──三階・十三の寝室──[さつきが横を通り抜け去って行く時、仁科は薄気味悪そうに避けた。]…疑心暗鬼。其れ以外の言葉は当てはまらぬでしょうが。[来海をちらりとみる。あれが普通に見える。]しかし、年若いのに、何も恐れるそぶりも見せない落ち着き払ったさつき様ァ、貴女が自分と同じ方を見てるとは思えませんで。