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…いや。
調べる方法は、あるかもしれない。
知りたいなら教えてもいいが…きちんと結果がでるか怪しいんでな。
妙な期待を持たせないように、言わないほうがいいと思った。
[階段を上り始めた直後、背中に掛けられたギルバートの言葉に、ローズマリーはふわりと振り返り]
ありがとう、ギルバートさん。そう言っていただけると助かるわ。ハーヴェイさんも…ありがとう。
アーヴァインさんの亡骸は…そう、明日埋めてくれるのね…。判ったわ。
心残りは――ないわね。だってあそこに居るのはただの器。アーヴァインさん自身は…今もわたしの傍にいるから。大丈夫よ。お気遣いありがとう。
お休みなさい、良い…夢を――
[口許に淡く妖しげな笑みを浮かべて。
再び階段を*上って行った*]
一応、これ使うつもり。
[ウェストポーチから取り出したのは針の入った包み。
中には数本の銀の針]
これな。俺の仕事用。純銀。
銀は昔から毒に触れれば変色する。
しかし生き物の血には反応しない。
だがこの銀は少し特殊でね。
人以外の血にも、反応するんだよ。
…わかるか?
[取り出された針とその説明を聞き、友人を見て]
銀にそういう性質があるのは知ってる。
でも、人以外の血に…?
って事は、人狼の血に触れたら反応する、って言う事なんだな?
多分反応あるな。
変色するか腐るか。何かしらはあるはずだ。
人狼は人とは言え血液まで人と完全一致ということはあるまい。
恐らくこれを刺せばわかる。
但し本数は限られている。
一度変色した針は使えない。
なら使うのは俺に任せてもらいたい。
俺が怪しいと思った人間に使わせてもらう。
勿論証人の前でな。
他の連中にはいうな。疑心暗鬼になりかかっている中でこんなこと言うのは少し怖い。
特に、ナサが心配だ。
相当気が立っているようだから。
そして勿論お前に使うのも無駄だと知っている。
わかった、ギルバートに任せる。
話してくれてありがとう。
それで人狼がわかれば…
うん、誰にも言わない。
これ以上混乱させるわけにも行かないし。
……俺の事は調べなくていいの?
[調べなくていいのかとの問いに]
なんで?
[小さく笑い]
…お前は俺の親友だよ。それで、十分だろ。
俺は人狼とつるむ程、友人に不自由はしてない。
まぁ世話になっているからな。
此れくらい言っておけば今までの借りはチャラだろ
[茶化す様に答えるも、友人の心からの笑みに、同じような笑みで]
それじゃ、俺もそろそろ戻るかね。
[踵を返しかけ、ふとソファで眠っているラッセルを目に止め]
…なぁ、ハーヴェイは…セシリアのこと、大事なんだよな?
もし…セシリアが…居なくなったら。
お前、別の人を同じように、想えるか?
借り、って…そんな風に思ってたわけ?
そんな気持ちで居るならとっくに離れてるって。
[そう言いながらその肩をぽん、と叩いて]
大変だと思うけど、任せるからさ。
俺もお前を信じてるから。
あ、そうだな。俺ももう戻るよ。
明日は…アーヴァインさんを埋葬するんだろ?
ゆっくり休まないと、ね。
おやすみ。
[そういって二階の自分の部屋へと戻っていく]
[去り際に掛けられた言葉に振り返り]
セシリアが居なくなったら……?
わからないよ……俺には…
セシリアが居なくなったら、なんて、考えたくないし……。
セシリアは、一人だけだもの。他とは比べられないよ。
……答えになってなくてごめん。
[そう答えて、そのまま二階へと]
[我ながらバカなことを、とやや自嘲気味に笑い、ふる、と頭を振り]
ラッセル。ここだと風邪を引く。部屋に戻れ。
[返事のない小さな少年。少し困った顔をしたけども]
…起きても、文句いうなよ。
[抱き上げた瞬間、その軽さに内心驚きながら、また心配でもあり]
食事くらい、ちゃんとしろ。
人に作るなら自分で食べろ。このアホが。
[ラッセルの部屋は知らず、仕方なしに自分の部屋へ。
起さないように静かにベッドへ寝かせ、上掛けをかけてやる。
苦しくないように、上のボタンを外してやると目に入るのは真っ白い包帯]
…?なんだ、これ。
怪我でもしてんのか?
[気にはなったけれどもそれ以上は触れようとせず。
細い赤い髪を指に遊ばせ溜息を一つ]
レイを忘れることは…できないよなぁ…。
俺は…こいつを…レイと重ねているんだろうか…。
[ラッセルが自分に興味を持っていないことは知っている。自分もきっとラッセルにレイを重ねているだけろうがそれでも胸が痛む]
寝顔も、笑顔も、しょげた顔も、全部同じ、か。
神様は結構残酷なこと、するねぇ。
――二階・客室――
[部屋に戻り、念のために鍵を掛けて何度も確認をして。
そして心底疲れた、と言うように、着替えもせずにベッドに倒れこんで]
……人狼、かぁ。本当に、居るんだよな……ここに?
[ローズマリーが聞いた、と言うアーヴァインの声はその存在を物語って。
あの傷を思えばそれは合点が行く話で]
……俺…大丈夫、だよな…
[もう一度ドアを見る、鍵は掛けたけれど]
……きっとギルバートが見つける、見つかる筈だ。
だから、大丈夫だ。きっと。
[見つかった人狼をどうするか、そこまでは今は考えずに]
[自嘲気味に笑い、指を髪から離すと小さく頬を撫ぜ]
お休み。良い夢を。
[小さく額へ触れるだけのキスを。その表情はきっとレイにだけ向けたそれと同じもの。
自分は備え付けのソファでごろりと横に。
飄々としてはいたが、知らない間に疲れや緊張を溜め込んでいたようで。
ある安堵を含んだ睡魔は直に...の意識を*奪った*]
[...を調べるまでもない、と、言い切った友人の言葉をもう一度思い浮かべ、苦笑ともつかぬ笑いを浮かべる]
まったく…あいつは……
[人を苦手とする彼に、そこまで信用されていた事が嬉しくて]
お前も、俺の一番の親友だよ、ギルバート。
[本人には、多分嫌がるだろうから言わない言葉を呟き、ポケットから写真を取り出す]
大丈夫、必ず戻るから。
君を悲しませたりしないから。
おやすみ、セシリア。
[もの言わぬ写真にそう囁いて、いつしかそのまま眠りに*落ちていくのだろう*]
[皆が寝静まった頃――。
今宵も...は白銀の世界を眺める。
昨晩とは打って変わって穏やかな天気。
銀色に輝く月が藍色の空に浮かんでいた]
晴れて良かったです。
明日はアーヴァインさんを弔うって言ってましたから――。
[急な寒気に...は身震いをし、振り向くが、そこには何も無く首を傾げる。
しかし、何かを悟ってしまったのか悲しみの表情を浮かべ]
――暖炉前――
[座り込み弱くなった炎に薪を焼べ、ローズマリーの話しを思い出す]
……人狼は憎悪の塊だから形を成さない…?
はは…。
[その笑いは何に向けてなのか――]
確かにそうだ、ボクは――。
[そこで咄嗟に口を塞ぎ辺りを見回し、誰も居ない事に安堵する。
誰に語るわけでもなく...は呟く。まるで懺悔の様に――]
漸く貴方の傍に行けそうですよ?
私が(食べたい位に)愛したヒューバートおじ様…。
[...は胸元を抑えニヤリ――と嗤う。これから皆が予期せぬ何かが*起こる事を思って――*]
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