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暖かい場所から無理矢理引きずり出されるような感じ。
古い表現だと、寒い朝のベッドみたいな、っていうのかな?
……よく分からないけれど。
自分が何かとても大きな存在と一体になって気持ち良く漂ってたのに、そこから切り離されるような感覚。もう一度そこに戻りたいっていう衝動の抑制が「再生」直後の処置には重要だとか、【Inc.】のマニュアルには書かれてるね。
『――それは本質的に、魂の帰巣本能なのではないかと推測されています。生命がその故郷を求め、帰還しようとする現象が死である、と云うのが【Inc.】の見解です』
[右手だけに填めた黒革の手袋から、唐突に声が響いた]
戦う事こそがオレの在る理由だから破壊はその結果でしかない。
強い相手はより洗練されたデータを生むからな…。
[狙い通り、少しの距離を得ると光剣の向きを逆手で持った状態に切り替えた。
威力は劣るがこのほうが一撃離脱はしやすい…。
ギルバートが間合いをつめてくるのにあわせて右肩からぶつけていくように踏み込もうとした所に眼球の軌道に入ってしまった。
一瞬反応が遅れて体勢が崩れた]
[次の瞬間、audreyの目の前にherveyが出現し、その左腕を右腕でひねり上げるようにつかみ取る。
接触。]
所詮過去のversionの防護プログラムだろうが。
[侵攻を阻まれるログが次々と流れる。だがそれでもaudreyの手は離さない]
・・・・・・くくくくく。くははははははははははは!!!!!
[既に正気など残ってはいないのかもしれない]
すごくないよ…。
ただの──子どもだもの。
何時も同級生が相棒なんだけど、装備が良くなったのは彼女のおかげで…。
[「すごいねえ」と言うNinaに首を振る。
その無邪気な口調に、困った様な笑みをうかべ。]
ニーナは、任務の為に再生されてしまうんだ。
じゃあ、逆に。
死は安らか──なのか…な.
[寧ろ自分に問いたい気持ちで、Ninaに首を傾け掛け、突然に右腕が動いた事に目を大きく開く。]
[しゅるり、と。
瞳孔が正常に戻った。
"この場所"は、"家"の一つであり、Audreyは準製作者である。]
……。
[睛を瞬く。
光景を灼きつけるかのように。
"破壊してはならないものが破壊されてしまった"
"目の前で"]
……執事(バトラー)! 今までどこに行ってたの!?
『――監視行動に出ておりました。
『――対象、Audrey.H。分析の結果、【Inc.】の目的に対する重大な危険情報の所持を確認。対象への攻撃手段を試算した結果、当該エリアの個体:Harveyへの干渉が最善と判断』
え――
『――戦闘の結果、Harveyによる対象の破壊を確認。帰還致しました。以上、状況報告終わり』……ど、どういうことっ!? ねえ、執事!
……そんな、勝手に動くなんて、一体どうしたのっ!?
[悲鳴にも似た詰問に答えは与えられず、少女は自らの右手を恐怖の混じる視線でたた*見つめた*]
あーっはっはっはっは!!
[まるで、Audreyの体が焔に包まれるように赤いオーラを放ち始める。Audreyはまだ外見をとどめているが、その表情はどんどん無機質になっていく]
・・・・・・ん?
何か文句がありそうだな、luther。
[にやり]
オードリー?
[心臓がドクンと鳴る様な──大きな音がGeneの内側に響き、そしてクリスタルが弾ける様な音が続く。
唐突に右側にある1つの扉に、強烈に引き付けられる。
何故か、その扉を開けばHarveyが居る様な気がした。]
[彼には何故クインジーの体制が崩れたのかは分からない。
が、これが好機とばかりにそのまま右肩を斬り捨てようと。
短刀がクインジーの方に迫る。]
──Kyrie, eleison。
[微笑は浮かばず、ぎこちない。
それは、感情によるものではない。
AIは、感情を本来の意味で持ちえる事はなく、これは上手くプログラムが作動しなかったに過ぎないのだ。
再度、睛が瞬き、帽子によって影が落とされる]
戦いこそが仕事であって破壊はその結果。
洗練されたデータ。を、集めるのが目的、か。
面白いな。
ウイルスとは言い切れない、でも君はウイルスだ。
僕は仕事を。「破壊」を遂行する。
君はどうする?
[これは避けられない…そう判断すると崩れた体勢で避けようとしない。
ギルバートの短刀が右肩に迫る、その攻撃にあわせて左手の掌をギルバートに向けた。
相打ちを狙ってその左手に光が灯る…]
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