>>324
[少女の言葉を受けてネリーは口元が引き締まった。瞳もこころなしか遠くを見据えているようにもみえる。]
そう。いくら拒否しても希望は絶望。
一度。 もうあと一度我慢。
いつも私はそれだけの事を考えていた。
数多くの要求、いや欲求をぶつけられてきた日々。
絶望に沈むかつての屋敷。
そして自らに刻み込まれるいくつかの治らない傷跡。
希望なんてなくて当然。
希望なんてあるのか分からない。
でも、他人を見ていて初めて響いた。あるらしいということを。
だから、私はその幻想にすがっているだけ。
[ネリーは負の感情を一気に背負い、ひとりごちた。]