─3F自室─
……うう、脳が煮えてきたみたいだ。
[思考がまとまらない。というか、そもそも何か考えていなくては、という気はするものの、何のために、どのような事を、というものが欠けている。]
───思考それ自体が自己目的化している、ってか。やれやれだ。
[デスクの上から降り、空気でも入れ替えようと窓のほうへ近づく。]
?
[自分の腕時計と室内に備わった時計を見比べ、窓の外に目をやる。
───直接であれ、雲に隠されているのであれ、本来ならば太陽が天にあるはずの時間のはずなのに───]
なんてこった。夜が明けてない。
[窓を開け、身を乗り出す。昨日飽きもせずに眺めた花蘇芳も
その桃色が褪せたかのように月に照らされている。]