[老人世帯の雪下ろしと雪かきを終えた後、かまくらの会場に足を運ぶ。
昨日積み上げた巨大な雪の山は、かけておいた湯が吹雪の寒さで氷となりしっかりと表面を覆うように固まり、頑丈な壁と化していた]
いい感じだぜ。これなら崩れることもねーな…。
[ノックをするように軽く叩いて強度を確かめ、満足げに頷く。
集まってきた人々に小かまくら作りの指示を出しつつ、自分は風下をチェックして巨大雪山のどてっぱらにざくりと入り口を開け]
[集会所の面々が一人も参加していないことに、わずかに複雑な表情をしながらも、ざくざくと掘り進んでは掻き出した雪を化粧雪としてかまくらの外側に貼り付け、均して美しく仕上げてゆく。
最後に、奥に神棚と供物を乗せる棚を形作り]
…よし。
[無骨な男が作ったとは思えないくらい、形の整った美しいかまくらが出来上がった]