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[ステラの言葉には軽く肩を竦めるだけで。
物音のする物陰を覗き込めば拘束衣を着た――少女だろうか。
華奢なシルエットに少しだけ表情を動かす。
――面倒なものを見つけた、そんな気分だったが他人の手前、放置するわけにもいかず。
結局は逡巡した後に脅える少女にそっと話しかける。]
……物盗り……じゃなさそうですね。
随分と変わった服みたいですが……
……そのままにしておいてよろしいので?
[我ながら間抜けな問いだな、と内心で思いつつ]
[穏やかにかけられる声にすらびくりと身を竦め、恐怖にか逃げ場も無いのに牧師の足元をもがくように蠢いて、身を捩れば細い首にきつく播きつけられ白い首をあかく爛れさせる首輪にの先、プレートがシャンデリアの灯りをちらりと弾き、ほんの一瞬だけ眼前の人物の目許へと光を運ぶか]
あらあら。随分と人が増えたみたいね。
[随分と近くに来るまで気配を感じない歩みでソファの付近まで近寄れば、初めて見る幾人かに口元だけの笑みをたたえて]
初めまして。ローズマリーよ。
昨日来たばかりで屋敷の中を探検してたの。
どうやら個室も用意されているみたい。
遊技場みたいな場所もあったわ。
[肩を竦めつつ淡々とあったものを口に出す。
と、そこでルーサーが誰かと話しているらしきことを見て]
・・・まだもう一人いらっしゃるみたいね。
全部で何人来るのかしら?
[口には出すものの、あまり気になっていないようだ。]
神様なんて、居ない。
気紛れで不平等な神様なんて、要らない。
助けてなんて、呉れなかった。
優しい声は、嘘の始まり。
怖い、怖い、怖い。
[声が聞こえればローズマリーに視線を移し]
貴女がローズマリーさん?
牧師様からお名前だけは伺ってますわ。
私はステラ=ドゥースト、初めまして。
[いつものようににこりと微笑んで]
遊技場までありますのねぇ…。
退屈はしないで済みそうかしら。
[足元でもがく少女に冷えた視線を落とし。
それでもちらりと首輪とプレートが見えるとしゃがみこみ。
確認するようにそれを見て]
……セシリア、というのは貴方の名前ですか?
もう一度問いますよ。
……私は貴方の拘束を解くべきですか?
首肯くらい、できるでしょう?
[後ろから昨日聞いた声。
振り返り、ローズマリーだということを確認して。]
……っ!
[見上げる紫水晶は左目だけ見開かれ表情は歪み、しゃがみ込む牧師に激しく身を捩るも拘束具に身を包んだ状態では然程動ける筈も無く、何に対してか必死で首を振りながらもがき、傍らの牧師から少しでも離れようと身を折るも、口許を覆う拘束具のせいでまともな呼吸も出来ぬせいか苦しげにのたうつ動きは徐々に緩慢になり]
ステラさんも買わ・・・連れて来られたの?
長いか短いかわからないけど、滞在中よろしくね。
[――修道女に牧師。自分のことを思えばいささか不自然な取り合わせ。]
さて、何か主のお言葉があるまで私はゆったりさせてもらうわ。
昨日まで居たところがとても窮屈だったから。
[そう言ってソファに腰掛けると、他の面々の顔をチラリと見て
口元に笑みをたたえながら本を*読み始めた*」
[後方から聞こえる声に反応して振り向く。
人受けのよい――上辺だけの微笑み。するりと動けばはらはらと落ちる…女の香り]
[何故かそういった情報だけは過敏に拾い上げてしまうのは、刷り込まれた習性か――]
[しかし得た物から目を逸らして――]
ローズマリーさんですか…。初めまして、ラッセル・ワプリントンって言います。
[やはり先人に向けたのと同じような笑みと会釈を――]
[それこそ打ち上げられた青魚のように。
もがきのたうつ様子に見ない振りをしておけばよかったかと。
しかし暴れる度に呼吸が乱れていくのを見ると一つ溜息を吐き]
……別に危害を加えたりしませんから。
[ポケットから開錠用の細い針金を取り出し。
ステラがやってくるのにそれを一旦袖の中へと入れると]
……あまりに恥ずかしがりやすぎて会話もままなりませんよ。
[ステラに向かって肩を竦める。]
[暴れて傷が開いたのか拘束具の胸元に滲むあかは床にも身を引き摺った痕を残しはじめ、更に床を這う様に蠢けば白の拘束具は赤黒く汚れ、傍からは白い蓑虫か木乃伊の如き拘束具に包まれ見えぬとは言え、身体中の其処此処に痣と生々しい傷痕の残る身を、小さく小さくこれ以上無いくらいに小さく縮め、見上げた牧師の背後から届く声と覗く顔に視線を移し、牧師と修道女の揃う此処は一体と紫水晶は怯えの中に微か疑問を滲ませ、動きを止める]
………?
[牧師の手元が動くのに視線を移すも何がなされたのかは判る筈も無く、混乱の極みと言った様子で視線は牧師と修道女の間を彷徨う]
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