[背中に掛けられる毛布の感触が背筋を走り落ちる。]
はい…せんせ…。
でもね、時々思うの…。先生みたいな聖職者の人に触れられたら…傷を付けられたら…。
もしかしたら…わたしの罪は少しは軽減されるのかなって――
それはわたしの思い込みだけかもしれないけど…。
[促されるままわたしは再び寝間着を羽織る。
こうして時々彼に入墨を見せることによって、心なしかわたしは救われるような気がしてならない。
でも――]
これはさすがに先生にも…見せられないの…
[そっと呟いてわたしは包帯の巻かれた左腕を一度だけ抱きしめた。そして唇を当ててそっと願いを呟く。]
嗚呼…お願いだから目覚めないで…。
いい子だから――
[身形を整えたわたしは、再びカップを持ちミルクで唇を濡らした。
扱った白い液体は、もうすでに人肌まで温くなっていた。]