―― 結界崩壊前 ――
[溶け合って] [混ざり合って]
[けれど彼の魂は] [もう喰われていて]
[行く宛てもなく] [転生も求めず]
[寂しい心は] [孤独に震える覚悟が出来て]
――紅い緋い朱い珠へと自らを封じ込める――
[それなのに嗚呼] [遠く聴こえる遥月の声が]
恋うる相手……もう会えぬ。
青司は喰われてしまったのじゃから。
いっそ妾も常葉に喰われれば一緒に居れたんかのぅ。
[――あなた方は、しあわせですか……?]
[ゆるりと首を振り、寂しい思いで満たされて]