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ああ、おれの故郷の村の先生は…
[一部は認めているのもあるらしいと言う、ハーヴェイの言葉に頷いて]
…って言っても、簡単な読み書きを教えてくれる牧師様なんだけどさ。
それかもしれない。奥さんがいらっしゃったから。
[赤くなるハーヴェイの、寒いと、同行は彼女に嫌がられたという話には笑って]
…あっは、そりゃそうだろ!
こんな所まで登ってきたがる女の人は…
…いや、ローズマリーさんにせよステラさんにせよ、おれなんぞよりよっぽどしっかりした足取りで、いらっしゃったってものなんだろうけど…。
ま、滅多に居るもんでもないだろうさァ。
そりゃあ雪と絶景と静けさと美味いもんっつう見事なものは揃ってるけど、デートに誘うにしたってもうちっと楽に足を運べる所にしろよな。
[いつになく取り乱してお茶を飲み干す様子には、ますますおかしそうに笑いを堪えている]
[子沢山、についてのステラの反応に「教会で世話をしている」と言う言葉を思い出し。
ギルバートが謝罪を口にするのには軽く頭を振り]
昨日遅くまで話しこんだせいかな、って。
疲れてるならしょうがないし。
[そして笑うナサニエルには少し拗ねて]
だってさぁ、恋人を紹介したいって思ったしさぁ…。
夏だったら良かったのかなぁ…。
[若干考えがずれているが気にしていないらしい]
[ステラへは軽く目だけで挨拶を。
差し出された茶を一口飲むと笑いを堪えるナサニエルと赤くなるハーヴェイへ何やら視線を向け]
ナの字。あんまりそいつをからかうなよ。
[食堂へ入って来た、ギルバートの寝ぼけ眼を目にして]
よっ、来たか。眠そうな顔してんなぁ。
そのままおネムしてても良かったんだぜ。
ギルバートさんは夢の中でご馳走、おれは人の二倍の量のご馳走を得られて、めでたしめでたしって…
[からかい言葉は、ステラの謝罪の言葉と共に背を磨る手で止まり]
いやいや、果物の丸呑みくらいおれ、よくするんだ。
大丈夫っすよ、ステラさん。
ん…捨てるくらいなら生まないで欲しいな、確かに。
[真面目に目を伏せ頷いて]
おお、確かにハーヴェイさんの言う通り…細かい気遣いをしないでもないんだ。
[マスターに面倒をかけるのも申し訳ないと、料理を昼飯にでもと今は遠慮する、ギルバートの姿にそう見直して]
うんうん、そりゃさぞ豪華な昼飯になるぜ。
今は料理は冷めてるし…もしかしたら茶も温いかもしんないけど。
[しかし結局は悪戯っぽく笑み]
心配しなくて良いよ。少なくとも場は、ハーヴェイの彼女との惚気話でアツアツなんだ。
[ちらりハーヴェイを見やってから、怒られる前に目線を果物に戻して、ぱくりとまた*一口*]
[ぽりぽりと頭を掻きながら]
……余計なことを言うんじゃなかったなぁ。
[と溜息をついて]
いや、ナサニエルの前でうっかり口走った俺が悪い。
ハーヴェイの惚気話ねぇ…。
知らんかったよ。
お前もやっぱりやることはやってたんだな。結構奥手なタイプと思ってたんだが。
[友人の恋話には流石に少し興味をもったか、かなりストレートに。実際、ハーヴェイが以前に話していたといしても忘れているのだろう]
[ギルバートに話を振られて誤魔化す事も出来ず]
あ…ギルバートが居なくなってからだから。俺が付き合い出したのって。
…覚えてるかな、セシリア…。あの子とね、うん、ちょっと……
[流石に恥ずかしいのかぼそぼそと]
セシリア…
あ〜。あの本好き娘か。
納得。なるほどね。
よかったな、良い彼女ができて。
上手くやってけそうだ。
[素直に、友人に恋人ができたことを喜ぶように。
勿論からかいの色はない]
勿論。
結構これでも心配してた。
お前そういうの興味なさそうだったからさ。
いいんじゃね?
からかわれるのは覚悟の上で存分に惚気てろ。
[笑いながらまた茶を一口]
まぁ少し、俺も寂しくはなるな。
興味はなかった…けどさ。
好きになったら関係ないんだな、って。
[寂しそうな言葉に顔を上げて]
ギルバートが友達だって事は変わらないよ?
俺のことはどーでもいいが彼女の方、大事にしてやれよ。
もし友達と天びんにかけるなら大事な人をとっとけ。
俺だっていつか…そういう人ができたら多分そっちを取るさ。
[少し自嘲気味に。「いつか」という言葉に少しアクセントがついたのは無意識か]
…どっちも大事だけどな。俺には。
[そう呟いて、続けられたギルバートの言葉を聞いて]
ギルバートだっていつかきっと…
その気になってないから気づいてないだけで、案外すぐそばに居るかも知れないよ?
さぁね。気がつかないってことは興味がないだけだ。
それに…「いつか」って言葉の意味、知ってるか?
[つい話に没頭していたが、ここにはまだ他の連中もいることを思い出し、つい口をつぐむ]
…その気になったらまた2人の時にでも話すよ。
「いつか」の意味?
[言いかけて、周りを伺うのに気付いて]
そう?じゃ、今度…気が向いたらその時に聞かせて?
あ、もうこんな時間だ…ごめん、もう休むね。
[そういって立ち上がって部屋へと*戻って行った*]
[席を離れるハーヴェイへは軽く手を振り]
おう。今日は俺がつき合わせたな。悪い。おやすみ。
[周りには聞こえないような一言をぽつり]
…「いつか」ってのは「いつまでたってもこない」って意味なんだよ。
[残った茶を一口で飲み干し、一つ溜息をつくと、まだ残っている人には軽く挨拶を]
俺も戻る。お前らも程ほどで寝ろよ。
[そのまま、部屋へ。外のぼんやりとした光は月明かりを反射した雪のそれ]
…いつまでたっても、とは…違うな。
当に過ぎてしまっていると言った方が…いいか。
[窓から雪をみながら、先程の友人の顔を思い出す。
からかわれながらも、嬉しそうな表情]
悪い、ハーヴェイ。
お前に大事な奴ができたのは素直に嬉しいが…
俺は少しだけ、お前が嫉ましいよ。
幸せになって欲しいのは本当だけどな。
[そのまま、ポツリと口にしたのは]
…レイ…
[...は静かに食堂を後にし、2階へ。
思い詰めたギルバートに...は感化されたのか、ふと愛しき人を思い出した]
……さん。
[頬を伝う雫はポタリ――と胸を抑える手の甲に。
窓から見える雪景色は穏やかな物ではなく吹き荒れていた。まるで何かが*起きるかの様に――*]
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