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[頷く代わり緩やかに瞬き――其れももう直ぐ出来なくなるけれど――一つを返し、ハーヴェイの動向を見守り、示される手術室へと向かい歩き始め、扉に手をかけゆっくりと彼を振り返る]
其の時は思う通りにすれば好い。
だから、此処に居る。
俺は俺のやり方で、足掻くだけ。
[準備を始めるハーヴェイを見詰め、紫苑の眼差しは伽羅色の煌きを零し、緩やかに被りを振る]
ただとは云わない。
俺の血肉を生で喰えば当分の間、感染症の類は危惧する必要がなくなる。
[手術台に大人しく収まり渡されるメスを握り、ハーヴェイと鋭い刃をもつ其れを交互に見遣り、手順を問う如くゆっくりと首を傾げた]
[ハーヴェイの言葉に一度は不思議そうに瞬き、次いで口唇はゆっくりと朧な三日月を浮かべて、暫くは小刻みに肩を震わせる間もあり]
――…足掻いてるよ。
[メスを見詰めぽつりと呟く]
ハーヴェイには、そう見えなくても。
闇と光で目が眩む中でずっと――…
[足掻いてる、と口唇だけが音も無く繰り返す]
…了解した。
お前の遣り方とやらは、この船が記録するだろう。
〔手術室へ据付の記録用カメラを示して口にする。眩しいほどの白色光の下、紫苑の瞳へ兆す異なる色合いに目を細め――遣り切れないといった態で被りを振る〕
それは…魅力的な見返りがついたものだ。
Nicholas Gilbert――お前は何を背負う?
〔畑違いも甚だしいとは言え、治療の為の施術ではなく摘出のみであれば問題はない筈で。程なく用意が整うと、ギルバートの瞼周りへ手早く塗布式の局部麻酔を施し〕
――……
これは嫌がらせだからな。
〔マスク越しのくぐもった声。〕
〔声が返る前に、彼の瞼は見開いた状態で周りの皮膚へと縫いつけられていき――〕
記録なんて――…
[要らない、と小さく呟き、眩い光に殆ど視界は奪われているけれど、ハーヴェイの被りを振るらしき気配は感じ、身じろがずとも何処か不思議そうな様子は滲むか]
俺の事は、知らない方が好い。
運良く還れても、殺されては無意味だ。
[必要無いと伝えた筈の麻酔を――殆ど麻酔は効かないのだけれど――施され、皮膚の縫い付けられていく幾らか麻酔に和らげられた感覚にも、さしたる表情の変化も現れず]
そうかも知れ無い。
違うかも知れ無い。
人間は――…嘘吐きだ。
[自分の部屋へ戻る。
頬をぬらす水は袖で強くぬぐうと部屋の中を引っ掻き回してからようやくひとつを見つけてほっとしたような表情の後にそれを手にし、重みに少しだけ眉を潜めた後、それをポケットに滑り込ませて自室を出る。
タブレットの残り半分を下の上でゆっくりゆっくり溶かしながらニコルを探す。
先ほどの廊下、食堂、中核部、そして──医務室のほうへと。
一応とばかりに扉をノックして中に誰かの所在があるかを確認して]
…Nicholas Gilbert.
〔弱音は吐く癖に頼らない。この友人未満の男は。
手付きに苛立ちは表れず、降らせる声は獣を甘やかす如き其れ〕
僕がお前に伝えられることは少ない。
お前が僕に伝えたいのは知識ではない。
それだけは知っているから…
今笑うな。
今泣くな…
いま、殺したくなる――
〔傍らへ用意してある義眼が灯りに透ける。似て非なる色味よりはと、透明感のある黒を選んだ。手元はやがて眼窩から収めるものを引き上げる、ねちゃりと体液の絡む*音がして*――〕
如何、かな。
[泣きも笑いもしないのは云われたからでもなく、其処に何の感情も浮かばないからでしかなく、何の施しを受けている心算も無い素振りは野良猫の様でもあるか]
――…ハーヴェイに殺される気は無い。
[代わりの瞳が入るも違和感は残り、幾度か瞬いては具合を確かめるもあり]
助かった。
[手術が終わり謝辞ともつかない言葉を述べ、視力を失った筈なのに伸ばす手は迷い無く、自身の眼球の入った其れを確りと掴んで、緩く首を傾け両手で形状を確かめ、ゆっくりとハーヴェイへと顔を向け]
中核部でトラブルがあったら、ラッセルを頼ると好い。
[二度と逢う事も無いであろう相手にも後ろ髪引かれる事も無く、云い残し自身の眼球を持って手術室を出て、一度は自室に立ち寄りベットサイドから煙草を取る]
[煙草を咥え火をつけるでもなく部屋を出て通路を歩く姿は、歩調は違えど煙草を呉れた人物に良く似ていたかも知れず、ナサニエルの部屋へ無断で入り込み、自身の眼球が入ったカプセルと、咥えていた煙草をテーブルの上に置き、メモも残さず入った時と同じく静かに部屋を出る]
崩し将棋は――…無理か。
[呟き夢遊病者の如き常の足取りで、コーネリアスを探し通路を歩む]
[医務室にいたのはいつも以上に不機嫌そうなハーヴェイで、ニコルの所在を尋ねればやはり不機嫌そうに出て行ったと告げる言葉。
ややしてから男に尋ねる]
──人は、心臓と脳と、どっちを壊せばすぐに死ぬ?
[迷いも躊躇いもない声に軽く面食らったような表情の後に答えを教えてくれた不機嫌な研究者に礼を告げて、そしてやはりニコルを探して彷徨う。
廊下でその姿を見かければ声を発しただろうか]
───ニコル。
[稀な戯れには無言で和やかな視線を返し
去り際ハーヴェイが言い掛けた言葉に思考をあてて、
その表情には何も色はなく彼の去り際に薄く笑った。]
死神なんて、いない……。
[居るのは¨人間¨。
ラッセルの問いかけには]
――ああ、俺は……
[ちょっと、と言ってラッセルを見送った。]
[見えずとも気配に一旦は歩みを止め、声が聴こえると一旦は瞬くももう無意味と思い直したか、僅か口許を緩めるもあり]
コーネリアス、将棋しよう。
[相手の返事を待つでもなく、自室へ向かい常の歩調で歩き始め、部屋に着けばラッセルより貰い受けたタブレットを胸ポケットから取り出し、コーネリアスへと差し出す]
はい。
…将棋?
え、あ。ちょっと。
[決心が鈍らないようになるべく短い時間で済ませたかったのだけれど、当の本人があれでは無理だろうと嘆息してから彼の後を歩き出す。
極彩色の部屋の中へと足を踏み入れたなら、差し出されたタブレットに唖然として]
…なに、これ。
[受け取ることなく、そのまままっすぐにニコルを見返して]
[戻るなりテーブルの上の゙それ゙と煙草を見つけて]
……それが、お前の答えか。
[苦い顔。]
どいつもこいつも馬鹿野郎だ。
[自分もまた――
ゆるゆると首を振り、テーブルの煙草の代わりに受け取ったオムライス味のレーションを胸ポケットに入れる。]
ちょっと行くとこがあるから。
……後で迎えに来るよ。
[瞳にそう言い残し……部屋にロックをかけて出かける]
コーネリアスの食料。
肉は食べないんでしょう?
[受け取られる事の無いタブレットを持った儘に、視線は感じるのか緩やかに首を傾げ]
…そういうことを聞いてるんじゃ
[ない、と言い切ることが出来なくて、俯いた。
瞳の色が変わっていることに気づけないほど、全てに耐えられないままゆっくりと手を伸ばしてタブレットを手にするだろう]
……ごめん。
[呟いた声は、空気に溶けて消えてしまうほどに小さく力なく震え]
コーネリアスが謝る事は、無い。
[受け取られるタブレットに手を引き]
コーネリアス――…
[薄い口唇を噛む]
我が侭は、もう云った。
是以上は、厭なら無理強いはしない。
でも――…
[拳を握る]
叶うなら俺を――…
[食べて、と小さく囁いた]
[足はまっすぐにセシリアの所へ。]
――ちょっと来い。
[ぐい、と腕を掴んで相手の承諾も得ずに引き寄せる。]
……船長、見つけたのは誰?
事故死か、殺人か……お前じゃないのはわかってる。
[耳元で囁いた声。
セシリアの髪を――常の乱雑さではなく――優しく撫でて、その手にレーションを握らせる。]
……やる。
前に煙草と交換で、ギルにもらった。
[彼に煙草は返された。
彼は覚悟を決めた。
食べるのは彼でも自分でもない。]
…っ……!
[手の中に残ったタブレットの包装が、強くこぶしを握ったことで少しだけ悲鳴を上げた。
どうしようもない状況なのに、どうしたら彼の望みを叶えてやれるだろうかと考えることはそればかりで]
……ごめん。
ホント、ごめんね。
[涙が落ちるのと同じくらいだろうか。
タブレットを持たない手に握られていたのは子供騙しのような旧世紀時代のデリンジャー。
叶うならば、と告げる言葉にようやくまっすぐに前を見据えて]
…わかった、食べる。
他の、誰にもやらない。
ニコルの全部、俺が食べるから───
[堪えていたはずの涙がぼろりぼろりとやはり頬の上を伝い古い銃口はその額を狙って───]
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