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[首を大きく横に振る]
俺は、人を殺した。
屍鬼が二人殺す間に、俺が、二人。
……俺にはわからないんだ。もう一人俺が俺の中に巣食っていて、それが俺の知らぬ間に、さらに人を殺めているのかもしれない。
わからないんだ。
[呻く声。廊下に居合わせたほかのものにも声は聞こえたろう。]
俺自身にも俺が屍鬼でないと言い切れないのに、どうして夜桜さんが俺を人だと思ったのか……。
あなたさまは、ご自身が屍鬼と仰りますか?
それとも、──鬼と。
[夜桜は艶めいた笑みを浮かべた]
単なる鬼であれば──ここにも鬼はおります。
―食堂―
[ぱたぱた、と 雫が落ちる。
綺麗になった食器が並んでいる。]
……刀。
[不意に心配になったか、
食堂出口の扉へ眼を遣った。]
来海様はどの刀を―――まさか。
[災いを呼ぶ刀、
その名を思い出して、翠は食堂外へ向かおうとした。書斎で、きっと彼はもう手にしてしまっているだろうが。]
[夜桜の黒い、黒い瞳]
[彼岸と対峙し、死者の魂を暴くのだと言った翠の瞳は生命の……萌え出る植物の色に輝いていた。
あれは、『此の世から』彼の世を見る瞳なのだと思った]
鬼――?
[では夜桜は『何処から』人を見るのであろう――。見られたものの影を薄くするほどの力で]
[眉を顰め、早足で歩き乍ら首を巡らせる。
望月達の会話が聞こえる。]
『時間が無いが。
アァ、江原様の事を夜桜さんだけに、今告げる事は無理か──。』
──…望月様。
[最初にタクシーで迎えた時の様に、望月に一礼。]
夜桜さん。
……ならば。
あたしか、望月さんのどちらかを。
鏡で見てもらえやしませんか。
あたしを、屍鬼と思わば
───お斬りなさい。
ただし、後悔は決してせずに。
[夜桜は、来海に向けるつもりの刃物を後ろ手に握り締める。仁科の問いには、]
では──あたしは、望月さまを見ましょう。
碧子さん、貴女には随分失礼なことを云った。
雲井さんにもそうだろうな。
だが、詫びたところで空疎なことだろう。
心から貴女に接していたとしても……貴女が屍鬼であることを知った瞬間、私の心はその圧倒的な願いを前に塗りつぶされていたであろうから。
――そう。
今更戻れやしない。
積み上げてきた屍を前に、どんな弔いの言葉も後悔も無益だ。
[呟きは階上より姿を現した雲井に届くほど強く発せられたものではなかった。]
―二階/廊下―
良い事を謂うな。
確かに此処には、鬼は幾らでも居よう。
[笑いながら言った。]
そう。彼を観るとね。
……では大人しく待つとするか。
ただ、藤峰君の“物語”に私はその思いを重ねていた。
私は“物語”の中に生きてきたんだ。
――望月君
もし君は――翠さんが“倒れた”ならどうするつもりなんだ――
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