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おやおや――
[私は芝居がかった風に両手を広げ、おどけて見せた。]
碧子さん、悪足掻きはよすんだ。
私は屹度、貴女を大事に扱うだろうさ。
肌も、その下に張り巡らされた血管も、肉も、腸の襞の一つ一つまで。
誰よりも情熱的に愛するだろう。
雲井さま。
あたしを信じなくたっても構いません。
都合好い話なら、
あたしはあなたさまに選択を強いるような事は喋りません。
影見を、霊視をと、
探していたあなたさま、
あたしを殺すといい。
―3階自室―
[来海は大きく息を吐くと深く椅子に掛けた。
そして、永く断っていた酒に手を掛ける。]
『思えば此の世は常の棲処に非ず』か……
死んで何がある…… その先に何が……
天賀屋よ、そっちは何が見える?
冷たいか? 暗いか?
俺は、怖いよ……
おかしいか……
[来海は杯を飲み干すと、静かに目を閉じた]
私、この方達に殺されたくはありません。
醜い姿で死なせないで。
[激しい囁き。
微笑が張り付いた唇のまま、夜桜を凝視して。]
――二階/食堂――
施波さんが居ないなら、そうね……杏、貴女は文が読める?
読めるなら、立会人になって欲しいのだけど。
[其の問いに、杏は少し哀しそうな表情で首を振った。幾つの頃から十三の下で仕えてきたものかまでは判らぬものの、其らの教育を受けるゆとりまでは無かったのであろう]
そう……なら、まだ良いわ。
それよりも、もう一度さっきのお紅茶を淹れて下さるかしら。もう暫く、ゆっくりしていきましょう。
――二階/食堂――
「はい! ……いえ、かしこまりました、さつき様」
[弾んだ声で厨房へと向かっていく杏の背を目にしつつ、さつきの想念は屋敷の者達、客らの姿を思い浮かべた]
『影見、霊視、影封じ――屍鬼に相対する能力を持つ人々。
確かに、今この館に居るはず。
私の力は極く半端なものでしかないけれど――感じる』
“機”が、満ちつつある――
[仁科を目で追いながら低く呟いた]
止せ――。
[それは望月の声であったのだろうか?
鍔が震える音が響く]
抜かれた刀ならばここにある。
皆が皆、血にまみれることなど必要あるまいに。
[斑に血の跡が残る――それでも大分清められた首を、天賀谷の首に並べて安置する]
大丈夫、碧子さん。
貴女はきっと美しいままだろう。
たとえ貴女が朽ち果てたとしても、その細胞の一つ一つまで、私は見守り続ける――。
これほど熱烈なアプローチはないんじゃないかね?
望月さん……
[経が、響いた。
血塗れの部屋に、水音がひとつ、ふたつ。]
……私、
刀を抜けそうに……ありません。
[鬼にも、仏にもなれると夜桜は謂った。]
それなら、せめて
私は、私に出来る供養を―――
つとめを、果たしに。
[ふ、っと振り向きざま歩き出す。
夜桜が謂った、あの黒い美しい蝶の元へ]
――大河原様。
[彼岸を覗き見る瞳で、真実を見極める為。]
無駄だ!
無駄なんだよ、碧子さん!
そこの雲井君は、君にこれっぽっちの憐憫も感じやしないさ!
貴女が首を斬られたくないなら、願う相手が違う。
雲井さま。
では、あたしを殺しなさいませ。
[濡れた目をすぅと細めた怜悧な輝き。]
あたしは、
[だが、続ける言葉はそれ以上はない。]
残念ですけど、枚坂様……
私のこの身はもう雲井様に預けてしまいました。
そして私の魂は…
天賀谷様は私をどうしても手にお入れになりたかったようですわ。
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