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「およ?
ケンカ?ああ、うん。そうだね」
[うんうん、と頷きつつクナイを翻す。悪鬼の超スピードとメイの手練で弾丸を叩き落として、にやり]
「ケンカで決めるのはいいかもね、話が早くて、さっ!」
[二本のクナイで矛を真正面から受け止めようとする]
―2F―
[ステラを抱えたアーノルドを追うも、
活性化がまだ本調子ではないようだ。
見失ってしまった。]
ステラッ!!ステラァァァァァァァァァ!!!!
[周囲に響くばかりの大声で、名を呼ぶ。
握った拳からは、黒に混じり赤が滴る。]
「殺し、た…?」
[驚愕に揺れる声。クナイの一本は払い飛ばされた]
「そんな、あいつは。あいつだけはあたしが殺そうと思ってたのに!」
[一つは弾き飛ばしたが]
[斬撃は受けられ、中空で一瞬の静止]
そうだよ、僕が殺したの。
[どう、とミッキーの分厚い体を蹴り距離を取る]
[→≪"お人形"─ミッキー─メイ≫]
逃げたのに、お姉ちゃんがそれを言うの?
自分だけ逃げたお姉ちゃんがそれを言うの!?
[低い姿勢。矛を振りかぶり、一直線]
["お人形"が援護。対角線からクナイを落とそうと乱射]
邪魔だァッ!!
[目の前に立ちはだかる大男。
金棒を振りかざしている。]
今の私の前に…正義の疾風の前に
立つんじゃあないッ!!!!!!
[顔面に拳を一閃。スイカのように砕け散る。]
どこだァァァァァァ!!!!
[大声で呼び、走り回る。]
[水平に構えた柄をそのままの高さのまま背中越しまで腕を回転させ、関節の限界まで来た時点で一旦止める。
アーノルドとの間合いは約4Mといったところか。
一息で相手の間合いを蹂躙し、侵略し、支配しつくした上で致命的な一撃を与えなければいけない。
選択したのは――]
はぁぁぁぁぁ!
[全身のバネを利用した柄の投擲!
柄とはいえあの超重武器を支える柄である普通の棒よりも遥かに殺傷能力は高い。
柄が手を離れたと同時に、彼女も奔る。
アーノルドの動かぬ腕に向けて鋭い蹴りの一撃を放つ――!]
[扉の向こうからナサニエルの声が聞こえる。奔りながら、万全を期し、自分の回復を考えて彼の望むように呼んでやろうと内心でほくそえんだ]
こっちだ! ホッパーマスク!
「くっ。
家を出るとき、あいつを殺してから行かなくちゃいけなかった!」
[言いながら、黒い毛皮に一瞬で身を包む。
ぽむ、ぽむっ!
不規則に、でたらめに黒い鞠が弾んで、まるで、矛を折ろうとするかのよう]
「わかってる。お説教なんかする資格、ないよ」
[殺らなくちゃいけなかった。たとえ、あの時、明蘭があいつを庇ってたって]
「…明蘭。お人形は、誰の、代わり?」
―2F/どこかの部屋―
そぉぉぉぉこぉぉぉぉぉかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
[扉をバンッと開け放ち、中に入る。]
ステラ……ヒーローが助けに来たぞッ!!
[ステラを放り投げた台座──ステラのすぐ後ろにある──はX字型をしている。つまり拷問台だ。台に彼女を拘束するにはリスクが伴うが──あの型番の拷問台なら──、
じわりと、ボタンをある方向へアーノルドが動いたその時、柄が鋭い勢いで投擲された。アーノルドは僅差でそれを避ける。ガシャァアアンと言う大きな音。
拷問台が立ち上げるボタンではなく、電流のボタンがONになる。]
[振り向く暇は無い。ステラが飛んで来る。
アーノルドは対抗はせず、避ける事を最優先した。
──扉が閉じている。どの隙をついて逃げれば?]
[活性化が、ホッパーマスクの筋肉に追い付いていない。
腕を回す際、筋肉がブチブチと裂けていく。]
オォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!
[雄たけびをあげながら、拳を突き出す。
筋肉の裂けるイヤな音。]
ブラァァァァァァァックサァァァイクロォォォォォォォン!!!!
[ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ──!]
[更に、ナサニエルの後ろから。
マシンガンの音に続いて、手榴弾が部屋に投げ込まれる。
ナサニエルがポーズを決めている後ろでまた自動的に閉じようとした扉が、缶切りで切った缶詰の様なギザギザの切り口を見せて吹っ飛ぶ。
赤いファスナーが巻き付いた奇抜なデザインの衣装を着た女が、同じく赤いファスナーのびっしりとついた黒いバンドで全身を拘束された男を引き摺って、部屋に乱入してきた。──拘束された男はうなり声を上げている。何処かで見覚えが有るそれは、ステラ達を追っている時にアーノルドが混合剤を打ち込んだ男だった。
既に死んだような目。グレンよりも早く腐食鬼化が進んだらしい。]
[厚い毛皮に阻まれて、矛はもろく折れ飛ぶ]
[すばやくナイフをその手に持ち替え、構えて]
[もう片方には、矛の柄]
僕の──
[続かない]
[歩が悪すぎる戦況][ぎゅう、と唇をかみ締めて]
お人形!シャーロットを守って!!
あの女性<ヒト>と、"パパ"を探して!!
[突進][子供の仕草][闇雲に]
「あたしのダーリンをどうしてくれるのッ!
あんた、血清がどうとか言ったでしょッ!!
聞こえたのよ、ねえ、それを寄越しなさいったらッ!
それとも、そっちの女が持ってるのッ?」
[この男はもう戻らない、とアーノルドはつかみかからんばかりの至近距離に詰め寄って来た侵入者達をきわめて追い詰められた状況で冷静に見る。
動けない男の方に、手早く種子を植えた。]
彼女(ステラ)は君達がくい止めてくれ。
[血飛沫を上げて爆発的に成長するエメラルドグリーンの植物。一瞬で男を肉塊に変え、恋人にマシンガンを向ける事が出来ない女を巻き込む。そのまま、緑の触手は新鮮な肉を求めて室内を高速で伸びる。]
[黒い毛皮の鞠が解けて、援護のお人形からマシンガンを奪い取ろうとする。元のグレンよりは戦闘能力が落ちるようだ]
「言わなくても、いいけど」
[レリアをちらりと見て、奪い取ったマシンガンを明蘭に向けた]
[轟音]
ヌォォォォォォォォォォォッ!?
[ブラックサイクロンを撃った後の硬直で、
吹き飛ばされた扉の衝撃をモロに受ける。]
クッ…正義のヒーローに不意打ちとは悪めがッ!!
[腕を振り上げ、侵入者にオーガハンマーを繰り出す。]
[逃げ行くお人形たち。その行方を考えるより先に、手に手をとって走る姿が胸に突き刺さっていた]
「自分が絶対正しいなんて、言えないよ。でも、あんたには大人になって欲しいの!」
[空になるまで打ちつくしたマシンガン]
[構えて、殴りかかる]
[額──肩──胸──太腿──腰][灼熱]
[吹き飛ばされ、室内に転がる]
あはは。
[何故か、笑いが零れる]
……負けない。お姉ちゃんには。
[最後の一本を取り出し][蓋を跳ね上げ、一気に呷る]
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