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このままだと腕が壊死しちゃうかな……。
いくら人狼っていっても、相手はオレと仲良くしてくれた人だし……
[両手で印を結ぶ。]
ローラーストリング、解除。
[白い糸が、グレンの身体から離れた。]
[空中に留め置かれる感覚が喪失し、
落下が始まった事に気付くや否や
グレンはその超人的に鍛え上げられた腹筋と背筋を使い
全くの空中で宙返りを打った。
中空でわずかに移動することに成功する。
そのまま穴の縁に激突し、
お世辞にもかっこいいとは言い難い様子でなんとか床に立ち上がる。
そして天井のリックを見上げる事も無く
壁に立掛けられている木槍へと走った]
[攻撃が相手に当たらなければ意味は無い。
そのためにはいくつか方法がある。
グレンは必殺の蹴りをマンジローに避けられてから
ずっとそれを考えていた。
相手の意表を衝く。
そのために編み出した技がある]
いくぞリック!
[突進する。
いつもと変わらぬ猪突猛進ぶり。
だがそれはフェイク。
助走をつけ、手にした木槍を使い
棒高跳びの要領で天井近くまで跳ね上がる]
バリスタ
床子弩!
[空中でしっかりとリックを見据え
渾身の力を込めて木槍を投擲する。
だが、それもまたフェイク。
いくら意表を衝いたとはいえ
ただの槍投げでは簡単に避けられるだろう。
だが、そこに油断と隙が生まれるはずだ。
そう考えたグレンはそのままリックに向けて落下し
踵を叩きつける!]
カタパルト
投石器蹴り!
[槍がこちらに向かって飛んで来るのを察知し、リックは槍の方向へと傘を作る。]
くっ……
[槍がリックの傘を突き破るのを防ぐため、リックは傘でそれを撥ね除ける。]
……………ッ!!
[しかし、それはフェイク。グレンの踵が、リックの身体に突き刺さった。]
ぐああああっ!!
[リックは壁際まで勢いよく吹っ飛ばされた。]
あ、当たった!
[練習中はなかなか成功しなかった必殺技が
ぶっつけ本番で成功して喜びに打ち震える。
やはりグレンは実戦経験に乏しすぎた、
戦いの途中に注意を逸らしてしまう]
ぐっ………
[血反吐を吐き、リックはヨレヨレと起き上がろうとする。顔を上げ、呟く。]
やっぱり……
[右手をかざし…]
あの時、首絞めとけば良かった。
[グレンの首を絞めようと、彼の首に糸を巻き付けた。]
[セシリアに連れられてやってきた訓練場では、すでに戦闘が始まっていた。
その戦っている相手が、リックとグレンである事実に、セシリアは言葉を失う]
やっぱり、始まってたか……。
[昨日は何も考えずにグレンに後を任せたが、消去法でいけば、残る二人が互いを疑うのは目に見えている。よほど昨日の己は余裕がなかったのだろうと下唇を噛んだ]
[せめて、リックが手の届く距離に居れば…!
酸素を求めて喘ぎながらもリックに向けて手を伸ばし、
じりじりと間合いを詰めていく]
[グレンの渾身の踵落しと、リックの糸が互いの余力を奪っていく。特にリックは先ほども自分と闘い、疲労困憊のはずだ。
それでも互角に戦えているのは、やはり経験の差なのだろう。
だが、ラッセルは迷っていた。
どちらかは間違いなく人狼だ。だから穴に落とすことで、みんなを開かずの間より助け出すことができる。
しかし、その最後のヒントが見当たらない。
二人とも真剣で、どちらも人狼とは思えなかった]
くそ……。どっちだ……。
[間違いは許されない。額に手を当てるが、失った血が戻っていない頭は、ぼんやりと霧がかかっている。
思考がまとまらない。
その時、隣でセシリアが呟いた一言に、はっとなった]
「ウェンディちゃんがいたら……リックくんは止められるから、その間に私がグレンさんを止めれば……」
それだ。
[自分との間合いを詰めるグレンを見て後ずさる。]
不死身かっ………!?
[だが、そこは壁際。どすんという音が、リックの背中全体に響く。]
うわっ…………
わああああっ!!
[青ざめたリックは、グレンの足元目掛けてもう1本の糸を放った。]
[2本の糸を使い切ったリックは、糸を伸ばしながらじりじりと移動し、グレンとの距離を広げようとしている。]
な……なんでそんなに動けるんだよっ!?
これが、人狼の力………?
[最早まともな思考はできなかった。
凄まじい苦しみに悪鬼の形相でただ進む。
脳裏にここ最近の出来事が走馬灯のように浮かんでは消える。
夜道でスコップをキャッチして喜ぶリックの姿。
愛らしく微笑むウェンディ。
グレンの頬をつねって笑うマンジローの顔。
幸せそうにラッセルに微笑みかけるメイ。
ローズマリーの店で困ったような表情をしていたハーヴェイ。
そしてこの訓練場で華麗に拳舞を見せたラッセル…]
―訓練所・前―
[一人の男が、訓練所の方へと歩いて来る。ラッセルの傷を見て、その傷が自分の作った武器が与えたものであると確信したからだ。]
『……ったく……!
なんで俺の息子がラッセル相手にバトル挑んだんだか……!』
[彼は訓練所の様子が見える場所まで、一気に駆け抜ける。中の様子を見て、彼は言葉を失った。]
[目の前には、糸で首を絞められ顔面蒼白で横たわる新入生と、それに恐れおののき後退る少年の姿。しばし衝撃に面食らった後、彼は叫んだ――]
『リック!何やってんだ!?』
[少なくともリックはウェンディの心に反応するし、もしグレンが狼であったら、手を止めてくれるかもしれない。
かもしれないの連続でしかないが、やらないよりはましだった]
く……。
[息を吸い込むと胸が痛む。だが精一杯胸を膨らますと考えた言葉とともに吐き出した]
人狼ぃ! ウェンはごめんなさいと泣いたんだ! お前が相方を裏切ってどうするんだぁ!
[そして、ラッセルは、痛みに視線を俯かせたまま、全てを終わらせるべく「彼」に向けて走り出した]
『エピ突入後もしばらくRP続行OKです。
決着が着いてから楽屋トークに移行するのも、その後楽屋トーク中にRPを入り混じれさせるのも無問題』
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