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[普通に考えれば、船の中にいた方が生存率は高かったはず。
それも確率の問題でしかないから、生死の予測は出来ないが。]
二択だったんだが、まあ当たりだ。
…無論必要はない。
だが少々――わかるようになってしまったので、
心地を共有したかったのかもしれん。
〔食い尽くした後の肋骨を指先で摘んで持ち上げ、密かに祈りを捧げる。許しは望んでいなかったが、自然とそういう心境にもなるようで〕
済まんな。単なる組織検査だ。
〔ギルバートの体組織――結果が生前の彼の言葉と一致すればいいと思った。そしてローズマリーの瞳へ思惑の光を探す。
(*…お前の幸せが"ひとつ"のままなら、其の後は*――)〕
何時降りることができるのかはっきりするなら吝かではないがな。
この状況じゃ……
[苦労して噛み千切った肉を飲み込む。
胃が受け付けないような気はした。]
……判った。
準備ができたら呼んでくれ。
一度部屋に戻る。
[皿を手にすると席を立つ。
部屋に置いたままのウサギが心配だったから。]
ま、降りられるようになれば考えたらいい。
――その時に誰が残っているのか、誰も残ってないのかは
神様すらわからないと思うけど。
[神に制御出来る範疇ではないのだから。
そも、神なんて信じてない。]
……一口だけ、もらおうか。
[自分が撃ち殺した男の肉。
半ば儀礼的な食事。
作った者への礼儀として、奪った命の責任として。
言葉通り、一口齧って部屋に戻ると言うローズマリーに*瞬いた*]
救援船とドッキングできる機会もあるかもしれん。
…可能性を持つ者が諦観しているようでは困るな。
〔二人の遣り取りに浅く眉を寄せる。見込みすらないなら操船要員を"喰い残す"意味もないのかもしれない。〕
誰かの糧、か。
〔ナサニエルの言葉に、コーネリアスの最期が脳裏を過ぎる。あの時代の遺物が火を噴いたとき、この友人はああ見えて激していたのではなかったか――〕
下らないとは思わん。
…僕よりはずっとましだ。
理性と野性の両立を望んで、果たせずに居る――
〔生体実験室のケージを破って、実験動物たちを直に抱き締めてやりたい――ここ数年ずっと抱いていた願望。ギルバートの血肉を得た今、それは可能なのだが〕
…糧にもなれない無念というのはあるんだろうかな。
〔卓を挟んでコーネリアスを齧るナサニエルへ尋ねるともなく呟く。――図らずも、同じ葛藤を抱えているのかもしれず〕
――自室――
〔物が極端に少ない、生活感の薄い室内。〕
〔デスク上には、採取した体組織を収めたサンプル容器。
それから、大量の記憶媒体を並べた鈍色のケース。〕
――Rosemary,…
〔仰向けに横たわる寝台は、神経質な此方にはあまり寝心地がよくない。落ち着かなさを滲ませた声が、ボイスレコーダーへ繋いだインカムのマイクへと囁く。…通信は切ったまま、録音モードで。〕
……
Rose…ロゼ。…
〔「その時は…僕の"声"を、これにやってくれ。」〕
〔その時、が何時かはわからない。備えて記録と記憶を一致させる内に気がついた。…ローズマリーのうさぎへ声を渡すために足りないもの。〕
――ローズ…
〔親しげに彼女を呼ぶ声。それがなかった。〕
〔演技は苦手だった。…記憶の中、意味深に笑んでみせるローズマリーへ辿々しく呼びかける。妥協できるものがあるなら採用すればいいだろう、などと馬鹿馬鹿しいことも*考えながら*〕
傍観せずに済むなら全力で動く。
期を待つしか、出来ない。
[銀の髪の彼が投げ続けた届かぬloveletter。
眉根を寄せて右手を眺める。
刈り取ったのではなく、奪った命――]
ラスは、さ。
そんな俺でも出来るなら糧にしようとしてくれた。
[硝子板の向こうの闇。
視線は遠く遠く――遙か先を見ているようで。
答えた声と彼が食堂を後にしたのはどちらが先か。]
―自室―
[ギルバートとコーネリアスの前に座り、
互いを見比べて生前の彼らを思う。]
……お前を撃ったのは八つ当たり、だったのかもしれない。
[銀の髪に小さく懺悔。]
大事な友人をその手で殺して
居続ける理由がなくなったから喰えばいいって、さ、
[俯くままに膝に視線を落とし]
ギルが自分を殺させた理由は俺にはわからないけど……
本当は生きててほしかっただろうに。
――人は人というだけで生きる意味がある。
俺こそ本当は居る意味なんてない。
でも……死ぬ意味もないから。
―メンテナンスルーム―
[動かないウサギから、ケーブルを引き抜く。
いくつかの動作テストと、初期起動。
このときばかりは、ウサギが生き物でないと誰にでもわかる。]
……うーくん。
[呼びかける。
何時もと同じ仕草で見上げるウサギの頭を撫でて。]
……君以外には何もないけど。
もう少し――
〔訪ねたメンテナンスルームでは、物珍しげに室内を見回して―サンプル容器をローズマリーのデスクへと置く。彼女のうさぎが正常に愛らしい挙動をするのへ、やや安堵めく吐息もついたかもしれず〕
――幸せに過ごせるのは、いいことだ。
あれ等に僕たちが負う義務があるとするなら…
充実した時を刻むことくらいだからな。
〔背を向けて呟く。肩越しに振り返って、何か言葉を続けようとし――〕
[突然の来客にも驚いた様子はなく。
デスクに置かれた容器をウサギごしに見る。]
……分析したいのはソレ?
[何が入っているのか――
手を伸ばしかけて、振り返るハーヴェイと目が合う。]
……義務だからといって、そうするわけではない。
それに幸せだからといって充実しているとは限らん。
――そうするしかないから、そうするだけだ。
――。…ああ、頼む。
〔デスク上の容器には、ギルバートの肝臓の一部。
死後丸一日以上経っているというのにまだ色鮮やかで。
此方が口に仕掛けた言葉は間際に呑まれ――
間近に交わす視線の内には、揺ぎ無き意思が潜む。〕
お前は自分が絶望していることを、知っているんだな。
……
〔ふぃと持ち上がる腕。細い肩を抱き包むような仕草。
ちらと見えた白衣の陰には1本のコードが這わされて〕
〔生体実験室のケージでは、保菌状態の侭のシェパードが顎を垂直に持ち上げ、声を限りに遠吠えを響かせる。――
嘆くに似る余韻は、オウオゥ――…と長く引かれて〕
〔密閉状態のケージを抱える宇宙船は、巨大な棺。〕
〔呼び声を聴く者が居るかどうかは*わからないまま*〕
[抱いていたウサギをテーブルに下ろす。
端末から引き抜いたコードを、ウサギへとリンクさせて。]
私は何にも期待していない。
希望も持ち合わせていない。
――否、知らない。
私にあるとすれば、1匹のウサギに対する償いの気持ちだけだ。
[ハーヴェイの挙動を見つめる眉根が少し寄せられる。
僅かに覗いたコードに視線を移して――]
[煙草はもうないけれど、
それも本来欲したものでなく
なかったとて問題のないもので
食料も水も、体さえも本当は必要なくて
ただここで起こったことを記憶する脳だけは
託されたものや託さざるを得なかったものに対して
地球に持ち帰る義務を感じ、
紫苑の瞳と銀の髪の前で膝に乗せた肘――
――組まれた手に頭を乗せる姿は
人が祈りを捧げる姿にも*似て*]
……分析結果は君の端末に直接転送しておく。
後で確認しておくといい。
尤も――
[確認するだけの時間が君に残されていれば、の話だが。
そんな呟きは口に出すことは躊躇われて。
――……テーブルの上のウサギだけが、人事のように。
いつものように毛繕いをしている。]
……ハーヴェイ。
――……本当に何も無いのに。
このウサギごと死んでしまえばいいのに。
何故、私はそうすることができないのだろうな。
[答えは、やっぱり必要としていない。
――だが。]
……君が以前言ったことを確認しても?
[死んだフリはどうしたら止められるのだろう。
たとえ肉の塊と大差なくとも、残された者の義務として。
ただ生きる以上の意味はどうしたら見出せるのだろう。]
――……本当に、何故。
[渦巻く疑問は、働かない頭に澱のように沈んだまま。
――かすかに遠く、*犬の遠吠えが聞こえる。*]
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