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んーと……あれ?
ハーヴェイさん……。
[あることに気づいて、私は白い箱から一本の細剣を取り出した]
武器……持ってないね? 危ないよ?
[両手で鞘を捧げ持ち、彼の許へ歩みよる]
自分の身は自分で守らないと、ね?
……私は、
まだ、異能の力について……
納得できずにいるの、だが。
[皆信じているのだろうか。
おかしいのはどちらだ。
おかしいのは―――私?]
……シャーロット嬢は
自らを殺せと謂ったのだ。
主犯の者が2名だとして、彼女が犯人なら1人欠ける。
そして潜む1人。
マドモワゼル・ソフィーを道連れにしようとしたと誰かが謂っていたが、
それは余りにもリスクが高いのではないのか。
シャーロット嬢が
犯人という可能性は低いように、思えるのだが……
かといって、マドモワゼル・ソフィーが此処で告発をしてきたのも……
[眉根を寄せる]
[クインジーの様子に気付き]
傷の様子は…どう?
あまり会話がないようだけど…
現状だとさ、お兄ちゃんが唯一
信頼できるひと、なんだ。
ぼくからしたら、ハーヴェイお兄ちゃんもなんだけどさ。
[と、ぽつりと呟きながら]
クインジーお兄ちゃんは、誰を占って欲しい?
[むせ返る血の臭い。白の中、異った赤。
ソフィーの言った言葉を、頭の中で反芻する。]
私達を集めたのは、監督とやら…
…そして、セシリア様が、その監督だと…ソフィー様はそう仰るのですね…
…ならば、後は私かトビー様を殺せば良いだけ。
それで終わらなければ晴れてソフィー様の偽りが明かされる…
けれど、それでは…また、誰かが殺されるだけ…
ん、だとしたらトビーが犯人っていうことになるね、ハーヴェイさん。
最初から表に出てきて目立つなんて、ずいぶん主張の強い監督さんよね。クスクス。
でしょう、ソフィーさん。その辺りについては如何お考えでいらっしゃるの?
[トビーの言葉に頷く]
……ああ。
希望を―――また見るのだな……?
見る度、衰弱していってはいないか。
大丈夫なのか……?
[少年は幾度か泣き叫び、斃れていたのに。]
……それでも、見るというなら。
私はラッセルを希望しよう。
弁が立つ者―――……
そして、その不安定さが気にかかる。
[色はなお濃くなっていく]
潜むなら、より真摯に言葉を紡ぐ者を選ぶだろうかと。
そうも、思うのでな……
[兄を呼ぶ、兄を。遠い眼。]
思慮深いと感じたのはハーヴェイ。
けれど一度占ったから意味はないわ。
ナサニエル、ウェンディ、ラッセル・・・。
ねぇウェンディ。
トビーが私を希望してたからって言ったけど、
貴女自身、私の事をどう思ってるの?
[???]
[私は混乱した。一瞬のことだけど。シャーロットは――名乗り出た人ではなかったのだっけ?]
ええと……シャーロットさん?
その言葉は……自分が本物じゃない、って前提で話してるようにしか、聞こえないんだけど……?
[ウェンディが差し出す細身の剣。
驚いて、眼を見開いた]
……な、
私――――は。
[躊躇。剣は鈍く光っている。
手を伸ばすか伸ばさざるべきか、逡巡した。]
……
…ラッセル様。
私を信じられぬのは…私の力不足、思慮不足のせいです。
ですが…どうか、私の力が本物である可能性を見ては頂けないでしょうか。
確かに私は、自身を殺せと言いました。
力ある者として、思慮に欠ける言動であったと思います。
ですが…私は、犯人か無実の方か解らぬ方を殺されるより、誰から見てもどちらかが偽者である霊能者の方が有意義な死ではないかと…そう、思ったのです。
そして、昨夜は私が殺される可能性が高かった。
どうして、ソフィー様でなくローズマリー様が襲われたのか…考えてみては下さいませんか。
[ハーヴェイの言葉に]
[彼にだけ見えるように]
[ふわりと笑み]
へいき。
だって、ぼくが頑張らなきゃ…。
一緒に、ここから出よう。ね?
そのためだったら…多少の無理くらいしちゃうよ。
[周囲の話に耳を傾け]
また、バラバラだね。
困ったな。
[嗚呼――それよりも――もっと大切なことを言わなくちゃ。眼前に居るハーヴェイに、私は囁きかける]
ねえ、ハーヴェイさん?
どうして殺さないの?
どうして剣を執らないの?
ねえ、ハーヴェイさん?
どうして――?
[きっと、その時の私は。今まで生きてきた中で、一番柔らかく微笑んでいるに違いなかった]
占い、トビーが本物の異能者なら、今疑わしく感じるのは、ハーヴェイ。意味は、有る。今は、それを論理立てて言うことができないけど。
[そういいながら、* 眠りの世界に堕ちていった *]
・・・どうしたものかしら。
トビーが力を使う前にウェンディが
私をどう思ってるのか聞きたいわね。
聞けなかったらウェンディを占って。
もし聞けたのなら、ラッセルを。
ハーヴェイの次に思慮深そうだからね。
身を潜めるのが上手そうな順から挙げてるわ。
ナサニエルお兄ちゃんは…ウェンディちゃん。
ウェンディちゃんは…キャロルお姉ちゃん。
ラッセルお兄ちゃんは…ナサニエルお兄ちゃん。
ハーヴェイお兄ちゃんは…ラッセルお兄ちゃん。
か。
[きらり][石を握る]
[まだ、痛みの残る掌で]
[キャロルの声に、ちらりと視線を向けて]
昨夜は私、私を殺してと、そう言いました。
そして、私は殺されてもおかしくはなかった。
それならばどさくさでソフィー様をも襲ってしまえば、霊能者は二人とも居なくなる。
けれど…そうならなかった。
占い師の力を恐れたという見方も出来ますが…ソフィー様は襲われぬ立場だったから…とも考えられます。
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