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これは…針だわ。けっこう大きそう。
[ウェンディは匂いを嗅いだりする。直接鼻を近づけると強烈な臭気だと昏倒しそうになるので、手で手繰り寄せながら。どうやら錆びてはいないようだ。]
たぶん、これが聖銀じゃないかしら。こう、普通の鉄とは違う輝きがあるわ。
[神父様が尋問の道具に使用するためのものなのか。
どちらにせよ、ウェンディにとっては都合の良さそうなものであった。他の大人に見られてはまずいと思い、素早く布に包み、自分のポケットに仕舞いこんだ。]
ヴィンセント先生。
ヴィンセント先生、いませんか? 神父様はいましたか?
[ようやく止まっている足を動かしはじめ、祭壇の方向へ歩いていく。]
オレがもし狼っ子だったら、どんなにシアワセだったか……!
オレが狼っ子ならばよォ、腹ン中で人間を呪って、馬鹿にできンべよ……
………だが、オレぁ人間だ。
オレに唾吐く人間に尻尾振ってへえこらしねェと、オレはメシも食えず、雨風しのげる住む場所もねェ。
だから、オレぁ人間に従うしかねェ………
オレを馬鹿にする人間に、従うしかねェ………!
オレぁ、化けモンのくせに人間様よりシアワセな、狼っ子が憎い………
そして………
オレを見下し、踏み台にする、人間が憎い……!
[あまりの痛みに、意識を喪いかけていたのは一瞬だった。
赫怒と興奮が魂を震わせ、尋常ならざる力となって込み上げてくる。]
ぐぉおおおお!!!
[叫びと共に、眼窩に突き立った少女の右腕に左手が叩きつけられた。]
[この時、檻の方から叫び声が聞こえてくる。]
…檻の方へ、戻るか…!
[カミーラは、今いる場所から離れて急いで檻へ向かう。]
[彼女は、絶叫し痙攣する男の上に馬乗りになっている。
太腿でやさしく彼の胴を締めあげ、抉り取った左目を引き出しながら、残された男の右目を凝視している。]
[やがてウェンディは祭壇の中心部分に近づこうとしたが、その一歩手前で大人たちに行き先を阻まれた。]
「お嬢ちゃん、こんな所で何やってんだ!危ないからどいたどいた!」
[どうやってもこれ以上は進めてくれそうにない。ウェンディは無念にも諦めることにした。
その向こうにはヴィンセントが見た十字架があったのだが。]
セシリア、貴様ァ!!
[バランスを崩した彼女の襟首を掴み、引っ張る。彼女の躰を振り落とすと、瞬時に姿勢を整えた。
左腕の袖から滑り落とした聖銀の鎖を右手が掴む。]
[火傷を負った掌が熱を帯び、針を刺したような痛みに引き攣る。
だが、生命の危機に血が滾り、痛みを省みることなく反射的に躰が動いた。
銀の閃きがセシリアの躰に打ち下ろされた。]
[檻の前に着くと、目の前にはショッキングな場面が視界に入る。どうやら檻の人狼による負傷者が、また一人増えたようだ。カミーラは、手持ちの愛用のナイフを持って武装をして、檻の怪物に襲われている者を助けるために檻の中へ入ろうとするが…
…檻の扉には、鍵が*かかっている。*]
[セシリアの身長は、漸くクインジーの胸の下あたりまでしかない。
その彼女が、己の躰を引き倒したことに信じられない思いだった。
このように恐ろしい現実となって目の前に突きつけられてもなお。
――殺されるわけにはいかない。
ただ、その本能に突き動かされるように、到底追い切れぬセシリアの動きに直感的に反応した。]
[叩き付けられた背は猫のようにしなやかにうねる。
男の顔を見上げる。激しい勢いで滴り落ちて来る彼の血を舌先で受けた時、細い金属が滑る音が聞こえた。
それは銀色の──、]
──…ぁ、はァッ。
[鎖で打たれる痺れる様な痛みに喉元を反らす。]
[肩口から胸にかけて、焼ける様な激しい痛みに瞬時に熱を持つ。
彼女は淡い笑みを口元に浮かべ──、
そのまま、くちびるの内側へ。
──…爪の切っ先に突き刺さった新鮮な眼球を口に含んだ。]
[聖銀の痛みに身を捩るセシリアにのしかかると、両腕を掴み聖銀の鎖を巻き付けて縛め、引き上げた。]
セシリア!
貴様――
[セシリアの両手首を掴む左手は、万力のようにギリギリと締め上げられる。
彼女の躰は檻の格子に押しつけられながら高々と掲げられた。
クインジーの眼前に彼女の顔があった。]
[穿たれた眼窩から、血が迸り落ちる。
荒く息を吐きながら、クインジーは己の眼球を嚥下するセシリアを睨みつけた。
信じがたい思いで。]
やはり人狼だったか――
[耐えがたい劇痛か憎悪か、その両方によってか、クインジーの歪んだ凶相は悪鬼のようだった。]
[男にのしかかられた重みで背が撓る。
反らした喉元の内側をすべる様に、彼の眼球は彼女の体内に飲みこまれる。
──鎖で纏められた両手首が真紅に染まり、焼ける様に引き攣れる。
格子に突き当たり逃れる事が出来ない。
彼女は黄金色の目を見開き、目の前の男の凶相を凝視した。]
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