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―教会の宿坊―
[カミーラは教会の宿坊へ到着した。どうやら体調はあまり良くない様だ。]
ただでさえ怪我をしているというのに、頭も痛くなってきやがった。
今すぐ寝ないと、不味いことになりそうだ…!
[カミーラは自分の体調を考えてベッドの中に入り、そのまま眠りについた。]
[以下、翌日へ進む…。]
――道程――
[檻から出たウェンディの足取りは軽いものであった。自分の思い描いていた計算が全て滞りなく進んだ訳ではなかったが、概ね檻の中の少女を思いのままに動かす事が出来た所に笑顔の根元があるようだ。]
また誰もいない時に行ってみようっと。
ほったらかしにしちゃって出て来たけど、お姉ちゃん、今も大丈夫かな?
[誰もいない道をひとり進み、日が暮れるのだった。]
―翌日・教会の宿坊―
[朝が訪れた。カミーラは、ベッドから起き上がる。]
ふあーぁ、よく寝た。
それにしても、腕が…まだ痛い。
[負傷した二の腕がまだ痛む。]
[長く無いと言う言葉を否定する様に、首を横に振る。]
…お母さん。
短い時間でしたが、本当に有り難うございました。
心の底から──貴女に感謝している。
巻き込まずに済めば、どれほど良かったか。
貴女の目が失われずに済めば──。
[眼窩を抉られれば、自分自身であっても回復しないであろうと言うのに。──セシリアの頬に涙が伝うが、咳き込んで、息をついて、息を吸う。動作。]
仲間…と言う様なものではないのだわ──きっと。
[呼吸が苦しくなるにも関わらず、首を振る。]
けれども、これからは別々の道を…──。
お別れです。
[その後、一つの疑問が浮かび上がる。]
そういえば、この村に医者っていたっけ…。
…今から、探しに行くとするか。
[カミーラは今から医者を探すため、宿坊から出て行き、教会を後にする。]
[ジェーンは緩めた右手を、先程、打った頬へとあてて――撫でた。温かい水滴が、ジェーンの掌に染み渡る。]
さようなら……セシリア。
[毅然と。
踵を返し、檻の外へと歩いて行く。
頭から被った白い布を首元で掴んで。その左頬は、涙で濡れていた。セシリアの視線を感じないように、唯、足を進める。
空は、いよいよ、その色を澱ませてきていた――。]
―翌日
――――――――
鈍色の雲が折り重なり、重々しく空を圧してゆく。
予はすん、と鼻を鳴らす。
雨の気配がした。
静閑な水底を思わせる蒼褪めた衣服を身に纏った女が、檻の中で人狼の娘と対峙している。頭から被っていた白い布が、彼女の置かれている立場を物語っているように思えた。
曇天の中だからか、檻の前の人の数はいつもよりは少ない。
そこで、どのような会話が為されていたかはわからぬが、女の言葉に、静謐な中にも決意らしき感情が籠められているように察せられた。
――――――
疎らな人影の中に、一際背の高い男がいつしか佇んでいた。
予のよく知るはずのその男が何を考えているのか、その時ばかりは量りかねた。感情の見えぬ表情だった。
“母娘”の対峙が区切りを迎えようとした頃、
男は檻の方へとゆっくりと近づいていった。
――――
――なかなかに感動的な場面だったじゃないか。
[底意地の悪さを感じさせる微笑
ジェーンに底光りのする眼差しを投げる。]
[ジェーンの掌が頬に触れる。
肉体的な傷とはまったく言えない。けれども心が軋む様に痛む。
…別れの──それは別れただった。]
…さようなら。
本当にさようなら、お母さん。
[重たげだった曇天は灰から黒へと変化し、雨が、激しい雨が──。
温かな水滴を押し流す滝の様に、唐突に打ち付けられる。檻の天井にも。
セシリアは、去り行くジェーンの背中を無言で*見送った*。]
―村長の屋敷―
[ザバァ………ザバァ………
白い布が、木製の桶の中で水浴びをしている。]
はァ………
旦那さまァが亡くなったり、ノーマンさまァが狼っ子に腕食いちぎられて大ケガされたりでよォ……こン村ァ、どうなっちまうんだろうなァ………
[屋敷の裏に貯めておいた雨水を桶の中に注ぎ込んだ。]
奥さまァも、お嬢さまァも、心労でひでェことになってっしよォ……村ン人間は、狼っ子いじめンのに夢中だしよォ……
あン狼っ子がとっつかまってからというモノ……村はめちゃめちゃだァ……
[ネリーは冷たい水の中に手を入れ、ざばざばと白い布を洗っている。]
[ウェンディは村はずれの自宅周辺で考え込んでいた。]
人狼っていうものが本当にいて、それがセシリアお姉ちゃんで。みんなはお姉ちゃんの事をどう思ってるのかな。ネリーお姉ちゃんはずんもんって言ってたけど。
神父様とか、どう思ってるのだろう。お姉ちゃんを助ける気がある人っているのかな。
[また時間があれば、神父様なり先程の黒い姿をした女性やネリーに聞いてみようと思った。]
[俄かに雨が激しく降り出してきた――。
痛みを感じる程に、激しく。]
何を……。
[頭上で、ごろごろという音が鳴り始める。
村人は、雨から逃げ出すように去ってゆく。
暗い中――クインジーの顔の陰影が、濃く。]
[曇天模様の空の下。
痩せこけた娘が、呼吸をしている。]
……はぁ……っ
ああ、もう息が白いわなァ………
[あかぎれだらけの手で洗濯物を干すと、ネリーは屋敷の外壁を見上げた。]
……村は、どうなっちまうんだべなァ……
ノーマンさまァが、旦那さまァの代わりになるんだべか?
そうなるンかなァ………
[ネリーは、視線をそっと地に落とした。]
……仕事終わったら、広場にでも、行こうかェ。
[雷が鳴り響き、光の下、
クインジーが悪魔のように笑っていた。
ジェーンはびしょ濡れになりながら、
寒さに――そう、寒さに――震えていた。]
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