよ、全て。
[牧師を見詰めた侭に一口こくりと紅茶を啜りカップを置いて]
「御飯、美味しかった」
[其処までの話とは関係の無い唐突な言葉を紡ぎ]
「ルーサーに、救われた、ありがとう」
[紅茶を飲み干せば右足を庇いながら立ち上がり]
「薬、探して、来る」
[広間の片隅で眠る少女へとちらと視線を投げ、食器を持って厨房に立ち寄り片付ければ、屋敷内を薬を探して*歩き回るのだろう*]
[日が徐々に傾いていくのを空虚な目で見つめていたが、
思い立ったように立ち上がる。]
今さらお腹がすいてきたわ。
[厨房でフルーツでも漁ろうと部屋を出れば向こうの廊下でナイジェルを見つける。何か探しているようだったが、別段声をかけることもなく階下へと。]
[少女が去っていくのを見つめながら唐突な言葉に小さく笑みを漏らす。
帽子を取り、白いものが混ざり始めた髪をかきあげると]
……。
私に?何もしちゃいないじゃないか。
――そうだ、私は何時だって何も……
[くつくつと手の平に押さえられた口から零れる自嘲めいた笑み。]
[ナイジェルの礼に軽く手を上げ、歩んで見えるは牧師の姿。]
随分楽しそうね。
何か良いことでもあったかしら?
[小首を傾げてそう尋ねる姿は本気の質問でもないようで。]
紅茶、飲んでたのね。
私もいただこうかしら。まだある?
[いつものように微笑んで。]
嗚呼・・・
よく似た笑い方をした人を
何だか知っているような気がする・・・
誰だったかしら?
――思い出せないわね。
思い出せないということはさして重要でもない――か?
[足音に気付くと笑いを引っ込めて。
それでも見られてしまったのであろう。
小さな舌打ちは笑顔の裏に隠しておく。]
……ええ、まぁ少しだけ。
紅茶ですか?
ありますよ、まだ。
[厨房でティーカップをもう1つ持ってくると、ティーポットから紅茶を注いで。]
[牧師の何を見ようとも追求する気もないのだろう、別段気にした様子もなく注がれた紅茶に対して ありがとう、と微笑む。]
起きたのが遅くってね。
食欲もなかったのだけど、今さら何かほしくなって。
[穏やかな口調で話し、紅茶をおいしそうに飲む。]
――執着するものなんて何一つないけど、紅茶は好きだわ。
[ソファーに掛けなおすと自身のカップを手に持ち。]
皆さんまだお休みのようですしね。
一時的に食欲がないだけでしたらいいですけど。
具合が悪いとかでしたら、ちゃんとお休みになってくださいね。
[当たり障りのない話を。
紅茶を啜りながら。]
……然様ですか。
執着するものがなくとも好むものがあるというのは喜ばしいことではないかと。
[皆まだ降りて来ていないのを聞けば、ふぅん、と気のない返事を。]
食欲は一時的なものよ。
起きぬけはどうもね。
[と言って紅茶に口をつける。]
まあ、好きなものが何にもないよりはいいのかもしれないけど――。喜ばしいとまでは、ね。
[イマイチピンとこない様子でとりあえずの返事を返す。]
まあ、好きなものを口にできるのは嬉しいけど。
然様ですか。
[頷くと、空になったカップを置いて。]
何もないのは――つまらないでしょう。
生きる上で楽しみの一つもないのは、ね。
[一般論ですよ、と肩を竦めて。]
……一般論。一般論か。
私の嗜好はきっとその一般の人とは違うから。
紅茶は……そうね。やっぱ喜ばしいかも。
[考え事をしながらのティータイムは、手元の紅茶を冷ましたようで残りをくいと飲み干せば]
おいしかったわ、ごちそうさま。
[と礼を言う。]
そうですか?
――普通の人に見えますけれどね。
[事実はどうかしらないが。
得体の知れない女を少し見つめて。]
……お粗末様でした。
茶葉にお湯注いだだけですから……美味しいのは茶葉のおかげですよ。
普通かもしれないし、違うかもしれない。
その物差しを私は持ち合わせていないし、測るつもりもないけど。
……何でこんな話したのかしら。
[牧師様のお力かしら?と洒落っけを混ぜて。]
[既に半日以上が過ぎようとしていた。
ネリーは自分用の個室を勧められ、柔らかいベッドを味わうとそのまま意識はまどろみ、意識を明確に取り戻したのは昼過ぎだった。]
これは夢なのかしら?
[手足に残る怪我の痕が嘘ではないことを彼女に告げる。
少し傷ついているかもしれないけれど、精神的には万全。何故ここまで体調が優れているのか思わずくすっと笑ってしまいそうなほど。]
…まあ、こんなものまで、律儀ね。
[いつをもって眠りに落ちたのかは覚えていない。しかし部屋の隅に自分が持ってきたものが置かれてあった。
もっとも、持ってきた物と言えばすなわち身につけてあったもの、そのものなのだが。
白い布や、みすぼらしい古着、果ては金属のものまで。
さらにネリーは目を遣ると、隣には化粧台にも見えるようなテーブルとチェアーがちょんと置かれている。 少し髪を梳き、長い髪を三つ編みに揃えたりして興じる。
部屋を出ると、そこは少し迷路に迷い込んだようであった。360度全てが知らない場所ばかりだったからだ。
試しに得体の知れない部屋の扉のノブを回したりしたが、案の定回らない。
開錠の知識は皆無ではなかったが、ここはそっとしておいたほうがよいのかな、と思いそのまま中央の階段を下りていった。]
ここに来たのは…6人、7人?
アーヴァインも何を考えになってるのかしら。
[ネリーは1階の廊下を歩きながら、このお屋敷には何があるのか少しばかりこそこそしながら回った。]
[ルーサーの言葉にくすりと笑みをもらし、空のカップを両手で包む。]
罪の境界さえあやふやなのに、
普通の境界なんてわからないわよね。
[裁く側の判断とて普通ではないかもしれないのだし。
嗜好の方は肩をすくめてから、そうね、と笑んだ。]
……そうですね。
そもそも他人に買われるなんてことがあること自体、普通ではないでしょうし。
何時だって他人を計るのは難しい。
[両足の上に肘をつくと手を組む。]
物事の多面性というやつですね。
[連続して落ちてくる水滴は、冷た過ぎで体中の筋肉を強張らせたりすることなんか決してない。
勢い良く湯を吐き出すシャワーノズルに頭から打たれたまま、その心地よい温度に目を瞑る]
とっとと出て行くなりした方がいいんだろうけどな…
…気持ちいいや、ここ。
[太陽の匂いがするふかふかした毛布も。
自由に占領していい暖かなベッドも。
良く見れば凝った彫り物などされている家具の配置された個室も。
階下に下りて好きなだけ食べても余るのだろう食料も。
浴びても浴びても無くならない永遠の湯を湛えたかの様な浴室も。
招待主の意図が読めないことを除けばまるで――夢の世界]
…ま、そろそろ浴室くらいは出ておこう。
鍋の中のキャベツになっちまう。
[吐く息すら熱く感じられる頃になってようやく、...は湯を止めた。
血が湯と入れ替わってしまったように全身赤く、頭もぼんやりする]
ああこれ…のぼせた、ってやつ?
[何枚でも使っていい筈のタオルを一枚だけ使い、髪を乾かすのもそこそこに、クローゼットの中にあった緑のシャツを適当に着込む。
もしまともな頭なら、誂えたようにサイズがぴったりであることをいぶかしんだかもしれない。
それでも昨日ポケットに滑り込ませた果物ナイフを新たな服のポケットに移し変えることだけは忘れずに、水を求めて階段を下りた]
物事の多面性――
[空のカップに視線を落とし、ぽつりと反復を。]
買われた時点で一般的には異端かもしれないけれど、
ここにおいてはそれが普通。
[ほんと、面白いわね――と*笑う*]
人殺しですら正当化される世界も、ある。
[空になったカップを厨房へと片付けて。
すっかり闇に包まれた窓へと視線を移せば皮肉気な笑みを浮かべた自分の顔。
溜息一つで表情を戻すと、腕を組んで天井を見上げ。]
[――人殺しという言葉が、談笑するどちらかの口から洩れ聞こえたかもしれない。
広間を通って厨房へ向かう途中、どきりと足を止めて会話する二人の顔を窺う。
…ローズマリーはいつもの様子で朗らかに笑っているし、牧師の方も窓に映る自分相手に皮肉な笑みを浮かべた後、天井を見上げているだけ]
(別段、物騒な話をしていたわけじゃ無さそう…か)
[無意識にポケットの上からナイフに触れ、テーブルの上を見ればティーポットが見つかる]
飲んでもいいんだよな。
[二人へ確認というよりは宣言のように呟いて、ポットの中身が熱くはなく既にぬるいことを確かめると、カップに移し変えずに直接空に注いだ紅茶を口で受け止めて飲んでいる]
[中身をすっかり飲み干し、口の端から零れた分は着替えたばかりの服の袖で拭き取る]
冷たい水の方が良かったなこりゃ。
…カップなんてどこあんだよ。
[不快そうに舌で頬の内側を舐めながら、既に厨房へと片付けられたカップがあったであろテーブルを顎で指す]
厨房に行けば幾らでもありますよ。
まさか誰かに取ってもらわなきゃカップも使えない歳でもないでしょうに。
[呆れ気味の視線は厨房の方へと一旦向いて。
再びナサニエルに戻される。]
[遠まわしに行儀の悪さを咎められている形に、居心地の悪そうな顔で呆れ気味の視線を受け止めながら]
放っておけ、オレの親父であるまいし。
使わなくても飲めるんだからどこに問題がある。
貴方のような息子はこちらから願い下げですよ。
[肩を竦める。
やれやれ、と首を振って]
……そういう発想にいたること自体が問題ですよ。
無防備にそうやって喉元晒してお茶飲んでる間に
首を掻っ切られないと良いですね。
お前みたいなのが親父だったら、生まれた瞬間から絶望して、次の瞬間には悟りが開けてるだろうよ。
[負けじと言い返すも、ぎょっと喉元に手を当てて]
そういう発想にいたること自体が問題、だ?
…どっちが。
首を掻っ切られないと良いとか…それが坊主の発想かよ。
そりゃいいことじゃないですか。
お釈迦様も真っ青の悟りの早さですよ。
[くつくつと喉の奥で笑って。
喉に手を当てる様子になお笑いながら。]
……おや、人を呪わば穴2つ。
人を殺せばまた……恨みを買うことになる。
貴方のことを心配してますのに。
[す、と細めた目は全く心配しているようには見えず。]
ネリー・カリウ
Nellie Carew
20歳前後
身長153cmくらい 細め
心を患った両親をもち、苦労して育つ。
この辺から肉付けしていきましょう。
[――人を殺せばまた……恨みを買うことになる。
貴方のことを心配してますのに。
彼はあの時起きていたのだと思い出し、言わんとする事に気付く]
言っとくがな…
[喉から手を外した代わりに、握りしめた。
言葉とは裏腹に心配している目とは思えない細められたそれを、握り締めた拳が白くなるほどの間見返して]
恨みを買うような事を…殺されて当然なことをしたのは相手の方だ。
奴のための墓穴なら、いくつ掘ったって構わない。
…足りないくらいだ!
オレは今でも、同じ牧師だからって理由で…全くの別人を殺すのも厭わないくらい、憎んでる。
[次第に見返す瞳に、人間味の見えない寒々しさでルーサーを映しながら、声は静かに響かせる]
[薬を探してどれくらい歩き回ったか、結局は薬箱や薬剤があったのは使用人室と思しき部屋で、数種の傷薬を部屋にあった箱に積めて広間に戻れば目的の少女の姿は無く、牧師と男の親子喧嘩の様な一席に入り口で立ち止まりきょとんと瞬き、気を取り直せば部屋へと足を踏み入れ其処に居る人たちに軽く頭を下げる]
……物騒なことですね。
[緩やかに動く手元は何時の間にか聖書の表紙を撫で。]
憎むのは結構ですけど、八つ当たりは格好悪いですよ。
――人に刃を向けるときは自分が刺されることも覚悟せよ。
[肩を竦めるとこつこつと2,3回聖書の表紙を叩き。]
それは無論私に対しても同じことが言えますが。
[人が入ってきた気配に、険しい顔のまま振り向けば]
…ナイジェル。
[とたんに緊張が切れたように力の抜けた体は、椅子に腰を落とさせる。
少女に向き直った頃には表情はむしろ穏やかなものに戻っていた。
彼女が手にした箱を指しながら]
よ。
何だ?その箱…
[声をかけられても一拍は男を気遣う様に見詰め、其の表情や雰囲気が柔らかく成ればふわと微笑み、差し出した蓋の無い箱からは見るからに薬品らしき瓶の数々を覗かせ]
「ネリーの、薬」
[牧師に声をかけられ其方へと向き直り再び軽く頭を下げ]
「殴られたら、逆の、頬を、差し出すのが、教えでは、無いの」
[首を傾げ牧師へと問うは男にかけた言葉からか]
>>352
[今からお前に殺意を向けてやると宣言したも同義な自分の言葉にも落ち着いた声で返したルーサーを、椅子に座ったままそっと見る。
緩やかに動く彼の手元に導かれ目をやればそこに聖書があった。
...はぎゅっと目を瞑る。
今は狂おしさに震わせるでもなく、ただ牧師にのみ届くような静かな声で]
ただの八つ当たり、分かっちゃいるけど…
炎みたいな憎しみが、どうしても…どうしても消えない。
[表紙を叩いた後のルーサーの言葉に軽く笑って]
人に刃を向けるときは自分が刺されることも覚悟せよ、それは勿論私に対しても同じ事が言える?
まるであんたも、人に刃を向けたことがあるみたいな言い草だ。
…変わってるね。
村の設定が変更されました。
[ネリーは廊下を練り歩いていた。たくさんある無機質にも有機的にも見える扉をひねってみたりしたが、開かないものがほとんどだ。]
こういう所って、大事な場所には屋敷の主人の絵画などが納められているはずなのよね。でもきっとあるはずだわ。
だけど…私には錠前やぶりなんて知識はないもの。諦めないといけないかしら、やっぱり。
それにしても、ルーサーさんって凄かったわね。逆の立場だったら不可能よ。
[言いながらネリーは言葉を漏らしていると、会話の聞こえる部屋の手前まで辿り着いた。この部屋は開いているらしい。]
[男の牧師にかける声は人一倍周囲に気を張り続けるのが常の人間に届いたのか届かないのか、実際には男の雰囲気の変化だけだとしても敏感に感じ取っているのであろう、前髪の奥に隠れた紫水晶の双眸は微か揺れ細められたのだろうけれど、男の瞳が細められるのに嬉しそうに一つ頷いて]
「あの傷、きっと、まだ痛い」
[自身の身から想像を巡らせ少女を気遣う言葉を発する辺り、痛覚が無い訳では無さそうだけれど、優しいと言われればきょとんと男を見詰めふるふる首を振り]
「弱い、だけ」
[恥じ入る様に俯く辺りは強く成ろうと望んで居るのかも知れず、続く問いには矢張り一つ頷き、自身の傷を気にして居る様子は余り見られない侭、牧師の言葉に向き直れば不思議そうに首を傾げ]
「彼は、生き返った」
[命すらも差し出すのが教義では無いのかと知識として知っているだけのそれを紡ぎ、別段に人間が生き返るとか非現実的な事は考えて居ない様でもあり、続けて牧師が男にかける言葉に前髪に隠れた眉根を寄せたかも知れず]
「ナサニエルを、傷つけないで」
[ネリーは部屋の中から発せられる空気を浴びた。このまま進んでもいいのかしら?という自制心が現れた。
ほとぼりが冷めるまで踵を返すのも手だが、屋敷の外はおろか屋敷の内も知らないネリーはこのまま立ち去ってもいいものかと悩んだ。]
>>357
先にあるものなんて考えた事ねえよ…
あんな時考えてるのはいっつも、失ったもののことばっかりだ。
[呟きまでもが牧師らしい説得力を持って響く。
...はゆるく首を振ってそう返した。
刃を向けられたら、貴方を刺すかもしれないという話には]
右の頬すら差し出さずに、刃を向けるってのか。
[だがその答のような、差し出したくても殺されたら差し出せませんねという微笑みを忍び見て笑う]
…違いないや。
色々ね…。
人生経験豊富らしいあんたみたいな牧師様が、オレらの親代わりだったら…
[何か肯定的な言葉が洩れ出る所だった口を噤み明く首を振った]
…はなから俗人と見抜いて、信じすぎる事もなかったろうね。
……彼を傷つけないで、と言う前に。
彼が誰かを傷つけないようにお気をつけなさい。
[少しだけナサニエルへと視線を向け]
……危害を加えなければまた私も振り上げる刃を持たない。
[気配を隠すほどのものでもなかったが、このまま立ちつくしていれば迷惑をかけそうな気もしたので、ネリーは部屋へ入ることにした。]
おはようございます、皆様。昨日はありがとうございました。
>>359
だな。
「慣れてる」みたいな事を言ってたけど…
痛みにそうそう、慣れるもんかよ。
早く治してやれそうならその方がいい。
[ネリーの怪我の痛みを気遣う少女の言葉に肯定して頷く。
優しいという褒め言葉に首を横に振り、弱いだけだと答える様子に]
…よわい?
おまえは弱いから、ネリーの痛みを想像して、自分が何とかしてやろうとしてると思ってるのか?
オレはそうじゃないと思うけどな…。
[それは違うと言いたくても、恥じ入るように俯いた少女へ、何と表したものか思案して自分の顎を触る]
でももし弱いからだとしても、ますます痛めつけてやろうなんて思わずに、治してやろうって思うのはやっぱり良いことだよ。
それを優しさって表さなくたって、何でもいい。良いことだ。
おまえはえらい。
[自身の傷を気にしている様子がない少女に眉を寄せてしまいそうになる顔を改め、うまく言葉は選べなくとも、この注意深い少女にはこれで伝わることを信じて頭を撫でる仕草をしながらにっこりする]
[牧師の言葉に男へとちらと視線を投げ唇は微か何かを紡いだかも知れず、けれど誰にも読み取れない小さな動きでしか無くて、牧師へと視線を戻せば一つ頷き]
「私は、ルーサーを、傷つけ無い」
[手振りつきでそう言う迄も無く誰に対しても敵意なんて無いのだけれど、男の聖職者に対する敵意の片鱗は見えようとも何が出来る訳でも無く]
「ルーサーは、ナサニエルを、救わないの」
[問いかければ気配のあった扉が開くのに視線を移し、其処に昨夜の少女の姿を見止めて動き回れる事にか何処か安堵した様子でふわと微笑み、僅か薬箱を持ち上げて見せ]
「薬、あった」
[建設的、咎める、この世の主、教義。
ネリーの今までに自らの中に蓄積し続けてきたものとは大きくかけ離れるものであった。 このような人達でも、ここへ連れて来られる理由でもあるのだろうか]
ナイジェル、ありがとう。あなたにやってもらえないかしら?
[ネリーは少女へ向けて手のひらを向け、指を開いてみせた。
袖が肘の先まであるやや長めのもので、袖口も大きめのコットンのワンピースから、手首が顔を出した。]
>>370
おはようございます。ナイジェルさん。
たぶん、もう元気になったと思います。
[ネリーはにっこりとナサニエルに笑顔を返した。]
「来た」
[少女が姿を現したのに何処か嬉しそうに男の言葉に頷き、男が否定するのに暫し思案して]
「神が、生きてたら、良い」
[ちらと少女に視線を移した事から少女の事を言っていると窺えるのだろうか、男が笑って呉れるのと其の手が空を撫ぜる仕草にか浮かぶ微笑みはあどけなく]
「ありがとう、頑張る」
[男が自身の胸元を掴む様子に男を真似てかそっと中空を撫で]
「怖く、無いよ
ルーサーの、御飯、美味しい」
[幾度か男の頭を撫ぜるふりをして傷だらけの手はまた薬箱を抱え直す]
[小さな革カバンから道具を取り出して、机の上で細かな作業。出来上がったものを小瓶に詰めて。道具をまた片付ける。刻は過ぎ、日が暮れたのに気付いたのは全てが終わってから。風呂で汗を流し、バスタオル一枚で出てくればクローゼットを開く。何故か並んでいる洋服。自分でもいくつか持って来ていたが、用意されたものを着る事にした]
…不思議ね、身体にぴったり合う。
これも彼の意向なのかしら?
[クローゼットから選んだのは黒のワンピース。ともすれば普段の修道服とあまり変わらないのだが。腰のところに小瓶を据え付けたホルスターをつけ、紐で絞っているようにカモフラージュ。カーディガンを着て小瓶を隠すと柔らかいブロンドの髪を垂らしたまま部屋を出た]
………
[牧師を見詰め瞬き]
「伸ばしても、掴めない、事も、ある、から
差し伸べる、手も、良いと、思う」
[世界は平等では無い分は優遇される事もあっても良いのではないかと、途切れ途切れに唇が紡ぎ、少女の言葉に頷いて手招こうとしてから昨夜の様子を思い出し]
「違う、部屋、行く」
[服を脱がなければ薬を塗れないかも知れないと思えば、首を傾げ少女に唇が問う]
村の設定が変更されました。
>>374
私はどこでもいいわよ? 実際痕になっているのは手と足だけだから、ここでも大丈夫よ。でもあなたがそっちのほうがいいと言うのなら。
[そもそもネリーは少女の目をまともに見たことがなかった。その前髪が軽はずみに明るみに出ないから、であろうか。 右と左の瞳、そのたたえる量が違うようにも思えた。
おそらく、彼女は自分自身より傷ついているのだろう。]
神か…私の神とは、どこにどのように在るのでしょうね。
[そう言えばまだ他の場所を見ていなかったと思い立ち、屋敷の中をうろつく]
部屋の数は沢山…なのに居るのは私達だけ?
世話役をつけろと贅沢は言わないけど…人数の割りに屋敷が広すぎるわ。
[ノブを回せば開かない場所もあり。自由にしても良いという割には入れない場所も多い気がした。一通り確認すると広間へ続く廊下を歩む]
[ルーサーとナサニエルのやり取りを黙したまま暫く見守り、少しシテ幾分か小さな声で呟いた言葉は独り言のようでもあり。]
――不思議ね。
そんなに執着するものが出来るなんて。
[牧師というだけで憎むことさえ出来る。
そう思える程の何かを抱える男を本当に不思議そうに見つめる。]
私には、何もないわ。他人の命は当然、自らの命さえ・・・ね。
[――生きたいとも死にたいとも思わないもの。]
これは不幸なのかしら。それとも幸せなのかしら。
[それを測ることが出来るのは、勿論自分一人だが。]
[牧師の言葉にか其の言葉を発する様子にか一度だけ瞬き、少女へと頷き歩み寄りソファへ促せば足元へと肩膝をつき跪いて、脇に薬箱を置けば、そっと靴と靴下を順に脱がせ傷を検め後に上方の少女の顔を見上げれば、前髪はさらりと流れ未だ幾らか腫れた黝い右目の周辺も顕になるか]
「少し、沁みる、かも」
[自身の膝に少女の足を促し薬瓶の蓋を開け、修道女の声に一礼]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新