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―自室・廊下―
[廊下へ出て辺りを見回す。藤峰の事を訊ければ……間違いであればと思うのに、通りかかるメイドはいないようだ]
男の理不尽さか……
[私は苦笑した。]
それを言うなら、ほら、
「女心と秋の空」って言うだろう?
男の場合はなんていうか知っているかい?
私が中国で見たものは――
おそらく誰よりも凄惨なものだっただろう。
他の人にまず見ては欲しくない類のものだ。
─3階・階段側の廊下─
「君が、影見だと謂うのか。
それで、何を、いや誰を、見たんだね?」
[雲井の声は階段の吹き抜けに微妙な反響を残す。
碧子は雲井に近付き、女王の様に階下を見下ろした。]
……影見だと仰る方が居るのなら、そう、私もお聞きしたいわ。
誰を見たのかを。
人は誰しも。
己の事を基点に考えますね。
[夜桜は、三階へとゆく。
残り香が──発汗のための匂いが仄かに枚坂の鼻腔を擽ったかもしれない。]
雲井さま。
[まるで立ち塞がるように雲居が立っている。
立ち居振る舞いは、とても凛々しい。
かろやかに踊る女の足音。
夜桜はそちらへと腕をあげると指差した。]
―二階→三階へ―
[コルネールの名も消えていた。
確かにこの眼で彼岸を見た。
だが藤峰は]
『また、旦那様のように屠られて居るの――!?』
[途中、夜桜と枚坂が向かい合っている姿を見て]
枚坂様、
藤峰さんは……!?
[誰かに声をかけられたという事実が、彼の身を一瞬竦ませたが、]
なんだ、貴様か。
[その声の主もまた亡者であったと知り、冷ややかな視線を向けた]
と、いうことはここは黄泉か?
そういうにはどうにも中途半端な場所だな。
地獄でも天国でもなく、カトリックの連中が言う所の煉獄でも辺獄でも無さそうだな。
私はこれでもキリスト教徒なのでな、このような所に来るとは。
[そして、慰めの言葉に対し]
はっ、馬鹿馬鹿しい。
私がバケモノで無かったとして、だ。
死んで何になる?皆が「可哀想にね」とでもいうのを望むか?
あんな女などいっそ、犯して殺しておいた方がまだ気が晴れたわ。
死んで、このような趣味の悪い見世物を傍観しろと?
……これもまた、バケモノどもの趣味か?
[鼻で笑いながら]
―廊下・階段方向へ―
[声の聞こえる方へ歩いていく。
組紐を器用に編んで、腰に刀を下げている……ごく自然に]
藤峰さんを、知らないか。
[近づいて、誰にともなく声をかけた]
[背後から、聞き慣れた声が言った。
「そう、私もお聞きしたいわ。
誰を見たのかを」
夜桜が指差す方に視線を動かす素振りも見せず、じっと夜桜を見据える。]
─3階・階段上─
[雲井の傍らに立ち、階段を上る夜桜を──枚坂を睥睨する。
夜桜の腕が上がり……その先は。]
私、ですの?
それで……何が見えましたの?
[うっすらと紅い唇に微笑が浮かぶ。]
[もう一つ、問う声がする。]
藤峰君は、其処だ。
[視線は移さず、空いた右腕だけで、天賀谷の部屋を指す。
言葉を切って。]
それで?
[夜桜に向けて言った。]
「男心と――春の空」
常の春の空はこんなにもおどろおどろしくはなかったろうがね。
[私は窓の外を指し示し、はははと嗤った。]
男の心も女の心も、気まぐれで変わりやすいことには違いがないってことさ。
そう、誰もが己を基点に考える。
各々にさして違いはないだろうにね。
――おそらくは、すべてにけりがつくまで俺たちはどこにも行けないのでしょうよ。
天国・地獄・煉獄・仏教徒の言う極楽浄土のいずれにもね。
[「あんな女などいっそ」の謂いに、は顔を顰め]
そういう下劣なことをいうのはどの口です?
[といい、ある程度手加減はしていたものの、罵言を吐き続けるシロタの口の両角をぎゅっとつまみ上げる。]
ご両親のどなたかは西洋の方とお見受けしますが、そういう下品な事を言ったら、石鹸で口を洗ったりされませんでしたか?
[まぁ、落ち着きなさい。と言い、手を離した。]
―三階・廊下―
!……そうか。
[雲井の声は何気ないように響き、わけもなく、藤峰は生きているのだと思った……その時は]
よかった。
[天賀谷の部屋へ向かう。藤峰の無事な姿を確かめたかった]
翠さん、藤峰君は――
[翠になんと答えたものか、躊躇われた]
天賀谷さんのところにいるよ。
だが、そこには行かない方がいい。
[枚坂に、このような状況でなければこう返した事であろう。──否、ただ、夜桜は微笑むだけであっただろうか。ここに記す事は止めとしよう。]
雲井さま。
[夜桜も、大河原の方を見ずに見詰めたままで]
―二階と三階の間、階段前―
[漆黒の蝶の様な大河原夫人が微笑む。
翠は酷く戸惑っていた。
と、雲井の声が]
……居るんですね!?
[僅かに浮いた声。
だが
「彼は死んだ」
枚坂の言葉が、残酷に現実を告げた。]
[眉間に皺を寄せながら、この天才の口を摘みあげるという神をも恐れぬ愚行を犯した手を蹴り上げる]
私の父はドイツ出身だが、生憎私に手を上げる暇があるほど家に居なかったものでな。
と、いうよりも生者相手にこのような言葉を吐く趣味はないのだよ。
[そう憮然と呟き、すぐに片眉を上げて]
それともあれかね、大麻を人前で堂々と吸うような口は洗われずとも済むのかね?
なぁに、このような商売をやっているとだね、同業者にはそういうのを嗜む者が多くてな。
凡才は閃きを得るためならヒロポンでも阿片でもやるらしいな?
全く、そのようなモノに頼らねば音楽の出来ぬ悲しき者どもよ!
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