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[セシリアを弾劾したのはこの若女将であった。
彼女が何故にセシリアを訴えたのか、クインジーには確証のある真相を知り得ないことだった。
だが、そこに至る裏の事情としていくつか思い至ることがあった。
元々、粉屋という生業は村民の妬みを買うほどに豊かなもので、かくいう女将の家も少し前までは随分羽振りがよかったという。
それが変わったのは、この近辺の教会と信徒を管轄する修道会が村近くを流れる河川の水利権を得て大型の水車を建設してからだ。水路と遊水池の造成や水車の建設に関わるような技術は、聖職者たちによって研究され継承されてきた。領主は自領の発展のため、教会の設置と技術の移転に前向きだった。
だが、このことは粉屋のそれまでの寡占を脅かした。ここ最近では飢饉の影響もあり、生活に窮するほどに経営が傾いていたという。]
[粉屋の亭主が病没し、領主へ働きかけるすべを喪ったことも女将を追い込んだ。幾度かの陳情は功を奏さなかったようだ。
それがいきおい、領主の元で功労を立て、覚えのめでたかったアーチボルド家へのやや歪んだ怨嗟の感情を形作ったとしても不思議ではない。
女将はセシリアの眼鏡を見るたびに、領主のことを思いださずにはいられなかったことだろう。
粉屋には、セシリアとさほど年の違わない息子、ミッキーがいた。羽振りのよかった頃に甘やかされて育った彼は、暴食と怠惰から丸々と太っていた。彼はセシリアに執心だったようで、アーチボルド家の敷地内に忍び込んでは度々揉め事の種となっていた。]
[ミッキーのそうした奇行が、セシリアが人狼であるとの告発材料の発見に至る原因となったのか。はたまた、彼の変質的な行為の原因をセシリアに求めたが故の逆恨みだったのかは女将当人にしかわからないだろう。
クインジーは粉屋の女将と面識があり、ミッキーの奇行もまた知る立場にあった。修道会の命を受け、粉屋に廃業勧告をすべくしばしばそこを訪れていたからだ。
“勧告”とは言っても修道会の上役から求められた役目が聊か腹汚い種類のものだったことは確かだ。
そのことを思えば、セシリアが現在の境遇に置かれることとなったのも、遡れば己の宿業にその誘因の一端があるように感じられた。
それ故にこそ、クインジーの少女への感情は少々複雑なのだった。]
[だが、クインジーはそうした感情を表に現すことなく、女将を傲然と見下ろしながらそばを通りすぎる。
彼女は、ペッとこれ見よがしに地面に唾を吐いた。]
―教会―
[クインジーは、祈りを済ませ聖堂から出てきたばかりのルーサーと行き会った。
彼から、旅人の女についての話を聞かせられた。]
よりによってこんな時にねえ……
[この村の現在の状況は、彼女が唯に無辜の旅人であるなら災厄以外の何物でもないように思われた。]
わかりました。
たいしたことはできませんが、気にかけておきますよ。
[クインジーはそう答え、神父には詰め所で起きた出来事のあらましを話した。]
じゃあ、ちょっと気になってたこともあるんで、宿坊に行ってみます。
[気になっていたこととは、他ならぬ、セシリアの母親のことだった。狂瀾の渦中にあったその女性は昏倒し教会付の宿坊へと運ばれていったはずであった。
ルーサーがここに居るならば、彼が手当を済ませた後であろうかと尋ねてみた。すると、奇妙なことに宿坊にその姿はないという。]
妙ですねえ……
[クインジーは首を捻りながらも、ひとまず様子を改めるべく宿坊を*訪れることにした*]
─教会─
[クインジーから詰め所での出来事のあらましを聞かされるとルーサーの表情は曇った。
ノーマンの兄の権威を笠に来た横暴は今回の件で更に激しさの度合いを増したようだ。
取りあえず、怪我を負った子供達を見舞う準備をしようと、薬剤保管庫に行くことにした。
去り際に、セシリアの母について尋ねられたが、ルーサーには心当たりはなかった。今宿坊に居るのは旅人の女だけの筈である。
訝しくは思いつつも、とにかく怪我人を手当てするのが先、とルーサーは合切袋に治療道具一式を放り込み、*教会を出た。*]
資産家 ジェーン が参加しました。
―????―
お…お、お、お、…おおおお……。
おおおおおお……。
[女は涙を流し、小指を押さえて蹲っている。
右腕には汚れた包帯、髪の毛は乱れ、顔には青痣を拵え、村人に暴行された痕が――*生々しい。*]
―宿坊―
[静かに宿坊の扉を開く。光乏しく薄暗い室内の寝台の上では、ブルネットの髪の女が寝袋を毛布代わりに眠りについていた。
クインジーは女を起こさぬよう、そっと部屋を出ていった。]
お尋ね者 クインジーがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(お尋ね者 クインジーは村を出ました)
お尋ね者 クインジー が参加しました。
―水車小屋―
[水車小屋に置き忘れていた私物を整理する。
アーヴァインが持っていた検査針を改めた。
ずた袋の中から革の道具入れを出し、簡単な作業を始める。止まり木の上ではエトワールがうつらうつらと舟をこいでいた。
やがて作業を終えると、クインジーは筆記具の入った布袋を携え、水車小屋を*後にした*]
―宿坊―
[神父から部屋を提供してもらって以来、
森の探索及び、その際に調達した食材を食べることと、宿坊での睡眠を繰り返している。
そして現在、食事を終えて再びベッドで就寝しているようだ。]
…ん。誰か来たのか…?
[周囲の音にようやく気付き、女はベッドから起き上がる。]
―宿坊―
[戸口から、髪の短い件の女が姿を現した。]
よう。
神父から話を聞いたかもしれないが、教会付きで雑役を手伝っている。
クインジーだ。
……よろしく
[挨拶をする]
[戸口から出ようとした途端、赤髪の男が目の前に姿を現した。]
初めまして。私はカミーラという者だ。
今はとある理由があって旅をしている。
というわけで、こちらこそよろしく。
[男が名前を名乗ったので、こちらも簡単な挨拶に加えて自己紹介をした。]
[目の前の女は、カミーラと名乗った。5フィート3インチ前後とセシリアとほぼ同じくらいの身長だ。]
どこまで旅を?
巡礼かな。
俺も元々はこの地の者じゃないんだがね。
ああ、そうだ、これを。
よければ食べてくれ。
さっき石窯で焼き上がったばかりだ。
[教会の裏手にある庫裏で受け取ったパンを差し出した。]
食事は別に振る舞われるだろうが、腹を空かせていたら……と思ってな。
医師 ヴィンセント が参加しました。
──詰め所前──
[村人たちで立て込んだ通りで、馬を下り、従者に手綱を渡した。]
人狼騒ぎ自体は、本物のようだな。
人狼も本物なら、足を延ばして来た甲斐があるんだが。
[しっかりした足取りで、興奮した村人たちの間を進んで行く。]
……にしても、災難だ。
今はちょうど、人狼が出た――と騒動になってる。
早々簡単に村から出してもらえないかもしれねえ……
気をつけた方がいいぜ。
よそ者にはあまりいい雰囲気ではないかもしれん。
[期せずして、神父と同様の懸念を口にしていた。]
もっとも……
――あんたが人狼でなければ……の話だが。
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