……
[薄暗い部屋の中で何とかやる事は終えると、所在なさげに自室のベッドへ倒れ込む。
綿の心地よい感触に普段なら安心する筈なのに、今は頭から離れない昔の記憶にまた嫌悪を抱く。
最後に兄と寝たのはこの部屋だったか。
どうして最後になったのか?
それは兄が死んだから。
確か警察の調べで兄は『自殺』と診断されていた。
兄の引き出しから遺書が出てきたから。
傍目には人にも恵まれ、優秀だった兄がどうして自殺?
小さな町で少し騒がれた事だったが、思春期であったことから何か自分達の知らない悩みでもあったのだろうと事は済んでいた]
兄さん…。俺は…