[ふるり。
背筋を走る寒さに身じろいで、うっすらと瞳を開ける。背の寒さに対し、凭れている身体と寄せている頬は温かい]
……ん。
あぁ…眠ってしまいましたのね… っ!
[凭れているのがソファーではなく他人の身体だと気付き、息を呑む。けれど青年は未だ眠りにあるようで、少女の声には気付かない]
……ずっと…?
[気恥ずかしさと、心に生まれる温もりと。両方で急に熱くなって、猫が擦り寄るように俯いて。小さく呟いた声は眠る彼の耳に届いただろうか?]
…ありがとう、コーネリアス様………大好きですわ。
[未だ皆が眠りにあるを確かめて、その頬に軽く薔薇の唇を寄せる。ほんの一瞬だけ触れれば、後は振り返りもせずに、ぱたたたたと、*事務所を後にするだろう。*]