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本気の鬼ごっこまでもう少しさァ。
[ひらはら舞う] [薄墨桜の花弁] [隻眼の碧潤み]
誰も彼も小難しく考え過ぎだヨゥ。
アタシァ莫迦だからさっぱり判らないのにさァ。
[カラリ] [コロリ] [途切れ途切れの言の葉]
[酒宴の席へ着き] [周囲を見回し] [小首傾げ]
なンぞ、内緒話かえ?
[戻ってきた瓢箪から手酌で盃満たし
喉鳴らし、旨そうに流し込む。
鼻の良い者からすれば、木天蓼の香りは明らかか]
[視線を白へ移すと]
信ずるかどうかは我が死した時に…。
それは何ぞ、どのような意味を含む言か?
それとも、戯れか。
[盃を手元で弄ぶ]
[目をそっと開け、ふっと俯く。]
青司様のおっしゃる通り……。
もし仮に、狩人を見つけ出す前に、万次郎様が討たれたらどうなりましょう……?正直、恐ろしさを感じたのは確かです。
何故、わたくしが妖しであるという情報のみをわたくし達に差し出し、あとは暫く黙ろうとしかのか…。そして、何故「内々に」とされたのか……。真意がはかりかねます。
[雫が青焼くも気付かずに。
ゆぅるり杯廻し酒廻し]
ふゆか。
青司は何故ふゆと読む?
[差し出し戻る杯見遣り、水杯口付け]
やれ、気持ちだけ貰っておこう。
[酔わぬわけでは無いが酔い難い。
なれどこの酒は]
……何ぞ、これは…
[くらり僅かに意識揺れ]
[白の言葉にちらと視線投げ。
月へは己が口元に人差し指添える]
計れては真意も何もなかろうて。
やれやれ、これでは何処まで内々かのう。
[現れる常葉と赤色。万次へと肩を竦める]
万次から聞けば良い。
[青からまわった只の酒で盃を満たし舐めるように味わいながら]
月の君。
少々誤解があるようだな?
内々にというのは、我の存在ならずも
其方に危険が及ぶと考えた故。
あやかしであると証明されたなら、狩るモノ達も容赦はすまい。
[一息に述べれば、乾いた喉を酒で潤し。一息ついて]
[杯置いて、酒満たし。
ひとつ煽れば開耶へと]
花は春を待つのだろうて。
春の夢見て眠る季節はふゆよ。
[くらり酔い回る姿にからり笑う
己もゆらゆら揺れるは酔いのせいか]
かっかっか、これはさすがに効くのう。
おう、なんだい皆して辛気臭ぇ顔してよ。
[ふと香った酒の香に]
ははあ、変わった酒持って来てるんだぁな。
随分強そうじゃねえか。
真にな…此の宴では内々もなにも。
[嘆息とともに洩れる低い笑い声]
内緒話だ、常葉の君。
名を明かさぬ其方には、関係のないことよ。
[しれっと躱し、青から受け取った瓢箪を放り返す]
[青司から口許を制され、ピクリと紅の唇を動かす。]
……………。
[万次郎が言葉を発す。
その言葉に視線をゆるりと向け、青司の指に唇に触れられたまま言葉を紡ぐ。]
嗚呼、これも疑心暗鬼と申しましょうか……
貴方様がわたくしを楯にして、ご自分だけが生き残ろうかと……疑念すら及んでしまいました。
わたくしの「命」を守る為、ですか……。
なンだィ、辛気臭い顔並べちまってさァ。
どうせ酒飲むンならもう少し楽しそうな顔くらいしたら如何かえ?
[周囲の言葉も聞こえつ] [青鬼の言葉] [万次郎見遣り]
アタシの名はァ高くってネェ。
呪(しゅ)に囚われるなァ性(しょう)に合わなくってさァ。
別段に訊かずも構わないけどネェ。
内緒話ねぇ。
[眼を細めてにいと笑う]
ああ、万次郎の獲物は目ぇ覚ましたかい?
それともまだ寝ちまってるのかい?
一回死合ってみてぇもんだけどなぁ。
おいおい、それとこれで二口ばかりで酔うておるのに
またそれ遣すか万次よ。
よほど己を潰したいようだな。かっかっか。
[空の杯持つまま、瓢箪受け取り損ね胡坐に落ちかけ慌てて拾う。
そのままひとくち煽り、相棒へと投げ渡す]
よう相棒、お前さんでもこいつで潰れるかな?
さて、意味なぞ無いが。
ただ疑問に思うたことを問うたまで。
[赤隻眼、常盤。
二つの影が戻るを見れば細かに語れずそれに留め]
[酒の言に額押さえて]
木天蓼か…やれ、全く…
[は、と吐く呼気も乱るるか]
成程、なればふゆと見るも道理か。
[返しはするが酔い早く。
零さぬ前にと杯空ける]
[杯を置かぬは既に頭も酒が回ったか]
月の君よ。
主様からの命なのだ…
アヤカシらの存続を最優先し狩るモノを排せよ
とな。
[今度は木天蓼酒。
もう其の体は木天蓼の香にすっかり包まれて――
それでもなお、盃を満たし揺る緩と口にする]
[ぐびり][水飲み][万次をみやり]
魂は嘘をつかぬ――それだけじゃ。
わらわが先に逝くやもしれぬが。
[向ける笑みは妖艶で]
[染まった袖で口元を拭う][赤と碧が来る頃には続きの水を飲んでいようか]
おう、相棒。先にやってるな?
[瓢箪受け取り振り笑い]
俺ぁそうそう潰れねぇぜ。
っとお、こいつぁ木天蓼酒かい。
また猫の好きそうなモンだなぁ。
ほう。
其の呪を賜るには如何すればよろしいか、常葉の姫?
[盃片手に、芝居がかって――其れもつかの間]
訊かぬでよいのなら、こちらも無理に名は問わぬ。
狩るモノを排したいと思うのならば、名を明かすが吉だがな。
[ちびり、ちびり...
飲み方を心得たか、木天蓼の香りをまき散らしながら
盃の中身を減らしてゆき]
おう相棒。さてはて、どれがどの瓢箪だったか。
どうにも酔いが回ったらしくてのう。
呑めばただの酒かそうでないか区別つこうぞ。
[からから笑いに反して据わり目、赤鬼へと返す]
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