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[近づいてくる気配がある。
しかし、身体に力がこもらない]
…
[ラッセルが倒されているのを見て、歯を食いしばる…]
[彼が向かう先――そこには、魔力を使い果たし酷く消耗しているニーナの姿があった。首を振り、ウェンはナサニエルの前に回りこむ。抱きしめるように彼を止めようとした]
どうして?
どうしてニーナが仇なの??
.....
どうして、泣きながらニーナを仇だなんて言うの?
[血を吐きながら、尚もニーナに敵意を向けるナサニエルが、目覚める前に見た、赤い血の涙を流すナサニエルの姿とだぶる]
ニーナ、本当にあなたの仇なの?
[ナサニエルを疑っているのではない。
ただ、ニーナがとても優しい性格で、人と争うことを嫌っていたのも知っている。
そして、赤い涙を流しながらナサニエルが自分達を攻撃するのあから、余程の理由があるのだろうと思ったのだ]
ど、け……。
どけぇぇぇぇ!
[魔力切れにより、喉が擦り切れた状態で叫ぶ。
だがその力は弱く、ウェンディにすら止められるだろう。
その時、コツン銃口が当たった気がした]
泣きなどしない……。
いや、泣いているのなら、それは嬉し涙だ……。
あいつの薬のせいで、俺の家族は……。
[無理に歪めた口は、笑みではなく慟哭だ――]
なら…
森を、焼こうとした…森を、汚そうとした…
そういう人達を…見過ごせ、って言うの…?
あたしは…武器を作った人じゃない…
使った…使わせた人を…恨む…!
[ぎり、歯ぎしりを一つすると、ふら、と立ち上がる]
あなたは…
今まで、殺してきた人…の、事を…考えた事が…あるの…?
仕事、だから…?
自分の復讐…のために…関係のない者を殺したの…?
なら…その人達の事…考えた、事が…あるの…?
何言ってるの。ナサニエル、泣いてるじゃない。
辛くて辛くて仕方がないって顔で泣いてるじゃない……。
[下から覗き込むウェンの顔も、酷く泣きそうな顔をしている。ウェンは、自分の体に当たった銃口を両手で包み込み、穏やかに言った]
……薬のせい?
なら、薬を使った人が悪いのであって、ニーナが悪いんじゃないわ。ニーナは仇じゃない。
[そして、微笑む]
うん、私も、ナサニエルのお父さんとお母さん、大好きだったよ。身寄りの無い私に、優しくしてくれたもの。とっても、優しいお父さんとお母さんだったね。
ねえ、ナサニエル。
そんな辛そうに仇を討とうとするナサニエルを、お父さんとお母さんは、嬉しいって思うかな……。
私ね、あんなに優しかった人達だからこそ、そんなナサニエルのこと心配してると思うよ?
[ナサニエルの笑顔は、勿論、ウェンディには泣いている顔にしか見えない]
……止めよう、ナサニエル。ナサニエルも嫌なんでしょう?
お願い、人の心を失わないで。
私はずっと傍にいるよ。
だからお願い、もうそれ以上泣かないでナサニエル。
……辛いよ。
[微笑みながら懇願する。大きな青い瞳から、大粒の涙を流しながら]
関係ない人?
[ニーナの言葉に、これまで殺めた人々の恐怖に慄いた顔が浮かぶ。
だが、それは依頼人がそう望んだからだ。
もし、それが復讐に関係ない人だというのであれば、間違いなく殺したのだろう。
それが彼の存在意義だったのだから。
……存在意義『だった』?
過去形。
すでに終わった事。
そんなはずは無い。
自分の中で終わっていないのだから、ここまで血溜りで汚水を啜りながら生きてきたのだ]
関係ない人……。
ああ、殺したよ。
それが俺の存在理由だから……。
そうしなければ、今まで生きてこれなかったから。
だから……だから……その先に何があっても、後悔などしないんだっ!!!!!!!
[そう叫んで、命を削ってまで魔力弾を撃とうとした先で、とても心に響く音が聞こえた。
それは、何処か昔に何度も聞いて、何度も止めようとした悲しい音で。
だから、ナサニエルは、その日初めてしっかりとウェンディを見つめた]
[ウェンディの言葉など耳に届かない。
ただ、頬を伝って落ちていく雫を、何かに魅入られたかのように見つめていた]
それだけ…?
なら、貴方は人間である事を捨てたの…?
[じ、とナサニエルを見つめる]
生きたい、って…
誰かと、一緒に…暮らしたい、って…
思わないの…?
ただ…人を、殺すだけの為に…生きてる、なんて…
あなたは、その後…何が、したいの…?
[悲しげに見つめる。
ウェンディに抱かれたその姿を]
なんで…あなたが、憎んだ…ヒトゴロシの、道具に…
自ら、なろうとするの…?
[やっと自分を見てくれた。ウェンは嬉しそうに笑顔を作り]
やめよう、ナサニエル。
私まで泣きたくなっちゃうよ……。
[そう言いながらもう既に泣いている瞳で、訴える]
ナサニエルの心が壊れちゃうよ。
誇り高い人のままでいてよ。
[ヒトゴロシのト道具に……。
それはどうなのか?
いや、元々人殺しなのだ。闇の世界に進んで足を踏み入れたんだ
――何のために?
家族の仇を討つため。
――仇って誰?
そこにいる魔女だ。
――そんな人、どこにいるの?
そこにいる! そこに居る女が! あいつが作った薬のせいで!]
[「ナサニエルの心が壊れちゃうよ。誇り高い人のままでいてよ。」
何処か遠くから聞こえたその声は、誰のものだったのか?
――大切な……家族の声でしょ。
――これだからナサニエルは。
――肝心なところで足を踏み間違えるもんね。
暖かい、懐かしい三人の声の主を、心の闇の中でようやく見つけたナサニエルは、ぽつりと言葉を落とした]
お、とうさ……。
……かあさん……。
えちゃ……。
[その呟きは、目の前のウェンディに聞こえたのか、それはわからない]
[家族を呼ぶナサニエルの姿に、ウェンは胸が詰まった]
リックが、ずっと私の傍にいてくれたみたいに、ナサニエルのお父さん達も、ずっと傍にいてくれてると思うよ?
[そして、もう一度ナサニエルを抱きしめ]
あと……。
私じゃ変わりにならないって判ってるけど……、私もナサニエルが寂しくないように傍にいるよ。
……もし私が必要なくても、ナサニエルを心配してる人が一人くらいいるって覚えてて?
[そう、ナサニエルに言いながら―――]
『そうなんだ、リックはいつだって傍にいてくれた。
いつも感じてた。
私が危機に直面したときは、必ず助けてくれた』
[自分の中で、眠るリックの魂を感じる]
『リックを、安心させてあげないと……ね。』
[クイっと……。
頭を下ろされて、そのまま小さな胸に抱きかかえられる。
じんわりと暖かい体温と、耳元に聞こえてくる鼓動の音に、ただ無言で涙が流れる。
そしてウェンディの腕の影で彼の家族が手を振りながら消えていくのを見つめながら、*ナサニエルの意識は沈んでいった*]
[どうやら落ち着いたらしいナサニエルの様子に、ほっと安堵の笑みを浮かべ、髪を撫でた]
良かった……。
[そう呟いたとき、不意に頭上から声が聞こえた]
『覚悟が出来たようだね?』
[顔を上げると、優しげな表情でウェンを見つめるデボラの意識体がそこに浮かんでいる。こくり、とウェンは頷いた。]
『思い出した後は、少々辛いかもしれないが、……今のあんたなら大丈夫だろ?』
……うん、大丈夫。
[やがて、いくらか回復し、意識を取り戻したリックが『ああ、疲れた』と笑いながら、自分の体から離れていくのを感じた]
ごめんね、リック。
『良いって。ウェンのためだもん』
[その二人の様子を、慈愛に満ちた顔でデボラは見守っていたが、やがてウェンに近づきウェンの頬を両手で包み込む。]
『いきなりたくさんの記憶を取り戻すのは、精神に負担がかかるだろうからね、少しでもやわらげられるよう手伝ってあげようね』
ありがとう、デボラさん。
リックも、……今までありがとう。
[リックがどういたしましてと笑い、それにつられるように微笑むと――ウェンの失われた記憶が、津波のように*押し寄せた*]
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